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告知・・引っ越し故の懈怠

まあ、告知というか、他愛ない日常話というか、
あるいは言い訳というべきか・・。

皆さん、実は今、私は引っ越しの真っ最中でして
現住所から比べるとかなりの遠隔地に引っ越しします。
そうとうの遠方・遙か彼方で今から目がクラクラしています。
今日はようやく引っ越し作業も大半が片づき、
2月初頭に新居に移る予定です。

しかし、普段からろくに整理もせず、
雑然とした部屋だったせいで
押入の奥から賞味期限を5年過ぎたコーヒー缶の集団が出てくるわ、
買ってから一回も着たことがないスーツを発見するやらで
人跡未踏の空間と化していた我が押入に呆れる思いでした。

ここ数日は荷物の梱包やらなんやらで大忙しで、
リサイクルショップに不用品の山を売り飛ばし、
古本屋にせこい額で大量の本を持って行かれ、
いざ片づけとなると昔の漫画本を読みふけってろくに進まず、
「マカロニほうれん荘」はやっぱり爆笑だぜ、などと思いつつ、
それやこれやで多忙な日々を送っています。

よって・・・ここからが本題ですが、
ここ一週間から10日間ほど
ブログの更新が極めて不定期・不明瞭になります。
えっ、前からそうだって?
などと突っ込む方もいらっしゃるでしょうが、
それは脇に置いておきましょう (^_^;)

新居に移れば、まずネットの配線が必要となります。
是非とも光を敷いてやろうともくろんでいるのですが、
まあ、実際に敷くまでには一週間以上はかかるでしょうね。
それまではモバイル接続で我慢するしかありません。

というわけで、ブログの更新がとびとびになると思いますが、
光を通した後は、またバリバリ書きたいと思っております。

以上、告知でした m(__)m



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中国の宇宙開発と軍事利用 その4・・宇宙戦と制宙権


  北京航天員科研訓練中心にある宇宙飛行士訓練用のシミュレーター.jpg


中国の衛星破壊実験に絡めて
かの国の宇宙開発と軍事利用の現状について。

今回が最終回です。

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

中国の宇宙開発と軍事利用 その2・・人民解放軍総装備部

中国の宇宙開発と軍事利用 その3・・ガリレオと北斗


中国外務省は23日の定例記者会見で、
ようやく衛星攻撃実験の事実を認めました。

やれやれ。
他国から指摘されないと
事実を公表しない国なんですね。

中国外務省は定例記者会見で、

  「中国は宇宙空間の平和利用を主張しており、
  宇宙空間の軍事化や軍備競争に反対するとの立場に変化はない」

  「この実験はいかなる国家に向けたものでもなく、
  いかなる国家にも脅威にならない」

  「中国は国際体制の積極的な参与者であり、
  国際社会の責任ある建設者である」

  「われわれは、宇宙は全人類の共通財産であり、
  平和目的に利用されるべきだと考えている。
  宇宙の平和利用に関する国際協力を各国と実施していきたい」

と述べました。

全世界が信用しないようなセリフを
しれっと言ってくれますね。
こういう国だと分かっていても呆れ果ててしまいます。

ここで、この実験に対する欧米紙の論調を2つ載せておきます。


◇宇宙の軍備管理に取り組め
 
 中国は先週、地上発射ミサイルで自国の人工衛星を破壊し、
 過去20年以上の間で初めて
 衛星攻撃兵器の実験に成功した国となって、
 各国の間に懸念と恐怖を広めた。
 こうした挑戦的な示威行動は、
 米国の軍事、情報衛星を危険にさらし、
 宇宙での軍拡競争の危険もはらむものだ。
 ブッシュ政権が、その好戦的態度と
 宇宙での軍備管理条約の検討さえ拒否することによって
 中国を責める資格を失っているのは残念なことだ。
 ブッシュ政権は方針を転換して、
 衛星攻撃兵器の実験や使用を禁止するための交渉に参加すべきだ。
 
 中国の実験では、
 約500マイルの高度で老朽化した通信衛星が破壊された。
 ミサイルが粉砕した無数の破片には
 今後10年かそれ以上の間、
 航空機や衛星に危険を及ぼす大きさのものもある。
 中国は今や、軍事偵察や核実験の探知、
 ハイテク兵器の誘導に用いられる米国の衛星を
 破壊できることを実証したことになる。
 情報機関高官は昨年8月、中国が地上発射レーザーで
 米国の衛星を照射したことを報道陣に明らかにした。
 これは衛星の目をくらますか、
 宇宙空間にある目標にミサイルを誘導する方法を
 開発し始めたことを示す可能性がある。

 ブッシュ政権も宇宙で力を誇示してきた。
 昨年10月に発表された国家宇宙政策は
 「宇宙での行動の自由は、
 空軍国、海軍国としての米国にとって重要である」と宣言した。
 宇宙で活動する米国の権利に対する、
 他国の干渉を阻止する必要性も主張している。
 この政策ではペンタゴンの一部が主張するように
 ワシントンが宇宙に兵器を配備するかどうかには触れていないが、
 政権はそうした可能性への制約に反対している。

 もちろんその反対の道を選び、
 衛星攻撃兵器の一切の実験といかなる使用も
 禁止することを目指す方が
 軍事的にも外交的にも道理にかなっているだろう。

 米国と旧ソ連は数十年前にそうした兵器の実験に成功しており、
 その改良型を開発する決定的な必要性はないのに、
 米国は明らかにそうした道を探っている。
 追いつくことに成功した中国は以前、
 3回の実験に失敗したと伝えられており、
 したがって中国にとっては追加実験が望ましいだろう。
 どの国よりも多くの衛星を軌道上に打ち上げ、
 衛星に対する軍事的依存度を高めている米国は、
 野放しの宇宙軍拡競争から失うものが最も大きい。

 専門家の間には
 今回の中国の実験が米国の真剣な交渉への参加を
 促すことを意図したものだとの見方がある。
 中国であっても、
 あるいは他のいかなる好戦的な宇宙開発国であっても、
 宇宙における新たな軍拡競争ではなく、
 軍備管理条約を通じてそれに対抗すべきである。

   (米紙ニューヨーク・タイムズ 2007/01/20)


◇地に落ちた中国の宇宙開発
 
 宇宙開発への中国の飛躍は、
 4年前の初の有人宇宙飛行成功以来、堂々と進んできた。
 しかし、その穏やかな宇宙開発計画は、
 弾道ミサイル搭載の弾頭で
 老朽化した気象衛星を破壊したという報道で、打ち砕かれた。
 報道は航空専門誌エビエーション・ウィークによってまず伝えられ、
 台北、東京、ワシントン、モスクワでパニックボタンが作動した。
 しかし、新人プレーヤーが宇宙軍拡競争に参加したことは、
 さほど驚くべきことではなかったのかもしれない。
 
 過去10年間、宇宙の軍拡化に
 最も声高に反対を主張してきたのは中国だった。
 9年前に発表された白書は、宇宙は人類全体に属し、
 平和目的のためだけに用いられると語っていた。
 以来、中国とロシアは、宇宙軍拡阻止の条約について
 国際的な拘束力のある法的手段の必要性で
 米政府と意見を異にしてきた。
 この問題のためジュネーブ軍縮会議は暗礁に乗り上げた。

 中国は米国の本土防衛ミサイル(NMD)の計画に
 不安を募らせてきた。
 それは核抑止力を無効にするだけでなく、
 台湾にも配備される可能性があるからだ。
 米国防総省が2001年、コロラド州で行った軍事演習は、
 「小さな隣国」を脅かしている敵に
 米国が対決するという想定で行われ、
 台湾問題とミサイル防衛の関連を明確にした。

 中国の数百発のミサイルは台湾に向けられている。
 それらのミサイルが、米国のミサイルや、
 宇宙にある米国の衛星が発射したレーザーで迎撃されるのなら、
 論理的に中国が次に出る措置は、
 それを撃ち落とせることを証明することになる。
 衛星は、衛星に狙われるミサイルと同様に危険ということになる。

 だから、中国も米国も定石どおりに互いに非難し合う際に、
 あまり誇らしげな主張ができない。
 ワシントンでは、国家安全保障会議の報道官が、
 そうした兵器のテストは
 両国が民間宇宙分野で切望する協力の精神に反すると述べた。
 何十年にもわたる弾道ミサイル制限交渉を
 危険にさらすという警告を無視し、
 NMDと宇宙配備兵器の研究に何十億ドルも注ぎ込んでいる国からの
 歯切れの悪い言葉である。
 中国の近隣である日本、韓国、台湾の懸念は本物である。
 しかし、国際的な条約が存在しない中で、
 どんな根拠に基づいて批判ができるのだろうか。

   (英紙ガーディアン 2007/01/20)


両紙ともに中国を非難しつつも
昨年10月に発表されたブッシュ政権の宇宙政策、

  米国の宇宙利用を禁止したり
  制限する法体系の構築には反対する

  宇宙での行動の自由は米国にとって重要である

これを批判しています。

確かに今回の中国の行為は
このブッシュ政権の宇宙政策、
つまり「米国は宇宙ではフリーハンドを握る」という、
独善的な主張に対する報復の意味合いもあるでしょうね。

こうして米国の「宇宙でのフリーハンド構想」は
中国という思わぬ伏兵により、
構想発表翌年に頓挫の危機にさらされたわけです。

さて、24日の産経には
この実験に関する軍事評論家の江畑謙介氏の
コメントが載ってました。

 イラク戦争について「半分は宇宙で戦われた」といわれるほど、
 現代の戦争は宇宙への依存度が高まっている。
 とくに米軍は高度なコンピューター・ネットワークと
 通信技術を駆使した戦争方法への変革を進めており、
 衛星などの通信手段が重要な機能を果たすことになる。
 
 中国が高度850キロの衛星を破壊できたということは、
 高度250~400キロの米国の偵察衛星、
 400~600キロの日本の情報収集衛星も
 破壊できることを意味する。
 さらに、中国が破壊した衛星の破片が他の衛星にぶつかり、
 機能が止まる可能性もある。
 
 日本には「宇宙の平和利用」というおかしな議論があるが、
 米軍は95%の情報を民間の通信衛星に頼っており、
 軍事用の衛星だけが攻撃の対象になるわけではない。
 宇宙戦争の時代になったと認識すべきだ。

仁義無き宇宙戦争時代の開幕というわけです。

歴史上では後から振り返れば
あれが時代の分岐点だったという事象がしばしば見受けられますが、
宇宙での軍拡競争という観点から考えると
この中国の行為は
宇宙開発史の分岐点と言われるようになるでしょうね。


今回の衛星破壊実験と宇宙の軍事利用の未来図について
航空機の歴史を例としてあげておきます。

ライト兄弟が初飛行したのが1903年ですが、
それから11年後の第一次大戦において
早くも航空機は戦場で使用されました。

まず、大空を飛行船や気球が飛び、
複葉の偵察機などが
空から地上の敵軍を偵察しました。

上空から敵情を把握できる利点は大きく、
敵味方双方が偵察機や飛行船を飛ばし、
地上軍はそれに対して何の手出しもできない時期がありました。

敵味方の偵察機同士は大空ですれ違うと
互いに手を振り挨拶を交わすような
そんな牧歌的な時代でした。

しかし、上空から
自軍の内情を俯瞰する航空機の存在はうとましいものです。
やがて偵察機同士の空戦が発生し、
最初はレンガを投げたり、拳銃を撃ったりと
実に原始的な戦闘でした。

そして機関銃を搭載した戦闘機が登場し、
優雅に空を舞っていた偵察機や飛行船は
脅威に曝されるようになります。
その戦闘機を撃墜しようと
敵味方双方による空戦が発生します。
「制空権」という概念の始まりです。

さらに爆撃機と攻撃機の登場。
空から敵部隊と敵都市に爆弾を降らせ、
海上の敵艦に爆雷撃を加えるようになりました。

やがて第二次大戦の発生と共に
それまで戦闘の優雅な脇役だった航空機が
戦争の主役の座を奪い取り、
戦いの勝利には「制空権」の確立が不可欠となりました。

太平洋で日本海軍はその事実を敗北と共に味あわされ、
欧州ではドイツの機甲師団が
大空を乱舞する連合軍機に前進を阻止され、
両国共に都市を爆撃により破壊されてしまいました。

現在の宇宙空間での軍事的様相は
この航空機史に喩えるならば
「牧歌的な飛行船と偵察機の時代」に相当します。

宇宙の高みから
他国の軍事施設と軍事行動を逐次監視する米軍の偵察衛星。
米国大統領はこの衛星のもたらした写真を片手に
イランや北朝鮮の核開発を声高に非難します。
これに対して両国は何の対抗手段もなく、
天空を恨めしく見つめるのみです。

少数の主要国のみが宇宙に偵察衛星を飛ばし、
他国を上空から好き勝手に観察する時代。
限られた「宇宙クラブ」のメンバーのみがこの利益を享受し、
それぞれが暗黙の了解で他国の偵察活動を阻害しない時代。
これが今回の中国の実験で終わりを告げようとしています。

さて、きたるべき時代は何か?
それは偵察行為の阻止と破壊、
衛星を破壊する地上からのミサイル攻撃と
宇宙空間にて敵の衛星を破壊する「攻撃衛星」の登場。
そして攻撃衛星同士の戦闘と
「制宙権」という概念の誕生です。

やがて宇宙から地上や海上への攻撃も行われるでしょう。
地表にミサイルやレーザーを打ち込む時代も来るでしょう。
ここに至れば
宇宙空間を制する者が地上を制するようになります。

それは決して遠い未来のSF物語ではなく、
半世紀単位の予想される宇宙の様相です。

おそらく各国の軍関係者も
この未来図を当然の類推の結果として
思い描いていると思います。

しかし、この宇宙における軍備の拡大は
莫大な費用と高度な科学技術が必要なため
一定の国力を持った国以外では不可能です。

それに参加できるプレーヤーは
米国・欧州・ロシア・中国・日本、
そして宇宙開発に急速に目覚めつつあるインドなどです。
それ以外の小国はこれらの大国と連携することにより、
その軍事能力の一端を得るしかありません。


今回の中国の衛星破壊実験は
牧歌的な宇宙開発時代の終わりを示しています。

空を舞う飛行船や偵察機が
大空で優雅に挨拶を交わした時代は終わりを告げ、
戦闘機の銃弾による破壊と撃墜の時代が始まりました。

宇宙での戦争の時代の幕開けです。



関連資料リンク

宇宙戦争の時代 中国衛星攻撃兵器実験、商業ロケットを転用?
 米専門家分析、軍事利用裏付け

衛星破壊実験:「中国、昨年11月に米国に警告」

宇宙軍縮問題で波乱も ジュネーブ軍縮会議が開幕


関連過去記事

中国の宇宙開発と軍事利用 その3・・ガリレオと北斗

中国の宇宙開発と軍事利用 その2・・人民解放軍総装備部

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点






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中国の宇宙開発と軍事利用 その3・・ガリレオと北斗


   ガリレオ計画.jpg


中国による人工衛星破壊実験の波紋が
世界的に広がりつつありますね。
特に米国の衝撃はハンパじゃないようです。

さて、前回と前々回の続きです。

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

中国の宇宙開発と軍事利用 その2・・人民解放軍総装備部


宇宙に巨大な「破片の雲」・中国の衛星破壊実験で衝突の恐れ

 中国の弾道ミサイルによる人工衛星破壊実験を受けて、
 米政府当局者らは22日、宇宙空間に破壊された、
 衛星の破片によるスペースデブリ(宇宙ごみ)が
 大規模な「雲」を形成しており、
 各国の衛星のほか、国際宇宙ステーションにも
 衝突する恐れがあると警告した。

 また、専門家はデブリが高度約400キロから約3000キロの
 広い宇宙空間にわたり観測され、
 この軌道上にある120個以上の衛星が危険にさらされていると強調。
 軍事衛星のほか、民間衛星へ衝突すれば日常生活に影響が出かねず、
 国際的にも懸念が広がっている。

 ロイター通信によると、米国防総省関係者は
 「今回の実験が国際宇宙ステーションも含めて
 (衛星とデブリによる)衝突の危険性を
 高めたことは間違いない」と批判した。
 同ステーションは日本などが参加し
 高度約400キロの軌道上に建設中。

   (NIKKEI NET)


今回の衛星破壊実験のニュースを見ていて驚いたのは
破壊当事者の中国はともかくとして
米国がこの実験の一部始終を詳細に掴んでいることです。

 中国は1月12日、
 四川省の西昌宇宙センターからミサイルを発射し、
 1999年に打ち上げられ
 地上約850キロから870キロの宇宙空間にあった、
 中国の気象衛星「風雲1号C」(FY-1C)に衝突させ破壊した。
 「風雲1号C」は実験直後、
 遭難信号を発すると共に米空軍のレーダーから消え、
 破片が散らばる様子が確認された。

この実験の進行状況をハッキリと掴んでいるわけですが、
こういう芸当が出来るのは世界でも米国だけでしょう。

欧州・ロシア・中国などでは
他国の宇宙空間での衛星実験の一部始終を
ここまで詳細に掴めるとは思えず、
ましてや日本などは到底無理です。

逆にいうならば
衛星破壊実験などで中国が意図しているのは、
この米国による宇宙空間からの監視体制の打破ですね。
これを狙ってるわけです。

天空の高みから他国の施設や軍事行為を監視し、
その位置と状況をハッキリを掴む。
これは軍事的には相当の利点であり、
敵対国にとっては脅威そのものでしょう。

中国は衛星破壊実験で
この「米国の眼」を潰すことを意図しましたが、
同時に中国は自らの「宇宙の眼」を着々と構築しつつあります。


2005年12月28日、
カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から
1基のロケットが打ち上げられました。
このロケットにはESA(欧州宇宙機関)の
「GIOVE-A」という人工衛星が搭載されていました。

この「GIOVE-A」は
EUが米国の妨害を押し切って始めた、
「ガリレオ計画」の最初の試験衛星でした。

「ガリレオ計画」とは
米国の「GPS」に対抗して
欧州が独自に進める衛星測位システムです。

今やカーナビや携帯電話の位置測位などで
日常生活にとけ込んでいる衛星測位システム「GPS」ですが、
これは国際的なものでもなんでもなく
実は米国防省が運用しているシステムです。

当初は米軍の軍事目的のみに使っていましたが、
徐々に民間にも測位情報を開放していき、
クリントン政権時に現在の10メートル精度のレベルまで
情報を全面公開しました。

欧州各国はこの衛星測位システムの重要性を認識しており、
このシステムを米国一国が握ることを憂慮し、
2003年、独自の衛星測位システム、
「ガリレオ計画」を推進することで合意しました。

「ガリレオ」は
宇宙空間に合計30機の測位衛星を打ち上げ、
GPSをしのぐ精度の測位情報を地上に送るシステムで
2008年までに4基の衛星を打ち上げ、
試験運用を実施する予定です。

2004年、
この「ガリレオ計画」に中国が参画しました。

ガリレオ計画にかかる総費用は34億ユーロ。
そのうちEUが32億ユーロ、中国が2億ユーロを負担。
中国は研究段階から、技術開発・地上設備・ユーザーサービスなど
すべてのプロセスに参画することで合意しました。

米一極支配に対抗するガリレオ計画に
中国が参加したことの衝撃は大きく、
その後、イスラエル・ウクライナ・インド、
モロッコ・サウジアラビア・韓国が
この計画に参入しました。

また、中国はガリレオ計画とは別個に
独自の衛星測位システムを開発しており、
「北斗衛星システム」と呼ばれています。

測位精度はGPSと同等の10メートル。
2000年より試験衛星を打ち上げ、
2008年には中国及び周辺地区での利用を可能にし、
最終的には35基の測位衛星を軌道に乗せ、
対象エリアを全世界に拡大する予定です。

何故、中国は
ガリレオと北斗の両システムを並行して進めるのか、
その意図はいまいち計りかねます。

現在、このような世界的な衛星測位システムは
完備しているのは米国のGPS(Global Positioning System)のみで
それを欧州のガリレオ(GNSS)、ロシアのGLONASS、
そして中国の北斗が追いかけている状態です。

我が日本はどうかというと
一時期、「準天頂衛星」という測位システムを計画し、
衛星3機の打ち上げを構想したこともありましたが、
結局、計画段階で止まったままです。

もっとも、この「準天頂衛星」システムは
独自の測位システムというよりはGPSを補完するもので、
日本列島のみが対象です。
まあ、財政難のおりとは言え、
欧州・ロシア・中国と比較すると何とも寂しい限りですね。

実は日本も欧州から
ガリレオ計画への参加を求められていたのですが、

「ガリレオ」計画売り込みへ EU、東京で説明会を計画

日本に参加要請へ:EUのGPS「ガリレオ」計画

対米配慮か財政の問題なのか、
結局、蹴ってしまった経緯があります。


中国は米国に次ぐ宇宙大国を目指しており、
この趨勢がこのまま続けば
地上での先進各国、米国・欧州・日本の序列などは
いずれ宇宙では意味をなさなくなるでしょう。

まさに着々という感じで
宇宙開発を推進している中国。

日本も早くこの現実に目覚めてほしいものです。


   <続く>



関連資料リンク

ガリレオという名のスペース・パワー

ガリレオ計画、最終局面に入る

中国:EU「ガリレオ計画」に参入、米GPSに対抗

中国独自のGPS実用化、全世界に測位衛星35基へ


関連過去記事

中国の宇宙開発と軍事利用 その2・・人民解放軍総装備部

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点








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中国の宇宙開発と軍事利用 その2・・人民解放軍総装備部


     中国のFY-1C衛星.jpg


前回の続きです。

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

中国の宇宙開発と軍事の関係について書きます。


口閉ざす中国…衛星攻撃兵器実験

 衛星攻撃兵器(ASAT)実験について、
 中国政府は20日現在も事実関係を明らかにしていない。
 米科学者団体「憂慮する科学者連盟」は19日、
 破壊された気象衛星の破片が大小合わせて数百万個に達し、
 他の人工衛星に損傷を与える恐れがあると警告したが、
 にもかかわらず、口をつぐむ中国の姿勢に対し、
 国際社会の批判が高まりそうだ。
 
 中国外務省の劉建超報道官は19日夜、
 「中国は宇宙兵器拡大競争にも加わらない。
 脅威と感じる必要はない」と述べ、
 事実関係を確認しないまま「中国脅威論」の払拭に努めた。
 
 中国は「今世紀半ばまでの情報化された軍建設の完成」
 (06年国防白書)を目指し、
 軍が主導し野心的な宇宙開発を進めている。
 今年は3回目となる有人宇宙飛行船を打ち上げ、
 初の船外活動を行う予定だ。
 
 今回の実験は、米国を牽制するとともに、宇宙開発競争でも、
 米国と並ぶ大国としての認知を取り付ける狙いがある。
 実験の成功で、技術的にも
 「(中国にとり)かなりのハードルを越え、
 相当な技術力を得た」(専門家)とみられている。
 
   (iza!)


中国の宇宙開発が軍主導で行われていることは
過去記事などでも書いてきました。

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点

米国におけるNASAと軍のように
宇宙開発部門と軍隊を切り離すわけでもなく、
日本のように軍事とは全く無縁のものにするわけでもなく、
中国では人民解放軍の総装備部が宇宙開発を担当しています。

日本で言えば防衛省の技術研究本部が
国家の宇宙開発を担当しているようなもので
まあ、露骨なまでの
「宇宙開発=軍事」の発想ですね。
日本の潔癖性のような非軍事的発想とは正反対です。

以下、過去記事から引用します。


 中国は2003年と2005年に
 神舟と呼ばれる有人宇宙船を打ち上げましたが、
 これを行ったのは人民解放軍であり、
 厳密に言うと人民解放軍総装備部が管轄しています。

 2002年4月の神舟3号の回収の際には
 当時の江沢民国家主席は
 軍総装備部長の曹剛川大将に祝辞を贈りました。

 中国初の有人宇宙船となった「神舟5号」は
 2003年の10月16日に帰還しましたが、
 これは中国初の原爆実験成功の記念日、
 1964年10月16日に合わせてのことです。

 同時に神舟5号及び6号は
 本体から切り離された偵察用の軌道モジュールが
 飛行士の帰還後5カ月も飛び続け、
 軍事映像収集の偵察活動を行いました。

 今、人民解放軍の内部では
 「宇宙軍」の創設を求める声が高まっており、
 近未来においては陸海空だけではなく
 サイバースペースと宇宙空間が主戦場になると想定されており、
 「五次元一体の統合作戦」が提唱されています。


今回の衛星攻撃用のKT-2弾道ミサイルは
四川省西昌宇宙センターから発射されてますが、
ここは普段は人工衛星を乗せた長征ロケットなどが発射される、
宇宙ロケット用の基地です。
日本で言えば種子島の宇宙ロケットセンターに相当します。

中国は現在、三カ所のロケット発射基地を持っています。
山西省太原基地、四川省西昌基地、甘粛省酒泉基地。
さらに海南島に4つ目の基地を建設中で
これは2010年までに完成する予定です。

従来の3つの基地は
国防上の理由から内陸部に建造されましたが、
建設中の海南島基地は
赤道に近いために静止軌道に衛星を乗せやすいこと、
海上運輸の容易であることから沿岸部が選ばれました。

ちなみに、中国の長征ロケットですが
ICBM(大陸間弾道ミサイル)の技術を応用して作ったもので、
人民解放軍の下部組織である、
「運搬ロケット技術研究院」が開発を行っています。

運搬ロケット技術研究院は研究者2万7千名を擁し、
関連部局の中国宇宙工業総公司は1万名の研究者を抱えています。

また中国は、人工衛星やロケットの追跡観測のために
「遠望(ユアンワン)級」と呼ばれる衛星観測船を4隻所持しており、
一応、中国国家海洋局の所属となってますが、
実際は中国海軍が運用しています。

この遠望級は人工衛星の観測のみならず、
軍事用ミサイルのデータ収集も行っており、
おそらく今回の人工衛星破壊実験の時も
この観測船が太平洋やインド洋にでも散らばって
データを収集していたでしょうね。

さらに、遠望級は
他国の衛星やミサイルの情報収集も行っています。

過去記事でも書いたことがありますが、

中国の太平洋進出と豪州の反発

かつて中国は南太平洋のキリバス諸島に
「タラワ宇宙センター」という観測基地を作ってました。
これはキリバス政府を多額の援助で籠絡して作ったもので
1997年10月に完成しました。
この基地では自国の衛星・ロケットの観測のみならず、
日米の宇宙ロケットやミサイルのデータ収集も行っていました。

ところが、2003年7月、
キリバス政府は台湾との国交を宣言しました。

これは台湾の多額の援助金に
キリバス政府が心変わりしたためですが、
やむなく中国は観測基地を破棄し、キリバスから撤退しました。
おそらくこの動きの裏では
中国の観測基地を疎ましく思った米国が
糸を引いていたように思います。


中国の宇宙開発は
軍事と密接な関係にあるとよく言われますが、
むしろ「軍事そのもの」であると理解した方がいいでしょう。

上述したように、中国人民解放軍は
未来の戦場は陸海空のみならず、
サイバースペースと宇宙空間にまで拡大するとしており、
彼らはその発想に忠実に
宇宙にまで軍事覇権の網を広げようとしています。


   <続く>



関連資料リンク

衛星破壊、米で高まる警戒感 宇宙戦争「中国の逆襲」


関連過去記事

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点







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中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)


       長征2号丙.jpg


中国、衛星破壊実験に成功 弾道ミサイル使用

 中国が高度約850キロの宇宙空間で、
 弾道ミサイルに搭載した弾頭で
 老朽化した自国の人工衛星を破壊する実験に成功し、
 米情報当局が詳細を確認中だと米航空専門誌が18日伝えた。
 スノー大統領報道官は同日の記者会見で、
 中国に既に懸念を伝えたと述べ、実験情報を事実上確認した。

 中国による衛星破壊実験が表面化したのは初めて。
 実験の成功が事実なら、
 有人宇宙飛行に成功するなど「宇宙大国」化を目指す中国が、
 米国などの軍事衛星に対する直接攻撃能力を獲得したことを意味し、
 宇宙空間をめぐる米中間の緊張が新局面に入ることは避けられない。

 米政府当局者によると、
 米国のほかオーストラリア、カナダも中国に懸念を伝え、
 日本、英国、韓国も懸念伝達を準備している。
 国際社会の警戒感が一気に高まるのは必至だ。

 同専門誌エビエーション・ウィーク・アンド・
 スペース・テクノロジー(電子版)によると、
 実験は米東部時間の今月11日午後5時28分
 (日本時間同12日午前7時28分)に行われた。
 中国の衛星発射センターがある四川省西昌の上空付近の宇宙空間で、
 弾道ミサイルを直撃し破壊する「キネティック弾頭」により、
 1999年に打ち上げた気象衛星「風雲1号C」を破壊した。

 同誌は、残骸が「宇宙のごみ」として、
 他の衛星などに悪影響を及ぼす可能性も指摘。
 CNNテレビは、今回の実験前、
 中国が計3回の失敗を繰り返していたと伝えた。

 米国は85年を最後に
 衛星を標的にした同種の実験を実施していない。

   (iza!)


こういうニュースが飛び込んできたので
ちょうどいい機会ですから
中国の宇宙開発とその軍事利用について
何回かに分けて書いておきます。


米国防省は毎年議会あてに
「中国の軍事力」と題した報告書を提出しています。

1998年に提出された報告書には
すでに中国の「宇宙の軍事化」に対する警鐘が鳴らされています。

  中国は国際的威信を高めるために宇宙開発を進めており、
  少なくとも十年後には有人宇宙飛行を成功させるであろう。
  この有人宇宙飛行計画は2010年から20年にかけて
  軍事目的の宇宙開発へと発展することになるだろう。

  中国はすでに
  十分な外部からの技術支援で衛星追跡能力を備えており、
  (軍事スパイ用の)低軌道衛星を追跡できる、
  高性能レーダーを開発しているとみられる。
  近い将来には軍事衛星を破壊できる兵器開発に成功するだろう。

2003年版では、

  中国指導部は恐らく、
  ASATシステム(対衛星兵器)及び
  全体的な対宇宙攻撃システムや宇宙配備のミサイル防衛が
  今後避けることはできないとみている。

  中国は長年、独自の宇宙ステーションや
  再利用可能な宇宙船の開発計画を進めてきた。
  有人宇宙飛行を試みる最大の動機は政治的な威信確立だろうが、
  2010~20年の時期には、軍事宇宙システムの改善に
  役立つのはほぼ間違いない。

そして2005年版には、

  2004年中に中国は10個の人工衛星を打ち上げた。
  2010年までには計100個以上の衛星を
  軌道に乗せようとしている。

  中国は地上配備のASAT兵器開発に向けた研究を行っている。
  国防情報局(DIA)は、
  中国が最終的に人工衛星に損害を与えるか、
  破壊し得るレーザー兵器を開発するかもしれないとみている。

と書かれています。

とまあ、この報告書を見ていると、
冒頭のニュースなどは
「ついに来るべきものがきたか!」ってな感じですね。

実は、昨年の9月にも似たようなニュースが流れました。


中国、米偵察衛星にレーザー照射 米紙が報道

 米軍事専門紙ディフェンス・ニュースによると、
 地球を回る軌道上にある米国の軍事偵察衛星が、
 中国領内に設置された対衛星兵器によるレーザー照射を受けた。
 照射は光学機器など衛星の「目」を狙って
 偵察能力を奪うことを目的としたもので、
 これまで数年にわたり複数回の照射が確認されたという。
 複数の消息筋の話として伝えた。
 照射による衛星への実害や、
 実際の運用に影響があったのかは明らかでない。

 この兵器は高密度レーザーを
 軌道上の衛星に向けて照射するものだが、
 中国の開発レベルでは当面、衛星の破壊よりも
 偵察活動を妨害する「目つぶし」を狙っているもようだ。
 
 米国防当局は、最近の国防報告で、
 偵察衛星の破壊や妨害を狙う、
 中国の対衛星兵器の開発に警鐘を鳴らしてきた。
 米の偵察衛星には、精密な光学機器を使って
 高い解像度を誇る「キーホール」や、
 天候に左右されないレーダー装置を搭載した、
 「ラクロス」などがあり、
 中国側のレーザー照射はこうした衛星を狙ったものとみられる。

   (iza!)


この時はレーザー照射による目つぶし攻撃程度でしたが、
今回はもろに弾頭ミサイルで衛星を破壊したわけです。


中国は湾岸戦争とイラク戦争などから
米軍の長所と短所をよく学んでいます。

米軍がRMA(情報軍事革命)技術により、
急速にレベルアップしている反面、
そのRMAを支えるIT技術や
衛星測位システム(GPS)に依存を深めており、
ここが弱点となっていることをよく知悉しています。

兵士との通信、敵の追跡、スマート爆弾の誘導などで、
米軍の衛星依存は年を追うごとに高まっており、
中国がここに目をつけたのは当然でしょう。

元来、人工衛星とは脆くデリケートなもので、
電磁波放射やスペースデブリ(宇宙ごみ)などに対して極めて脆弱です

中国が対衛星攻撃兵器(ASAT)の開発に熱心なのも
この米軍のアキレス腱の部分を斬ってやろうという試みで、
米国にとっては脅威そのものです。

現在、宇宙空間に飛んでいる人工衛星は
数から言えば米国のものが圧倒的であり、
また米軍の戦闘手法がGPSなどに依存している以上、
同じ衛星攻撃でも、米国が中国に対して仕掛けるのと、
中国が米国に対して仕掛けるのでは
ダメージの度合いが違うわけです。

また、衛星攻撃の副次効果として
衛星の破片が散乱してスペースデブリ(宇宙ごみ)となります。
これが他の人工衛星にとって故障の原因となりかねず、
それで今回の中国の行動が非難されているわけですが、
人工衛星大国である米国としては座視できないでしょう。

もともと、この種のASATの開発は
冷戦期の米国とソ連が先行していました。

米国では、地上から打ち上げたミサイルで
人工衛星を破壊したり、
空軍の戦闘機に衛星攻撃用のミサイルを搭載させ、
高々度で発射する技術が開発されました。
また、レーガン政権時のスターウォーズ計画などが有名です。

旧ソ連では「キラー衛星」という名の特殊衛星が開発され、
これは衛星に衛星を体当たりさせて破壊するというものでした。

しかし、冷戦終結後、ソ連邦は崩壊し、
米国も自国の衛星だらけの宇宙空間では
ASATなどを作っても金の無駄であると、
議会の反対によって予算が大幅にカットされてしまいました。

しかし、今回の中国の衛星破壊実験。
これは米国を慄然とさせたでしょうね。
とうとう来るべきものが来たか、と。



関連資料リンク

「宇宙兵器」開発プロジェクトを進める米国防総省

「宇宙戦争」米軍の脅威に 中国、衛星攻撃能力を誇示か


関連過去記事

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点






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大統領選の勝利と「反米基金」創設・・チャベス・ウオッチ 2007/01


        2007011067278.jpg


チャベス・ウオッチの3回目。
「怒濤の反米闘士」ことベネズエラのチャベス大統領の定点観測です。

メルコスル加盟と反米漫遊の旅・・チャベス・ウオッチ 2006/08

非同盟諸国会議と怒濤の国連演説・・チャベス・ウオッチ 2006/09


<ペルー大統領と米大統領、チャベスを猛批判>

 2006/10/10

米国とペルーの首脳会談。

ペルーの大統領はアラン・ガルシア。
2006年6月に行われた大統領選で
チャベス推奨の左派民族主義者のウマラに競り勝った。

その後、チャベスはガルシアを「米帝の犬」と罵倒し、
ガルシアは「チャベスは石油という、
宝くじに当たった人物」と切り返した。

この首脳会談では
両大統領によるベネズエラ情勢への意見交換が行われた。

ガルシア曰く、

  「南米に新たな原理主義が台頭している。
  『アンデス原理主義』と呼ぶべきものだ」

  「チャベス氏は南米を不安定化させる危険がある。
  イスラム原理主義と同様の重大な結果をもたらしかねない」
  
  「ペルーの役割は、
  南米での民主的価値を確かなものにすることだ」

ブッシュ曰く、

  「(チャベスの)ののしりには慣れている。
  口げんかをするつもりはない」

  「彼は他国にまで影響を与えているが、
  自分の国は苦しい経済状況に至っている」

両大統領ともに
日頃、チャベスの悪口雑言に悩まされているため
ここぞとばかりにチャベスの批判が飛び交った。


<ベネズエラ、国連非常任理事国に出馬>

 2006/10/16

国連では非常任理事国五ヶ国の改選投票が行われ、
四ヶ国はすんなりと決まったが、
中南米枠の一ヶ国がなかなか決まらない。
反米路線を掲げるベネズエラと
米国が支持するグアテマラに票が真っ二つに割れたためである。

チャベス率いるベネズエラは
自信満々で非常任理事国へと出馬した。
中南米の民衆に絶大な人気を誇り、
世界の反米国家のリーダー的存在であるチャベス。
これは当選しないはずがない。

しかし、米国は仇敵チャベスに当選されてはなるものかと
グアテマラを立候補させ、票を固める。
日頃、チャベスから「米国の犬」と罵られている、
中道右派の中南米諸国もグアテマラに一票を投じた。

形勢はグアテマラが有利であったが、
選出に必要な総会の三分の二の支持が得られないため、
延々と数十回もの投票が行われたあげくに決定に至らない。

折れたのはチャベスの方で
形勢不利を悟り、グアテマラ外相と話しをつけ、
両国が出馬を取り下げた上で
中立のパナマを中南米グループの統一候補とすることで合意した。

翌11月に
パナマが漁夫の利を得た格好で
非常任理事国にめでたく当選した。

チャベスは自分の意外なまでの不人気に愕然としたのか、
ここから年末の大統領選挙に至るまで
過激な言動をセーブした。


<ベネズエラ、ワシントンで灯油を値引き販売>

 2006/11/01

ベネズエラの駐米アルバレス大使が
この冬、米国のメリーランド州・バージニア州・ワシントンの
3万7千の低所得世帯に暖房用の灯油を格安で販売すると表明。
価格は市場値の4割安。

ベネズエラは2005年にも、
米国の8州、18万世帯に格安の灯油を提供した。

大使は記者会見で
自国で貧民問題を抱えているのに、
どうしてチャベス大統領は貧しい米国人の心配をしているのか、
との質問に対して、

  「値引き販売で利益は減るが、この程度ならば、
  ベネズエラの貧困層の救済に影響はない」

と語った。


<ニカラグアに左派大統領誕生>

 2006/11/05

ニカラグア大統領選で、
80年代の革命政府の大統領だった左派のダニエル・オルテガが当選。
チャベスはオルテガに資金援助を行っていた。

80年代にオルテガのサディニスタ政権に対して、
反政府組織「コントラ」を支援して戦った米国は
この選挙結果に唖然呆然。

チャベスの盟友がまた一人増えた。


<エクアドルにも左派大統領誕生>

 2006/11/27

エクアドル大統領選挙で、
反米左派のラファエル・コレア元経済・財務相が当選。
チャベスはコレアも支援していた。

コレアは、選挙戦を通して“市民革命”を叫び、
「エクアドルを寡頭政治から国民に返す」と主張した。
IMFの対外債務の支払いを拒否することも示唆。
また、米主導の新自由主義反対、
原油に関連する多国籍企業との契約見直しを訴えていた。

これで南米全体の三分の二に当たる計八カ国が
左派もしくは中道左派となった。

チャベスの盟友がさらに増えた。


<ベネズエラ大統領選:チャベス、余裕で圧勝>

 2006/12/03

チャベスは3回目の大統領選挙で圧勝した。
貧困層の票が彼に雪崩れ込み、
対立候補を蹴散らしての余裕の勝利だった。

チャベスは首都カラカス市内の大統領府のバルコニーで、
詰め掛けた支持者を前に

  「愛の勝利、社会主義の勝利だ」

と高らかに勝利を宣言した。

一方の対立候補のロサレス氏は

  「彼ら(チャベス陣営)はわれわれに勝ったが、
  引き続き戦い続ける。
  彼らの汚い戦い方を認めるわけにはいかない」

として、敗北を受け入れた。

ロサレス氏の言う「彼らの汚い戦い方」とは
以下のようなこと。

1,投票前に全政府職員へのボーナス支給を指示。

2,チャベスのテレビへの登場時間は野党候補の22倍。

3,国営石油企業の総裁が
  従業員四万人をチャベスの選挙運動に動員し、
  この動員に反対する者は「罪」を犯すことになると明言。


<チャベス、ブラジル大統領と会談>

 2006/12/06

大統領選の勝利の後、
チャベスは早速と南米一の大国、ブラジルのルラ大統領と会談。

ルラはチャベスの急進ぶりに辟易しながらも
それなりにチャベスに歩調を合わせている。

会談では、ブラジル国営石油会社ペトロブラスと
ベネズエラ国営石油会社PDVSAとの間での
以下の共同投資について話し合われた。

◇ベネズエラからアルゼンチンまでの天然ガスパイプラインの建設

◇ブラジル:ペルナムブコ州における石油精製所の建設

◇ベネズエラ:マリスカル・スクレ海底油田の天然ガス採掘

◇ベネズエラ:カラボエ油田における重油の採掘


<チャベス、体制批判のメディアに免許更新認めず>

 2006/12/27

チャベスは軍の行事で行った演説で、
政権に批判的なテレビ局RCTVの
来年3月の免許更新を認めない、と明言した。

チャベス曰く、

  「RCTVは
  免許は永遠に与えられると思いこんでいるのは誤りだ」

  「来年3月に、同局の免許が切れる。
  早く荷物をまとめて、3月以降にやることを考えるべきだ。
  クーデターを目論むようなRCTVには、
  新たな免許は与えられない」

  「クーデターに関連する、国民や国、国の主体性、
  共和国の尊厳に対立するような放送局は許されない」

主要民放局のRCTVは、テレビとラジオの放送網を持ち、
数年にわたって、チャベスを強く批判してきた。
また、RCTV以外にも
「ベネビシオン」「グロボビシオン」の二局が反大統領派とされ、
チャベスは圧力を強めている。

ベネズエラでは2004年秋、
暴力や性描写のほか「公共の秩序を乱す」放送を規制する、
「ラジオ・テレビ社会的責任法案」を可決している。

このチャベス発言に対して
非政府組織「国境なき記者団(RWB)」は、
政府が特定の放送局を対象に
非難するのは好ましくないと批判した。


<ベネズエラ、サッカー選手権でのビール禁止>

 2007/01/03

ベネズエラでは6月にサッカー南米選手権が開催される予定だが、
競技場内および周辺での飲酒、酒類の販売が
大会組織委員会によって禁止されることになった。

チャベスは公共の場での飲酒に嫌悪感を示しており、
街頭からのビール販売トラックの撤去命令を出したほど。


<チャベス、国会に大統領権限の拡大を要求>

 2007/01/08

チャベスは新閣僚の就任式で演説し、
大統領令によって法案の議会通過を可能にする法を
数日内に国会に提出する意向を示した。

また、中央銀行の独立性は持続し得ないとも言明。
「中銀は独立的であってはならない。
それは新自由主義の発想だ」と言った。

演説中では、ロシアの革命家トロツキーを引き合いに出し、
「われわれは永久革命を目指している」とまで述べた。

さらに、全エネルギー産業と電力産業部門、
オリノコ川流域の製油施設プロジェクトの国有化も公約。
この「製油施設プロジェクト」には
米石油大手のシェブロンやエクソンモービル、
ノルウェーのスタトイル、米コノコ・フィリップスなどの
多数の外資企業が参画している。

これに対して米国のボドマン・エネルギー省長官は、

  「これは現実的な問題であり、懸念を強めている。
  現時点では、契約が順守されることを目標におくべきだ」

と懸念を表明。

スノー大統領報道官は、

  「世界各国での国有化は長いが、栄光の少ない歴史を持つ」

と揶揄した。

カラカスの株式市場は1月9日、平均株価が18・7%の大暴落。
ブラジルでもその余波で株価が下落した。


<チャベス、3期目就任の怒濤演説>

 2007/01/10

チャベスは首都カラカスの国会で行われた大統領就任式で宣誓。

  「社会主義建設のために人生をささげる」

  「我々は大統領の無制限再選について改革案を練っている」

  「国家、社会主義、それとも死か」

また、チャベスに批判的なキリスト教会に対して、

  「私は司教と違って選挙で選ばれた。
  私が守る国家の尊厳と権利は不可侵であり、
  かけがえのないものだ」

  「キリストは歴史上最大の社会主義者だ」

  「政府は教会を尊重する。
  教会も政府を尊重しなければならない」

などと言った。

久々のチャベス節だった。


<ベネズエラ「反米基金」創設へ>

 2007/01/13

チャベスと並ぶ「反米暴れん坊」の
イランのアフマディネジャド大統領が
南米の反米三ヶ国ベネズエラ、ニカラグア、エクアドルを歴訪。

1月13日にチャベスと首都カラカスで会談し、
両者は米国に対抗する途上国を支援するため
“反米基金”を共同で創設することで一致した。

両者はこれに先立って、
総額20億ドル規模の相互投資協定で合意していたが、
この資金の一部を、米国の支配を打ち破るため、
反米と判断される国の社会基盤整備などに振り向けるとした。

チャベスがこの基金を
「帝国主義から解放するための仕組みだ」と自賛すると、
アフマディネジャドは、

  「チャベス大統領は解放者である。、
  中南米やアフリカ諸国の結束を促進する重要な決断だ」

  「我が国はもはや単独ではない。
  抑圧者と帝国主義は死に絶え、我々が勝利する」

と、チャベス顔負けに吼えた。


      ◇       ◇


国連の非常任理事国選では苦杯をなめ、
大統領選ではあっさりと勝利を決めたチャベス。

「21世紀の社会主義」を目指して邁進中の彼だが
石油から得た利益を国内外にばらまき、
今や彼が大統領になった当時と比べて
国家の歳出は8倍に膨れあがっているという凄まじさ。

また、違法な銃器が数百万丁も出回り、
年々ベネズエラの犯罪発生率は上昇し、
治安は悪化の一方で、南米最悪のレベルと言われてる。

さらに、国内の石油産業への投資は冷え込み、
石油生産は落ち込み始めている。

彼が施策の柱と位置づける多数の貧困住民の救済についても
ベネズエラ政府はチャベスの施政8年間で
貧困層は4割にまで減ったとしているが、
誰もがこの公式数値には首をかしげている。
一時的なばらまきによる救済と
抜本的な雇用の創出と経済の振興による救済を
彼はどこまで区別できているのか?

さてさて、2007年のチャベス氏は
この難局をどう裁いていくのでしょうか?
お手並み拝見でございます。



関連過去記事

非同盟諸国会議と怒濤の国連演説・・チャベス・ウオッチ 2006/09

メルコスル加盟と反米漫遊の旅・・チャベス・ウオッチ 2006/08


関連過去記事(本店ブログ)

南米の左傾化 その3・・チャベス・ベネズエラ大統領

南米の左傾化 その4・・反米とボリバル主義

南米の左傾化 その5・・「21世紀の社会主義」と中国の接近









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ロシアの資源外交と立国の礎


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ロシアも関税引き下げ譲歩 ベラルーシと石油輸出で合意

 ロシアからベラルーシを経由して
 欧州に向かう石油パイプラインの送油が
 一時止まった問題に関連して、
 ロシアのフラトコフ首相は12日夜、
 ベラルーシのシドルスキー首相との会談後、
 ベラルーシがロシアから購入する石油に課す輸出関税を
 引き下げることで合意したと明らかにした。

 ベラルーシ側がロシアの抗議を受けて
 1月から導入した石油通過税を廃止したのを受けて、
 ロシア側も一定の譲歩を示した形で、
 エネルギー価格をめぐる両国の対立はひとまず収束に向かった。

 ベラルーシはロシアから輸出税なしで原油を購入してきたが、
 ロシアは今月からベラルーシ向けにも輸出税を課すと通告。
 今回合意した方式による試算では、
 ロシアがベラルーシに課す今年の輸出関税は
 1トンあたり53ドルで、09年まで段階的に引き上げるという。
 ロシアは当初、1トンあたり180ドルの
 輸出関税を導入するとして、
 天然ガス価格の値上げと合わせてベラルーシの反発を招いていた。

   (asahi.com)


ロシアVSベラルーシのエネルギーバトルは
一応、決着がつきました。

ロシアもそれなりに譲歩したようですが
なんだかんだ言いつつ
ベラルーシがロシアの値上げを飲まされたわけで
ベラルーシ側の屈伏で幕を閉じました。

このニュースは日本のマスコミは適当に流した程度ですが、
とばっちりを喰らった形の欧州では大騒ぎとなりました。

まず、英仏の論調を2つ載せておきます。


◇プーチン氏の脅しを放置するな

 ドイツのメルケル首相は昨日、
 プーチン・ロシア大統領の
 エネルギー供給をめぐるいじめ姿勢について、
 さわやかなほど非外交的な反応を示した。
 首相は、ロシアが、ベラルーシおよび欧州連合(EU)諸国への
 石油輸出をいとも簡単に停止したことは
 「受け入れられない」と述べた。
 首相は、このような行動が「信頼を破壊した」とも述べたが、
 メルケル首相が他の西側諸国の首脳よりも
 クレムリンと近い関係にあることを考えると、
 これはかなりの重みを持たせた発言である。

 プーチン大統領が欧州へのエンルギー供給を遮断したのは、
 この一年間で二回目である。
 前回はウクライナ経由のルートだった。
 ルカシェンコ大統領の全体主義的な政権下のベラルーシは
 国際社会からはつまはじき状態にあり、
 西側諸国はこの価格をめぐる対立に
 巻き込まれないよう距離を置いている。

 しかし遅かれ早かれ、西側諸国は、
 プーチン氏のエネルギーを使った脅迫に
 反対する立場をとらざるを得なくなるだろう。
 ロシアは世界最大の天然ガス埋蔵量と、
 かなりの石油資源を持っており、いくらでも腕力を行使できる。
 英国の情報機関は、世界の秩序を維持するに当たって、
 エネルギー供給の安全を保障するのは、
 アルカイダの脅威に対処するのと同じレベルの
 課題だと見なしている。

 従って、強硬な政治的反応を必要としており、
 現在のEU議長国、主要国(G8)議長国として
 メルケル首相が主導すべきである。
 G8はプーチン大統領に対して、
 主要国の一員として同じテーブルに座りたいならば、
 G8のルールに従って行動すべきであり、
 さもなければG8の資格を剥奪されるリスクを
 冒すことになると伝えるべきである。
 またプーチン氏には、ロシアのエネルギー採掘は、
 西側の専門技術にひどく依存しており、
 その技術撤収の可能性があることもしっかりと思い出させるべきだ。

   (英デーリー・テレグラフ紙 2006/01/11)


◇エネルギーで恐喝するロシア

 ガスの次は石油。
 天然ガス価格をめぐるベラルーシとの口論が収まって
 何日もたたない一月七日、
 ロシアはポーランド、ドイツ向けに
 ベラルーシを経由する原油の供給を止めた。

 エネルギーを武器とするロシアの力の政策は当初、
 クレムリンへの従属を拒む旧ソ連諸共和国に向けられていた。
 ロシア・ベラルーシ間のいさかいはこの点、予想外だ。

 両国は一体化することを考えていたし、
 プーチン・ロシア大統領は
 ルカシェンコ・ベラルーシ大統領の最後の頼りでもあった。
 だが、目的を達成しようとするクレムリンには、
 「友情」も勘定に入らない。

 ウクライナ、モルドバ、アルメニア、グルジアと同様、
 ベラルーシも恐喝の対象となる。
 追従するか、言い値で支払うか、震え上がるか……。

 当面の効果と長期的な影響とで、
 エネルギー戦争のこの新たな展開は
 ロシア・ベラルーシ二国間関係の域を超える。
 欧州連合(EU)はその前面に立たされる。

 EU諸国が消費するガスの四分の一、
 石油の三分の一はロシアから供給されている。
 ロシアは西側との契約を一貫して守ってきたと主張する。

 確かに旧ソ連時代・冷戦当時を含めて、その通りだった。
 しかし、しばらく前から、
 西側に向けて直接ではなくとも、警告射撃には事欠かない。

 EU諸国はこうして、
 ロシア巨大エネルギー企業の野心に盾突くことが、
 どれほど高くつくかを思い知らされることになる。
 これら企業は政治権力の発露である。
 政治権力が企業側の発露でないとすればの話だが。

 EU諸国が従来通り、ばらばらの形で対応し続けるなら、
 やがてはロシアの要求に屈する以外、選択肢はなくなるだろう。

 EU共通のエネルギー政策、
 より広くは域内全体で協調した対ロシア政策が、
 これまでにも増して一層緊急に必要とされる。

   (仏ルモンド紙 2006/01/10)


どちらも「ロシアに警戒せよ」の論調で一致しています。
まあ、そうならざるを得ないでしょうね。


さて、原油高のおかげで
世界の石油や天然ガス産出国の羽振りがいいですね。
このロシアも、世界を騒然とさせているイランも、
そして南米の暴れん坊チャベス氏のベネズエラも。
しかし、彼らの天下はそう長くは続かないでしょう。

かつて1973年に石油ショックが発生し、
それまで超安値だった石油の価格が一挙に高騰しました。
この時、OPECなどの産油国は我が世の春を謳歌し、
逆に日本などの西側先進国は顔面蒼白となりました。

しかし、日本と先進国は
この窮地を省エネルギー技術の開発で乗り切りました。
あのサミット(先進国首脳会議)も
この石油ショックの危機感から始まったものです。

今回の石油高騰は
中国・インドの経済発展による需要増と
イラクの混乱などによって生じたものですが、
おそらくここ数年は
この傾向は続くのではないかと思います。

同時にそれは資源エネルギー産出国の天下が
しばらく続くことを意味してるわけですが、
日本と先進国はあの石油ショックで
省エネと原子力などの代替エネルギーの技術を促進させたように
今回は次世代エネルギーの開発が
そうとう急ピッチで進むと思われます。

高い需要が生じれば
それ相応の代替技術が開発されるのは自由主義諸国の常であり、
おそらく産油国の天下は10年も続かないでしょうね。

地下の資源を掘るしか能の無い連中は
資源の価格の変動に一喜一憂せざるをえませんが、
高い技術を追い求め、絶えず切磋琢磨して工夫を怠らない国は
なんだかんだ言いつつ、長い目で見たら勝利するものです。

世界史を眺めてみると
資源に恵まれなくとも技術や産業で
歴史上に輝きを残した国はいくらでもありますが、
その逆はありません。

資源をかさに他国を恐喝し、
国家間の約束事や契約を弊履の如く破り捨てるロシアですが、
資源以外にまともな技術や工業製品があるでしょうか?
せいぜい中国相手に好評を博している、
2流の武器ぐらいなものでしょう。

プーチンの高笑いもあと10年がせいぜいでしょう。
ロシアはいつまでも天然資源に頼るべきではありません。
資源外交と国際的恐喝に血道をあげる前に
そろそろ何をもって国の礎となすかを
真剣に考えるべきでしょう。

資源は掘ればやがて尽きる時がきます。
このようなものに国家の未来を託せば、
石油の暴落は国家の暴落につながります。

「ソ連邦崩壊後の新生ロシアは
人類史に何か誇れるようなものを生み出したか?」
そう問われて自国を振り返った時に
石油と天然ガスと2流の武器と暗殺団、
それ以外に何も無いことに気づくべきでしょうね。



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半島情勢の緊迫と中朝の意図 その3・・北朝鮮の今後の一手は?


     北朝鮮ミサイル「テポドン」.jpg


前回と前々回の続きです。

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン


<今後の北朝鮮の路線は?>

前々回の「その1」において
中国の思惑と意図について書きました。

即ち、

  「北朝鮮の国家体制・統治システムは崩壊させない」
 
  「トップの指導層のみをすげ替える」

  「米国と韓国に介入させず、半島の分断を固定する」

北朝鮮はこの中国の意図をよく見抜いています。
見抜いた上で中国を利用しています。

つまり、

  「我が国が崩壊したら困るのは貴国だろ?」

  「韓国による半島統一や難民の大量流入は
  貴国の国益に反するはず」

  「だから食料と原油を寄こせ」

こういう発想ですね。

まあ、凄まじいばかりの性根としか言いようがありません。
北朝鮮は米国に対して「瀬戸際戦術」を行ってますが、
これは中国に対しても同様だということです。

北朝鮮経済と国家システムの命綱は
中国が握っていると言われています。
それは原油と食料の援助によってですが、
その中国があれだけ警告しているにもかかわらず、
平然とミサイル乱射や核実験を行う北朝鮮。
その不可思議さを解く鍵は
「崩壊したら困るのはお前らだろ」
このセリフの中にあります。

ただし、中国の援助は
あくまでも最低限のレベルでしかありません。
即ち「生かさず、殺さず」。

北朝鮮としては短期的なその場しのぎにはなっても
長期的にこの状態が持続すれば
やはりジリ貧となってしまいます。

結局、彼らはどこかで国家の生存のために
活路を見いださざるを得ません。

もともと北朝鮮の国家戦略は2つの方向性がありました。

1,軍事的侵攻による半島の統一

2,韓国を思想的に赤化し併呑する。
  (対南赤化路線)

1は物理的な力で、2は思想で、というわけです。

1に関しては70年代から国力に開きが生じ始め、
今や軍事力による侵攻はほぼ不可能といっていいでしょう。
不可能を可能にする魔法の鍵は
核弾頭を搭載したミサイルの開発ですが、
まだまだ数年から十数年先の話しです。

2が一番現実味がある策です。
実際に、北朝鮮の努力と韓国自身の油断で
90年代以降の韓国は親北左傾化し、
この路線は半ば成功の状態にまでこぎつけていました。

本来、北朝鮮が取るべき最善の道は
この2の対南赤化路線だったのですが、
結局、北朝鮮はそれを中途半端にしか進めませんでした。

それは何故か?
北朝鮮自体が崩壊寸前に至ったからです。
目先の食料とエネルギーが欠乏したからです。
だから彼らは数年後にしか結果の出そうもない対南赤化よりも
核とミサイルによる瀬戸際戦術を選び、
目先の小利を追わざるを得なくなりました。

具体的に言えば
小泉政権末期からの日本の対北制裁の強化と
米国の金融制裁の開始です。
この打撃が大きかったわけです。

そして去年のミサイル乱射と核実験が行われたわけですが、
これにより韓国内の親北ムードは冷や水を浴びせられ、
太陽政策を行っていた盧武鉉政権の支持率低下に
一層の拍車がかかりました。
また、北朝鮮が敵視する野党ハンナラ党の支持率が上昇しました。

こうして長年、
北朝鮮が地道に進めていた対南赤化工作は
大きく後退したわけです。

それは国家の窮乏により
遠くの大利よりも目先の小利を追わざるをえない、
彼らの固有の事情があるわけです。
そして小利を追いかけるために
むざむざ大利をドブに捨てるようなことを
してしまったわけです。

まあ、なんとも北朝鮮にとっては悲痛な話しですが、
これは国家だけではなく、企業や個人も同様ですね。
貧乏ゆえに目先の利益に汲々とし、
遠大な投資は見送らざるをえない。
なんだか北朝鮮が他人とは思えませんな(笑)

まあ、冗談はともかく
長期的な2つの大きな戦略方針は
今や国家の困窮により、放棄か保留せざるをえない北朝鮮。

結果的に今後の彼らの戦略は
短期的実利の追求の連発になってくると思われます。
つまり半年から一年後のエネルギーと食料の追求、
国家の生存を求めてのあがきです。


<北朝鮮の次の一手>

短期的実利の追求。
次の一手として予想されるものは2つでしょう。

 1,南北首脳会談の実現と韓国の援助の引き出し

 2,一層の瀬戸際戦術の推進

1は単なる一時しのぎです。

上述したように
かつて北朝鮮は対南赤化路線の推進により、
韓国の全面赤化と吸収を意図していましたが、
北朝鮮の核実験と国際社会による猛非難、
韓国内の親北派の退潮と盧武鉉政権の弱体化により
この路線自体は不可能となりました。

ただ、彼らは切迫した食糧事情を打開するために
南北首脳会談を盧武鉉政権に持ちかけ、
援助を引っ張り出すことはやるかもしれません。

しかし、これは一時しのぎにすぎませんし、
北朝鮮の窮状の抜本的解決にはなりません。
何故ならば、一年後に韓国では大統領選挙が待っており、
今のままでは親北左派の候補が大敗するのは確実だからです。

最終的に北朝鮮が打開策とするのは
瀬戸際戦術の強化です。
これしか彼らの選択肢は無いでしょう。

去年にミサイルを乱射し、核実験を強行し、
米国の金融制裁の解除を求めてきた北朝鮮ですが、
解除どころか、一層の制裁強化に直面してしまいました。
米国のみならず、日本の制裁も厳しくなってしまいました。

あてが外れ、事態は一層悪化してしまったわけですが、
彼らの発想は

  「では、もっと強烈なやつを」

  「米国と日本が譲歩せざるを得ないような強力なやつを」

となるでしょうね。

では、この「もっと強烈なやつ」とは具体的にどういうものか?
それは過去記事でも何度か書きましたが、

北朝鮮:テポドン・ノドン、ミサイル連射・・強攻策の行き着く先は?

予想されるものは2つです。

 1,対南軍事侵攻の構えを取り、38度線沿いに大兵を集結させる。

 2,日本との軍事紛争を意図的に引き起こす

1は第二次朝鮮戦争の危機を煽ることです。

もっとも第二次朝鮮戦争が起きても
北朝鮮が勝つ見込みなど百に一つもありません。
老巧化し、稼働率も下がっている兵器と
食糧不足で士気が弛緩している北朝鮮軍が攻めてきたところで
米韓連合軍の圧勝に終わるでしょう。

ただ、これは北朝鮮自身も分かっています。
それを承知の上で
戦争すればそっちも軍民合わせて万単位の死傷者が出るよと
脅しをかけるわけです。
さらに38度線沿いの長距離砲の攻撃により、
ソウルを火の海に変えるよ、と。

これは韓国にとっては厳しいですね。
実にシビアなシナリオです。
もちろん米軍にも多くの死傷者が出るでしょう。

そして北朝鮮は言うわけですな。
それが嫌なら金を寄こせ、制裁を解除しろと。

ただ、これをやると
韓国内の親北ムードは完全に消え去るでしょう。
まだ北朝鮮が対南赤化路線に未練があれば
韓国はターゲットにしないかもしれません。

その場合は、2の日本との対決路線です。

まず、なんだかんだと日本に難癖をつけます。

  「これ以上の制裁は民族の生存を揺るがす」

  「よって我々は自衛の権利を行使する」

とか言いつつ、
日本海や日本海沿岸において
海空軍を使ってわざとドンパチやるわけです。
海保の巡視船を撃沈するとか、
原発がある県の沖合に弾道ミサイルを撃ち込むとか。

あるいは竹島あたりがいいかもしれませんね。
竹島からちょっと離れたあたりにいる海保の巡視船に
北朝鮮のミサイル艇が攻撃して撃沈する。
そして声明を出すわけです。

  「独島(竹島)は我が民族固有の領土である」

  「我が国土は寸土たりとも日帝には渡さぬ」

これを言われれば韓国人あたりにも
共感する連中が出てくるかもしれませんね。
また、それが狙いでもあるわけですが。

そして北朝鮮は要求するわけです。
制裁は解除せよ、金を寄こせ、
さもなくば我々は生存のために行動せざるを得ない、と。

これらの瀬戸際戦術を行使されて
韓国はぐらつかないでしょうか?
日本の世論は動揺しないでしょうか?
それを北朝鮮は狙うでしょうね。


さて、3回に渡って半島情勢に絡めて
中国と北朝鮮の思惑について書いてきました。

北朝鮮はもはや崩壊寸前の国です。
そしてそれ故に彼らは
目先の食料とエネルギーの確保に血眼になり、
結果的に国家百年の計にとって
マイナスになる行為を平然と行っています。

飢えた人間が目前の他人の食料を奪うが如く、
彼らの一手一手は常に国家の信用を落とし、
さらに彼らの進路は細く困難な道となっていきます。
悪循環、困窮のスパイラルに北朝鮮は落ち込んでいます。

その落ちていく先に亡国か体制崩壊の奈落があり、
それは年内にやってくるものと私は思っています。



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半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑









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半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン


       北朝鮮.jpg



前回、半島情勢に対する中国の思惑について書きました。

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑

では、当の北朝鮮自身の思惑は?
さらに彼らの戦略や発想パターンはいかなるものか?

これを今回と次回の2回に分けて書きます。


<北朝鮮の発想パターン>

北朝鮮という国家の発想パターンには
以下の3つの事柄が大きく影響しています。

1,マルクス・レーニン主義譲りの弱肉強食的世界観

2,大国に圧迫されてきた民族の歴史
  事大主義と鋭敏な歴史的被害者意識

3,民族の南北分断という固有の環境

1と2はそのままですね。
解説不要です。

3について詳細に説明しておきます。

北朝鮮という国家の性格を考え得る際に重要なことは
この国が分断国家の片割れだということです。

もし「朝鮮民主主義人民共和国」という国が分断国家ではなく、
日本のような同一アイデンティティの統一国家であれば
今のような攻撃的な国であったかどうか?

南北双方の国民が等しく思っていることは、

  現在、民族は南北に分断されているが、
  本来のあるべき姿は統一された状態である。

ということです。

つまり「統一」が彼らの理念です。
これは朝鮮民族のみならず、他国の人間もそう思っている。
分断は一時期の現象であり、本来の姿ではないと思っている。

この統一という民族理念は
南北双方の国家戦略を常に拘束しています。
そして彼らの発想に多くの影響を与えています。

北朝鮮から見れば自国の進路は二つしかありません。

 1,北朝鮮による韓国の併呑

 2,韓国による北朝鮮の吸収

つまり単純に言うならば
「殺るか、殺られるか」ということです。
自分が相手を呑み込むか、逆に相手に呑み込まれるか。

平和的手法による南北の合併という発想は北朝鮮にはありません。
セレモニーとして平和的合併を装うことはあっても
現実の弱肉強食の世の中では
そんなものはただのおとぎ話に過ぎないと思っています。

北朝鮮の国家戦略は
常にこの発想を大前提としています。
「殺るか、殺られるか」
「呑むか、呑み込まれるか」

同じ民族でも韓国の場合は
経済発展により裕福となり、
国力でも北朝鮮をはるかにしのいでますから
まだまだ発想に余裕があります。

また、韓国は民主主義国家ですから、
裕福となった個々人が
「統一」という民族的理念・建前とは別に
貧乏な北と統一した場合の
生活レベルの低下を考えざるをえません。

しかし、北朝鮮にはそんな余裕はないわけです。
そして南を併呑できればより豊かになれる。
理念と実利の双方で統一を強く望むわけです。

今、北朝鮮指導層は
国民を飢えさせて先軍政治の名のもとに軍備を拡張し、
貧弱な国家予算を圧迫しながら核武装に邁進していますが、
これは西側先進諸国の人間から見れば実に奇っ怪な光景です。
狂っているとしか思えません。
正気を疑うような国です。

しかし、北朝鮮指導層からすれば
これは当たり前の状態なのです。

  南側の韓国は豊かとなり、
  先進兵器で武装した軍隊を持っている。
  北朝鮮がこれに対抗するには
  国家予算を傾ける勢いで軍備を拡張せねばならない。

これが彼らの発想であり、
「殺るか、殺られるか」という北朝鮮流の観点から見るならば
至極当然の結論となるわけです。

彼らは
貧弱な国家予算に比例した貧弱な軍隊しか持たなければ
たちまち韓国とその後援者たる米国に
攻め滅ぼされると思っている。

人は自らの尺度で他人や世界を計るものですが、
北朝鮮は弱肉強食・権謀詐術の世界観で他国を計っている。
自らがそうであるように
他国もまたそういう国々だと思っています。

その彼らが核兵器を持ったことは
周囲の大国に対する対抗心と共に、
南から呑み込まれないための一つの保険です。

これを韓国人はどれだけ意識しているかは知りませんが
北朝鮮が核を保持し、
それを搭載する弾道ミサイルの開発に狂奔している今、
これが完成に至ってしまえば
韓国主導による統一の芽はほぼ消えるということです。
韓国人自身はそこまでは考えてないようですが・・。

このように北朝鮮という国家の発想は、
マルクスレーニン主義譲りの弱肉強食的世界観や
大国に圧迫されてきた民族の歴史と共に、
南北分断という固有の環境に強く強く影響されています。

こういう「殺るか、殺られるか」などという、
ヤクザのような発想で国家を運営していけば、
他国民を拉致し、麻薬や偽札を売りさばき、
権謀詐術を外交の基準とし、
他国との約束を破ることを恥じることもない、
ああいう狂ったような国になるのは
ある意味、当然といえば当然の話です。

あの崩壊寸前の貧乏国家が
ミサイルを乱射し、核実験を行うことを
諸外国は奇異な目で見つめていますが、
これは北朝鮮流に言えば
やるべくしてやった当然の行為なのです。

悪鬼は自らが悪鬼であることを
べつに変であるとは思っていないのです。


<北朝鮮の外交と戦略の原則>

では、上記の北朝鮮の発想パターンから
彼らの外交と戦略の原則を考えてみましょう。

それは以下の3つです。

1,道義・信義等の要素が皆無

2,実利と打算のみで手段を選ばない
  
3,短期的実利の追求

まず、我々日本人も最近になってよくわかってきたことが
北朝鮮の外交には「信義」の文字が無いということです。
倫理的要素など皆無ですね。

また、逆の言い方になりますが
実利の追求と打算のみで、手段を選びません。
どんな悪辣な手段を取ろうと平然としています。

そして3の「短期的実利」の追求ですが、
これは90年代以降の北朝鮮の国家戦略の特徴となっています。

つまり、国力が貧弱で
食料やエネルギーは万年欠乏の状態にありますから、
10年・20年単位で国家の計を考えるより、
半年・1年後の目先の食料や原油の獲得に血眼になっています。

いわば国家自体が自転車操業の状態で
目先のやり繰りに必死となっている状態です。
こぎ続けねば倒れるわけですから。

彼らも国庫が富に満ち、国力が充実しているのならば
もっと数年や十数年単位で
国家の施策を考えていきたいのでしょうが、
いかんせん国自体が破産寸前なので
遠くの大利よりも目先の小利を追い求めざるを得ないのです。

そして、この短期的実利のみを追求するために
結果的に長期的には
国家にとってマイナスとなることを平気でやってしまう。
他国人が見たら不可思議な北朝鮮の一手一手も
この観点で見ればスッキリと分かります。


   <続く>



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半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑








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半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑


     kokinntou.jpg


米ステルス機が韓国到着 在韓米軍と訓練

 在韓米軍は11日、米ニューメキシコ州の空軍基地の
 F117ステルス戦闘機部隊が同日、
 在韓米軍の群山基地に到着したことを明らかにした。
 約4カ月間、在韓米軍のF16戦闘機部隊などとともに
 訓練を行うとしている。
 
 F117部隊の韓国配備は2003年以降4回目だが、
 3月に予定される米韓合同の「戦時増援演習(RSOI)」に
 初めて参加する見通し。
 米軍は来月10日から嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)にも
 最新鋭のステルス戦闘機F22Aを暫定配備する方針で、
 北朝鮮への牽制を強める狙いがあるとみられる。
 
 在韓米軍は、配置は
 「朝鮮半島と西太平洋地域の安全保障に責任を担うとの
 米国の持続的な公約を示すため」としている。

   (iza!)


ステルス戦闘機F-117が韓国の群山基地に到着。
さらに最新鋭のF-22が2月10日から嘉手納に暫定配備。

これに先立つ1月4日、日本のメディアは
日米両国が朝鮮半島有事に備えた共同作戦計画を
策定中と報じました。

日米、有事計画を具体化 朝鮮半島問題想定

この作戦計画は早くも今年の秋までに完成するそうですが、
それには米側の強い希望があったとのこと。

さらに5日付けの朝日新聞は

 日本政府は朝鮮半島での有事の際、
 北朝鮮の難民10万人から15万人ほどが
 日本に上陸すると想定している。

と報じました。

朝鮮半島有事、北朝鮮難民「10万人」 政府予測

これは内閣の安全保障会議傘下の
「事態対処専門委員会」が独自に試算した推計だそうですが、
何故、この時期に一斉に
この種の報道が流れるのでしょうかね?
何者かのリークなんでしょうけど。

なんとも、きなくさい情報が乱れ飛んでますが、
今日はこの北朝鮮情勢に絡んで
中国と北朝鮮の思惑について私の見解を書いておきます。

長文となったので
まず今日は中国の思惑について書きます。


中国のここ数十年単位での国家戦略は
一言で言うならば「国力の増加」です。

  戦乱を極力避け、経済発展により国力を増す。
  世界の超大国たる米国との衝突は
  出来るだけ回避する。

  国力が充実した暁には米国との対決も辞さないが、
  今は現国際秩序下の大国の座を保持しつつ、
  経済発展を最優先させる。

これが彼らの国家戦略です。

「殖産興業」と「富国強兵」。
明治初期の日本のように
列強に対抗する力を徐々に蓄えていくことが、
中国の当面の目標です。

彼らにとって1997年の「台湾危機」は
手痛い教訓となったでしょう。

台湾の民主選挙に圧力をかけ、李登輝の当選を妨げようと
台湾沖に数発のミサイルを撃ち込んで恫喝を行った中国でしたが、
李登輝の断固たる姿勢と米国の空母艦隊の威圧に
結局、何も手出し出来ずに終わりました。

世界の自由主義諸国家は
この痛快な一幕にやんやの喝采を送りましたが、
中国にとっては屈辱だったでしょうね。
目と鼻の先の台湾に指一本触れることも出来ないわけですから。

この時から
「現世界秩序の中での経済的台頭」
これが彼らの至上命題となりました。
かっこよく言えば「臥薪嘗胆」というわけです。

では、この中国の国家戦略から見て
中国にとって望ましい北朝鮮のあり方とは何か?
中国にとって都合のいい北朝鮮像とは?

1,中国の衛星国家・従属国家

2,西側諸国との防波堤、緩衝国家

3,地域に無用の混乱を起こさない

4,中国資本の市場

この4つでしょうね。

従属し、西側との防波堤であり、
混乱を引き起こさず、経済的植民地であってほしい。
ひたすら変化などせず、
ただの極東の小国であってほしい。

中国が恐れるのは情勢の変化と地域の混乱です。
北朝鮮情勢に関しては
彼らが最も厭うているのは「変化」です。
これが中国の思いでしょう。

この中国が現実の北朝鮮を見た場合、
最も苦々しく感じる部分が、
「平地に乱を起こす存在」
「核開発」
この2つでしょうね。

特に中国にとって北朝鮮の核開発の衝撃は大きいでしょう。
今はただの核爆弾に過ぎませんが、
北朝鮮は核と弾道ミサイルの開発を並行して進めてますから
いずれミサイルに核が搭載される時がやってきます。

地図をご覧になって頂ければ分かりますが、
平壌~東京間の距離よりも
平壌~北京間の方が近いわけです。

テポドンなどの弾道ミサイルに核が搭載されれば、
北京やその外郭都市である天津、
中国東北地方の大都であるハルピンや長春、
そしてあの上海ですら射程範囲に入ります。

かつて1956年のハンガリー動乱や
1968年のチェコのプラハの春が
ソ連軍の軍事介入によって鎮圧されましたが、
あれはハンガリーやチェコスロヴァキアが
ソ連軍に比べて微弱な軍事力しか持たなかったからで
もし、あの時に両国が
モスクワを射程に収める核ミサイルを保持していたならば、
ああも簡単にソ連は介入できたでしょうか?
おそらく事態の展開は違ったものになったと思われます。

北朝鮮が核を持ったということは
その矛先は日米韓のみならず、
中国に向く可能性もあるわけです。
いや、むしろ北朝鮮は核開発に関しては
北方の大国である中国の存在を強く意識しているはずです。

よって中国にとって北朝鮮の核は
断固許容できるものではない。
また、その核開発のために米国との摩擦を生み、
極東に無用の混乱を巻き起こしている。
さらに、北が核を持ったために
日本と韓国の核武装に波及しかねない。

核を開発し、
周辺諸国に混沌を引き起こしている北朝鮮と現指導層は
中国にとって国益を害し、国家戦略を妨げる存在です。


では、上記の要素を勘案しつつ、
この現情勢において
中国は北朝鮮に対していかなる手を打つのか?

その方針は3つです。

1,北朝鮮の国家体制・統治システムは崩壊させない

2,トップの指導層のみをすげ替える。

3,米国と韓国に介入させず、半島の分断を固定する。

まず、北朝鮮の国家体制・統治システムを崩壊させずに
頭の部分だけをすげ替えること。
指導部のみを交替させることです。

もし、ここで北朝鮮の国家体制が崩壊すれば
先の見通しはかなり不明瞭になります。
半島情勢がどう転ぶかが極めて読みにくくなり、
下手をすれば韓国による統一国家の誕生もあり得ます。

そうなれば中国は
鴨緑江を境に米軍が駐屯する西側諸国と向き合うことになるわけで、
これは決して望ましいことではありません。

また北の統治システムが崩壊すれば
多くの難民が中朝国境に押しかけてくるでしょうし、
時期的にも2008年の北京オリンピックの前には
混乱が波及することは避けねばなりません。

そのため中国は北朝鮮の核実験に激怒しつつも
やむなく援助と交易は続けているわけです。
馬鹿馬鹿しいと思いつつも、
むしろ日米の制裁によって目減りした分までも
余計に中国が増負担しているわけです。

この中国による援助と交易の基本は、

  「生かさず、殺さず」

ということです。

今、死なれては困る。
しかし、図に乗って増長されるのも困る。

中国は体制の崩壊を避けつつ、
北朝鮮指導層の首のすげ替えのタイミングを
虎視眈々と狙っているでしょう。

北朝鮮の金正日は
何度もクーデターや謀殺の危機をくぐり抜けてますから、
警戒心と猜疑心は強く、
陰謀をかぎ分ける嗅覚も相当なものがあります。

中国は北朝鮮への援助と交易を
ときおり強めたり、ときおり絞ったりしつつ、
北朝鮮の指導層の動揺と内部分裂を誘い、
謀略を仕掛けていくでしょう。
そして時来たらば軍事力の行使も厭わぬでしょう。






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イスラエルの対中武器輸出とイランの資源外交


    殲10.jpg


今日は「涼宮ハルヒの憂鬱」を見ていて
思わず時間を食ってしまったので短めに書きます (^^;)


米国の最新技術に照準か 中国がイスラエルに急接近

 フランスの次期大統領候補、ロワイヤル元環境相(53)に続き、
 中東・イスラエルからオルメルト首相(61)が
 9日から3日間の日程で、中国を訪れる。
 世界の国々が思っているように、
 「13億人の中国」はイスラエルにとっても巨大な市場だ。
 そして中国は核保有国、イスラエルも核保有国とみられている。
 米国の軍事技術を、
 イスラエルを通じて中国が獲得しようとしているのではないか。
 世界最強の軍事大国、米国の心中も穏やかではない。

 イスラエルは米国から手厚い軍事技術を供与されており、
 中国側の狙いはあくまで、
 この「米製」の技術の確保にあるとみられる。
 そのうえで胡錦濤国家主席、オルメルト首相の首脳会談で
 両国は経済・農業・貿易分野などで関係強化を図るとみられる。

 イスラエルは自国の軍需産業を維持するため
 中国を潜在的な巨大市場ととらえている。
 01年、高性能レーダー「ファルコン」を搭載した、
 複数の早期警戒管制機の対中輸出を断念。
 05年には、中国に売却した無人攻撃機の改造をめぐり
 米国から非難された。

 中国の新型戦闘機はイスラエルの戦闘機が基盤とされ、
 早期警戒管制機のレーダー技術も
 イスラエル製と酷似しているといわれる。
 軍事技術の対中供与には米国が神経をとがらせている。

   (iza!)


今、日本の安倍首相は欧州諸国を歴訪し、
EUの首脳を相手に対中武器禁輸解除の反対を訴えています。

EUが中国への武器輸出を解除すれば、
直接の脅威を受けるのは日本だからですが、
同じ頃、イスラエルのオルメルト首相は
中国で胡錦涛相手に武器の商談を行っています。

前々からイスラエルと中国は武器輸出を通じて
特別な関係にあります。

過去記事でも書いたことがありますが、

中国:国産AWACSが墜落・・KJ2000とは?

イスラエルは2000年に
中国に早期警戒管制機用にレーダーを輸出しようとし、
米国の圧力を受けて断念。
また、2005年にも最新鋭の無人偵察機を輸出しようとし、
これまた米国の圧力で中止しました。

上記ニュースにも書いてあるとおり、
イスラエルは米国から供与された最新の武器技術を有しており、
これを隙あらば中国に輸出しようとしています。

先日、ニュースなどで
中国空軍が最新鋭戦闘機を配備したと話題になりました。

中国、最新戦闘機「殲10」を自主開発
 性能実態は「ベールに包まれている」

まあ、中国は「自主開発」などと言ってますが、
これはイスラエルからの技術供与を受けて
同空軍のラビ戦闘機をモデルに作ったものです。
トップの画像がこの「殲10」ですね。

初飛行は1998年で、
西側諸国からは「J-10」と呼ばれてました。
カナード翼+デルタ翼の採用など
今までの野暮な中国軍機とは見違えるような
洗練されたスタイルです。

性能はハッキリしたことは分かってませんが
まあ、ラビ戦闘機並の性能であるならば相当なものでしょう。
これでロシアから輸入したSU-27などと並び、
中国空軍のレベルは一気にアップするわけで
我々日本人としては迷惑そのものです。

イスラエル自身は
中国に武器を売ることで商利を得ていますが、
結果的に自分の首を絞めている部分があります。

それは中国が大量にイランに武器を輸出し、
そのイランがレバノンの武装組織ヒズボラに
武器を大量に供与しているわけで
回り回って自分の足を自分で撃ってるような
アホらしい側面があります。


さて、今回のオルメルトの武器商談ですが、
単に武器を売って利益を貪ろうというだけではなく、
もう一つの目論見があるでしょう。
それはイラン対策です。

現在、イランの核開発に対して
国連などで欧米諸国は強硬制裁を主張し、
対して中露は慎重論を唱えています。

このイランによる核開発が進めば
イスラエルは生存の危機にさらされるわけで
何としてでもこの動きを止めようとしています。

このオルメルトの訪中は
武器輸出や最新技術の供与をちらつかせて、
中国を少しでも反イランに傾けると共に
一朝事有らば中国にイランとの仲介に入ってほしいとの
思惑があるのでしょう。

西側諸国の最新技術が
喉から手が出るほどにほしい中国にとっては
この申し出は魅力的でしょうね。

しかし、当のイランにも同様の動きがあります。
以下のニュースをご覧あれ。


イラン、ガス田開発加速 マレーシアや中国と組む
 資源外交に警戒も
 
 
 天然ガス資源の豊富なイランが
 国内需要や外貨を稼ぐ輸出向けに
 中国やマレーシアと組んで天然ガス開発を加速している。
 国内外の需要拡大に対応したものだが、
 核開発問題をめぐる海外からの圧力を和らげる、
 外交カードに使う狙いとの見方も出ている。

 イラン国営ラジオによると、
 イラン国営石油(NIOC)とマレーシア側は9日までに
 イラン南東の沖合に位置する2つのガス田開発で合意した。
 両ガス田の埋蔵量は65キロメートル沖合のゴルシャンガス田が
 1兆4250億立方メートル以上、
 沖合85キロメートルのフェルドスガス田は
 約2850億立方メートルとみられている。

 供給能力拡大に向けては昨年末、
 中国と大規模ガス田の開発で合意。
 人民日報(電子版)の報道では、
 中国海洋石油(CNOOC)はイランと共同で
 同国南部の北パルスガス田(埋蔵量48兆立方メートル)を
 開発することで一致。
 同ガス田でガス開発と液化天然ガス(LNG)事業に
 総額160億ドルを投資し、LNGを中国に輸入する計画だ。

 生産開始時期は明らかにされていないが開発は8年間の予定で
 中国海洋石油はLNGの生産工場建設や輸送、販売を担当。
 イランは同社に25年間ガスを供給する。

 中国企業ではこのほかにも中国石油化工や中国石油天然ガスが
 石油・天然ガスの開発や輸入で合意しており、
 イランはエネルギー資源の獲得に
 躍起になっている中国との関係を深めている。

 イランの天然ガスの確認可採埋蔵量は
 約27兆5000億立方メートル(05年)で
 ロシアに次ぐ世界第2位の規模だ。
 「豊富な資源を武器にイランが国連安全保障理事会の
 常任理事国である中国を取り込もうとしている」など、
 資外交強化を警戒する声も出ている。

   (FujiSankei Business i.)


イランはイランで
天然資源で中国を釣ってやろうとしているわけです。

資源獲得に血眼になっている中国は
当然の如く釣られるわけですね。

また、マレーシアも釣られてますが、
これはかの国が同じイスラム教国であると同時に
反米意識の強い国であるからでしょう。
イランもそこらへんは選んでますね。


イスラエルは武器で中国を釣ろうとし、
イランは天然ガスをエサにする。
一方の中国は両国を天秤にして実利を引き出してるわけで
三者三様の外交ゲームを繰り広げています。



関連資料リンク

安倍首相「欧州は中国に甘い」 武器輸出にクギ

中国、安倍首相を批判 EUの対中武器禁輸で






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ロシアVSベラルーシ:欧州向け送油の停止・・プーチンのエネルギー帝国主義


   ベラルーシ.gif



露も送油停止 東欧巻き込む「資源戦争」

 ロシアと隣国ベラルーシが
 エネルギー供給をめぐって対立している問題で、
 ロシア国営パイプライン会社、
 トランスネフチのグリゴリエフ副社長は9日、
 ロイター通信に「ベラルーシは違法に導入した関税分として
 原油を抜き取っている」と述べ、
 パイプラインへの原油供給を停止したことを認めた。
 
 ベラルーシは今月、ロシアが今年から天然ガス価格を
 2倍以上に引き上げたことへの報復として、
 自国領を通過するロシア産原油に大幅な関税を課す考えを表明。
 ロシアが応じる姿勢を見せないため、
 パイプラインから現物を抜き取る実力行使に出た可能性がある。
 
 送油が停止したのは「ドルージュバ」(友好)と呼ばれる、
 ソ連時代からの基幹パイプラインで、
 ロシアが輸出する原油の約3割が
 ベラルーシを通るルートで欧州に向けられている。
 
 一方、スロバキアやハンガリー、チェコでも8日夜、
 ベラルーシを経由して欧州に向かうロシア産原油の供給が停止した。
 8日朝にはドイツやポーランドへの供給も停止しており、
 ロシアとベラルーシ間のエネルギーをめぐる紛争は
 東欧にも大きな影響を与えている。
 
 スロバキアの石油備蓄量は約70日分、
 ハンガリーは約3カ月分、チェコは約3・5カ月分あるが、
 ハンガリー政府は、クロアチア経由で
 石油を緊急搬送する準備を進めている。

   (iza!)


この問題の経緯を簡単に書いておきますと、

 ◇ロシアがベラルーシに天然ガスの値上げを通告
        ↓
 ◇ベラルーシがこれに反発し、
  ロシアの天然ガスに高額の関税を課すと反撃
        ↓
 ◇ロシアは拒否、というか無視。
        ↓
 ◇報復としてベラルーシは
  領内を通過するロシアの石油パイプラインから
  原油を勝手に抜き取り。
        ↓
 ◇ロシア、怒ってパイプラインの石油供給を全面停止

こんな感じですね。

これが昨年の12月下旬から今日に至るまでの経過ですが、
一番馬鹿馬鹿しい思いをしているのは
ロシア産原油に頼っている欧州各国で、
両国の争いの巻き込まれ、石油を停止されて
「ふざけんなよ」というのが率直な気持ちでしょうね。

ちょうど一年前にも
ロシアはウクライナと同様の争いを起こし、
欧州向けのロシアの天然ガスの供給が一部ストップして
イタリアで25%、フランスで30%、ハンガリーで25%、
ポーランドで14%、スロバキアで30%の供給減となり、
欧州諸国は恐慌状態となりました。
中一年でこの状態が再現したわけです。

近年、ロシアは
「エネルギー帝国主義」と形容されるような、
天然資源を武器とした国家戦略を展開しています。

曰く、友好国には安く売り、非友好国には高く売る。
敵対すれば供給をストップし、
許しを請うて膝を屈すれば供給を再開する。

このやり方でウクライナを脅し、グルジアを締め付け、
今回はベラルーシを標的にしているわけです。

もともとロシアとベラルーシは友好国であり、
ソ連邦崩壊後も親密な関係にありました。
一時は両国が合体して連邦制国家となる構想すらありました。

しかし、2003年、
ロシアが提案したルーブル通貨のベラルーシへの導入を
ベラルーシのルカシェンコ大統領が拒否し、
ここから関係が悪化していきました。

もともと連邦制への移行は
ルカシェンコ自身が大いにノリノリだった話しで
何故、途中から手のひらを返したように
反対に転じたのかは分かりません。
着々と地盤を固めるプーチンのロシアと組んでしまうと
自分の座るイスが無くなるとの焦慮でしょうか。

今回のこのエネルギー紛争は
昨年のウクライナVSロシアの対立と基本的なパターンは同じですが、
その時とは違って
欧米ではベラルーシを擁護する論調はあまり見受けられません。
それはベラルーシのルカシェンコが
民主主義の皮をかぶった独裁者だからです。

そこらへんの機敏を
1月3日付のワシントン・ポストが書いています。


◇ベラルーシが自立を望むなら
 
 ベラルーシのルカシェンコ大統領は
 欧州最後の独裁者として知られているが、
 ベラルーシを併合しようとするロシアの圧力にも抵抗してきた。
 
 これを受けて、プーチン大統領は
 ベラルーシから自らが欲するものを引き出すため、
 「ガスの市場価格化」を利用。
 ルカシェンコ氏は新年の演説で
 「われわれはまたも経済制裁と孤立に直面している」と述べ、
 「理由はわれわれが独立を望んでいるからだ」と強調。
 さらに踏み込んで、ロシアの「反ベラルーシ感情」を非難した。
 ロシアに幻滅したルカシェンコ氏は
 西側との関係改善を希望するようになるかもしれない。
 しかし、欧州連合(EU)が最近も再度強調したように、
 そのためにはルカシェンコ氏が
 ベラルーシの民主化に踏み出す必要がある。

 独裁者の同氏はこれまで民主化とは無縁だったが、
 ベラルーシが本当にロシアから離れ、
 欧州の独立国家として生き残ろうとするなら、
 ガスに市場価格を払うだけでなく、
 ずっと大きな変革を受け入れることが不可避となるだろう。

   (ワシントン・ポスト 2007/01/03)


西側の支援がほしければ
まず民主化を行えということでしょうか。

ウクライナとグルジアには同情的な西側メディアも
ベラルーシに対しては実にそっけないです(笑)

おそらくプーチンも
このベラルーシの事情を見越した上で、
天然ガスの値上げを吹っかけたのでしょうね。


さて、このロシアの資源エネルギー戦略について
過去に本店ブログの方で詳述したことがあります。

対露外交と中国包囲網 その6
 ・・東シベリア石油パイプライン(後編)

その中から一部抜粋します。


 ロシアのプーチン大統領は
 KGB(ソ連国家保安委員会)の出身であることは有名である。

 そのプーチンは旧ソ連崩壊後、KGB自体が無くなり、
 故郷のサンクトペテルブルグに舞い戻り、失意の日々を送った。

 1994年、彼はサンクトペテルブルグの副市長に抜擢される。
 その時、彼は一つの論文を執筆した。
 タイトルは「ロシア経済発展のための鉱物資源戦略」。
 この論文が現在、
 ロシア・ウォッチャーの間で興味の対象となっている。

 内容はずばり、

   ロシアを豊かな資源によって再興させる!

 そして、それを実現すべき方法論について書かれている。

 曰く、

  ◇石油やガスなどの資源産業を国有化。
         ↓
  ◇国有企業群の経営を欧米並みに効率化。
         ↓
  ◇金融機関の機能を併設して「金融産業企業群」となる。
         ↓
  ◇世界からロシアの資源開発への投資資金を集める。

 と、こういう内容。

 今のプーチン政権のエネルギー戦略を見ていると
 この1994年執筆の論文の内容を
 忠実に実行しているのが分かる。


 エネルギーの輸出とは
 そこに供給国と需要国の依存関係を作り上げる。

 今年1月4日の英フィナンシャルタイムズ紙に
 1980年夏の英独首脳会談での
 サッチャー英首相と
 西独のシュミット首相のエピソードが書かれていた。

 シュミット首相が
 ソ連との間で天然ガス供給契約を締結したことを話すと、
 サッチャー英首相が愕然とし、
 「それはとても危険なことだ」と言った。
 しかし、シュミット首相は
 「危険なんてことはない。ソ連はガスを売りたがっている。
 実際、オーストリアのように
 もっと依存している国もある。」と語ったため、
 サッチャー首相は同席していたエネルギー相に
 「英国を絶対に同様の事態にしないように」と諭したとのこと。

 この恐れが現実となったのが、
 今年初めのロシアとウクライナの天然ガス紛争である。

 ロシアのガス値上げ要求をウクライナが拒否し、
 怒ったロシアは今年元旦、
 ウクライナ向けパイプラインのガス圧力を下げ、
 供給を削減する措置を断行した。

 このガス紛争の背景には
 去年の民衆革命により、親露派から脱落し、
 急速にEUと米国に急接近するウクライナへの
 ロシアのエネルギー懲罰戦略発動といった側面があった。

 ロシアは資源エネルギーというものを
 単なる輸出製品や外貨獲得の手段として見てない。
 彼らはこれを国策上の武器と考えている。
 英ガーディアン紙はロシアのエネルギー政策を
 「現代版エネルギー帝国主義」と呼んだ。


昨年の12月27日、ロシア上院は

  「大統領がいかなる国家や個人に対しても
  経済制裁を課すことができる」

という法案を可決しました。

おそらく今回の石油供給の全面停止も
プーチンが早速この新法を適用し、
合法的に行った可能性が高いと思われます。

12月26日付けの英紙デーリー・テレグラフは
「プーチン氏が創造したロシア」と題して
このロシアのエネルギー戦略を批判しています。


 約7年前、大統領代行になる直前にプーチン氏は、
 マニフェストを発表した。
 共産主義の崩壊、エリツィン時代の混乱を受けて、
 ロシアの偉大さを取り戻すための青写真だった。
 信用を失墜したボリシェビキでもなく、
 西欧の自由民主主義でもない第3の道を追求するもので、
 そのカギは、国家権力を回復することにあった。
 国家による軍事力・警察力の独占は1990年代に、
 マフィア、政治的野心を持つ新興財閥、メディア貴族、
 地方知事の混合体によって脅かされていた。
 
 2期目の半ばをすぎたこの時点でプーチン大統領は、
 そのプロジェクトを達成したのも同然と感じていることは間違いない。
 新興財閥は無力となり、メディアは検閲の対象となり、
 州知事たちは従順になった。
 経済面では、ユコスを解体したり、
 ロイヤル・ダッチ・シェルと日本の2企業を
 環境保護に関する刑事責任追及で脅したりして、
 石油とガスの生産をコントロールすることによって、
 国家権力は再確立された。

 クレムリンがエネルギーを政治の武器として使っていることは、
 西側へのエネルギー供給源としての信頼性に疑問を生じさせている。
 記者のポリトフスカヤさんや、
 元国家保安委員会(KGB)工作員リトビネンコ氏の殺害は、
 ソ連時代の陰謀の暗黒世界を思い出させる。
 プーチン氏のロシアにはギャングの側面がある。
 ボリシェビキが戻ってくる訳ではない。
 しかし、陰気な左翼主義は、
 21世紀に偉大さを追求する権力にはふさわしくない。

   (デーリー・テレグラフ 2006/12/26)


今回、供給停止となった「ドルージュバ」というパイプラインは
日本語に訳せば「友好パイプライン」となります。
なんとも皮肉な話しですね。



関連過去記事

ロシア、グルジアへの圧迫を開始・・欧米紙の論調

グルジアがロシア軍将校を逮捕
 ・・ロシアの諜報工作とグルジアの反撃

ロシア強硬策「サハリン2」事業停止へ
 ・・「生産分与契約」と国家の信義



関連過去記事(本店ブログ)

対露外交と中国包囲網 その4
 ・・東シベリア石油パイプライン(前編)
 
 
対露外交と中国包囲網 その5
 ・・東シベリア石油パイプライン(中編)

対露外交と中国包囲網 その6
 ・・東シベリア石油パイプライン(後編)








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北朝鮮:ヤマタク訪朝と国家の疲弊


  中朝国境地帯の北朝鮮の兵士.jpg



「国民には渡航自粛…」官房長官、山崎氏訪朝に不快感

 塩崎恭久官房長官は9日午前の記者会見で、
 自民党の山崎拓元副総裁から同日朝に訪朝する旨の
 電話連絡があったことを明らかにしたうえで、
 「6カ国協議が難航を極めているうえ、
 日本政府は国民に北朝鮮への渡航自粛を要請している。
 国会議員が渡航するのは望ましくない」と強い不快感を示した。
 
 山崎氏は滞在先の北京から
 「北朝鮮行きの飛行機に乗る。
 議員外交を行い、日朝平壌宣言の履行について話し合う」
 と塩崎氏に伝えた。
 首相官邸側に対する訪朝の連絡はこれが初めてで、
 塩崎氏が自粛を求めても耳を貸さなかったという。
 
 政府内では山崎氏の訪朝について
 「何で訪朝するのかよく分からない」といった批判が噴出しており、
 塩崎長官は「山崎氏個人の行動」と政府とは
 無関係であることを重ねて強調した。

   (iza!)


このヤマタクの訪朝ですが
ネット上では無茶苦茶に批判されてますね(笑)

まあ、そりゃそうでしょう。
官房長官ならずとも
「何で訪朝するのかよく分からない」と言いたくなります。

私はヤマタクという人は
一定の政治能力を持った人物だと思っています。
しかし、それ以上に欲深な男だと思っています。
彼がこの欲の陥穽にはまって
北の術中に陥らなければいいんですけどね。

私が一番恐れているのは
彼が北のメッセンジャーとなり、
以下のような北朝鮮の要求を日本に持ち帰った場合です。

即ち、北朝鮮が、

 「拉致問題の全面解決」

と引き替えに、

 「日本の対北経済制裁の全面解除」

を要求してきた場合ですね。

日本政府が北朝鮮に要求しているのは
「拉致」と「核」の解決ですが、
核は無視して拉致のみを俎上に挙げてきた場合どうするか?

どちらも日本国にとっては大事な問題ですが、
核の問題は日本の死命を制する事柄だけに
より優先度が高いでしょう。

もし、北朝鮮が上記のような取引を持ちかけてきた場合、
間違いなく日本の世論は分断されるでしょう。
またそれが北朝鮮の狙いでもあります。
そして、仮にこの取引が実行にうつされれば
日米同盟の分断にもつながります。


さて、北朝鮮絡みの話しをいくつか書いておきます。

まず、北朝鮮に対する日米の制裁ですが、
これがかなり効いてるようですね。

先日の不調に終わった六者協議にて
北朝鮮が真っ先に要求したのは
「米国の金融制裁の解除」でした。

また、最近、北朝鮮の対日批判が
エスカレートしていますが、

北朝鮮:労働党機関紙 日本の蔑称に「倭族」使用

これらの北朝鮮の悲鳴のような悪口雑言を見ていると、
米国の金融制裁と日本の対北制裁は
かなりの効果がでていることが察せられます。

さらに、去年末に北朝鮮が
金を売却しているとのニュースが飛び込んできました。

北朝鮮が金1.3トンをタイに売却、33億円余の利益

英紙タイムズも12月29日、
北朝鮮がロンドン金市場での
金塊売却を計画していると報じました。

まあ、ハッキリ言えば北朝鮮は困窮しているということです。
やむにやまれず保管していた金塊を
売りさばいたのでしょうね。

近年、北朝鮮が外貨を得る手段は
主に偽札と麻薬、武器売却、
そして日本からの不法送金などに限られてきてました。

それが日米の制裁で締め上げられたわけで
北朝鮮がこの二国の制裁を敵視するのも
当然と言えましょう。

確かに北朝鮮は中国とも活発な貿易を行っており、
そこからくる利益もあるわけですが、
基本的に中朝間の交易は
北朝鮮側の大幅な入超で赤字となっています。

それを補填していたのが偽札と麻薬による稼ぎで
これら犯罪資金はどこかで資金洗浄が必要なのですが、
今や世界の主要銀行は米国の制裁を恐れて
北朝鮮との取引を停止してしまったわけで
この影響はかなりなものとなっています。

また、最近の北朝鮮製の偽ドル札、
すなわちスーパーノートと呼ばれるものですが、
これに興味深い動きが起きています。

スーパーノートは偽札として非常に精緻なものですが、
ここ数年、北朝鮮から出回る偽札に
精巧度にばらつきが生じているようですね。

以前ならば、一定の品質・精巧度で統一されていたものが、
最近では非常に精緻なものから劣悪なものまで
雑多な質の偽札が北朝鮮から出回っています。

これは北朝鮮内部で
従来から偽札を製造していた部署とは別に
複数の組織が偽札作りに乗り出したことを物語っており、
国家の統制がかなり緩んでいるようです。

これは麻薬も同様であり、
70年代から始まった北朝鮮の麻薬製造は
労働党中央の39号室という部署が管轄してましたが、
今や百花繚乱の如く、あらゆる政府機関が
麻薬製造による資金稼ぎに手を出しています。

北朝鮮の朝野においては
「自力自活」が至上命題となっており、
これは庶民だけではなく、幾多の政府機関も
自力で金を稼げと指示されているようです。

この北朝鮮の困窮と現状に関しては
すでに各国の情報機関は周知していると考えられます。

何故ならば
かつて鉄の鎖国状態であった北朝鮮内部が
今や容易に潜入が可能となっているからです。

一例をあげておきますと
北朝鮮は偽札・麻薬以外に
偽タバコの生産も行っています。

これが世界各国で大量に売り裁かれ、
その数は年間410億本と言われています。
このため、これに被害を受けている日本のJTや
欧米の大手タバコ会社が連合し、
調査員を雇ってその実態を調べたことがあります。

調査員は北朝鮮に潜入し、偽タバコ生産の実態を調査し、
それが2005年6月に報告書として発表されました。

この報告書には
北朝鮮では10~12の工場で
偽タバコが製造されていることなど、
かなり赤裸々にその実態が書かれていました。

では何故、こういう民間会社による、
潜入調査が可能になったかというと、
近年、北朝鮮は偽札・麻薬・偽タバコ・偽バイアグラなど
ありとあらゆる犯罪行為に手を染めてますが、
北朝鮮の国家機関自体は生産を行うのみで、
流通と販売は各国の犯罪組織に任せる方向に変化しています。

つまり犯罪のアウトソーシング化ですが、
これにより北朝鮮自身のリスクは減った代わりに、
儲けも犯罪組織と折半しなければならず、
彼ら自身の利益は落ち込んでいます。

さらに、これらの犯罪組織とつながりが出来たことによって、
その犯罪組織のルートに乗っかれば
北朝鮮への潜入が比較的容易に行えるようになりました。

なんせ、北朝鮮は偽タバコの製造に関しても
3つの工場に関しては
台湾マフィアに生産を委託してるぐらいです。

もはや鉄の統制国家、
鎖国国家は過去のものとなりました。



参考資料リンク

◇軍事研究別冊:北朝鮮&中国の対日工作!

金正日「闇ドル帝国」の懐死








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日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点


      H2Aロケット10号機.jpg


今日は珍しく宇宙開発について書きます。

*今日(1月9日)から防衛庁が防衛省に昇格しますので
 表記は全て「防衛省」にして書いてます。

まずは、去年末のニュースから。


情報収集衛星、2月に4基目打ち上げ
 
 政府の情報収集衛星推進委員会は22日、
 4基目の情報収集衛星を来年2月に打ち上げることを決めた。

 政府は北朝鮮が1998年に
 弾道ミサイル「テポドン」を発射したのを受け、
 2003年に晴天向きの光学衛星と、
 夜間や悪天候でも撮影できるレーダー衛星を1基ずつ打ち上げた。

 3基目は今年9月に光学衛星を上げた。
 レーダー衛星をもう1基上げ、2組体制になれば、
 地球のどの場所でも1日1回以上撮影できるようになる。

   (日経新聞)


ようやく今年の2月で
情報収集衛星は4基となります。

主に北朝鮮の軍事情報の収集を念頭において
打ち上げている情報収集衛星ですが、
この衛星から得られた画像等の情報は
政府部内のどの部署が管轄しているかご存じでしょうか?

防衛省?
いえ、違います。
文部科学省?
冗談を言われては困ります。
実は、内閣官房内の内閣情報調査室が管轄しています。

普通の感覚ならば、軍事情報が主体なわけで
防衛省の情報本部が管轄しそうなものですが、
何故か、内調が仕切っています。
防衛省は内調に「こういう衛星画像をうちにもくれ」と
要請するだけです。

これは日本独特の「宇宙の平和利用」という、
1969年の国会決議があるためで
それに縛られて宇宙に関係することは
防衛省や自衛隊は直接絡むことが出来ません。

「宇宙の平和利用」とは他国でもよく言われてますが、
その場合は、

  宇宙空間に大量破壊兵器を配備しない

ということに過ぎず、
宇宙を国防目的で利用することは他国では当たり前のことです。

たとえばお隣の中国を例にあげます。
ある意味、中国は宇宙開発の理念と手法において
日本とは対極的な存在です。

中国の宇宙開発は軍事色が強く、
宇宙ロケットの打ち上げ技術は
大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射と到達、
弾道ミサイルの多弾頭化などの技術と一体化しています。

中国は2003年と2005年に
神舟と呼ばれる有人宇宙船を打ち上げましたが、
これを行ったのは人民解放軍であり、
厳密に言うと人民解放軍総装備部が管轄しています。

2002年4月の神舟3号の回収の際には
当時の江沢民国家主席は
軍総装備部長の曹剛川大将に祝辞を贈りました。

中国初の有人宇宙船となった「神舟5号」は
2003年の10月16日に帰還しましたが、
これは中国初の原爆実験成功の記念日、
1964年10月16日に合わせてのことです。

同時に神舟5号及び6号は
本体から切り離された偵察用の軌道モジュールが
飛行士の帰還後5カ月も飛び続け、
軍事映像収集の偵察活動を行いました。

今、人民解放軍の内部では
「宇宙軍」の創設を求める声が高まっており、
近未来においては陸海空だけではなく
サイバースペースと宇宙空間が主戦場になると想定されており、
「五次元一体の統合作戦」が提唱されています。


さて、近年、日本の宇宙開発の現状に対して
官民双方から批判の声が上がっています。
これの直接の引き金は
上記の中国の有人宇宙飛行の成功と
時期を同じくして日本のH2Aロケットの6号機が
打ち上げ失敗となったことです。

批判の内容は主に3点です。

1,国家としての宇宙開発の理念の欠如
  方向性が全く見えない。

2,予算不足

3,軍事を宇宙開発から排除していること

どれも正鵠を得ていると思います。

日本は戦後の糸川博士のペンシルロケット以来、
宇宙開発を進めてきましたが、
日本国として宇宙開発で何をしたいのか?
何を目指しているのか?
こういう国家としての理念が存在しません。

宇宙開発に一定の予算を消費しつつ、
結局、国としての「開発理念」が存在しないとは
これは政治の怠慢といっていいでしょう。

また、予算不足も事実ですね。
私は「ロボット」「ナノテク」「バイオ」と共に
宇宙開発が次世代の経済競争のキーポイントになると思ってますが、
この経済大国の貧弱な宇宙開発予算は
後代の経済競争力にマイナスの影響を与えると思っています。

さらに軍事を宇宙開発から排除しているために
あまりにも効率が悪すぎる。
これは予算のみならず、人材や技術においてもそうです。

たとえば日本の宇宙開発を主管する、
JAXA(宇宙航空研究開発機構)ですが、
これと防衛省・自衛隊の人的交流や
技術的交流は行われているのでしょうか?
寡聞にしてそういう話しは聞いたことがありません。

たとえば航空自衛隊のパイロットが
何故、宇宙飛行士になれないのか?
他国では軍のパイロットが宇宙飛行士になるのは
当たり前すぎる話しですが、
日本ではこういうことはあり得ません。

種子島のロケット発射基地から
JAXAのロケットのみならず、
自衛隊のロケットが打ち上がる日を望みたいものです。







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中国の太平洋進出と豪州の反発


     map.gif



「海洋基本法」成立へ 権益確保 民主も賛成

 25日召集予定の通常国会に
 自民党が提出する「海洋基本法案」に対し、
 民主党は賛成する方針を固めた。
 これにより、同法案は自民党、公明党の与党に加え、
 民主党の賛成多数で成立する見通しとなった。
 国の海洋政策の根幹にかかわる法律だけに、
 与党側は野党第1党の前向きな動きを歓迎。
 平成19年度予算成立後、早期の採決に向け、
 近く民主党と同法案の扱いについて、協議を開始する。
 
 同法案は、海洋政策を担当する省庁が、
 国土交通省や外務省、経済産業省、防衛庁など
 8つに分かれている現状を改め、
 海域を総合的に管理するのが目的だ。
 基本理念として
 (1)環境保全
 (2)持続可能な開発・利用
 (3)国際的協調
 -などの重要性を明記。
 その上で、海洋政策担当相の任命、
 首相を議長とする総合海洋政策会議の設置、
 海洋基本計画の策定などを盛り込む。

 海洋国家として、日本の権益を守る基本法の制定には、
 東シナ海の石油・ガス田開発を一方的に進める、
 中国を牽制する狙いがある。
 自民党が12月に固めた、法案の基礎となる海洋政策大綱案では、
 「隣接国による石油・ガス田開発や海洋調査、
 密輸・密入国、工作船の侵入、
 シーレーンの安全確保などの問題に適切な対応ができず、
 国益を損なっている」と指摘した。
 
   (iza!)


ようやく「海洋基本法」が成立しそうですね。

2004年あたりに中国による東シナ海の油田開発が問題となり、
それから2年の歳月を経て成立の見通しとなりました。
確かに国家の慶事ではありますが、
あれから2年間もかかったということが
この国の政治家の危機意識の欠如を物語っています。

さて、この法案成立への出発点となった、
中国による東シナ海の油田開発と
南シナ海への覇権拡大については
過去に本店ブログで詳細に取り上げたことがあります。

東シナ海ガス田問題 その1・・資源と国益

東シナ海ガス田問題 その2
 ・・南シナ海の実例:中国の覇権拡大

東シナ海ガス田問題 その3
 ・・南シナ海の実例:中国の戦略転換

今日は少し角度を変えて
太平洋の島嶼国家に対する中国の浸透と
豪州の反発について書きます。
例として俎上に載せるのは、
去年末にクーデターが起きたフィジーです。


フィジーで実権掌握、国軍司令官が暫定首相に

 昨年12月のクーデターで実権を掌握した、
 フィジーのバイニマラマ国軍司令官は5日、暫定首相に就任した。

 同氏は、国軍司令官としてもとどまる方針を表明、
 今後も国軍が政治の主導権を握り続ける考えを鮮明にした。

 司令官は4日、クーデターで失脚させたイロイロ前大統領に
 行政権を返還することで大統領職に復帰させている。
 同大統領がバイニマラマ司令官を暫定首相に任命した。

   (読売新聞)


フィジーのクーデターは
その背景にフィジー系住民とインド系住民の抗争など
様々なものがありますが、それは割愛します。

このクーデターという非民主的手段により
政権を握ったバイニマラマ国軍司令官は
自らが暫定首相に就任しましたが、
当然ながらこの動きに
「南太平洋の警察官」を自任する豪州は強く反発しています。

豪州は近年、軍事費増強や積極的な国際派兵により
南太平洋の盟主となりつつあります。

12月8日、ロイター通信は

  「豪政府は450億ドル(約5兆2300億円)規模の
  大型先端兵器購入を推進している」

と報じました。

実際に豪州は、米国産の次世代戦闘機、
「F-35」の100機導入を早々と決めており、
2012年までに空母2隻、
2014年までには巡航ミサイルの購入を計画しています。

豪州陸軍の兵力は5万名ですが、
そのうち3千名をイラクとアフガニスタンに駐屯させ、
南太平洋の島嶼国家の紛争には
積極的に兵を送り、軍事介入を行っています。

ニュージーランドを除く南太平洋十数カ国には、
豪州の軍事顧問団が派遣されており、
ハワード豪首相は「太平洋はオーストラリアの管轄区域」
とまで語っています。

実はこの豪州の覇権に対して
いくつかの太平洋の島嶼国家は反発を強めており、
その彼らが頼る先が中国というわけです。

フィジーのクーデターでは
豪州はニュージーランドと共に経済制裁を行ってますが、
その内容は、

◇2006-2007年度の援助金(6億ドル)の留保

◇軍や暫定政府の関係者の自国への入国を禁止

◇スポーツ選手の交流の停止

◇07年からの季節労働者の受け入れ禁止

などです。

援助金の留保はともかくとして
後の3つは付け足しに過ぎません。

豪州にとってこの制裁は
厳しいわけでもなく、甘すぎるわけでもなく
きわめて曖昧な内容となっています。
豪州のお家芸である兵力派遣も
このクーデターでは行ってません。

豪州がこの竜頭蛇尾のような措置を取った背景には
これ以上、フィジーの軍部政権を追いつめると
彼らが中国に傾斜しかねないという恐れがあるからです。

去年の4月、フィジーにおいて
「中国・南太平洋諸国経済協力フォーラム」が開催されました。
これは中国政府の主催によるもので
中国からは温家宝首相が訪れ、
フィジー、パプアニューギニア、クック諸島、ミクロネシア連邦、
ニウエ、サモア、バヌアツなどの島嶼国家との
首脳会議が2日間に渡って行われました。

会議では、中国から
これら諸国への債務の帳消しと
3億7400万ドルの援助協定が調印され、
開会式で挨拶に立った温家宝は、
中国の太平洋地域への関与は「外交的な便宜主義」ではなく、
「戦略的決定」であると述べました。

すでに太平洋島嶼国家では
約3千社の中国企業が活動しており、
ホテル、プランテーション、被服縫製工場、漁業、伐採事業に
中国から10億ドルを上回る投資が行なわれています。
さらにこの5年間に
中国と諸国間の貿易は3倍に増大しています。

当然ながら、これら諸国には
中国人が数多く進出し始めていますが、
現地では住民との摩擦も起きています。

ソロモン暴動で華僑など249人避難、大陸移送も

この中国の太平洋進出を一層複雑なものにしているのが
実は台湾との国交獲得競争です。

太平洋地域の国連加盟12カ国のうち
中国と国交がある国がフィジー、トンガなどの6カ国、
反対に台湾支持はソロモン諸島など6カ国です。

中国・台湾双方が
国家のメンツにかけて国交を獲得しようと
これらの諸国に多額の援助金をばらまいています。
そのうちの数割は現地政府の権力者の懐に入り、
これによる政治腐敗がこの地域での大きな問題となっています。

また、これらの島嶼国家は援助金を多くせしめようと
中国と台湾を天秤にかけることもしばしばです。

2003年7月、フィジーの北東に位置する島嶼国家キリバスが
突如、台湾との国交を宣言し、中国を慌てさせました。

何故、中国が慌てたかというと、
台湾との国交もさることながら、
キリバスには中国の人工衛星の観測基地が置かれていたからです。

中国の宇宙開発は軍事と一体であり、
この観測基地は自国の衛星のみならず、
日米などの宇宙開発やミサイル発射を監視する重要な拠点でした。

やむなく中国は観測基地を破棄し、
キリバスから撤退したわけですが、
当然、この裏では台湾から巨額の金が流れたことは間違いなく、
さらに、私はその背後では
米豪が糸を引いていたのではないかと思っています。

さて、この中国の太平洋進出と
それに伴う巨額の資金援助に豪州は神経を尖らせています。

豪州はこれらの太平洋諸国に対して
「民主主義」「人権」「政治腐敗の根絶」などを基準にして
援助と介入によるコントロールを行っており、
それに反発している諸国が
民主主義も人権も問わない中国に傾斜し、
多額の小切手外交にコロリと親中国家に転向しているわけです。

話しはフィジーに戻りますが、
クーデターを起こした軍事政権側は
12月7日の記者会見で

  「フィジーには、豪州などとは違った形の民主主義がある。
  内政に干渉しないでほしい」

と、豪州を非難すると共に、
中国・台湾・インドネシアに支援を求める考えを示しました。
これは豪州の対中警戒感をいっそう煽ったでしょうね。


今や南太平洋は
「警察官」を自任する豪州と勢力浸透を狙う中国との
陣取りゲームの海となっています。

この現実を多くの日本人はあまり知らずにいますが、
かつて日米が覇権を争って激突した南太平洋が
豪中の角逐の場となるとは
なんとも隔世の観がありますね。



参考資料リンク

フィジー 軍、全権掌握を宣言 太平洋地域、続く政情不安

温家宝首相、フィジーを初訪問、中共・台湾外交合戦の一環

中国の太平洋島嶼諸国への“援交”進出を懸念 東京でシンポ

軍事大国・豪州、アジア・オセアニアの「小盟主」に

NICHIGO PRESS:フィジーで軍事クーデター

やしの実大学:やしの実ニュース









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エチゼンクラゲが宝の山に!?・・あの厄介者から薬品を精製


     061228kng-3.jpg


たまには毛並みの違った話題でも取り上げます。


エチゼンクラゲは宝の山? 福井県立大、レクチン精製法開発 
 
 福井県立大食品化学研究室の吉中礼二教授らのグループは、
 病気の診断薬などに使われる糖タンパク質の一種「レクチン」を、
 大型クラゲ「エチゼンクラゲ」から精製する方法を開発した。

 レクチンは、がんや白血病などの診断薬や研究用試薬として、
 医療、化学分野で用いられる。
 多くの動植物から精製されるが、生物によって性質に違いがあり、
 同研究室によると、大豆由来で1ミリグラム当たり3000円、
 カブトガニ由来で同4万3000円という高価格で販売される。

 同研究室は、エチゼンクラゲからの抽出物を独自に調整した、
 「カラム」という筒に通過させるなどしてレクチンを取り出し、
 精製することに成功した。
 他の生物由来のレクチンと比べて独特の構造と分かり、
 試薬としての価値も期待できるという。

 エチゼンクラゲは、最大で傘の直径が1メートルを超え、
 重さ150キロにも達する。
 1キロ当たりでレクチン約30ミリグラムが含まれているといい、
 単純計算だと、50キロの小型クラゲ1匹でも
 450万円相当の試薬を生む。

 ただ、商品化するためには、
 精製されるレクチンの純度を高める必要がある。
 同研究室は、この課題を
 3月に開催される日本水産学会までに解決し、
 学会発表後に特許出願を目指す考えだ。

 秋から冬に大量発生するエチゼンクラゲ被害に
 各地の漁業関係者が頭を悩ませる中、
 同研究室の横山芳博・助教授は
 「柔らかい海のダイヤとして、発生を喜べるようにしたい」
 と研究に意欲を見せている。 

   (FujiSankei Business i.)


あの中国発の厄介者であるエチゼンクラゲが
なんと「宝の山」になる可能性が。

面白いニュースですね。
反中感情の増加と相まって
極悪生物のように嫌悪されているエチゼンクラゲですが、
このレクチンの精製技術を高めることに成功すれば、

  1キロ当たりで
  レクチン約30ミリグラムが含まれているといい、
  単純計算だと、50キロの小型クラゲ1匹でも
  450万円相当の試薬を生む。

となるわけですから
逆転の発想とはこのことですね。

そうなったら発生源である中国の黄海にまで遠征して
クラゲを捕ってくるようになるかもしれません(笑)

エチゼンクラゲは周知のとおり、
発生源は中国沿岸の渤海や黄海で、
これが集団となって対馬付近を通り、日本海にやってきます。

一昨年に大量に日本近海にやってきて
漁業の網などに付着して大問題となりました。
去年は比較的減少したようですが
それでも漁業関係者の苦労は尽きません。

エチゼンクラゲの大量発生の原因は
中国沿岸部での海洋汚染による富栄養化と
魚の乱獲による生態系の破壊にあるわけですが、
この問題に対して中国当局が何の手を打つわけでもありません。

しかし、我らが日本はさすがというべきか。
上記ニュースでのレクチン精製以外にも
さまざまな試みが各地で行われています。


海の厄介者・エチゼンクラゲ、
 大三島と桜島で肥料化実験へ…愛媛大とマルトモ 砂漠救う?
 保水力と栄養分着目

 日本海などで深刻な漁業被害をもたらしているエチゼンクラゲを、
 砂漠の緑化に役立てようと、
 愛媛大と伊予市の食品製造会社が共同研究を進めている。
 保水性が高く栄養分が豊富なクラゲを乾燥し、肥料にする技術で、
 大型のエチゼンクラゲを使えば、
 大量に安価な肥料が調達できるというアイデア。
 同社は肥料化技術の特許を出願しており、
 漁業関係者は「海の厄介者が
 砂漠の救世主になる日が来るかも」と期待している。

 愛媛大農学部の江崎次夫教授(環境緑化工学)のグループと
 食品製造会社「マルトモ」(伊予市)。
 エチゼンクラゲによる漁業被害を受け、
 昨年6月から実験を行っている。

 江崎教授によると、クラゲの体は99%が水と塩分で、
 残り1%は窒素、リン酸、コラーゲンなどの栄養分。
 細胞一つひとつが大きい「高分子細胞構造」により、
 大量の水を吸収できる特徴がある。

 実験では、マルトモが持つクラゲの乾燥技術を使って
 2~3センチ大の乾燥片をつくり、
 ブナ科のアラカシの苗に与えて5か月間、屋外の植木鉢で育成。
 その結果、乾燥片を与えた鉢は15~18センチに成長し、
 与えなかった鉢(8~9センチ)と比べて、2倍近い差があった。

 江崎教授は、雨水を吸収した乾燥片が適度に鉢を潤したほか、
 クラゲの栄養分がアラカシの成長に効果を表したと結論。
 来年春には大規模な山林火災に遭った今治市の大三島や、
 山灰性の土地が広がる鹿児島市の桜島で、
 実際に日本海のエチゼンクラゲを使い、
 植物を根付かせる実証実験を行う計画という。

 江崎教授は「将来は、アフリカや中国など、
 特に砂漠化が心配される土地での実用化を目指したい」
 と話している。

   (読売新聞)


嫌われ者エチゼンクラゲは健康食

 日本海側を中心に大量発生、
 深刻な漁業被害をもたらしているエチゼンクラゲを食材とし、
 問題を解決しようという研究グループが来年1月に発足する。
 “海の厄介者”とも言われているが、
 実は栄養豊富な健康食。
 新たな食材としてもてはやされる日が来る?

 研究グループのメンバーは
 水産大学校(山口県下関市)生物生産学科の
 上野俊士郎教授(57)ら研究者約10人、
 青森県などの地方自治体、
 クラゲ飼育展示数世界一を誇る加茂水族館(山形県鶴岡市)など。
 エチゼンクラゲの料理法だけでなく、
 大量消費を前提とした漁獲方法から流通経路までの研究が目的。
 上野教授は「現状はほとんど廃棄物扱いだが、
 大量消費されて資源生物となれば駆除の問題も解決し、
 逆に利益を生み出せる」と話す。

 エチゼンクラゲは
 夏から秋にかけて日本海側を中心に大量発生。
 定置網が流されたり、破れるなどの被害を起こしている。
 巨大でグロテスクな外観、
 水分が多く臭みが強いことなどから食品への加工が難しいが、
 上野教授は「まさに現代人向けの健康食材」と指摘。
 低カロリーで中性脂肪や血圧を下げる作用があり、
 メタボリック症候群に悩む人にお勧めという。

 実際、京都府京丹後市のアイスクリーム店、
 「ミルク工房そら」はエチゼンクラゲ入りのアイスクリームを販売。
 冬だけの限定商品で、1個300円(120ミリリットル)。
 牛乳やラム酒に1晩つけて臭みを取り、
 細かく切ったものが、ふんだんに入っている。
 ナタデココのような食感とコラーゲンの美肌効果が
 女性を中心に人気を呼び、
 昨年はネット販売だけで約3000個を売ったという。
 担当者は「漁業関係者の方が本当に困っているので、
 何とか力になりたかった。クラゲ撃退の一助になれば」と話す。

 また、現在、エチゼンクラゲ料理を食べられるのが
 山形県鶴岡市立加茂水族館のレストラン。
 1番人気は「クラゲ定食」(750円)。
 生春巻きの皮の代わりに
 薄切りのエチゼンクラゲを使った春巻きで、
 コリコリとした食感が特徴。
 定食以外にも「クラゲあんかけごま豆腐」、
 「クラゲかまぼこ」といった1品料理や
 「クラゲコーヒーゼリー」などがを楽しめる。 

   (Sponichi Annex)


日本人は昔から自然と巧みにつき合い、
自然から恩恵を引き出すのが得意ですが、
これらのニュースなどその典型ですね。

3つの素晴らしい試みが成功しますように。







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韓国の対北意識と南北首脳会談の伏流


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昨日に引き続き、半島関連について書きます。

まず、北朝鮮の2回目の核実験準備のニュースが
飛び込んできました。

「ボタン押せばよい状態」北の核実験準備、
 韓国メディアも報道

現段階ではこれの真偽は分かりません。
事実かもしれないし、
北朝鮮が仕掛けた情報戦かもしれません。
今は状況を注視するのみです。


さて、私の愛読メルマガ、
「モーニングコリア」の1月5日号に
興味深い記事が2つ載ってましたので引用します。

まず、最初の記事から。


◆子供たち「核あっても北朝鮮は信じられる」

 ケーブルアニメチャンネルのトゥーニーバスで、
 子供を対象に「北朝鮮」を主題にしたアンケート調査を実施した。

 今回のアンケート調査は12月22日から31日まで、
 トゥーニーバスのホームページで実施され、
 満12歳以下の男女子供3579人が調査に参加した。

 まず「北朝鮮といえば最初に浮び上がること」は
 「南北統一」(42%)が最も多かった。
 次に「核保有国」(18%)がつづき、
 子供たちもおとなに劣らず
 北朝鮮核問題に関心を持っていることを証明した。

 また子供2人中1人が核兵器を持っても、
 北朝鮮を信じることができると答えて目を引いた。
 回答者中16%が
 「核兵器を持っても北朝鮮は無条件で信じられる国」、
 36%が「核兵器は持っているが少しは信じられる国」と答えた。

 「南北統一に対する考え」を尋ねた質問には
 「一日もはやく必ずなされなければならない」(53%)が最も多く、
 大多数の子供たちが統一を願っていることが分かった。


この子供の感覚は
ある意味、今の韓国社会の雰囲気を
忠実に反映しているといっていいでしょう。

かつての日本における日教組のように
左翼系教員組合が跋扈している韓国。
この中で子供達は反米親北の教育を受けつつあるわけですが、
その成果がズバリ出たのが上記のアンケート結果ですね。

それ以外にも、階級史観に基づく教育や
社会を持つ者と持たざる者に分かち、
「権力=悪」「体制=悪」と教え込む左派教師たち。
こういう状況の中での学育は
必ずや数十年後の韓国に弊害をもたらすでしょう。
その頃には北朝鮮など存在しないでしょうが、
社会の上層が左派的価値観に染まる害は大きいです。

これは日本での日教組全盛時代の教育を受けた世代が
高位の地位を占めた時期を振り返れば分かると思います。
さらに政治家などはあの世代はトンチンカンな言動が多すぎです。
今の民主党のトップ3人を見れば一目瞭然ですね(笑)


さて、次の記事です。


◆前統一相、金正日と極秘裏に会った?

 ハンナラ党の鄭亨根最高委員は3日、
 「前統一部長官が最近、北朝鮮を訪問して、
 金正日総書記と極秘裏に会った」と主張した。

 鄭最高委員は最高委員会議でこのように明らかにして、
 「昨年、北核実験が実施された10月以後、北朝鮮を訪問して、
 最高指導者に会った前職統一部長官が
 『ハンナラ党が(次期大統領選挙で)政権をとれないように、
 北朝鮮が万全の対策を持っている』
 と直接発言をしたという」として、
 「今年の大統領選挙では、北朝鮮が類例なしに
 直接間接的に介入しようとするだろう」と語った。

 これに対して
 李鍾ソク前統一部長官は「事実でない」と否認した。

 楊昌錫統一部報道官は
 「10月以後、北朝鮮を訪問した前職統一部長官は
 朴在圭慶南大総長だけで、朴総長に直接確認した結果、
 金総書記に会った事実はないと確認された」として、
 「事実でない内容が頻繁に誇張されたり
 大きくなって広く知られるのは決して望ましくない」と語った。

 尹勝容大統領府報道官兼広報首席も
 この日の定例ブリーフィングで「確認してみたが、
 そのような事実自体がないと把握されている」として、
 「常識的に金総書記が
 前職官に会ってくれるだろうか」と一蹴した。


この記事は興味深いですね。
はたしてガセか真実か?

もし事実だとして
金正日と会談した「前職統一部長官」とは誰なのか?
それらしい候補者が多すぎて絞りきれませんけど(笑)

昨日の記事にも書きましたが、

韓国と北朝鮮:春に南北首脳会談実施!?
 ・・情報が乱れ飛んでます

最近、韓国では南北首脳会談の情報が乱れ飛び、
政府や与党の重鎮たちからの
首脳会談に関する発言が多くなっています。

今日もそれに関するニュースが2つ流れました。

統一部長官「南北首脳会談、現政権で必ず開催を」 
 
「南北首脳会談の実現と成果を期待」金前大統領

いろいろときな臭い動きが
韓国と北朝鮮の水面下で行われていると思われますし、
前統一部長官の訪朝と会談も
事実であるならばその一環かもしれません。

この金正日との会談の情報を
野党ハンナラ党の鄭亨根委員は
どこから入手したかは分かりませんが、
うがった見方をするならば
南北首脳会談の阻止を狙う人物が
故意に流しているのかもしれませんね。

それは鄭亨根自身かもしれないし、
別な人物、別な勢力かもしれない。

いずれにせよ、
半島情勢は大きな曲がり角を迎えつつあり、
今は時勢の転換期に当たります。

この時期には様々な動きが起きていくでしょう。
様々な謀略と事件が頻発するでしょう。



メルマガ:モーニングコリア








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韓国と北朝鮮:春に南北首脳会談実施!?・・情報が乱れ飛んでます


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李在禎長官「北朝鮮の貧困に同族としての責任」

 統一部の李在禎長官は2日、
 年間輸出額が3000億ドルに達する国として、
 世界10位の経済大国として、また同じ民族として、
 北朝鮮の貧困の責任を甘んじて受けるべきと強調した。
 同部全職員あての電子メールを通じて述べた。
  
 李長官は、北朝鮮の貧困問題が根本的に解決されない限り、
 朝鮮半島の安全保障は常に危険で、平和も保障されないとした上で、
 「北朝鮮は核兵器や核プログラムが
 北朝鮮の安全を保障するのではなく、
 南北間の和解と協力、そして共同繁栄を通じた貧困問題の解決が
 安全保障と安全を担保することを認識しなければならない」と述べ、
 北朝鮮に姿勢を改めるよう促した。
 人道問題である北朝鮮への食糧支援が必要だと強調するとともに、
 核実験で中断しているコメの支援が再開されるよう、
 北朝鮮に核廃棄を積極的に求めたものと受け止められる。

 対北朝鮮平和繁栄政策については、
 「南北間の幅広い交流協力の結果、
 核実験にもかかわらず国民が安定的に対応し、
 平和な対話の方法で対応するという幅広い理解が得られた」
 と評価した。

   (聯合ニュース)


この韓国の李統一相の発言、

  「北朝鮮の貧困に同民族として責任を持つ」

これが保守強硬派の人物の口から出た言葉なら、
韓国による北朝鮮の併呑と積極的な南北統一、
貧困に苦しむ北朝鮮人民の救済と金正日政権の打倒、
これを念頭に置いたものと解釈されるのでしょうが、
発言した人物が名うての親北派となれば話しは違ってきます。

どう見ても韓国による一方的な対北援助を意図する発言であり、
また、深読みするならば
昨年末から情報が飛び交い始めている、
南北首脳会談の実施を示唆する発言とも受け取れます。

実際問題、ここ一ヶ月ほど、
韓国の要人達からは南北首脳会談に関する発言が
チラホラと見られるようになりました。


◇10月31日:李鍾ソク前統一相

 「南北関係全般において
 南北首脳会談はとても有意義な手段だ」

◇12月6日:鄭東泳前ウリ党議長

 「北朝鮮への特使派遣と南北平和首脳会談開催の適期が来た。
 来年3~4月の会談開催が望ましい」

 「北朝鮮の核問題などを中国に押し付けたり
 米国に頼ってばかりはいられない」

 「北朝鮮もこの時期を逃せばさらに苦境に立たされることになり、
 南北平和統一の可能性もなくなる」

◇12月11日:李在禎統一相

 「南北首脳会談の実施は、
 2000年に行われた前回の会談時に南北首脳が合意した事項であり、
 盧武鉉大統領も何度か言及したことがある。
 南北間で常に存在し続けている懸案であり課題だ」

 「南北双方の首脳に与えられた責任であり課題だと考えるが、
 いつどのような形で行うかについては現段階では言えない」

◇1月1日:宋旻淳外交通商相

 「南北首脳会談のドアは常に開いている」

 「首脳会談が開催されれば、確かに南北問題、平和体制、
 北朝鮮の核問題の解決に役立つだろう。
 しかし会談を行うならば、その条件を整えなければならない。
 条件が整わない状態で単純に会談をするだけでは、
 お互いに利得がないこともあり得る」

◇1月2日:金大中前大統領

 「南北首脳会談の可能性が非常に大きくなったと思う」

 「盧武鉉大統領は金正日総書記のソウル訪問にこだわっていない。
 どこででも会うと言っている。
 問題は北朝鮮の態度だ。
 時間は経っているが約束したことなので、
 北朝鮮は首脳会談に応じるべきだ」


この一連の要人達の発言は
首脳会談の下準備が水面下で行われていることを
示唆してるように感じます。

また、野党ハンナラ党の鄭亨根議員も12月11日、

 「南北双方の実務者が海外で引き続き接触しつつ、
 首脳会談の具体的な議題、時期、場所などについて
 最終的な交渉を行っていると把握している。
 これは政府や情報部門の関係者から聞いた話だ」

 「(実施時期は)来年3月か4月頃になると聞いた」

と述べました。

私自身は北朝鮮の核実験と
それに伴う国際的な制裁推進の状況から
韓国が首脳会談を意図することはあり得ないと思ってましたが、
どうも読みが甘かったかもしれません。

盧武鉉政権は10%の低支持率で喘いでおり、
起死回生の大逆転として南北首脳会談を狙うのかもしれません。

また、「大逆転」とは逆の意味で、
盧武鉉は1月3日の新春懇談会の席上で
以下のように述べています。


 「国民の評価を
 きちんと受け止めたいという考えが以前はあったが、
 昨年それを完全にあきらめた。
 今年は(国民の視線を)気にせずに進んでいくのが良いと思う」

 「マスコミの評価は最初から期待していなかったので、
 どう出てこようと関係ない」

 「実際問題として、
 わたしに対する国民の支持や信頼感が低下していく一方だ。
 昨年はそれが上がるかと期待したが、特に変化もなかった。
 今年はそのような期待を抱かないほうがいいのではないかと思った」

 「唯一残っているのはわたし自身のプライドだ。」

 「こんな環境の下で4年間やってきたが、
 残る1年間でどんなハードルが待ち受けているだろうかというのが、
 今のわたしの心情だ。
 過去には及ばないと思うが、
 わたしに認められた合法的な権力を最後まで行使していきたい」


なんだか、やけっぱちになっているようで
非常に恐いんですが(笑)

残り一年の任期は
国民やマスコミの評価や支持率など全く気にせずに
自分の理想実現のために当てるということなのでしょうが、
これは非常に気になる発言です。

ノムたんが国民各層や国際世論の批判などどこ吹く風で
南北首脳会談に突っ走る気がしないでもありません。

ただ、実際問題、彼らも政治家ですから
外交は取引であることは熟知してると思います。

仮に南北首脳会談が開かれたとしても
一方的に北朝鮮に利する内容であれば
韓国世論のみならず、
国際社会の猛非難を浴びることは理解しているでしょう。

よって何らかの取引が必要になるでしょうが、
私はこの連中の通弊として
北朝鮮に甘い取引になるように思います。

  「核開発を停止する見返りに資金援助と食料援助」

  「将来の南北統一連邦推進への合意」

おそらく、こんなとこじゃないですかね。

で、「核開発停止」の具体的な手順は一切詰めずに
援助のみが先行する、と。
北朝鮮は実際に核開発を停止するなどは
あり得ないでしょうから。
いつもの詐術で口先だけでそう返答するでしょう。

これをやられると
現在の国際的な対北包囲網は
いっそう抜け穴が広がっていくでしょうし、
ハッキリ言えば、これは日米に対する利敵行為です。

韓国の保守系大手紙なども
ここのところ矢継ぎ早に
南北首脳会談を警戒する論評を載せています。

来春、南北首脳会談実施か
 大統領選向けのカードの可能性も

南北首脳会談を哀願する理由は何か

南北首脳会談での合意は守られたのか

李在禎長官の中途半端な対北支援論理

李統一部長官の発言は南北首脳会談の下準備か


さて、果たして春に南北首脳会談が実現するか否か?

去年の末あたりから韓国のみならず、日本の朝野においても
南北首脳会談の情報が乱れ飛び始めたのは、
これを潰そうとする勢力が
意図的に流しているのかもしれませんね。



関連資料リンク

宋外交部長官「南北首脳会談のドアは常に開いている」

「来年3~4月に南北首脳会談を」鄭東泳氏が促す

盧大統領「国民の評価気にせず、最後まで権力を行使」








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イラン選挙:大統領派の惨敗と改革派の躍進・・中東情勢に変化をもたらすか?


  イランのアハマディネジャド大統領.jpg


皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します m(__)m

さて、新年一発目はちょっと古いニュースで恐縮ですが、
10日ほど前に結果の出たイランの選挙についてです。


イラン、大統領派惨敗 国際的孤立、民意は穏健派へ 
 
 イランで15日に行われた統一地方選は
 21日までに集計が終わり、
 その結果、穏健保守派が圧勝、
 保守強硬派のアフマディネジャド大統領派の惨敗が明らかになった。
 イランの最高指導者を選出する「専門家会議」選挙でも
 強硬派は伸びなかった。
 核開発問題などでの強硬姿勢で、国際的孤立を深める一方の
 アフマディネジャド大統領に対する国民の不安が、
 色濃く反映された可能性が強いとみられている。
 
 内務省が21日に発表した、
 テヘラン市議会選(定数15)の最終結果では、
 2005年の大統領選でアフマディネジャド氏に敗れた、
 ガリバフ市長を支持する穏健保守派候補が8議席、
 03年の選挙で議席を失っていた改革派が4議席を獲得。
 アフマディネジャド大統領派はわずか2議席で、
 1人は独立系となった。
 テヘラン以外の地方でも強硬派の票は伸びず、
 穏健保守派と改革派が席巻。
 ロイター通信によると、前回の統一地方選で惨敗した改革派が
 40%程度の議席数を奪還したもようだ。

 一方、統一地方選と同じ日に行われた、
 専門家会議選(定数86)では、
 穏健保守派が60議席以上を獲得、
 改革派も現有議席の倍以上の15議席前後を確保したもようだ。
 とりわけテヘラン選挙区(定数16)では、
 穏健保守派のラフサンジャニ師(元大統領)が
 2位以下に大差をつけてトップ当選し、
 アフマディネジャド大統領に強い影響力を持つ
 保守強硬派のイスラム法学者、
 メフバフ・ヤズディ師は8位に留まった。

 テヘラン市議会選は
 次の国政選挙の行方を占うものとして注目されてきた。
 1999年には改革派が15議席を独占し、翌年の総選挙で圧勝。
 一方、03年の市議会選では保守強硬派が圧勝し、
 04年の総選挙での改革派惨敗と05年の大統領選での
 アフマディネジャド氏の勝利につながった。

 金権体質などで批判の多いラフサンジャニ師だが、
 保守派の中でも現実感覚は鋭く、
 今回の専門家会議選では
 穏健改革派の法学者グループとも連携を強めたとされる。
 地方議会選や専門家会議の結果が
 直ちに国政レベルの政策に反映するものではないものの、
 こうした流れから見ると、
 07年の総選挙と08年の大統領選に向けた民意は、
 保守、改革派を問わず、
 中道穏健勢力に向かっているとみることができそうだ。

   (産経新聞)


イランの政治形態というものは民主主義ではありますが、
「イスラム共和制」と呼ばれる独特の仕組みです。
まず、これを簡単に説明しておきます。

イランの政治指導者は
「最高指導者」と「大統領」の二本立てとなっています。

最高指導者は
「イラン・イスラーム共和国の
全般的政策・方針の決定と監督について責任を負う」とされ、
行政、司法、立法の三権の上に立ち、
軍の最高司令官でもあり、宣戦布告の権限を持っています。

任期は無く終身制で、
必ずしも一人の人物の必要が無く、
複数でもかまわないとされています。
現在の最高指導者は「アリー・ハーメネイー」の一人です。

この最高指導者を決めるのが
ニュース中にある「専門家会議」で
最高指導者の任命権と罷免権を持っています。

次に「大統領」ですが、
実際の行政は大統領が行います。
閣僚の指名権を持ち、
任期は4年で連続3選は禁止されています。

この最高指導者と大統領の二重体制は
西側諸国の政体と異なっており、
なかなか理解が難しいものです。

この政体は1979年のイラン革命後に創設され、
「法学者(ファギーフ)による統治」というイスラム的な概念と
「共和国」「議会」「大統領」「民主主義」などの
西欧的な政治概念の折衷構造となっています。

イランの憲法では
国民の主権が明確に謳われているものの、
同時に神の法とその代理人であるイスラム法学者に
絶大な権限を与えています。

そしてそれが最高指導者と大統領という二重体制につながり、
最高指導者はイスラム的概念と法学者の代表であり、
大統領は国民主権の声を代弁する形となっています。

この政治形態は
イラン革命の立役者であるホメイニが創造したものですが、
近代国家とイスラム法の折衷という意味で
苦心の後が見受けられますし、
後にこれがイランの政治混乱の要因となりました。

さて、今回の選挙では
「専門家会議」「統一地方選」及び、
欠員の国会議員(4議席)を選ぶもので
去年の12月15日に一斉に実施されました。

結果は冒頭のニュースにあるように
アフマディネジャド大統領の保守強硬派は
どこもかしこも惨敗で、
代わってラフサンジャニ元大統領らの保守穏健派や
ハタミ前大統領らの改革派が躍進しました。

アフマディネジャドは
2005年6月の大統領選挙で
貧困層を味方につけて勝利しましたが、
失業率が実質20%という経済状況から
国民各層から不満がわき起こっており、
今回の敗北となりました。

アフマディネジャドはご承知の通り、
核開発で欧米諸国と対立し、
「イスラエルを滅ぼせ」等の過激発言で有名な男ですが、
この外交路線に対しても国民からは
不安の声が上がり始めています。

イランはこのところの石油代金の高騰によって
かなり財政的には潤ってますが、
それでも経済状況が厳しく、
国民から現政権に不満が持たれていると言うことは、
よほどアフマディネジャドの行政手腕が未熟ということでしょう。

12月11日には
アフマディネジャドがイラン大学で講演中に
学生達が「独裁者に死を!」と叫び始め、
アフマディネジャドの面前で、彼の肖像画を燃やしました。
また演説中に爆竹が何度も鳴らされ、
「米国に対抗するのでなく、我々に何とかしてくれ」
という学生のシュプレヒコールが上がったそうです。

これに対してアフマディネジャドは
「この身が千回焼かれようが、
国家の理想から一歩たりとも引き下がらないことを
米国は知るべきだ」と言ったそうですが、
内心は穏やかではなかったでしょうね。

そして今回の選挙結果は
彼の支持基盤を揺るがしたことは間違いなく、
2008年の議会選挙と
2009年の大統領選挙を視野に入れて
なんらかの政策の変更が行われていくと思われます。

さて、この選挙結果は
アフマディネジャドと対立する欧米諸国では
諸手を挙げて歓迎されました。

ここでニューヨークタイムズの論調を紹介しておきましょう。


◇良識示したイランの有権者

 イランのアハマディネジャド大統領にとって
 この一カ月間は順調ではなかったが、
 それは虐げられたイラン人と外部世界にとって良いニュースだ。

 アハマディネジャド氏が問題を抱えていることは
 先週の地方議会と専門家会議の選挙で鮮明になった。
 アハマディネジャド氏の支持者は驚くほど惨敗した。
 選挙に勝ったのは体制派保守のラフサンジャニ元大統領派と
 ハタミ前大統領率いる改革派だった。

 イスラエルに対する、
 悪意ある敵対者であるアハマディネジャド氏は、
 彼の政権に蔓延する腐敗があまりに悪評を呼んでいるため
 政治生命も危うくなっている。
 ハタミ氏の支持者はより高潔だが、
 数十年にわたってイランを
 改革する機会をとらえることができずにいる。

 アハマディネジャド氏は、
 こうした関係を国際原子力機関(IAEA)と国連の無視、
 そしてホロコーストの否定という茶番によって
 意図的に破壊してきた。
 この茶番劇は有権者をかき集めることを狙ったものだったが、
 彼の支持者たちが選挙で敗北するのを救えなかった。

 先週、テヘランのエリート大学の一つで
 学生たちが注目すべき勇気を示し、
 アハマディネジャド氏を独裁者、ファシストと公然と非難し、
 彼の演説を中断させた。
 彼らの怒りは、教授や学生たちを
 あからさまに政治的理由で追放したことや、
 基本的自由に対する弾圧、
 それに経済政策の失敗と外交的挑発で
 彼らの将来が危機に瀕しているという懸念から
 かき立てられたものだった。

 確かにその恐れはあるし、
 その危険を認めるイラン人の発言を聞くのは心強い。
 ワシントンは経済制裁を推進して、
 アハマディネジャド氏にもそれを認めさせる必要がある。

   (ニューヨークタイムズ 2006/12/12)


まあ、こんな感じで大喜びしております(笑)

米国にとっては
イランは核開発以外にも懸念すべき国となっています。
それはドルからユーロへのシフトです。

去年の12月18日、
イラン政府のゴラムフセイン・エルハム報道官は
外貨準備をドルからユーロに変更すると共に
石油取引にもユーロを使用する旨、明らかにしました。
また将来の商業取引もユーロを使用して行くと表明しました。

現在、イランはユーロへのシフトを進めており、
ドルに全く依存しない態勢を目指しています。
これは短期的には
核開発に伴う米国からの経済制裁に対抗するためですが、
長期的には自国のユーロシフトが引き金となり
他国へ波及していくことで
米国の覇権の崩壊を狙ってるんでしょうね。

今、ドルはユーロに対して一方的に下がり続けており、
この傾向は止まりそうもありません。
おそらくブッシュ政権はこのイランの動きと合わせて
ドルの威信低下を憂慮しているものと思われます。






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