
今日は硬派にナイジェリア情勢を書こうと思ってたのですが、
面白いニュースがあったので路線変更でいきます(笑)
◆日本人は“最良の観光客" 最悪な観光客は…
オンライン予約専門の英大手旅行業者が23日に発表した調査結果で、
日本人が「世界最良の観光客」と“認定”された。
「礼儀正しさと整然とした様子」などが総合的に評価されたという。
英PA通信が伝えた。
一方、全体で「最悪」とされたのはフランス人。
フランス語に固執、現地語を話そうとしない態度などが「無礼」で
「寛大さが欠如している」とされた。
調査は、欧州のホテル経営者ら約1万5000人が対象。
日本人は「態度、行動」でも評価されたほか
「もの静か」と判定され、総合でトップ。
後は米国人、スイス人の順。
最悪ランキングではフランス人、インド人、中国人、ロシア人と続いた。
個別評価では、服装でイタリア、
フランス、スペインの観光客が「ベストドレッサー」、
米国人と英国人がワーストと判断された。
また「最も騒がしい」のはイタリア人観光客だった。
(iza!)
日本人にとって実に名誉なニュースなわけですが、
最悪なのは「フランス人」は意外でした。
これを見た他の多くの人も
真っ先に「某国の人たち」を思い浮かべたのではないでしょうか?
英国の旅行業者のランキングなので
おそらくフランス人の「頑として英語を使わない」ところが
マイナス評価になったのでは、と思います。
あと、英仏の対立意識とかね。
ワーストには、常連国の名前がいくつか見えますし、
それは大いに納得のいく結果ですが、
もう一つ付け加えてほしい国がありますね。
そうです、韓国です。
すでに対馬での彼らの横柄な態度は
雑誌等の媒体によって多くの日本人の周知するところとなり、
顰蹙を買いまくってますが、
韓国のニュースにはこの自国民の行状に触れたものには
ついぞお目にかかったことがありません。
今、YouTubeでこういう映像が流れていて
それなりにアクセスを集めているようです。
まさに傍若無人。
他人の絵馬に落書きをするなどは
まともな人間のやることではありませんね。
私の読んでいるメルマガ「モーニング・コリア」5月23日号にも
関連したニュースが載ってましたので引用します。
◇外国でみた韓国観光文化
米国・中国・日本等の観光業界従事者や関係者らは、
韓国人旅行客らが後進的な醜い形態で
国家的恥さらしを自ら招来していると痛ましく思っている。
在日韓国人が運営するH旅行社の李某(45)本部長は
「日本人たちから最も多く指摘を受けるのが、
韓国人がホテルで基本規則を守らないこと」としながら、
「禁煙場所でタバコを吸って、抗議される場合が最も多い」と語った。
ホテル職員がインターネットに韓国観光客らの醜態をアップして、
在日韓国人のイメージに打撃を受けたこともあったと
李本部長は伝えた。
日系の大型旅行社であるJTBの韓国人担当職員は
「一流ホテルのロビーで半ズボン、スリッパ姿で通る人は
地球上で韓国人しかいない」と語った。
米国ワシントンで20年ほど、
旅行業に従事してきた金永徳(キム・ヨンドク)アメリカ旅行社代表も
「韓国観光客らは団体で群れをなし行き来しながら、
大声で騒いで、マナー無視が多い」と指摘した。
写真撮影であらわれる韓国人旅行者の属性もおなじみと指摘される。
中国朝鮮族ガイドのイ・チョルジュ(37)氏は
「写真を撮るのを見れば、
韓国人と日本人観光客を区別することができる」として、
「日本人はヨーロッパ人らのように、
たいてい観光案内員の説明を注意深く聞くのに反して、
韓国の人々は騒々しく写真を取ることにだけに
夢中になる」と皮肉った。
(モーニング・コリア)
韓国も某国も
自国のことを「古来よりの礼教の国」と自称してますが、
まさに三流雑誌のインチキ通販並みの「自称」のようです。
何故、日本の隣国はこういう国ばっかりなのか?
某都知事の如く「民度が低い」と言えばそれまでですが、
おそらく近代市民社会の経験が浅いことが
大きな原因のような気がします。
某国はともかく、
韓国はそれほど規範無き国とも思いませんが、
こういう外国での羽目を外した野蛮人ぶりは
いったい何に由来するんでしょうかね?
呉善花女史あたりに詳しく伺ってみたいものです。
まあ、100年前に福沢諭吉が
「我、アジア東方の悪友を謝絶するものなり」
「悪友と親しむ者は、共に悪名を免がるべからず」
と言った気持ちがよくわかります。
溜息をつくように
今、彼の気持ちがよく理解できます。
関連資料リンク
◇福沢諭吉「脱亜論」の真意
関連過去記事
韓国と北朝鮮の間で、
分断されたままになっていた鉄道の連結が実現し、
その試運転が行われた。
韓国政府が金剛山観光開発や
開城工業団地建設などとともに進めてきた対北交流・支援事業の一つで、
韓国側では派手な祝賀行事が行われ
「歴史的な成果」として大いにたたえられている。
この南北鉄道連結事業に
韓国政府はこれまで5454億ウォン(約700億円)を投入した。
韓国から機械や資材などを持ち込み、
北朝鮮側の線路や駅舎まで造ってやったという。
一部ではロシアや中国の鉄道との連結による、
韓国からユーラシア大陸を横断する鉄道輸送、
鉄道旅行の夢が早くも語られている。
しかし、そのためには北朝鮮内の老朽化した鉄道の再建が先決で、
それにはさらに最大8兆ウォン(約1兆円)の
資金が必要との試算が出ている。
今回の鉄道連結についても北朝鮮は、
北に「南の風」が吹き込むことを警戒し消極的だった。
その結果、韓国からの食糧や
軽工業原材料の支援提供を見返りにやっと試運転に応じた。
韓国は2000年6月の金大中・金正日首脳会談の後、
対北和解・交流・協力事業と称して
膨大な資金や物資を北朝鮮に支援してきた。
ところが北朝鮮はこの間、
周知のように核開発やミサイル開発に熱を上げてきた。
韓国が食糧など生活物資や鉄道など、
社会的インフラ支援を続けてくれたおかげで、
北朝鮮は核開発など軍備強化に専念できたというわけだ。
人民軍創建記念日の先月25日、
平壌の金日成広場で行われた大々的な軍事パレードは
それを物語っている。
この軍事パレードには新型の中距離弾道ミサイルも登場している。
鉄道連結そのものは悪いことではない。
いずれは北朝鮮の民生経済、
ひいては南北統一後の経済再建にプラスとなろう。
もちろんその統一コリアとは、
国際社会から信頼される非核・非独裁体制でなければならない。
国際社会として気になるのは、
祝賀ムードの韓国で北朝鮮の核保有や軍事独裁体制のことが
忘れられているようにみえることだ。
支援・協力をテコに、
北朝鮮に核放棄や独裁体制緩和を迫る方法はないのか。
これは国際社会に対する韓国の責務である。
(iza!)
先日、韓国~北朝鮮間で
南北縦断鉄道の京義線・東海線が試験的に連結され、
試運転の祝賀行事が行われました。
この路線連結に関しては
過去記事でも書いたことがありますが、
*朝鮮半島南北縦断鉄道:京義線と東海線・・統一ムードと金づる
去年、北朝鮮の土壇場での反対で
一旦は頓挫した構想でした。
しかし、今回、上記ニュースにもあるように
渋る北朝鮮に対して韓国側が金や資材を大盤振る舞いし、
ようやく同意を取り付け、
数十年ぶりに南北縦断列車が走りました。
このニュースは世界的にも大きく報道され、
親北の盧武鉉政権は鼻高々でした。
ただ、あくまでもこれは試運転であり、
「いずれはシベリア鉄道と連結させ・・」という盧武鉉政権の構想は
遠い未来の夢でしかありません。
さて、この南北縦断鉄道の試運転中に
とんだ幕間狂言が行われ、
韓国の保守系大手紙が激怒しています。
今日はこの話題を。
南北縦断鉄道の試運転に際し、
韓国政府は十数人の名士を来賓として招き、試乗させました。
その主なメンバーは
◇李泳禧:漢陽大名誉教授、
◇白楽晴:ソウル大名誉教授
◇韓完相:大韓赤十字社総裁
◇姜万吉:親日反民族行為真相究明委員会委員長
◇宋基寅:過去史真相究明委員会委員長
◇パク・ヒョンギュ:民主化運動記念事業会理事長
◇明桂南:「ノサモ(盧武鉉を愛する会)」元代表
などです。
皆、左翼の世界ではバリバリの大物揃いで
このリストを見ていると
あまりの電波に目がクラクラしそうになります
小物は盧武鉉親衛隊の俳優:明桂南ぐらいなものでしょうか。
それ以外に、盧武鉉お気に入りの
版画家や芸術家・タレントなどもメンバーに入っており、
韓国で言うところの「コード人事」の典型です。
このメンバーの中で一番の大物は
やはり「李泳禧」と「白楽晴」でしょうね。
韓国の左派知識人の中では、この2人は別格です。
特に李泳禧は
盧武鉉政権に対して大きな影響力を持っており、
自らの影響下にある人物や教え子達を
数多く政権内に送り込んでいます。
で、5月17日当日のことです。
列車の旅を楽しんでいた李泳禧に、
一人の人物が近寄ってきました。
北朝鮮側の団長である権虎雄です。
権虎雄は李泳禧に話しかけました。
「李先生、我々が核拡散防止条約(NPT)を脱退したころ、
李先生が民族的な善意の主張を行われた。
私はこれをを印象深く覚えています」
「李先生のような骨のある方は、今後もずっと執筆活動をなさり、
書物の形ででも、後世に残していくべきです」
1994年の米朝間の核危機の時に
李泳禧は猛烈な米国批判の論陣を張り、
韓国内の左派・反米ムードを煽り、北朝鮮を擁護しました。
その趣旨は、北朝鮮の核開発は自衛のためであり、
危機を引き起こしたのは米国である、との内容です。
とんだ倒錯した内容ですが、
当時、核開発を巡って米国と睨み合っていた北朝鮮には
韓国内における友軍のような存在だったでしょう。
この権虎雄の謝辞に対して李泳禧は、
「いや、私が20~30年にわたって指導してきた後輩や弟子が、
今や韓国社会の主導権を握りつつある。
私の健康状態を心配することはない」
と答えました。
これ、公開の場での会話です。
なんと、あからさまな左派の天下宣言でしょうか。
私が引退したとて弟子達が後を引き継ぐので
北朝鮮は心配する必要はないよ。
盧武鉉政権は我々が握っている。
この発言に韓国の保守系紙が激怒しました。
朝鮮日報と東亜日報から引用しておきます。
◇韓国社会を左傾化させる親北知識人・李泳禧氏
代表的な左派知識人である李氏は、
かつて北朝鮮の核開発について
「米国は北朝鮮に対し、何かある、
何か作っていると言い張っている」と話していた。
さらに「今や北朝鮮が韓国にとって脅威だとする根拠は失われた」
という発言もあった。
北朝鮮が実際に核実験を行った後、
李氏は自らの発言についてどう説明したのだろうか。
李氏はまた「北朝鮮の核が問題なのではなく、
米国の合意違反が問題」とし、
米国が兵器を売るために、北朝鮮にミサイルや核の問題を
大きくするようそそのかしていると主張した。
さらに李氏は韓米同盟の解消を主張し、
「韓国も北朝鮮と同程度に悪であり、
北朝鮮も韓国と同程度に善だ」と語った。
「韓半島(朝鮮半島)の韓国化」に反対し、韓国の軍備縮小とともに、
在韓米軍も平和維持軍に変えるべきだと提案したこともあった。
先日、自由主義連帯は李氏を「ニセ知識人」に指定し、
哲学者で韓神大教授の尹平重氏は
「北朝鮮に盲従し、客観性を失っている」と批判した。
しかし金正日総書記にとって、
李氏はかけがえのない存在だったことだろう。
盧武鉉大統領は2003年に中国を訪問した際、
「毛沢東を尊敬する」と発言した。
毛沢東は当初から金日成の韓国侵略を援助し、
後に数十万の兵力を送って韓国軍と韓国国民を殺傷した、
統一の妨害者だった。
また大躍進運動や文化大革命により、
中国を混乱のるつぼに陥れた人物でもある。
そんな毛沢東を大韓民国大統領の尊敬する人物にまで祭り上げ、
文化大革命と紅衛兵を崇高な存在に美化した張本人が、
まさに李泳禧氏だ。
盧大統領は以前、
自身がたまたま行った親米的な発言がもとで
李氏からおおっぴらに「無知だ」と批判されたが、
それに対し何の反論もできないほど李氏に一目置いている。
また与党系勢力の間でも、
大統領候補とされるある人物が李氏について「時代の師匠」と評すなど、
李氏は精神的支柱のような存在だという。
どうやら李氏の発言のうち、
「わたしの弟子たちが韓国社会の主導権を握りつつある」
という部分だけは間違いではないようだ。
(朝鮮日報)
◇南北について国民を誤って導いた李泳禧氏の有頂天
「後輩や弟子が大韓民国を牛耳っている」という李氏の言葉は、
70年代と80年代、彼の本を読んで意識化した人々が、
盧武鉉政権で核心的役割を果たしていることを誇っているように聞こえる。
実際、大韓民国の伝統性やアイデンティティを否定し、
批判する左派政権の集団意識は、
李氏の歴史観、統一観、体制観から始まった面が強い。
李氏は北朝鮮に対し、「新しい国の革命と熱気が天を衝き、
贅沢に暮らし権勢を享受していた者が一掃された社会」と美化した。
李氏はまた、北朝鮮住民の実情について、
「トウモロコシのおかゆだけを食べ」
「栄養失調でやせ細った」などという言葉は、
韓国側の権力が国民に注入した固定観念だと主張した。
金日成に続く金正日世襲専制集団が、2300万の住民の上に君臨し、
世界のあちこちで豪華な嗜好品を購入して贅沢な暮らしをし、
多くの餓死住民を見捨てた事実について、
李氏は一言も発言したことがない。
このような李氏が民族を心配していると強弁するなら、
飢え死にし、政治的に弾圧を受けて死んだ北朝鮮住民の魂が
黙っていないだろう。
李氏は、南北社会を誤って評価し、多くの若者を誤って導き、
国家アイデンティティを揺さぶったことに対し、後悔する様子がない。
それどころか「後輩と弟子が韓国社会を牛耳っている」と喜んでいる。
李氏が犯した過ちを一つ一つ取り上げる時が来た。
(東亜日報)
保守系両紙の歯ぎしりが聞こえてきそうな文章です。
朝鮮日報の記事に、
盧大統領は以前、
自身がたまたま行った親米的な発言がもとで
李氏からおおっぴらに「無知だ」と批判されたが、
それに対し何の反論もできないほど李氏に一目置いている。
と書かれてますが、
これは盧武鉉が大統領就任後の訪米時に、
「53年前の朝鮮戦争の時に、
米国が助けてくれなかったなら、
わたしは今ごろ政治犯収容所にいたかも知れない」
「米国に発つ前までは、
知識として(米国に対する)好感を持っていたが、
時間が経つにつれ、気持ちで好感を持つようになった」
「米国は南北戦争や第2次大戦などで
自由や人権といった普遍的な価値と民主主義を掲げて勝利した。
米国は非常にうらやましいかぎりの良い国」
などと、初訪米に浮かれていたのか、
珍しく米国を誉める発言を連発した時のことです。
これが「師匠」の李泳禧の癇にさわったようで、
李はテレビ番組の討論会で、
「盧大統領は愚かだ」
「盧大統領の姿勢はかなり危険だ。
盧大統領が米国で見せた態度は、
田舎の人が『自分は分かっている』と思いこんで行動し、
後で身動きがつかなくなるのと同じだ」
「米国に接待され、前後不覚の状態に陥ってしまったらしい」
と罵倒しました。
これに対して
反論好きの盧武鉉が珍しく沈黙を守り、
両者の上下関係がハッキリしました。
とまあ、こういう李泳禧などという電波左翼が
盧武鉉の師匠筋というわけで
この政権の政治的見識がどの程度のレベルかが推察されます
北朝鮮の核問題が進展を見せない状況で
盧武鉉政権は北朝鮮に対する経済援助を再開し始め、
その一環として南北鉄道連結を行ったことに
韓国の保守層は危機感を強めていた矢先での
とんだ列車内での幕間狂言でした。
政権を観念論の化け物のような左派が壟断し、
それをあろうことか北朝鮮の高官に向かって得々と自慢する。
「政権は私の弟子達が握っている」
そりゃ、韓国の保守層も怒って当然でしょうね。
彼らにとっては屈辱的な出来事だったでしょう。
関連過去記事
◇「朝鮮戦争は内戦」盧武鉉発言に韓国保守層が猛反発
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◇韓国新統一相:李在禎・・極左と親北の「アマチュア長官」
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◇韓国:李鍾ソク統一相が辞意表明・・谷間の時代の「親北タリバン」

韓国の保守層が揺れています。
今日はこの解説を。
◆李明博、朴槿恵「マイウエイ」…姜代表仲裁案出す
姜在渉ハンナラ党代表は
李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)氏の
「ビッグ2」の最大争点である大統領候補選挙規定問題について、
6日「李前市長あるいは朴前代表の要求を受け入れることもできる。
すべての可能性を残して、今週中に仲裁案を出す」と述べた。
姜代表は京畿道城南市盆唐の自宅を訪ねた記者に
「両方に少しずつ肩を持つ機械的仲裁案は出さない。
大義名分による」としてこのように明らかにした。
しかし朴槿恵前代表は
「私は3度譲歩した。大きな原則を壊してはいけない」と述べた。
李明博前ソウル市長は朴前代表の「3度譲歩」の主張に対し、
「私は言い返さない。国民がよく分かっている」と反論した。
4日、李明博−朴槿恵−姜在渉三者会同が失敗に終わった後、
仲裁役の位置にいる姜代表が、
候補者らの機嫌を伺うものではない仲裁案を示唆することによって、
ハンナラ党の内紛事態は今週また新たな局面を迎えるものと見られる。
(中央日報)
盧武鉉大統領の支持率が地平線近くまで急降下し、
彼の与党ウリ党は脱党者が相次いでいます。
もはや死に体と化した盧政権に対して韓国保守層は
このままいけば年末の大統領選挙は保守派の大勝で終わり、
親北左翼政権の時代は終焉を迎えると楽観していました。
ところがところが・・・。
かの国の政情は意外な方向に転換を始め、
韓国保守層は大揺れに揺れています。
理由は2つです。
1,保守政党「ハンナラ党」の混乱
2,六者協議における米国の変節
以下、解説します。
<ハンナラ党の混乱>
4月25日に韓国では
国会議員の補欠選挙と地方自治体の首長選が行われ、
両方ともハンナラ党は惨敗を喫しました。
ハンナラ党の支持率は5割を超えており、
全ての議席を制する意気込みで同党は選挙に臨み、
党の大統領候補で人気抜群の
李明博・前ソウル市長、朴槿恵・前代表の二人を応援に送り込みましたが、
結果は無惨なものでした。
3議席を争った補欠選挙は1議席しか取れず、
6つの首長選では1勝5敗でした。
実はハンナラ党が選挙で負けた相手は
盧武鉉大統領の与党ウリ党ではなく、
民主党や国民中心党といった弱小政党か無所属候補でした。
選挙後の得票分析から分かったことは
ハンナラ党は、
盧武鉉支持層 VS 反盧武鉉層
という対立構造の中では
反盧武鉉の票を集めることができるが、
ハンナラ党 VS 非ハンナラ党
という図式になると
極端に弱いことがわかりました。
もともとハンナラ党は
金銭にダーティーな「利権政党」のイメージがつきまとっており、
今回の選挙の直前にも金銭スキャンダルが発覚し、
これが大いに得票に響きました。
つまり、ハンナラ党の場合は、
盧武鉉大統領という敵役がいるからこその高支持率であり、
盧武鉉という存在が無くなれば
ただの「利権政党」と捉えられ、
その輝きも消え失せるということです。
まあ、皮肉な話しですね。
あれだけ盧武鉉に対抗しているハンナラ党が
実は盧武鉉によって逆説的な意味で支持率を得ているわけですから・・。
選挙の敗北後、ハンナラ党は大もめにもめました。
もめている理由は党執行部の責任問題です。
党のナンバー1たる姜在渉代表や
ナンバー2の李在五最高委員の辞任が取りざたされました。
しかし、この混乱に輪をかけているのが
党の大統領候補選出の問題です。
今年12月の韓国大統領選挙。
ハンナラ党は8月までに党の候補を選出する予定ですが、
馬鹿馬鹿しいことにいまだに選出方法が決まってません。
ハンナラ党の有力な大統領候補は2人で
李明博・前ソウル市長、朴槿恵・前代表です。
この2人のどちらかを選ばなければならないのですが、
一般国民の支持率は李明博の方が高く、
逆に朴槿恵は党内での支持が高いわけです。
ここで候補者を選出する際に
党所属の議員や党員以外に
どの程度、一般国民からの得票も認めるかで
双方の利害が絡んでくるわけで、
両陣営は自派に有利な選挙方法を主張し、
双方全く妥協しようともしません。
同じ大統領選挙といっても
米国の共和党や民主党のように
党内にかっちりした選挙規定が有るわけでもなく、
また、党の求心力も緩い状態で、
この両陣営の対立が党の分裂につながりかねない状況です。
今、韓国の保守系マスコミは
このハンナラ党のていらくに危機感を強めており、
特に東亜日報などは
連日のようにハンナラ党を叱咤する社説を掲げています。
年末の大統領選挙が
韓国の保守層にとって楽勝と思いきや、
肝心の保守政党ハンナラ党がこの有様ですから
彼らが焦慮するのも無理はありません。
<六者協議における米国の変節>
韓国保守層の憂慮、もう一つが米国の「変節」です。
まあ、これは詳しい解説は不要でしょう。
日本の場合、米国の対北政策の転換は
北に猶予を与え、核と拉致問題の解決が遅れるという意味でマイナスですが、
韓国の場合は、ここにもう一つの要素が加わります。
即ち、自国内の左派の増長です。
あの六者協議の曖昧な合意により、
韓国の盧武鉉政権は対北援助の再開を始めています。
*南北協力:韓国と北朝鮮、関係進展
北朝鮮指導部、日米と韓の離間狙う?
韓国は先月の22日、南北経済協力推進委員会で、
北朝鮮に対しコメ40万トンと8000万ドル規模の
軽工業原料を援助すると表明しました。
また5月4日、両国は開城での実務者協議で
1,北朝鮮の鉱山の共同調査を開始
2,韓国の技術者が北朝鮮の工場で技術指導
を決定しました。
いまだ北朝鮮は
六者協議合意事項の初動措置すら履行してない状態なのに、
韓国政府は早くも「半島に春が来た」かのように浮かれています。
去年の北朝鮮のミサイル乱射や核実験以降、
米国が北朝鮮に対して強硬姿勢を取っていた時期は、
さしもの盧武鉉もうかつな北朝鮮への援助は慎んでました。
しかし、米国の政策が転換し、
ヒルが六者協議で甘い合意を行ってから、
盧武鉉はもはや遠慮の必要もないと
あからさまな対北支援に傾いており、
このあまりの露骨さにバーシュボウ駐韓米国大使は
「韓国政府は一貫した対北朝鮮政策を維持し、
6者協議と南北当局対話が
同じメッセージを北朝鮮に送ることができるよう、
歩調を合わせなければならない」
「(北朝鮮核の)非核化と包容政策は
同時に進まなければならない」
「率直に、北朝鮮が今日まで見せてきた行動からは、
非核化を決定したのか確信できない」
と韓国に釘を刺しました。
おそらく盧武鉉の狙いは
このまま南北協力を推し進め、
南北首脳会談にまでこぎつけることでしょう。
彼の親北政策の集大成であり、
また、支持率の回復にもつながる、
言ってみれば、公益と私益を両方とも満たす妙薬です。
盧武鉉にとっては、それが年末の大統領選で
後継左派候補の当選につながれば万々歳であり、
結果的に選挙に敗れたとしても
彼の任期いっぱいで南北協力の合意を山のように固めてしまえば、
いかに来年に右派政権が登場しようとも
外交路線の修正は容易でないとの読みがあるでしょう。
盧武鉉と韓国の左派は
この偽りの和平ムード到来に乗っかって
ハンナラ党と保守派に「戦争勢力」とのレッテルを貼り、
自らを「平和勢力」と喧伝しています。
事実、ハンナラ党もこの状況に押され、
太陽政策への支持を表明するという、
保守路線の軌道修正が始まっています。
このように米国の変節により、韓国左派は息を吹き返し始め、
保守派は危機感を強めています。
使い古した言葉ですが、
政治の世界は一寸先が闇であり、
高山の天候の如く、状況は目まぐるしく転変します。
盧武鉉の支持率急降下により、
一旦は勝利の凱歌を上げた韓国保守層でしたが、
このままスンナリ行くほど世の中は甘くなかったようですね。
12月の大統領選までに
彼らは態勢を立て直せるのでしょうか?
関連資料リンク
◇補欠選挙:ハンナラ党惨敗で優勢論に「イエローカード」
関連資料リンク

あまりにも笑えたので小ネタを載せておきます。
まず、今年1月のニュースから
◆巨大ウサギで食糧難解消…独農家、北朝鮮を支援
食糧難の北朝鮮国民を助けたいと、
「世界最大品種」とされる食用ウサギを養殖するドイツ人農家が、
このほど北朝鮮にウサギを販売した。
4月下旬には平壌の飼育場で餌や成育環境などを視察し、
指導に当たる計画だ。
カール・スモリンスキさん(67)はベルリンの北東、
ブランデンブルク州エーバースワルデで
「巨大な灰色」と呼ばれるウサギを飼育している。
ウサギは通常の約3倍の体長70センチ、体重10キロにもなる。
北朝鮮は、金正日総書記自ら飼育場を視察するほど
ウサギ飼育に力を入れている。
昨年のドイツの品評会で
優勝したウサギ「ロバート1世」を育てた名声を聞き付け、
ベルリンの北朝鮮大使館幹部が
スモリンスキさんを訪問したのがきっかけだった。
昨年12月にロバート1世を含む12匹を
通常の約3分の1の“友好価格”で販売。
ウサギは空輸されて平壌で試験飼育されており、
うまく育てれば年に60匹程度の繁殖が期待できるという。
スモリンスキさんは
「外国旅行も飛行機も初めてで緊張しているが、
ロバート1世が元気にしているかどうか楽しみだ」と話している。
(スポーツ報知)
北朝鮮の食糧不足解決に
一役買いたいと意気込むドイツのカール・スモリンスキ氏。
ところが今月9日になって、こんな続報が流れました。
◆巨大ウサギ北に販売ドイツ農家「もう売らない」と激怒!
北朝鮮の食糧難解決に役立てようと、
世界最大品種とされる食用の巨大ウサギを同国に販売した、
ドイツ東部の農業カール・スモリンスキさんは7日、
繁殖のために平壌に送ったウサギの飼育指導のため
今月下旬に予定していた訪朝について、
北朝鮮側から断られたことを明らかにした。
スモリンスキさんは昨年末、ベルリンの北朝鮮大使館員の仲介で、
通常の約3倍の体重10キロにもなる、
巨大ウサギ12匹を卸売価格で販売。
指導のため北朝鮮側に招待されたが、大使館員がこのほど電話で
「自分たちで飼育できる。訪朝は不要」と伝えてきたという。
スモリンスキさんは
「説明があいまいでとても怪しい。
ウサギは既に食べられてしまったようだ。
2度と北朝鮮に販売しない」と激怒している。
(ZAKZAK)
食べられてしまったようです(笑)
冒頭のスモリンスキさんとウサギのツーショットが
何とも言えない風情ですね (^_^;)
・
米財務省は10日、声明を発表し、マカオ金融当局が、
マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)にある、
北朝鮮関連口座すべての凍結を解除することを容認した。
マカオ金融当局の報道担当者は本紙に、
「口座主が求めれば、いつでも資金を引き出せる」と述べ、
口座の凍結がすでに解除されたことを明らかにした。
米国はこれまで、問題の資金をいったん中国銀行に移し、
その使途を人道目的などに制限しようとしてきたが、
今回の凍結解除でそれは難しくなった。
北朝鮮が、凍結資金が返還されない限り、
6か国協議で合意された核放棄に向けた行動を取らないと
強硬姿勢を続けたため、
米国が譲歩を余儀なくされたと見られる。
(読売新聞)
・・・という結果になったそうです。
「北朝鮮の金融犯罪は許さない!」などと拳をあげていた米国が
いまや北朝鮮に資金を返還できて「ホっ」と息をなで下ろしています。
なんでしょうかね、この落差は?
米朝合意でBDAの北朝鮮資金の返還が一旦は決まったものの、
金融技術の問題からスンナリと返還に至らず、
北朝鮮はゴネまくり、スネまくり、六者協議を中途退席し、
米国は大慌てで、汗を流して資金返還のために東奔西走。
ああ、ヒルさん大変だね、と。
今回の六者協議の合意事項が
米国政界内でも評判が悪いのは、
北朝鮮に対して妥協しすぎという政略的な部分よりも、
ヒル氏がこういう戯画的な醜態をさらしてるという、
感覚的な部分が大きいんじゃないでしょうか?
米国人の感情から言うと
これは国辱的な醜態でしょうし、
他国人から見れば滑稽そのものです。
北朝鮮人から見れば大笑いでしょう。
などと思ってたら、
この対北朝鮮金融制裁の司令塔的存在であった、
アッシャー元国務省東アジア太平洋局上級顧問の
インタビュー記事が世界日報に載ってました。
以下、引用します。
◇北への違法資金返還は誤り―金融制裁立案の元米高官が批判
年内に核実験実施の可能性も
2005年7月まで米政府で北朝鮮問題を担当し、
金融制裁の立案に中心的役割を果たした、
デービッド・アッシャー元国務省北朝鮮作業班調整官
・東アジア太平洋局上級顧問は4日までに、
世界日報のインタビューに応じた。
アッシャー氏は、
マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジアで凍結されている、
北朝鮮資金約2500万ドルをめぐる米政府の対応について、
「北朝鮮が犯罪行為で得た資金を戻すのは
まったくばかげている」と厳しく批判した。
また、米国が大幅な譲歩をしたことにより、
「北朝鮮が年内に再び核実験を行うなど、
挑発行為をとっても私は驚かない」と指摘、
北朝鮮の態度は今後さらに挑発的になるとの見方を示した。
――BDA問題をめぐる米政府の対応をどう評価するか。
北朝鮮資金の一部返還であれば、
譲歩の観点から許容されるかもしれない。
だが、全額返還というのはあり得ない話だ。
北朝鮮が犯罪行為で得た資金を戻すのはまったくばかげている。
北朝鮮に資金を提供したいなら、
その国に役立つ開発援助をすればいい。
北朝鮮指導部に犯罪資金を渡してはならない。
財務省に道理に合わない措置を取らせたのは国務省だ。
北朝鮮がまともな行動を取ることを期待して
頭金を支払ったつもりだろうが、
その考えはあまりにもナイーブ過ぎる。
米国は北朝鮮の罠にはまってしまった。
――資金返還が難航しているが。
米政府は決してしてはならない取引をしてしまい、
完全に自縄自縛の状態に陥っている。
そもそも米国が返還を約束した資金の一部は北朝鮮のものではなく、
英国の投資家のものだ。
米国の行為は、その投資家から金を盗むようなものであり、
正当な根拠もなく北朝鮮に渡そうとしている。
――今後の北朝鮮の対応は。
米政府は北朝鮮と
より良い関係を築く土台をつくろうとしたのだろうが、
実際はまったく逆のメッセージを北朝鮮に送ってしまった。
北朝鮮は悪い振る舞いをすれば、
米国は譲歩し、金が手に入ると判断したはずだ。
資金の返還は北朝鮮の態度を改めさせるどころか、
むしろ悪化させるだろう。
悪い行為をするたびに金が手に入るのだから当然だ。
北朝鮮が年内に再び核実験を行うなど、
挑発行為をとっても私は驚かない。
昨年10月に実施した核実験が、
北朝鮮にとって今回の成果を勝ち取る原点になったからだ。
米国は北朝鮮に核実験の影響力を活用すれば、
国際社会から多額の援助が得られ、違法資金も取り戻せるという、
誤ったメッセージを送ってしまったのだ。
(世界日報)
2001年秋、アッシャーは
上司であるケリー国務次官補に呼び出され、
「経済があれほどひどい状態なのに北朝鮮は何故崩壊しないのか?
これを徹底して調べるように」との指示を受けました。
それから一年をかけて情報機関を動員して調べたところ、
貿易統計には載っていない巨額の資金を
北朝鮮が不法なルートを使って稼いでいるという実態が
浮かび上がりました。
偽札・麻薬・偽タバコ、等々等。
それまで北朝鮮の不法行為については
断片的にしか把握していなかった米国ですが、
この時点で彼らの「闇経済・闇取引」の全貌を掴んだわけです。
何故、あの貧乏国家がミサイルと核を開発できるのか?
貿易では恒常的に赤字を出し、
外国からは全く信用されていない北朝鮮が
如何なる手段で外貨を獲得しているのか?
その答えがここにハッキリしたわけです。
そこから米国は動き始めます。
2003年4月、米政府内で北朝鮮の不法活動への対応策を協議する、
IAIという部署が発足しました。
IAIは国務省・財務省など各省庁・各部局を横断して
100名ものスタッフを抱えていました。
さらに、国務省内では「北朝鮮ワーキンググループ」が設置されました。
デービッド・アッシャーはこの両組織のチーフ的存在であり、
対北朝鮮の金融制裁の構想はここから生まれ、
2005年から始動を開始したわけです。
まあ、そういう状況ですから
アッシャーがインタビューの中で
「北朝鮮が犯罪行為で得た資金を戻すのは
まったくばかげている」
と怒るのも当然といえるでしょう。
なにしろ、立案者ですからね。
さて、BDA資金は北朝鮮に返還され、
ヒルは胸をなで下ろし、金正日は高笑いし、
このテロ国家をあそこまで追いつめていた金融制裁は
全てパァとなってしまいました。
日本としては一段と厳しい情勢になりましたね。
関連資料リンク
◇金正日「闇ドル帝国」の壊死:高世 仁 (著)
関連過去記事

◆韓国:米韓FTA締結で合意、車・牛肉で歩み寄り
米韓自由貿易協定(FTA)は2日、
交渉開始から1年2カ月を経て締結で合意した。
3月31日の交渉期限を延長し、
争点となっていた自動車や牛肉問題で歩み寄った。
韓国のFTA締結はチリ、シンガポール、
欧州自由貿易連合(EFTA)に次ぐ。
5月には協定文書が公開されるが、
諸手続きなどで発効は2009年になる見通し。
交渉は最後の最後まで難航した。
交渉期限は3月31日の午前7時だったが、合意にこぎつけられず、
両国は48時間延長することを決めた。
2日午前1時までの期限を再延長。
交渉が行われていたソウルでは
デモや焼身騒動など反対者の抗議もエスカレートした。
最後まで対立した分野のうち、自動車分野では
米国側が韓国車への関税を3000cc未満の乗用車については即時撤廃、
3000cc以上については3年後の撤廃とした。
現在関税率が25%に上るピックアップトラック、
(バンや多目的レジャー車・RV)は10年後の撤廃とした。
一方、韓国は米国車について、8%の関税を撤廃するとともに
現在5段階の排気量別の税制を3段階にする。
また、発効から3年以内に
自動車特別消費税を均一5%にすることでも合意した。
現代自動車グループの関係者は
「両国の市場が広くなることはいいこと」と歓迎の意を示しつつも、
「米国産日本車の輸入について
危機感を強めなければならない」と話した。
もう一つの争点のとなった農業分野のうち、
牛肉の検疫問題については、
韓国が米国産牛肉に対する国際貿易事務局(OIE)の
牛海綿状脳症(BSE)評価が5月に出た後、
その結果に基づき骨付き肉を輸入するとした。
40%の関税については15年以内に撤廃する。
(NNA)
米国と韓国がFTA締結で合意しました。
韓国保守層はこの結果に手放しの喜びようで
日頃、現政権に手厳しい保守系新聞3紙も
盧武鉉大統領を褒めちぎっています。
韓国保守層は
何やらFTA締結で全てがバラ色になるような浮かれぶりです。
こういうところがいかにも韓国らしいのですが・・。
しかし、何はともあれ、
これは韓国経済にとっては前進であることは事実でしょうし、
未だに諸国とのFTAが遅々として進まない日本の現状を顧みるならば、
国内の利害関係を押し切って
FTA締結にこぎ着けたのは見事だと思います。
ただ、上記ニュースには書いてませんが、
このFTAの締結事項の中に
韓国と北朝鮮の共同プロジェクトである開城工業団地の産品を
「韓国産」として認める含みを残したことは
日本にとっては大いに気がかりです。
この工業団地の製品を通じて
北朝鮮に外貨が雪崩れ込むようであれば、
対北経済制裁などは崩れ去ってしまいます。
この点、日本政府は米国に対して強い懸念を表明すべきです。
ブッシュ政権がこの問題を、どの程度自覚しているのか?
さて、このFTA締結の一ヶ月ほど前から
韓国保守層で大流行となっている言葉があります。
「サンドイッチ・コリア」
これには経済的な意味と政治的な意味があります。
1,経済的に韓国は、日本と中国の板挟みとなり
先を行く日本にはいつまでも追いつけず、
後からは中国の巨大な影が迫っている。
韓国製品は、日本製品と比較すれば技術と質に劣り、
中国製品と比較すれば価格に劣り、
このままではジリ貧である。
2,政治的に韓国は、大陸勢力と海洋勢力の板挟み状態であり、
朝鮮半島を中心にして
日米中露の四大国が睨み合っている現状である。
盧武鉉政権の反米親北政策により
米国との盟友関係にはヒビが入っており、孤立化し、
韓国は日米中露の間でサンドイッチ状態となっている。
上記の米韓FTAの締結を韓国保守層が望んだのは
「経済的サンドイッチ」状態の危機感からです。
この「サンドイッチ・コリア」なる造語を
最も頻繁に使用しているのが中央日報で
ここ数週間ほど、ほぼ毎日のように
「サンドイッチ・コリア~」のタイトルのついた記事を掲載していました。
内容は、
「俺たちは大国同士の板挟みだ~」
「韓国は孤立している!」
という感じで
何やら自虐味すら感じさせる危機感がこもった記事の群れです。
さて、経済的な部分はともかくとして
政治的・歴史的には
「サンドイッチ・コリア」とは
ある意味、彼らの地政学的宿命でもあります。
歴史的に「半島」とは
大陸勢力と海洋勢力の草刈り場となる傾向があります。
朝鮮半島やイタリア半島などがそうでしょう。
半島に位置する国家が
自前の巨大な国力を持てば別ですが、
朝鮮半島の場合は、人口と面積からして
大きな国力を持つことは困難であり、
結果、その大半の歴史が大陸中国の服属国であり、
近年になって海洋勢力である日本の支配下に置かれました。
まあ、厳しい地理環境にある彼らですが、
政治的な解決策は一つで
大陸勢力か海洋勢力か
自国にとって都合のいい勢力側と同盟関係になり、
他に対する以外にありません。
第三の道として
自前の勢力圏構築や中立国家となることなどがありますが、
これは韓国の国力からして空想話に過ぎません。
この意味では、現盧武鉉政権の掲げる、
「北東アジアのバランサー」構想は空論に過ぎません。
国力の裏付けが無いからですね。
本来ならば
政治体制やシステムが似通っており、
領土的野心を持たぬ日米の海洋勢力と連携し、
大陸勢力に対するというのが
彼らにとっては賢明な選択です。
そもそも、本当に「バランサー」になりたいのならば、
東アジア諸国の摩擦や紛争などに
韓国は仲介役を買ってでるべきです。
日中間の紛争など特にそうでしょう。
欧州などでは
たとえば英国とドイツがもめても
必ずフランスなどが仲介に入りますし、
その他の国々も同様です。
フランスなどは
米国と中東諸国の間に摩擦が生じると
すかさず「止め男」として仲介に登場し、
外交的な存在感を見せつけてきました。
今ではトルコなんかもそうですね。
これが外交の得点となるわけです。
ASEANにおけるシンガポールなどもそうです。
しかし、韓国は、
あるいは盧武鉉政権は、と言い換えてもいいですが、
彼らは日中間で摩擦が生じても
何らそういう動きは見せないわけです。
「バランサー」などと言いつつ、何もしないわけです。
意志もなければ、それ以前にそういう発想すらない。
むしろ、中国の反日暴動の時などもそうですが、
中国と一緒になって反日を叫んでいるのが現状です。
この一事を取ってみても
盧武鉉の「バランサー」なるものが
単なる観念のお遊びだということがよく分かります。
さて、今回の米韓FTAの妥結で
盧武鉉政権はその外交の軸足を
海洋勢力たる米国の方に若干傾けた印象です。
韓国の保守層や保守系紙が
手のひらを返したように盧武鉉を褒め称えるのは
いささか滑稽な感じがしないではありませんが、
「バランサー」などと妄言を放っていた男が
国内の反対勢力をねじ伏せて米国とFTAを結んだわけで
「やれば出来るじゃん」というのが
韓国保守層の率直な感想でしょうか。
関連資料リンク
韓国軍当局が2020年を目標に
戦略機動艦隊の建設を進めていることが確認された。
機動艦隊は7000トン級イージス艦6隻と
5000トン級韓国型駆逐艦(KDX‐?)12隻、
軽空母によく似た形状の大型上陸艦(LPX)2隻などで構成される。
特に強力な防空能力を持ち、
世界で最も強力な水上戦闘艦に挙げられるイージス艦を
6隻保有した場合、
米国・日本に次ぐ世界3位のイージス艦保有国になる。
軍消息筋は13日、「海軍で従来のイージス艦および
5000トン級韓国型駆逐艦の建造計画を2倍に増やした、
機動艦隊建設計画を進めている。
早ければ今月末までに詳細な計画を決定し、
合同参謀本部などの上級機関に建議する予定」と語った。
海軍は特に、
アジア最大の上陸艦である大型上陸艦の建造計画を、
従来予定されていた18年から14年に
前倒しする案も積極的に検討している。
これは、中小型艦艇中心だった、
従来の海軍力が大きく変化することを意味する。
また、離於島・独島(日本名竹島)で発生し得る、
中国や日本との海上衝突や、
海底資源をめぐる海洋紛争に備える意味もある。
韓国海軍は今年から12年までに
イージス艦3隻を建造する予定であり、
5000トン級韓国型駆逐艦は昨年末までに6隻を建造した。
(朝鮮日報)
韓国の7千トン級のイージス艦とは、
現在、3隻ほどが建造中の「KDX-III」と呼ばれるタイプで、
一番艦が2008年、二番艦が2010年、
三番艦が2012年に配備される予定です。
実は韓国海軍が装備するイージスシステムは
日本や米国のものと違い、
いくつかの機能を端折ったタイプです。
予算の問題なのか、米国が技術を出し渋ったのかは知りませんが、
ハッキリ言えば簡略バージョンなんですね。
ちなみにトップの画像は
「KDX-III」の完成予想図ですが、
艦橋の構造がいかにもイージス艦っぽいですね。
艦橋の横に菱形のようなものが張り付いてますが、
あれがイージス艦独特の「フェーズド・アレイ・レーダー」でしょう。
さて、マニアックな話しは脇に置いといて、
私が上記のニュースを見て思ったことは
韓国の軍事戦略が変質しつつあるということです。
軍事戦略や軍備体系というものは
その国の国家戦略を基盤として策定されます。
逆に言えば、軍事戦略や軍備を見ていれば
おのずから、その国が何を指向し、
いかなる国家戦略を内に抱いているかが推測できます。
韓国軍は現在、
「国防2020」という組織と軍備の改変計画を進めています。
その大まかな内容は、
◇総兵力を現在の約68万人から2020年には50万人に縮小。
◇陸軍は現在の約54万8000人から37万人へ、
17万7000人の削減
◇徴兵だけではなく、志願兵も導入する。
◇現在304万人の予備軍の規模を150万人に減らす。
◇兵力削減による戦力の空白を埋めるため、
軍備のRMA化を推進する。
ざっとこんな感じです。
まあ、見てお分かりのとおり、
韓国陸軍はザックリと削られるわけです。
逆に海空軍は兵員数にあまり変化はありません。
そして、上記ニュースにあったように
韓国海軍は量・質共に拡張計画を進めているわけで
ここからこの国の軍事の方向性が
北方重視から南方重視へ、陸軍重視から海空軍重視へと
変化しようとしてることが見て取れます。
ハッキリ言うならば
北朝鮮の脅威を従来よりも軽く見て、
南方、即ち、日本に
その軍備の矛先を向け始めているということです。
もちろん、中国海軍の増強も
韓国を大いに刺激しているでしょうが、
中国海軍の主正面はあくまでも台湾であり、
また、その背後に控える日本と米国であって、
韓国を標的にしているわけではありません。
また、そんなことは韓国は百も承知でしょう。
私から見ればこの軍備計画は愚策そのものです。
彼らの国家戦略は、
北方の脅威に備えつつ、
南方の海洋国家と同盟・友好を保ち、背後をかためる。
これが最善です。
現情勢下では北朝鮮の脅威は衰えておらず、
また、朝鮮半島が韓国主導で統一されても
北方の長大な国境線を覇権主義国家・中国と接することとなります。
しかし、彼らは陸上兵力を大幅に減らし、
海軍の拡張を始めています。
実に危うい選択と言わざるをえません。
この韓国海軍の拡張計画は
盧武鉉政権下の親北・親中・反米・反日姿勢からきたものでしょうが、
なんとも間抜けな軍備計画です。
これは傍目から見ていても実に危うく、
在韓米軍のベル司令官は3月7日の米上院の公聴会で、
「北朝鮮がほぼ同じ規模の兵力削減をしないのなら、
韓国政府は大規模兵力削減について慎重に検討するよう望む」
「韓国政府は兵役期間を短縮する作業に入ったが、
このアプローチ法は部隊の兵力空洞化を招く可能性がある。
こうした変化は休戦ラインの脅威に備え、慎重に進めるべき」
と懸念を表明しました。
敵と味方、脅威と非脅威の区別がつかず、
外交を過ち、軍備を無駄なことに費やす。
無能な指導者を選出した韓国の悲劇です。
一方、韓国に剣の矛先を向けられそうな我々日本人としては
実に迷惑そのものですが、
こういう狂った軍備計画をする隣国がある以上、
それ相応の備えはしていかねばならないでしょうね。
関連資料リンク
15日付の米ワシントン・ポスト紙は、
エリオット・エーブラムズ米大統領副補佐官(国家安全保障担当)が
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議での
合意内容を批判する電子メールを
政権内の関係者に送付していると報じた。
今回の合意をめぐっては
強硬派から「米は譲歩しすぎた」との批判が強く、
同紙の報道が事実とすれば
政権内部にも深刻な亀裂が生じていることになる。
同紙によると、同副補佐官は電子メールの中で、
今回の合意が各省庁の担当者による綿密な精査を経ておらず、
多くの主要な点が最高レベルで決まったと不満を表明。
特に北朝鮮のテロ支援国家指定解除に触れた部分について
懸念を表明しているという。
(時事通信)
昨日に続いて第二弾です。
六者協議の合意内容は世界に波紋を投げかけてますが、
おそらく一番これを批判しているのが
日本の世論じゃないかと思います。
特に北朝鮮が保有している核兵器の廃棄に関して
全く不透明なことが批判されています。
北朝鮮の十数個の核は
日本と米国では受ける脅威の度合いが違います。
地理的に近く、核という抑止力を持ってない日本にとっては
数個の核とて現実の脅威です。
ここが日本と米国の感覚の差でしょう。
さて、前日に今回の合意と米国の譲歩について論じましたが、
私はやはり、米国の譲歩の背景には
混沌の中東情勢があると思います。
現在、米軍がイラクにて泥沼にはまっていることは
ご存じの通りですが、
実はアフガン情勢も悪化しています。
現地の2万数千の米兵と
パキスタン側から越境してくる、
タリバン兵との争闘が激しさを増しており、
予断を許さない状態になっています。
アフガン駐留米軍はイラク情勢の悪化に伴い、
1200人をイラクへ移動させる予定ですが、
ゲーツ国防長官はその移動時期を遅らせる意向のようです。
まさに、こっちに兵力を回せばあっちが足らず、
あっちに回せばこっちが足らず、
米軍の兵力過小と国力の減衰が露呈したかっこうです。
そして、それにプラスしてイラン情勢の緊迫化です。
以下のようなニュースが流れてきました。
◇イランの核保有阻止は困難
外交解決に懐疑的−EU内部文書
13日付の英紙フィナンシャル・タイムズによると、
イランの核開発問題で、
同国の核兵器保有を阻止するのは困難だとの分析を
欧州連合(EU)が内部文書の形でまとめたことが分かった。
内部文書はまた、
交渉による解決に懐疑的見通しを示すとともに、
「経済制裁のみではイランの核問題は
解決できないだろう」と指摘している。
(時事通信)
経済制裁による解決は困難。
じゃあどうすればいいのか?
結論は2つですね。
諦めるか、軍事力で叩くか、
このどちらかです。
イランの核開発に最も神経を尖らせている国はイスラエルです。
イスラエルは欧米による対イラン交渉が
望ましい結果をもたらさないと判断すれば
間違いなく爆撃や破壊工作等の実力行使にでるでしょうね。
イスラエルは1981年のバビロン作戦で
イラクのオシラク原子力発電所を爆撃で破壊しましたが、
*イスラエル、イラク原子炉を空爆・・1981年「バビロン作戦」
イランはこの教訓に学んで核施設を複数に分散し、
さらに地下に堅牢に作っています。
これを破壊するとなると
一定規模の軍事行使が必要となり、
バビロン作戦の時のような14機の戦闘機で済むとは思えません。
下手をすると核攻撃すら行いかねません。
そうなれば中東情勢の混乱は必至であり、
制御不可能な事態に突入しないとも限りません。
また、イスラエルのみならず、
イランの核開発はドミノ倒しのように
周辺諸国の核開発に波及する可能性があります。
すでにエジプト・サウジ・ヨルダンがこれを表明しています。
米国はこれらの事態を恐れており、
また、国内の強力なユダヤロビーの政治工作もあって
イラン攻撃に傾きかけている徴候が見られます。
ここ数週間ほど、
イラク情勢へイランが介入しているとの報道が増え、
また米政府もこれを声高に非難しています。
どこまでが真実でどこまでが情報工作かは分かりませんが、
開戦への雰囲気は次第に醸成されつつあります。
とまあ、中東情勢がこんな調子です。
米国の本音としては、
「北朝鮮なんか後回しだ」ってとこでしょう。
前回も書きましたが
米国としては北朝鮮を適当にあやしつつ、
北が暴発して軍事力に訴えることは極力避けつつ、
数年単位で北朝鮮を「足止め」したいのでしょう。
この米国の思惑を北朝鮮が読んでいるとするならば、
彼らが交渉で強気になるのは当然です。
どれだけ無茶をしても米国は軍事行使しないと見透したのなら
有利に六者協議を進めていけます。
逆に青くなったのはイランでしょうね。
あの米国の譲歩。
裏読みすればイラン戦の合図じゃないかと
彼らは受け取るでしょう。
今回の合意内容はいろいろと議論されてますが、
5万トンの重油がどうのこうのとか、
60日以内に核施設を云々とか、
こういうのは枝葉に過ぎないと思います。
要は、米国と北朝鮮、
さらに言えば中国も含めた三ヶ国の力関係です。
力のバランスです。
米国が半島情勢に割ける力がごそっと抜け、
相対的に中朝の力が増した格好です。
北朝鮮は実利と力関係に敏感ですし、
ある意味、パワーバランスにこれほど素直な国もありません。
国家の外交において
最後の決め手はやはり軍事力です。
この能力が決め手となります。
それを米国が行使しがたい状況にあれば
北朝鮮の外交上の選択肢は広がるでしょう。
彼らは今後も外交戦略を有利に進めるべく、
あの手のこの手で合意内容を自国に有利にすべく、
攪乱やかき回しを行ってくるでしょう。
そして合意に従うことが自国に不利と判断すれば
他国を欺き、弊履の如くこれを捨て去るでしょう。
関連過去記事
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は13日夕、
北京の釣魚台迎賓館で全体会合を開き、共同文書を採択して閉会した。
北朝鮮が寧辺の核関連施設を停止・封印する見返りに
他の参加国は重油5万トン相当の支援を行い、
その後の措置履行に応じ、最大で重油100万トン相当を支援する。
国交正常化に向けた日朝協議や、
テロ支援国家指定解除のための米朝協議の開始も盛り込まれた。
ヒル米国務次官補は13日夜、
北朝鮮への金融制裁問題を30日以内に解決すると表明した。
北朝鮮の核放棄をうたった2005年9月の共同声明の実現に向け、
約1年半たってようやく第一歩を踏み出す。
スノー米大統領報道官は13日、ワシントンで今回の合意を
「北朝鮮の核放棄実現に向けた非常に重要な第一歩」と評価する一方、
北朝鮮が合意を守らない場合は、
国際社会を通じた制裁が継続される、と警告した。
合意文書では、北朝鮮は寧辺の核施設の活動停止・封印を行い、
国際原子力機関(IAEA)による査察も受け入れる。
プルトニウムを含むすべての核計画に関し、
5カ国と協議するとした。
北朝鮮は60日以内に「初期段階の措置」を取り、
各国は重油5万トン相当のエネルギー支援を行う。
ただ、日本政府は拉致問題での進展が前提との立場から
支援は行わない方針で、
各国もこうした日本の意向を理解しているという。
北朝鮮はすべての核施設の申告と既存の核施設の機能停止に応じ、
最大で95万トンの重油に相当する、
経済、エネルギー、人道支援を受ける。
初期段階措置が実施された後に、
6カ国は外相会談を行うとしている。
また、個別の問題を協議するため、
(1)朝鮮半島の非核化
(2)米朝国交正常化
(3)日朝国交正常化
(4)経済、エネルギー協力
(5)北東アジアの安全保障
の5つの作業部会を設置し、30日以内に初会合を開く。
ヒル次官補は13日夜、高濃縮ウランによる核開発は
作業部会で論議すべきだと述べた。
日朝関係では、
「不幸な歴史を清算、懸案事項を解決」し、国交正常化を図る。
日本側は懸案に拉致問題も含まれるとしている。
12日午後には、今協議では初めての日朝協議が行われた。
北朝鮮は200万キロワットの電力など、
大規模なエネルギー支援を要求するなど調整が難航したが、
議長国・中国は13日未明に
合意文書の第2次草案を最終案として提示した。
次回6カ国協議は3月19日に開催される。
(iza!)
この合意内容ですが
日本国民は総じて複雑な気持ちでしょうね。
譲りすぎじゃないか、と。
私も先ほどからこの内容について考えているのですが
いまいちよく分からないのは
何故、米国はここまで譲歩したのか?
ってことですね。
ここが実に不可思議ですな。
まさか、ヒルが思いつきで交渉した訳じゃないでしょうから、
何らかの合理的理由があるわけでしょう。
ここまで譲らなきゃいけない理由って何なのか?
マスコミ報道を見ていると2つほど説がありまして、
◇イラクの泥沼がよっぽどこたえている。
◇中間選挙での敗北などを受けてブッシュ政権は
取りあえず「外交的な成果」がほしかった。
後者はありえないと思います。
何故ならばブッシュ政権は
クリントン政権時での1994年のジュネーブ合意を
今まで散々非難してきたわけで、
「そういうお前がなんなんだ!」と逆批判されるのは明白だからです。
実際、早くもニューヨークタイムズ紙などは
批判の論調を掲げてますし、
米国民や米議会はこれを「成果」とは受け取らないでしょうね。
まあ、ブッシュ政権もそれは分かっているでしょう。
で、残るのは前者ですが、
私はこの可能性が高いと思っています。
要は、イラク以外ではビタ一文たりとも戦争をしたくないのでしょう。
戦争はイラクだけでたくさんですよ、と。
さらに言えば
ブッシュ政権が北朝鮮以上に重視しているイラン情勢が
今後、さらに混迷を深めていく可能性があり、
その際に「いざ、イランと開戦へ」となれるように
フリーハンドを握っておきたいのでしょう。
だから、北朝鮮が戦争へと暴発する可能性は少しでも削っておきたい。
それが数年程度の短期的なものでもいい。
米国にとって長期的に大きなマイナスになる合意内容であっても
取りあえず数年だけ、北朝鮮を足止めできればいい。
おそらくこれがブッシュ政権の思惑ではないでしょうか?
逆に言えば、北朝鮮も
この米国の思惑を読めているからこそ、
あそこまで強硬に押せるのかもしれませんね。
2月11日に朝鮮総連の機関誌が
先月にベルリンで行われた米朝交渉で
米国が北朝鮮に「30日以内に金融制裁を解除すると保証した」として
交渉での取引内容を暴露しました。
これは恐らく北朝鮮側の意図的なリークでしょうが、
ここまでルール違反をやられても
米国は怒ろうともせず、実におとなしいものでした。
たぶん、このリークは
いろいろな含みがあったのでしょうが、
一つは北朝鮮が米国の強硬度を測ろうという、
探索射撃の意味があったのでしょうね。
私はあのリークは
北朝鮮としては一種の賭だったと思います。
果たして米国が硬化するか?
それとも弱気に黙認するか?
結果は「弱気」の方でした。
米国の交渉代表であるヒル国務次官補は
べつに激怒するわけでもなく、態度を硬化させるわけでもなく、
淡々と六者協議を続けました。
あれを見て北朝鮮は
いけいけどんどんで押しまくれると
ふんだのではないでしょうか?
さて、この合意内容については
また後日じっくりと検証したいと思います。
関連資料リンク
◇ほくそ笑む北 履行に疑問符 6カ国協議合意
関連過去記事

今日の2つ目の記事です。
◆核凍結とエネルギー支援、2カ月内に同時履行
北朝鮮の核問題に関する6カ国協議の議長国である中国が
協議初日の8日夜、参加国に対して、
北朝鮮が寧辺の実験用黒鉛減速炉などの
5カ所の核関連施設の稼働停止・閉鎖を2カ月以内に行うと同時に、
残る5カ国が同期間内に、エネルギーの提供などを開始するとの
「同時履行」の原則を提示していたことが分かった。
韓国の聯合ニュースが9日、北朝鮮の核廃棄に向けた、
「初期段階措置」に関する合意文書草案の内容として報じた。
同ニュースによると、草案はA4サイズ1枚で、
核廃棄を原則合意した2005年9月の共同声明の履行のための
5つの作業部会の設置が明示されているという。
5つの作業部会は
(1)非核化(核廃棄)
(2)エネルギー、経済支援
(3)北東アジア安保協力
(4)米朝関係正常化
(5)日朝関係正常化−という。
草案の項目は9・19共同声明と似ているといわれる。
また、同ニュースは外交筋の話として、
8日の全体会合などで北朝鮮は
マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」の金融制裁解除問題や
軽水炉支援要求には触れていないと伝えている。
この報道について、韓国政府は「コメントしない」との立場だ。
一方、草案は
北朝鮮の核関連施設凍結による具体的な見返りについて触れていないが、
米MSNBCテレビ(電子版)は8日、米政府当局者の話として、
北朝鮮は1億ドルの燃料支援のほか、米朝両国間の外交関係の樹立、
国連制裁の解除を求めていると報じている。
(iza!)
六者協議で
「北朝鮮の核廃棄に向けた初期段階措置」とやらが
俎上にのぼっております。
単純に整理すると、
<北朝鮮>
寧辺の実験用黒鉛減速炉などの
5カ所の核関連施設の稼働停止・閉鎖を2カ月以内に行う
<日米中韓露>
北朝鮮にエネルギー援助を開始
この外交取引というわけですね。
まあ、この措置は「初期段階」などと銘打っているわけで
この後の本格的取引、
つまり米国の金融制裁の解除、
日本の制裁解除、中韓による大規模援助再開、
こういうのを念頭に置いているのでしょう。
どういう結果になるのか予断は許しませんが、
この「初期段階」の外交取引に関して、
メルマガ「モーニング・コリア」の2月2日号に
興味深い解説が載っていたので引用しておきます。
◇【北朝鮮】北、寧辺核施設凍結しても核兵器は放棄せず
北朝鮮は北核6者会談で
戦略的価値が減少した5メガワット級原子炉など、
寧辺核施設は交渉カードとして活用するだろうが、
核兵器計画で得た10個余りの核兵器や
プルトニウムは放棄しないだろうと、
アメリカ国内の韓半島専門家が31日展望した。
クリントン政府とブッシュ政府初期の国務省対北朝鮮特使を務めた、
ジャック・プリチャード韓米経済研究所(KEI)所長はこの日、
ワシントン特派員懇談会で
北朝鮮は核兵器計画の施設に対する交渉と、
核兵器計画の結果のプルトニウムおよび核兵器に対する交渉を
区分して協議に入るだろうとして、このように主張した。
プリチャード所長は
「寧辺原子炉で抽出したプルトニウムから
既に10個余りの核兵器を持っている北朝鮮に、
核兵器1、2個をさらに持つことは重要ではない」とし、
北朝鮮が寧辺核施設凍結を示唆したという観測が出されているのは、
「戦略的価値が減少した寧辺核施設を
交渉カードに使おうとするものだ」と分析した。
彼は「寧辺核施設は、
単に1年に核兵器1個を作れるプルトニウムを生産できる程度で、
品質に対する疑問もずっと提起されてきた」として、
「北朝鮮は米国から経済的利益を得られるなら、
寧辺核施設凍結問題で協議に入り、
成功すれば、北朝鮮としては上出来の取引だ」と明らかにした。
彼はしかし
「北朝鮮は核兵器やプルトニウムに対しては
絶対に放棄しないようだ」との見通しを示した。
(モーニング・コリア 2007/02/02)
だそうです。
つまり、
<北朝鮮>
戦略的価値が減少した核関連施設の稼働停止・閉鎖
10個余りの核兵器はそのまま。
<日米中韓露>
北朝鮮にエネルギー援助を開始
と、こういう取引になるわけですね。
日本はこれに明確に反対すべきでしょう。
ここで手を打たなければならない必要性など日本にはありません。
現状の困窮に頭を抱えているのは北朝鮮であって
日本が譲歩する必要はないでしょう。
日本が解決すべきは核と拉致であり、
「肝心の核兵器はそのまま」「拉致には言及せず」、
これで譲歩なんざ冗談じゃねえよという感じですね。
*メルマガ:モーニング・コリア
・

前回と前々回の続きです。
*半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン
<今後の北朝鮮の路線は?>
前々回の「その1」において
中国の思惑と意図について書きました。
即ち、
「北朝鮮の国家体制・統治システムは崩壊させない」
「トップの指導層のみをすげ替える」
「米国と韓国に介入させず、半島の分断を固定する」
北朝鮮はこの中国の意図をよく見抜いています。
見抜いた上で中国を利用しています。
つまり、
「我が国が崩壊したら困るのは貴国だろ?」
「韓国による半島統一や難民の大量流入は
貴国の国益に反するはず」
「だから食料と原油を寄こせ」
こういう発想ですね。
まあ、凄まじいばかりの性根としか言いようがありません。
北朝鮮は米国に対して「瀬戸際戦術」を行ってますが、
これは中国に対しても同様だということです。
北朝鮮経済と国家システムの命綱は
中国が握っていると言われています。
それは原油と食料の援助によってですが、
その中国があれだけ警告しているにもかかわらず、
平然とミサイル乱射や核実験を行う北朝鮮。
その不可思議さを解く鍵は
「崩壊したら困るのはお前らだろ」
このセリフの中にあります。
ただし、中国の援助は
あくまでも最低限のレベルでしかありません。
即ち「生かさず、殺さず」。
北朝鮮としては短期的なその場しのぎにはなっても
長期的にこの状態が持続すれば
やはりジリ貧となってしまいます。
結局、彼らはどこかで国家の生存のために
活路を見いださざるを得ません。
もともと北朝鮮の国家戦略は2つの方向性がありました。
1,軍事的侵攻による半島の統一
2,韓国を思想的に赤化し併呑する。
(対南赤化路線)
1は物理的な力で、2は思想で、というわけです。
1に関しては70年代から国力に開きが生じ始め、
今や軍事力による侵攻はほぼ不可能といっていいでしょう。
不可能を可能にする魔法の鍵は
核弾頭を搭載したミサイルの開発ですが、
まだまだ数年から十数年先の話しです。
2が一番現実味がある策です。
実際に、北朝鮮の努力と韓国自身の油断で
90年代以降の韓国は親北左傾化し、
この路線は半ば成功の状態にまでこぎつけていました。
本来、北朝鮮が取るべき最善の道は
この2の対南赤化路線だったのですが、
結局、北朝鮮はそれを中途半端にしか進めませんでした。
それは何故か?
北朝鮮自体が崩壊寸前に至ったからです。
目先の食料とエネルギーが欠乏したからです。
だから彼らは数年後にしか結果の出そうもない対南赤化よりも
核とミサイルによる瀬戸際戦術を選び、
目先の小利を追わざるを得なくなりました。
具体的に言えば
小泉政権末期からの日本の対北制裁の強化と
米国の金融制裁の開始です。
この打撃が大きかったわけです。
そして去年のミサイル乱射と核実験が行われたわけですが、
これにより韓国内の親北ムードは冷や水を浴びせられ、
太陽政策を行っていた盧武鉉政権の支持率低下に
一層の拍車がかかりました。
また、北朝鮮が敵視する野党ハンナラ党の支持率が上昇しました。
こうして長年、
北朝鮮が地道に進めていた対南赤化工作は
大きく後退したわけです。
それは国家の窮乏により
遠くの大利よりも目先の小利を追わざるをえない、
彼らの固有の事情があるわけです。
そして小利を追いかけるために
むざむざ大利をドブに捨てるようなことを
してしまったわけです。
まあ、なんとも北朝鮮にとっては悲痛な話しですが、
これは国家だけではなく、企業や個人も同様ですね。
貧乏ゆえに目先の利益に汲々とし、
遠大な投資は見送らざるをえない。
なんだか北朝鮮が他人とは思えませんな(笑)
まあ、冗談はともかく
長期的な2つの大きな戦略方針は
今や国家の困窮により、放棄か保留せざるをえない北朝鮮。
結果的に今後の彼らの戦略は
短期的実利の追求の連発になってくると思われます。
つまり半年から一年後のエネルギーと食料の追求、
国家の生存を求めてのあがきです。
<北朝鮮の次の一手>
短期的実利の追求。
次の一手として予想されるものは2つでしょう。
1,南北首脳会談の実現と韓国の援助の引き出し
2,一層の瀬戸際戦術の推進
1は単なる一時しのぎです。
上述したように
かつて北朝鮮は対南赤化路線の推進により、
韓国の全面赤化と吸収を意図していましたが、
北朝鮮の核実験と国際社会による猛非難、
韓国内の親北派の退潮と盧武鉉政権の弱体化により
この路線自体は不可能となりました。
ただ、彼らは切迫した食糧事情を打開するために
南北首脳会談を盧武鉉政権に持ちかけ、
援助を引っ張り出すことはやるかもしれません。
しかし、これは一時しのぎにすぎませんし、
北朝鮮の窮状の抜本的解決にはなりません。
何故ならば、一年後に韓国では大統領選挙が待っており、
今のままでは親北左派の候補が大敗するのは確実だからです。
最終的に北朝鮮が打開策とするのは
瀬戸際戦術の強化です。
これしか彼らの選択肢は無いでしょう。
去年にミサイルを乱射し、核実験を強行し、
米国の金融制裁の解除を求めてきた北朝鮮ですが、
解除どころか、一層の制裁強化に直面してしまいました。
米国のみならず、日本の制裁も厳しくなってしまいました。
あてが外れ、事態は一層悪化してしまったわけですが、
彼らの発想は
「では、もっと強烈なやつを」
「米国と日本が譲歩せざるを得ないような強力なやつを」
となるでしょうね。
では、この「もっと強烈なやつ」とは具体的にどういうものか?
それは過去記事でも何度か書きましたが、
*北朝鮮:テポドン・ノドン、ミサイル連射・・強攻策の行き着く先は?
予想されるものは2つです。
1,対南軍事侵攻の構えを取り、38度線沿いに大兵を集結させる。
2,日本との軍事紛争を意図的に引き起こす
1は第二次朝鮮戦争の危機を煽ることです。
もっとも第二次朝鮮戦争が起きても
北朝鮮が勝つ見込みなど百に一つもありません。
老巧化し、稼働率も下がっている兵器と
食糧不足で士気が弛緩している北朝鮮軍が攻めてきたところで
米韓連合軍の圧勝に終わるでしょう。
ただ、これは北朝鮮自身も分かっています。
それを承知の上で
戦争すればそっちも軍民合わせて万単位の死傷者が出るよと
脅しをかけるわけです。
さらに38度線沿いの長距離砲の攻撃により、
ソウルを火の海に変えるよ、と。
これは韓国にとっては厳しいですね。
実にシビアなシナリオです。
もちろん米軍にも多くの死傷者が出るでしょう。
そして北朝鮮は言うわけですな。
それが嫌なら金を寄こせ、制裁を解除しろと。
ただ、これをやると
韓国内の親北ムードは完全に消え去るでしょう。
まだ北朝鮮が対南赤化路線に未練があれば
韓国はターゲットにしないかもしれません。
その場合は、2の日本との対決路線です。
まず、なんだかんだと日本に難癖をつけます。
「これ以上の制裁は民族の生存を揺るがす」
「よって我々は自衛の権利を行使する」
とか言いつつ、
日本海や日本海沿岸において
海空軍を使ってわざとドンパチやるわけです。
海保の巡視船を撃沈するとか、
原発がある県の沖合に弾道ミサイルを撃ち込むとか。
あるいは竹島あたりがいいかもしれませんね。
竹島からちょっと離れたあたりにいる海保の巡視船に
北朝鮮のミサイル艇が攻撃して撃沈する。
そして声明を出すわけです。
「独島(竹島)は我が民族固有の領土である」
「我が国土は寸土たりとも日帝には渡さぬ」
これを言われれば韓国人あたりにも
共感する連中が出てくるかもしれませんね。
また、それが狙いでもあるわけですが。
そして北朝鮮は要求するわけです。
制裁は解除せよ、金を寄こせ、
さもなくば我々は生存のために行動せざるを得ない、と。
これらの瀬戸際戦術を行使されて
韓国はぐらつかないでしょうか?
日本の世論は動揺しないでしょうか?
それを北朝鮮は狙うでしょうね。
さて、3回に渡って半島情勢に絡めて
中国と北朝鮮の思惑について書いてきました。
北朝鮮はもはや崩壊寸前の国です。
そしてそれ故に彼らは
目先の食料とエネルギーの確保に血眼になり、
結果的に国家百年の計にとって
マイナスになる行為を平然と行っています。
飢えた人間が目前の他人の食料を奪うが如く、
彼らの一手一手は常に国家の信用を落とし、
さらに彼らの進路は細く困難な道となっていきます。
悪循環、困窮のスパイラルに北朝鮮は落ち込んでいます。
その落ちていく先に亡国か体制崩壊の奈落があり、
それは年内にやってくるものと私は思っています。
関連過去記事

前回、半島情勢に対する中国の思惑について書きました。
では、当の北朝鮮自身の思惑は?
さらに彼らの戦略や発想パターンはいかなるものか?
これを今回と次回の2回に分けて書きます。
<北朝鮮の発想パターン>
北朝鮮という国家の発想パターンには
以下の3つの事柄が大きく影響しています。
1,マルクス・レーニン主義譲りの弱肉強食的世界観
2,大国に圧迫されてきた民族の歴史
事大主義と鋭敏な歴史的被害者意識
3,民族の南北分断という固有の環境
1と2はそのままですね。
解説不要です。
3について詳細に説明しておきます。
北朝鮮という国家の性格を考え得る際に重要なことは
この国が分断国家の片割れだということです。
もし「朝鮮民主主義人民共和国」という国が分断国家ではなく、
日本のような同一アイデンティティの統一国家であれば
今のような攻撃的な国であったかどうか?
南北双方の国民が等しく思っていることは、
現在、民族は南北に分断されているが、
本来のあるべき姿は統一された状態である。
ということです。
つまり「統一」が彼らの理念です。
これは朝鮮民族のみならず、他国の人間もそう思っている。
分断は一時期の現象であり、本来の姿ではないと思っている。
この統一という民族理念は
南北双方の国家戦略を常に拘束しています。
そして彼らの発想に多くの影響を与えています。
北朝鮮から見れば自国の進路は二つしかありません。
1,北朝鮮による韓国の併呑
2,韓国による北朝鮮の吸収
つまり単純に言うならば
「殺るか、殺られるか」ということです。
自分が相手を呑み込むか、逆に相手に呑み込まれるか。
平和的手法による南北の合併という発想は北朝鮮にはありません。
セレモニーとして平和的合併を装うことはあっても
現実の弱肉強食の世の中では
そんなものはただのおとぎ話に過ぎないと思っています。
北朝鮮の国家戦略は
常にこの発想を大前提としています。
「殺るか、殺られるか」
「呑むか、呑み込まれるか」
同じ民族でも韓国の場合は
経済発展により裕福となり、
国力でも北朝鮮をはるかにしのいでますから
まだまだ発想に余裕があります。
また、韓国は民主主義国家ですから、
裕福となった個々人が
「統一」という民族的理念・建前とは別に
貧乏な北と統一した場合の
生活レベルの低下を考えざるをえません。
しかし、北朝鮮にはそんな余裕はないわけです。
そして南を併呑できればより豊かになれる。
理念と実利の双方で統一を強く望むわけです。
今、北朝鮮指導層は
国民を飢えさせて先軍政治の名のもとに軍備を拡張し、
貧弱な国家予算を圧迫しながら核武装に邁進していますが、
これは西側先進諸国の人間から見れば実に奇っ怪な光景です。
狂っているとしか思えません。
正気を疑うような国です。
しかし、北朝鮮指導層からすれば
これは当たり前の状態なのです。
南側の韓国は豊かとなり、
先進兵器で武装した軍隊を持っている。
北朝鮮がこれに対抗するには
国家予算を傾ける勢いで軍備を拡張せねばならない。
これが彼らの発想であり、
「殺るか、殺られるか」という北朝鮮流の観点から見るならば
至極当然の結論となるわけです。
彼らは
貧弱な国家予算に比例した貧弱な軍隊しか持たなければ
たちまち韓国とその後援者たる米国に
攻め滅ぼされると思っている。
人は自らの尺度で他人や世界を計るものですが、
北朝鮮は弱肉強食・権謀詐術の世界観で他国を計っている。
自らがそうであるように
他国もまたそういう国々だと思っています。
その彼らが核兵器を持ったことは
周囲の大国に対する対抗心と共に、
南から呑み込まれないための一つの保険です。
これを韓国人はどれだけ意識しているかは知りませんが
北朝鮮が核を保持し、
それを搭載する弾道ミサイルの開発に狂奔している今、
これが完成に至ってしまえば
韓国主導による統一の芽はほぼ消えるということです。
韓国人自身はそこまでは考えてないようですが・・。
このように北朝鮮という国家の発想は、
マルクスレーニン主義譲りの弱肉強食的世界観や
大国に圧迫されてきた民族の歴史と共に、
南北分断という固有の環境に強く強く影響されています。
こういう「殺るか、殺られるか」などという、
ヤクザのような発想で国家を運営していけば、
他国民を拉致し、麻薬や偽札を売りさばき、
権謀詐術を外交の基準とし、
他国との約束を破ることを恥じることもない、
ああいう狂ったような国になるのは
ある意味、当然といえば当然の話です。
あの崩壊寸前の貧乏国家が
ミサイルを乱射し、核実験を行うことを
諸外国は奇異な目で見つめていますが、
これは北朝鮮流に言えば
やるべくしてやった当然の行為なのです。
悪鬼は自らが悪鬼であることを
べつに変であるとは思っていないのです。
<北朝鮮の外交と戦略の原則>
では、上記の北朝鮮の発想パターンから
彼らの外交と戦略の原則を考えてみましょう。
それは以下の3つです。
1,道義・信義等の要素が皆無
2,実利と打算のみで手段を選ばない
3,短期的実利の追求
まず、我々日本人も最近になってよくわかってきたことが
北朝鮮の外交には「信義」の文字が無いということです。
倫理的要素など皆無ですね。
また、逆の言い方になりますが
実利の追求と打算のみで、手段を選びません。
どんな悪辣な手段を取ろうと平然としています。
そして3の「短期的実利」の追求ですが、
これは90年代以降の北朝鮮の国家戦略の特徴となっています。
つまり、国力が貧弱で
食料やエネルギーは万年欠乏の状態にありますから、
10年・20年単位で国家の計を考えるより、
半年・1年後の目先の食料や原油の獲得に血眼になっています。
いわば国家自体が自転車操業の状態で
目先のやり繰りに必死となっている状態です。
こぎ続けねば倒れるわけですから。
彼らも国庫が富に満ち、国力が充実しているのならば
もっと数年や十数年単位で
国家の施策を考えていきたいのでしょうが、
いかんせん国自体が破産寸前なので
遠くの大利よりも目先の小利を追い求めざるを得ないのです。
そして、この短期的実利のみを追求するために
結果的に長期的には
国家にとってマイナスとなることを平気でやってしまう。
他国人が見たら不可思議な北朝鮮の一手一手も
この観点で見ればスッキリと分かります。
<続く>
関連過去記事
塩崎恭久官房長官は9日午前の記者会見で、
自民党の山崎拓元副総裁から同日朝に訪朝する旨の
電話連絡があったことを明らかにしたうえで、
「6カ国協議が難航を極めているうえ、
日本政府は国民に北朝鮮への渡航自粛を要請している。
国会議員が渡航するのは望ましくない」と強い不快感を示した。
山崎氏は滞在先の北京から
「北朝鮮行きの飛行機に乗る。
議員外交を行い、日朝平壌宣言の履行について話し合う」
と塩崎氏に伝えた。
首相官邸側に対する訪朝の連絡はこれが初めてで、
塩崎氏が自粛を求めても耳を貸さなかったという。
政府内では山崎氏の訪朝について
「何で訪朝するのかよく分からない」と