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特報:米ニューズウィーク誌に慰安婦決議への反論文が掲載

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻第1756号によると、
今週号の米ニューズウィーク誌(世界共通版)に
米議会の慰安婦決議に関して
外交評論家の加瀬英明氏による英文の反論文が掲載されたそうです。

宮崎メルマガによると
すでに世界的な反響がおこっているそうで
韓国では大騒ぎになっているそうですね。

明日の朝鮮日報や中央日報が楽しみですが、
歴史的な都合の悪さは無視する彼らのことですから、
案外、スルーするかもしれません。

ニューズウィークの日本語版は来週発売とのことで
私も買おうと思っています。

なお、加瀬氏の主催する「史実を世界に発信する会」では
マイク・ホンダ議員に対する公開質問状をサイトに公表しており、
英文で掲載されています。

Society the Dissemination of Historical Fact
 (史実を世界に発信する会)

この文章は、昨年9月の前回決議の際に
米国の全下院議員に手紙として送付したそうです。

以下、それの日本訳を略して掲載します。
メルマガ「国際派日本人の情報ファイル」No.1267からの転載です。


◇アメリカ下院議員マイク・ホンダ
 (慰安婦決議案121号提出者)に対する抗議の手紙(公開質問状)

 貴殿は2007年1月31日、6人の議員とともに、
 「日本は若い女性を強制して
 性的奴隷である慰安婦とした事を認めて謝罪すべきである」
 という趣旨の決議案121号を
 アメリカ下院外交委員会に提出した。
 この決議案は昨年12月8日廃案となった、
 決議案759号と全く同趣旨のものである。
 われわれは、昨年9月28日に添付の手紙を全下院議員に送り、
 その決議案が全く歴史的事実を無視し、
 歪曲した主張の上に成り立つ極めて不当な内容であることを訴えた。
 しかるに、貴殿らが再び不当きわまる決議案を
 上程しようとしているのは、はなはだ理解に苦しむものである。
 直ちに撤回することを強く要求するものである。

 もし貴殿が撤回をしないということであるなら、
 貴殿は添付した手紙でわれわれが提示した歴史的事実、
 すなわち慰安婦は当時合法的な職業として認められた、
 売春宿で働いていた売春婦であり、
 軍の強制によるものは全くなかったという、
 基本的な事実に反証してからにすべきである。

 特にわれわれが強調したいのは、
 われわれが手紙で引用した米軍の2件の公式記録、
 UNITED STATES OFFICE OF WAR INFORMATION,
 Psychological Warfare Team, Attached to U.S.Army Forces
 India-Burma Theater および Composite Report
 on three Korean Civilians List No.78, dated 28 March 1945,
 “Special Question on Koreans” (U. S. National Archives
 に記述された「"慰安婦”とは売春婦に過ぎない」
  「月平均で1500円の総収入を上げ
 (債務者の)マスターに750円を返還する
 (筆者注:日本軍曹の月給は30円、
 したがってその25倍稼いでいた)」、
 「太平洋の戦場で会った朝鮮人慰安婦はすべて志願か、
 両親に売られたものばかりである。
 もし女性達を強制動員すれば老人も若者も激怒して決起し、
 どんな報復を受けようと日本人を殺すだろう」
 (朝鮮人軍属の証言)などの情報は、
 正しくないということを貴殿は証明する義務があるということである。
 さもないとアメリカの公式記録を貴殿は最初から
 価値なき虚偽文書とみなしていることになるからである。

 慰安婦とはどのような存在であったのか、
 何故いわゆる慰安婦問題が日本で起こり、
 それが国際的な話題となったのか、そして大きな誤解が生じたのか、
 また戦場における性は各国でどのように処理されていたのか、
 などについて一つの論文をご参考までに添付する。
 これ等の資料をよく検討され、
 慰安婦の真実の理解を深められることを切望する。
 
   *長文のため省略。

 われわれ日本人の名誉がかかった問題であり、
 また関係するすべての人達の人権にかかわる問題でもある。
 貴殿の良心を信じて、誠意あるご回答をお待ちするものである。

 平成19年2月16日

 史実を世界に発信する会
 代表
 加瀬 英明
 URL
http://www.sdh-fact.com 

    ----------------------------------------------------
    Society for the Dissemination of Historical Fact
    Shin Sakuma Bldg. 3F, 2-13-14, Nishi-Shimbashi,
    Minato-ku, Tokyo 105-0003, JAPAN
    Tel 03-3519-4366  Fax 03-3519-4367 
    URL
http://www.sdh-fact.com

    February 16, 2007

    The Honorable Mike Honda
    UNITED STATES HOUSE OF REPRESENTATIVES
    1713 Longworth House Office Building
    Washington, D.C. 20515?0515

    RE: An Open letter to Representative Honda

    Dear Representative Honda:

    On January 31, 2007 you, along with six other
    Representatives, submitted House Resolution 121, which
    calls on the Japanese government to apologize for having
    forced young women to become sex slaves during World War
    II, to the House Committee on Foreign Affairs. The
    import of Resolution 121 is identical to that of
    Resolution 759, which expired in committee last year.

    On September 28, 2006, we sent the attached letter to
    all members of the House of Representatives. In it, we
    indicated that the accusations in Resolution 759 were
    exceedingly unjust and based on gross distortions of
    historical fact. Accordingly, we find it very difficult
    to comprehend your reasons for submitting this
    resolution.. We strongly urge you to withdraw it without
    delay.

    If you choose not to withdraw Resolution 121, you must
    shoulder the burden of disproving historical fact as
    outlined in the aforementioned letter. The persons
    referred to as “comfort women” were prostitutes (a
    legal profession at the time) working in brothels; they
    were indisputably not coerced to engage in such
    activities by the Japanese military.

    We would like to draw particular attention to excerpts
    from two official U.S. military records cited in our
    letter. The first is a report issued by the United
    States Office of War Information, Psychological Warfare
    Team Attached to U.S. Army Forces, India-Burma Theater,
    which states that ”comfort girls” are nothing more
    than a prostitute or professional “camp follower”, and
    the girls’ average total monthly earnings were 1,500
    yen, and 750 yen went to their master. (The monthly
    salary of a sergeant in the Japanese Army at the time
    was 30 yen; thus, the prostitutes made over 25 times
    more!)

    The second can be found in depositions taken from three
    Korean civilian employees of the Japanese army, who
    stated the following: In the battle zones of the Pacific
    War, the Korean comfort women we met were all either
    volunteers, or women who had been sold by their parents.
    If the women had been victims of coercion, all the
    Koreans both young and old would have risen up in rage,
    and regardless of whatever retaliation, killed the
    Japanese (from Composite Report on Three Korean
    Civilians, List No. 78, dated 28 March 1945, “Special
    Question on Koreans” in the U.S. National Archives).

    We also attach a research paper that describes the
    comfort women, and how misunderstandings about them
    originated in Japan and grew into an international
    problem of monumental proportions. It also discusses how
    the various nations involved in the Pacific War dealt
    with the sexual needs of their military personnel in
    battle zones. It is our fervent hope that you will read
    it and the other attachment, and, thus, arrive at an
    accurate understanding of the comfort women and their
    circumstances.

    We appeal to your wisdom and sense of justice, as this
    is a matter of honor for us, as Japanese, and also
    affects the human rights of all concerned. We look
    forward to your reply.

    Very truly yours,

    KASE Hideaki
    Chairman


以上です。

こういう感じで
著名で英文の上手な方に
海外で大いに発信してほしいものですね。

私としては渡部昇一教授あたりにも
大いにお願いしたいところです。



宮崎正弘の国際ニュース・早読み

国際派日本人の情報ファイル


関連過去記事

河野談話の破綻の経緯 その3
 ・・日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会

河野談話の破綻の経緯 その2
 ・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー






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中国:国力の拡充と大型空母建造計画


  アドミラル・クズネツォフ.jpg


中国、超大型原子力空母の建造を推進

 中国が超大型の原子力空母の建造を進めていることが、
 27日初めて明らかになった、とハンギョレ新聞が報じた。

 同紙によると、中国の軍事問題に詳しい消息筋はこの日、
 中国共産党の内部資料を根拠とし、
 中国が4万8000トン級の通常型空母の建造計画である、
 「085工程」とともに、
 9万3000トン級の超大型原子力空母の建造計画、
 「089工程」を進めていると伝えたという。

 中国が通常型空母の建造を進めていることは
 これまでにも知られていたが、
 超大型の原子力空母の建造まで進めているということは
 知られていなかった。

 この消息筋が根拠に挙げた資料には、
 中国中央軍事委員会が最近、
 2つの空母建造計画を認めたという事実とともに、
 それぞれの空母の主要諸元が具体的に記載されている。

 この資料には、原子力空母の建造計画である「089工程」は
 2020年を目標年次とし、
 30万トン級のタンカーを建造できる能力を有している、
 「国営中国船舶工業集団公司」上海チャンナン造船所が
 設計と建造を担当しており、
 その規模は旧ソ連の未完成の原子力空母、
 「ウリヤノフスク」級になることが明記されている、と同紙は報じた。
 中国はロシアから「ウリヤノフスク」の設計図を
 秘密裏に購入したといわれている。

 この原子力空母が完成すれば、
 中国は最近訓練のため釜山港に入港した、
 米国の最新型原子力空母「ロナルド・レーガン」
 (ニミッツ級、9万7000トン)に迫る規模の
 空母を保有することになる。

 同紙は「この資料は通常型空母の建造計画である“085工程”を、
 “089工程”実現までの“過渡期”と位置付けている。
 2010年に完成予定の通常型空母は標準排水量4万8000トン、
 満載排水量6万4000トンの中型空母で、
 中国が昨年12月に実戦配備した戦闘機「殲10」を
 30機から40機搭載できる」と報じた。

   (朝鮮日報)


中国の空母配備が近いことは
これまで幾つかのニュースで報じられています。

進む中国軍近代化 艦上戦闘機調達へ露製50機
 空母計画に関連か

中国:「空母」「宇宙」で国威発揚
 解放軍首脳、軍事技術に自信 全人代

具体的なスケジュールとしては、
2010年までに初配備となるそうですが、
これがウクライナから買い取った旧ソ連の「ワリヤーグ」の改造型なのか、
それとも純然たる国産空母なのかはいまいち不明です。

ただ、上記の韓国ハンギョレ新聞のスクープや
他の報道などを総合してみると、
ワリヤーグ以外に国産の中型空母をすでに建造中であり、
ワリヤーグ+国産中型クラス2隻で
3隻セットの艦隊を構成する意向のようですね。

おそらく国産の方の2隻は
排水量からするとワリヤーグと同型タイプでしょう。

で、このスクープ記事を見て驚いたのは
中国海軍は4万8000トン級の中型クラス以外にも
大型の原子力空母の建造を計画していることです。

  この資料には、原子力空母の建造計画である「089工程」は
  2020年を目標年次とし、
  30万トン級のタンカーを建造できる能力を有している、
  「国営中国船舶工業集団公司」上海チャンナン造船所が
  設計と建造を担当しており、
  その規模は旧ソ連の未完成の原子力空母、
  「ウリヤノフスク」級になることが明記されている、と同紙は報じた。
  中国はロシアから「ウリヤノフスク」の設計図を
  秘密裏に購入したといわれている。

建造計画は「089工程」というそうですが、
この種の数字の付け方は中共の癖で、
おそらく1989年に計画が始まったという意味でしょう。


さて、驚くべきニュースではありますが、
ある意味、当たり前といえば当たり前なのかもしれません。

中国の国家戦略は、

◇短期:台湾の併呑

◇中期:アジアでの覇権の確立、日本を従属

◇長期:世界の覇権国家へ、米国との対決

この3段構えになってますが、
中長期的に見るならば
空母を中心とした艦隊の創設は当然でしょうし、
年々増大する国防費の後押しがありますから
作らない方が不思議と言えるでしょう。

私は思うのです。
中国の軍政家ほど楽しい商売はないのではないか、と。

国家は遠大な目標と志を掲げ、
覇権の拡大に日々邁進し、
富国強兵が当たり前の発想となっている。

その中で軍人は
国家の覇権と数千年の栄光の歴史を取り戻すべく、
自由や人権などクソ喰らえで
眼前の敵を粉砕することだけを考えてればいい。

また、年々軍事費は拡大し続け、
あれも買い、これも作り、
ロシアから戦闘機と戦車をごっそり買い付け、
イスラエルからは航空技術を受け取り、
人工衛星をミサイルで破壊し、宇宙にゴミをまき散らし、
あげくは大型空母も建造するとのこと。

中国軍の軍政トップは国防相の曹剛川ですが、
まあ、毎日が楽しくてしょうがないでしょうね。
何の制約もなく発想し、何の束縛もなく金を盛大に使い、
日本のように財政赤字やらGDP1%やら
専守防衛・非核3原則・武器の不輸出で縛られることもない。
うるさい野党や脳天気な市民団体もいないし、
アホな左翼新聞も存在しない。
これほど楽しい商売は存在しないでしょう。

まあ、冗談はともかくとして
中国海軍の空母配備計画は
彼らの国家戦略と年々拡大する国力からすれば
当たり前の結論です。

彼らは歳月を経るに従い、
米軍もどきの巨大軍隊へと変貌していくでしょう。

彼らの国力増大が止まらない限り、
それは必然の流れと言えます。



関連資料リンク

ついに空母一番艦が就役へ 着々と海軍力を増強する中国

台湾週報:国防部が衛星写真公開
 中国に「空母配備の意図あり」と指摘

ウリヤノフスク級航空重巡洋艦(原子力空母)


関連過去記事

中国:空母の就役間近?・・「ワリヤーグ」の改修工事は最終段階







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イラン情勢の悪化:在テヘラン外国大使館は撤退準備!?


     imbu.jpg


今日は短めに。

私がちょくちょく目を通しているサイト「中東TODAY」に
興味深いニュースが載ってましたので引用します。


在テヘラン外国大使館は撤退準備検討

 先週の土曜日に、ヨルダン・タイムズが伝えたところによれば、
 イランの首都テヘランにある外国大使館は、来るべき戦争に備え、
 脱出の準備を検討し始めているということだ。

 脱出の際には、どのルートで国外に出るのか、
 どの種類の書類を持って出るのか、
 焼却する書類は、水と食料は、ガードは、
 妻子は何時帰すのかといった細かい内容のようだ。
 もちろん脱出に遅れ、当分の間、
 戦争の下に居続けなければならないということもあるだろう。

 今回、もし戦争が起これば、トルコのインジルリク空軍基地が
 イラン攻撃に使われる可能性があることから、
 イラン・イラク戦争の時のように、トルコが飛行機を飛ばして、
 助けてくれることは期待しないほうがいいだろう。

 中国がイランに愛想を尽かし、ロシアが核関連の支援を止め、
 技術者もイランから撤退させる、という一連の動きの中で、
 イギリス海軍の拿捕事件が起こっている。
 こうした状況は、アメリカ・イギリスとイランが
 戦争開始になる可能性がすこぶる高い、
 と判断したほうがいいのではないか。
 イスラエルもまた、イランとの戦争は不可避だと言い出している。

   (中東TODAY)


ニュース中のヨルダン・タイムズの報道によらず、
どうもイランを巡る一連の動きはきな臭いですね。

先日のイランによる英兵連行事件などもそうですが、

イラン「艦艇侵犯」 革命防衛隊捕捉、報復か
 決議直前の英兵拘束

イラン「拘束英兵は侵入犯、裁判に」両国関係が緊張

イラン革命防衛隊、米国のイラン攻撃をけん制

イランと英国、
互いに自らの正当性を訴え、相手を非難しており、
正直、どちらの主張が正しいのかさっぱりわかりません。

ただ、イラン情勢に戦雲が漂ってきたのは事実のようで
それを素早く察知した幾つかの国が
早速、大使館の引き揚げ準備に入ったということでしょう。

そういえば、今日もこんなニュースが流れました。


イラン、米兵を攻撃か イラク国境で昨年9月

 AP通信は26日までに、昨年9月にイラクのイラン国境付近で、
 訓練中の米軍兵士らがイランからの攻撃を受けていたと伝えた。
 米兵に死傷者はなかったが、
 一緒にいたイラク兵ら6人が行方不明になっているという。

 イランは23日、イラク国境付近のペルシャ湾で領海侵犯したとして
 英海軍兵士ら15人を拘束し、英国から非難を受けている。
 米軍も昨年9月の攻撃について「任務を果たしていただけ」とし、
 落ち度はないと主張している。

 APによると、攻撃があったのは
 イランと国境を接する東部のディヤラ州。
 米兵がイラク国境警備隊員らの訓練をしていたところ、
 イラン側がロケット弾などを撃ち込んできたという。
 
   (U.S. FrontLine)


AP電発のニュースですが、
何故、去年の9月の出来事が今になって報じられるんでしょうね?
ここらへん、どうも情報工作の臭いが漂ってます。

日本人の感覚からすると
今、米国によるイラン攻撃などは
まさに「狂気の沙汰」という感じなのでしょうし、
怜悧な第三者が観察すれば
米国の国力的にあり得ないような話しです。

しかし、ブッシュ政権が懸念しているのは
イランと中東のこんな動きでしょう↓

外貨準備のドル比率を20%に引き下げ=イラン中銀総裁

湾岸諸国でドル離れ加速の見通し=ドバイ国際金融センターCEO

また同時に、冷静な国力計算などを無視して
意地でも米国にイランを攻撃してほしいという勢力は存在するわけで、
イスラエルなどはその筆頭でしょうし、
その意を受けた米国内の強力なユダヤロビーと
さらに、それと同盟関係にあるキリスト教右派などですね。

キリスト教右派はブッシュ政権の大きな集票マシーンであり、
米共和党にとっても欠かせない支持層です。

次の大統領選は
共和党候補者にとって不利であり、
民主党候補者にとって有利であるならば、
米国がイラン攻撃に踏み切れるのは
ブッシュ政権の任期、あと2年のうちということになります。

いずれにせよ、きな臭い報道が最近やたらと流れてきます。
どこまでが真実で、どこまでが情報工作なのか分かりませんが、
イランを巡るニュースの断片一つ一つに要注目です。



関連過去記事

米国とイスラエル・・ユダヤ系ロビーとキリスト教福音派

イスラエルの興味深い動き
 ・・戦争調査委員会の設置とイラン空爆の予兆

六者協議と中東情勢・・米朝のパワーバランス





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チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その2・・航空宇宙技術の流出


   WH.jpg


前回の続きです。

チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その1
 ・・クリントン政権の献金疑惑



クリントンと米民主党に対する中国からの献金工作は
米世論とマスコミを騒然とさせ、議会は調査に乗り出します。

一方、捜査に乗り出したFBIは
この動きの背後で中国政府が秘密工作資金を投じ、
大統領、議会両方の選挙で
民主党候補を支援しようとした疑いがあるとみていました。

米国の法律では
外国の団体や個人からの政治献金や
連邦政府施設内での募金献金活動は禁止されています。

これはまあ、米国に限らず他の諸国もそうでしょうが
言うまでもなく他国の政治工作を避けるための措置です。

実はこの数年前に
FBIやNSC(国家安全保障会議)が
クリントンと米民主党のナンバースリーであったペロシ議員に
「中国からの贈賄工作」に関して警告を発していたのですが、
両者共にこれを無視しました。

この問題の背景には
クリントンの脇の甘さと金に対する異常な執着がありました。

以下、産経の過去記事から。


◇広がる献金疑惑:クリントン政権(上)連日の“謀略ドラマ”

 九五年から九六年にかけての大統領選キャンペーンで
 クリントン・ゴア陣営が民主党全国委員会などを通じて
 一億八千万ドルほどの政治寄付金を集めたプロセスでの、
 法律あるいは倫理に違反する疑いの濃い事例が
 つぎつぎと明るみに出ている。

 不正あるいは不適と疑われる事例は大きく分けて二種類ある。
 第一はクリントン陣営が過去のパターンから大胆に逸脱し、
 現職政権の行政力そのものを選挙戦での財政力に
 異様なほど緊密にリンクさせた募金手法である。
 第二は中国系米人らをパイプとする外国の機関や
 個人の米国選挙への財政関与だといえる。

 第一の典型はホワイトハウス施設や
 大統領ポストの募金活動へのフル利用だろう。
 「敏速に進めよ。十万ドル以上、
 五万ドル以上のほかの(献金者の)名前も速やかに集め、
 (ホワイトハウスでの)宿泊接待はすぐに開始準備を整えてほしい」

 九五年一月、民主党全国委員会の財政部門が作成した、
 ホワイトハウス利用の募金プランに
 クリントン大統領がメモ書きで記した指示である。
 このプランはクリントン・ゴア再選のために
 民主党に五万ドルとか十万ドル以上の高額の寄付をした人、
 しそうな人をホワイトハウスに招き、
 正副大統領とのランチ、懇談、映画観賞、
 ゴルフ、ジョギングなどを楽しませるという趣旨だった。
 その究極のアトラクションがホワイトハウス東ウイングの
 リンカーン・ベッドルームでの宿泊だった。
 この部屋はリンカーン大統領が
 奴隷解放宣言に署名した歴史の舞台である。

 ホワイトハウスはこの二月、議会の圧力に屈した形で
 同ベッドルームのゲストとなった九百三十八人の名を公表した。
 民主党に四十万ドルとか五十万ドルという巨額の寄付をした支持者や、
 ホワイトウォーター事件の被疑者、関係者も多数、含まれていた。
 大統領とのコーヒーを飲みながらの懇談は合計百三回も催され、
 出席した数百人からは総計二千三百万ドルの献金がなされたが、
 そのなかには米国への武器密輸で摘発された、
 中国の軍事企業会長の中国人や
 横領容疑でインターポールから指名手配中のレバノン人、
 麻薬犯罪の常習犯の米国人などもいたことが判明した。

 一九七〇年代にウォーターゲート事件の報道で活躍した、
 ワシントン・ポストのボブ・ウッドワード記者が今月二日に暴露した、
 ゴア副大統領の執務室からの電話での献金要求も、
 不正や不適の疑いが濃い。

 合計約五十回の電話では
 「今週末までに二百万ドルを寄付してほしい」というふうに
 金額や期日を具体的に指定しての露骨な要請がほとんどだった。
 連邦政府に補助金や許認可を求める企業の代表であれば、
 現職副大統領からのこうした直接要求はまず断りにくい。

   (産経新聞 1997/03/13)


これを読んでると、クリントンとゴアは
ホワイトハウスを集金装置にした、
えげつのない資金集めをしたことが分かります。

ちなみに、両者共に
この件に関しては全面的に認めて
「不適切であった」と謝罪しています。

さて、前回の最後にも触れたように
この中国系からの献金問題は
議会の追及・FBIによる捜査・マスコミの取材が進む中で
疑惑が次々と広がっていきました。


97年4月25日、
米ワシントンポスト紙が爆弾スクープを行いました。

世界最大の電波傍受機関であるNSA(米国家安全保障局)が、
ワシントンの中国大使館と北京政府をつなぐ電話を盗聴したところ、
中国政府の「首脳」が米政界工作を承認していたことを示す、
証拠を入手したというもの。

また同紙は、この秘密工作を指揮した「中国首脳」が
江沢民国家主席や李鵬首相である可能性を
米政府高官が示唆したとのこと。

この盗聴活動は92年から96年にかけて
NSAとFBIにより行われ、
彼らは中国政府の献金工作を承知していたものの
おそらく政治的理由でしょうが、
この工作活動を止めることはできなかったとのこと。

そして翌年5月、
この問題を調査していた下院国際関係委員会は、
97年2月にクリントンが、
中国に人工衛星の打ち上げを委託する米国の航空宇宙企業が
刑事捜査の対象になっていることを知りながら、
同企業にこの委託を許可したとの公文書を公開しました。

企業の名は「ロラル宇宙通信社」。
この会社は96年、中国に安全保障上の機密技術情報を漏らし、
司法省が刑事捜査を開始していました。

しかし、クリントンはこの事実を知りながら、
ロラル社の申請に応じて、
中国側への衛星打ち上げ委託の特別許可を出しました。

その直前にバーガー大統領補佐官が大統領あての書簡で
「ロラル社にいま許可を与えると、
進行中の刑事事件捜査を阻害する危険がある」と警告していたのですが、
クリントンはこれを無視しました。

実は96年に
ロラル社とそれに関連する人民解放軍直営企業から
民主党に多額の献金がなされていました。

以下、産経と読売の過去記事です。


◇米の軍事関連技術 中国流出の恐れ
 人工衛星打ち上げ 米公聴会で委託批判

 米国上院委員会が二十一日に開いた公聴会で
 クリントン政権の中国への人工衛星打ち上げ委託問題が論じられ、
 専門家から米国の軍事関連技術が
 中国に流れる危険があることが指摘された。

 国際安全保障・拡散小委員会(サッド・コクラン委員長)の公聴会は、
 九八年二月に米国のロラル宇宙通信社が
 中国軍関連企業のロケットで
 米国製人工衛星を打ち上げることを委託した際、
 米国のミサイル発射に関する高度の軍事技術が中国側に流れ、
 中国側の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の命中度を
 高める結果となったという米軍筋の批判を機に開かれた。

 米国の宇宙航空産業界では
 通信用や気象情報用の人工衛星の打ち上げに
 費用が安い中国のロケットをときどき使うことがある。
 その際にはこの衛星打ち上げ委託を軍需品の輸出と同様にみなし、
 米国にとって脅威となりうる国に高度の軍需品が流れないよう、
 打ち上げ委託の是非を事前に
 「軍需品規制委員会」が審査することとなっていた。

 ところが、クリントン大統領は九六年十一月の再選直後、
 審査の権限を国務省下の軍需品規制委員会から商務省へ移し、
 許可取得がずっと容易になった。

 公聴会では委員長のコクラン議員(共和党)らから
 「クリントン大統領はロラル社の代表から
 七十万ドル以上の政治献金を受け、
 当選直後に衛星打ち上げ委託の許可が出やすくなるよう、
 審査の権限を国務省から商務省へ移した疑いがある。
 中国軍関連機関からも間接的に、
 少なくとも十万ドルの献金が民主党に流れた。
 この権限手続きの変更は、
 ロラル社や中国軍からの政治献金で動かされた可能性が高い」
 と疑問を提起した。

   (産経新聞 1998/05/23)


◇米民主党への中国軍不正献金疑惑 衛星打ち上げ許可絡む?
 議会、徹底解明へ
 
 背景には、衛星打ち上げビジネスの特殊性、
 米中双方の企業の思惑がある。
 
 米国は八九年の天安門事件に対する対中制裁の一環として、
 米国企業が中国に衛星打ち上げを依頼することを禁止した。
 しかし、米企業は大量の通信衛星打ち上げを計画しており、
 国内で処理しきれないため、安価な中国製ロケットの利用を考え、
 打ち上げに必要な大統領の特別許可を求め激しいロビー活動を続けた。
 
 これを受け、
 打ち上げ許可に積極的な商務省と消極的な国務省の間で、
 所管をめぐる綱引きが始まった。
 九五年十月にいったん「国務省所管を継続」で決着したが、
 五か月後、クリントン大統領は突然、商務省移管への変更を決定。
 だが、その後も綱引きが続き、実際の移管は九六年十一月にずれ込んだ。
 
 問題の人民解放軍がらみの献金は、この時期の同年七月に行われた。
 民主党への不正献金疑惑で
 今年三月に起訴された台湾系米国人ジョニー・チュン氏が、
 捜査当局に対して、総額約三十万ドルの献金のうち約十万ドルは、
 衛星打ち上げビジネスを行う中国の国営企業重役、
 劉超英中佐から受け取ったもので、
 その出所は人民解放軍だと証言した。

 一方、打ち上げを通して
 衛星やロケット技術が中国に漏れたとの見方もある。
 九六年二月、衛星メーカー大手ロラール社と
 ヒューズ社が特別許可を得て中国で行った打ち上げが、
 発射直後の爆発で失敗。
 両社は独自の事故調査結果を中国側に提出したが、
 この中で誘導技術などに関する機密を漏らした疑いがあり、
 司法省は捜査に乗り出した。
 
 だが、クリントン大統領は、
 「捜査妨害となる」との司法省の主張を無視、
 今年二月、新たな打ち上げを許可した。
 ロラール社会長は昨年、六十万ドルの民主党献金を行い、
 個人最高の献金者であることとの関連を疑う声もある。
 
   (読売新聞 1998/05/24)


まさに疑惑は深まるばかりでしたが、
結局、この中国からの献金工作問題は
うやむやのままに終わってしまいました。

一つはクリントン政権による捜査妨害で
司法長官がこの捜査を早々に打ち切ってしまったこと。
次にクリントンとモニカルインスキー嬢とのセックス疑惑が
センセーショナルに取り上げられ、
世論の関心がそちらに移ってしまったことです。

また、FBIやNSAの捜査は
秘密の通信傍受などを使ったものが多く、
証拠として提示できるものではないことや、
好景気に沸く米国において
クリントン人気に翳りが生じなかったことがあげられるでしょう。

皮肉と言うべきか、
この献金疑惑が発覚した直後の97年1月、
米議会調査局は「中国政府の対米議会工作」
という報告書を発表しました。

その内容は、

 従来の中国の対米ロビー工作は
 ホワイトハウスや国務省の親中派の面々を中心に行われており、
 さほど強烈なものではなかった。

 ところが、これに変化が生じたのが
 95年6月の台湾の李登輝総統による米国訪問。
 中国は阻止工作を仕掛けたが完敗に終わった。

 さらに96年3月の「台湾危機」で
 中国は、李登輝の強い意志と米国海軍の2隻の空母に
 手も足も出なかった。

 中国はこの苦い教訓から
 対米ロビー工作の拡大を決意し、
 劉華秋(国務院外事弁公室主任)をトップとする、
 「米議会工作グループ」を設置。

 彼らの当面の目標は、米政界に働きかけることで、
 中国への最恵国待遇の延長と
 世界貿易機関(WTO)の加盟促進を勝ち取ること。

というものです。

また、1990年にジャパン・ロビーの暗躍を描いた、
「影響力の代理人」の著者、パット・チョート氏は
産経新聞のインタビューに答え、

  「中国は過去の教訓から、私の本の翻訳も含め、
  対日報復法案つぶしに貢献したジャパン・ロビーの活動を
  徹底的に研究してきた」

  「ジャパン・ロビーは
  ワシントンの一流のコンサルタント会社と契約を結んでおり、
  もちろん政治献金もするが、すべて合法的に展開している」

  「逆にチャイナ・ロビーは
  中国系米国人を献金マシンにして裏のロビイストを使う」

と述べています。


90年代後半におけるこの献金疑惑は
その真実の一端を露呈したにすぎず、
全ては闇に葬られてしまいました。

あれから10年の歳月を経て
中国の対米ロビー活動は彼らの軍事費の伸びと同じく、
より活発化しているものと思われます。

世界の覇権国家である米国。
その米国の大統領と議会、さらに世論に対して仕掛けられる工作は
成功すれば世界秩序そのものを揺るがすものとなります。



関連資料リンク

中国の「核」が世界を制す 伊藤 貫 (著)


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チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その1
 ・・クリントン政権の献金疑惑

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー

中国諜報機関とコックス報告書





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チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その1・・クリントン政権の献金疑惑


       Bill_Clinton.jpg


先日の記事で
米国政界への中国のロビー工作の例として
クリントン政権時の献金問題について少しだけ触れました。

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー

反響もそれなりにあったようで
メールで質問などもいただきましたので、
あの問題に関して詳細に載せてみようと思います。

二期続いた米国のクリントン政権ですが
クリントン大統領の政治資金には
中国政府からの違法献金が流入していました。

この問題は当時、米国議会で大問題になったのですが
司法省を握る政権側の捜査妨害、
また、折から浮上した大統領のモニカルインスキー嬢との不適切な関係、
さらに米国民のクリントン人気もあって
結果、この疑惑は闇に葬られ、うやむやのままに終わってしまいました。

以下、この経緯について
当時の産経新聞と読売新聞の報道と
伊藤貫氏の「中国の核が世界を制す」という本を
資料にして書いてみます。


1996年、クリントン政権発足時における
ある政治献金が問題となりました。

当時、米国では「ホワイトウォーター疑惑」が話題になっており
クリントン大統領のアーカンソー州知事時代の汚職疑惑が
世論の関心をあつめていました。

その捜査の過程で、大統領及び米民主党が
インドネシアの財閥から違法な献金を受けていたとの疑惑が浮上し、
大統領自身もこれを認めました。

当初、米世論は
ただのインドネシア企業の違法献金程度の認識でしたが、
この問題を取り上げたワシントンポスト紙の取材とFBIによる捜査、
さらに米議会の追及が進むにつれ、
意外な事実が明らかになっていきます。

それによると1992年の大統領選当時、
クリントンと米民主党は
インドネシアの華僑系財閥「リッポー・グループ」から
多額の献金を受け取りました。

このリッポ・グループの在米代表であったジョン・ファンは
財閥の豊富な資金を使ってクリントンに取り入り、
クリントンの大統領当選後は
その功績により、商務省の副次官補に抜擢されます。

副次官補という地位は
国家機密にアクセスできる権限を持っているため、
事前にFBIなどにより身上調査が行われるのですが、
ファンに対してはヒラリー夫人の圧力により、
身上調査は行われずじまいでした。

ファンは中国本土に生まれ、台湾で育ち、
米国に移住後の76年に米国籍を取得しました。
インドネシアの財閥リッポ・グループの在米代表となり、
92年ごろからクリントンへの献金活動を活発に行うようになります。

リッポ・グループの二代目総帥のジェームズ・リアディは
70年代からのアーカンソー州でのビジネスを通じて、
クリントン氏と密接な関係にありました。
リアディ一族は本拠をインドネシアに置いてますが、
みな中国系で中国本土での大規模な経済活動に関与してきました。

97年7月の米議会の公聴会では、
CIAのジョン・ディッカーソン氏が
当時、副次官補のファンの求めに応じて
37回にわたってアジア関連の極秘情報を
閲覧させたことを証言しました。
ディッカーソンはファンが
商務省の中国担当官であると思っていたとのこと。

しかし、ファンの上司だった、
前商務副長官ジェフリー・ガーテンによると、
ファンの職掌が管理部門担当であり、中国担当ではないこと、
ファンが何度も中国大使館を訪問したり、
中国大使館員からの電話を受けていたとのこと。

この公聴会では、リッポー財閥に詳しい、
国際通商専門家のトーマス・ハンプソン氏が
リッポー財閥と中国政府のつながりが濃いことを証言しました。

実は、リッポ・グループへの大口出資者に
「チャイナ・リソース」という会社がありましたが、
ここは中国人民解放軍総参謀部第2部が所有していました。
ちなみに総参謀部第2部とは
国家安全部と並ぶ中国の諜報機関です。

この総参謀部第2部とリッポ・グループが
それぞれ50%ずつ出資して作ったのが香港チャイナ銀行で、
ファンは80年代にこの銀行の副頭取となっています。

ファンは副次官補として1年半あまり働いた後、
クリントンの求めに応じて、商務省を辞め、
96年の大統領選に向けて民主党の財政副委員長になり、
選挙資金の担当係となりました。

結果的に、ファンの民主党及びクリントンへの献金実績は
4百万ドル(約4億8千万円)以上にのぼり、
そのほとんどが出所の不確かな違法献金と判断され、
後日、民主党が3百万ドルを返還しています。


さて、これらの疑惑の噴出に
議会では複数の調査会が設置され、
FBIの捜査も熱を帯びていきます。

米マスコミの中では
ワシントン・ポスト紙がこの問題の追及に熱心で
かつてウオーターゲート事件の調査報道で活躍した、
ベテランのボブ・ウッドワードなどを取材に投入しました。

その中でさらに
もう2人の中国系の人物が浮上してきます。

まず一人目は
アーカンソー州リトルロックで長年、中華料理店を開き、
クリントンの知己だった中国生まれのチャーリー・トリーです。

トリーはクリントンのセクハラ訴訟では
63万ドルもの巨額献金を行い、
米政界ではその名が知られていました。

ちなみに、この資金は
出所が不明という理由で受領が辞退されましたが、
トリーはそれと別個に
クリントン氏再選のための資金65万ドルを民主党全国大会に寄付して、
これまたその後に返却されています。

トリーはクリントン政権発足後、
ワシントンにビジネス・コンサルタント事務所を開き、
クリントンとのコネを利用して
中国の政府や軍の関連企業のために
米側との取引を支援する業務を始めました。

1996年2月、トーリーは、
ホワイトハウス内で開かれたパーティーに
中国政府直属の大企業「中国国際信託投資公司」の会長である、
王軍氏を招待するよう取り計らい、クリントンと面会させました。

実は王は、
中国の代表的な軍需産業「中国保利集団公司」会長でもあり、
この会社は人民解放軍の直営企業です。
さらに王は、中国の国家副主席だった故王震氏の息子でした。

この三ヶ月後、「保利科学技術公司」は
米国へ中国製AK47小銃2千丁を密輸しようして
同社の幹部数人が逮捕されています。

2人目はカリフォルニア在住の中国系米人のジョニー・チュンで
大口の献金をクリントに対して行い、
2年ほどの間にホワイトハウスを50回以上も訪問しています。

彼は米国内の中国系企業のコンサルタントであり、
98年3月に詐欺と脱税で起訴され(おそらく別件逮捕でしょうが)、
FBIに対してクリントンへの献金と
その背後の中国コネクションについて詳しく供述しました。

その内容は恐るべきもので、

◇96年6月、チュンは
 中国人民解放軍傘下の企業「中国航天国際公司」の役員で
 解放軍中佐の女性、劉朝英氏から
 民主党選挙資金用として約30万ドルの秘密献金を受け取った。

◇劉朝英氏は中国共産党中央委政治局常務委員や
 中央軍事委副主席などを務めた劉華清氏の娘で、
 この資金は中国軍情報機関から出たとチュンに告げた。

◇チュンはこの資金のうち
 約10万ドルを民主党全国委員会に違法献金、
 見返りに九六年七月、劉朝英氏を米国に招き、
 クリントンを囲む会合に出席させ、同氏と並んだ写真を撮った。

と、チュンは証言しました。

ここに至って米国世論は騒然となり、
米議会はこの疑惑を解明するために独立検査官の任命を求め、
クリントン政権は窮地に追い込まれていきます。

しかし、事態はこれだけにとどまらず、
一層の進展を見せ始めます。

米国の国家機密である航空宇宙技術が中国に流失し、
それにクリントンと中国の政治工作が関わっていたとの疑惑が
浮上してきたからです。


     <続く>



関連資料リンク

中国の「核」が世界を制す 伊藤 貫 (著)


関連過去記事

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー

中国諜報機関とコックス報告書





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産経「安倍政権・孤独と苦悩」への雑感

産経が「安倍政権・孤独と苦悩」と題して
3回シリーズの記事を載せてますが、
これの下巻が興味深かったのでその感想などを書きます。

まず、産経の記事からどうぞ。


【安倍政権 孤独と苦悩・下】河野談話、米決議案との狭間で

 慰安婦問題を「20世紀最大の人身売買」と断罪するこの決議案は
 もともと米国でも大して注目されていなかった。

 ところが、決議案に対する日本国内での反発に乗じる形で
 米メディアに火が付いた。
 ニューヨーク・タイムズは3月6日付の社説で
 「安倍晋三は『日本軍の性的奴隷』の
 どの部分に理解や謝罪ができないというのか」と激しく批判、
 他の有力紙も相次いで安倍の非難記事を大きく掲載した。

 3月8日の時点では、安倍にも複数の外交ルートから
 「決議案可決は不可避」との見方が伝えられていた。
 ここで政府による再調査を表明すれば
 火に油をそそぎかねないというのが安倍のやむをえない最終判断だった。

 4月中旬の中国の首相、温家宝の来日、
 下旬には自らの訪米を控えていたことも足かせとなった。
 だが、それ以上に安倍が恐れたのは、
 日本の保守勢力に潜在する反米感情に火が付くことだった。

 決議案が可決されれば、
 日本の保守論陣から連合国軍総司令部(GHQ)占領下での
 米軍による婦女暴行事件を糾弾する声が上がることは必至だ。
 東京大空襲や広島・長崎への原爆投下の
 人道上の罪を問う声も上がるだろう。
 そうなれば、米共和党も黙っていまい。
 日米保守勢力の対立をほくそ笑むのは、誰であり、どこの国なのか-。

 対日非難決議案は過去5回提出されているが、
 いずれも廃案になっている。
 しかし、「今回は少し動きが違う」と、
 いち早く察知したのは首相補佐官(教育担当)の山谷えり子だった。

 山谷は昨年9月の補佐官就任直後、官房長官の塩崎恭久に
 「このまま放置したら大変なことになる」と進言したが、
 塩崎の動きは鈍かった。
 安倍が事態の深刻さに気付き、外務事務次官の谷内正太郎らに
 「事実関係に基づかない対日批判に対しては、
 一つ一つ徹底的に反論するように」
 と指示したのは昨年12月だった。

 だが2月15日には
 米下院の小委員会が元慰安婦女性の公聴会に踏み切った。
 業を煮やした安倍は首相補佐官(広報担当)の世耕弘成を
 同月19日、米国に派遣した。

 「決議案の裏には中国ロビイストがいる。狙いは日米の離反だ」

 世耕は応対に出た米国務省の課長級職員に懸命に訴えた。
 世耕の勢いに押されて
 職員が呼びに行ったのは国務次官補のヒルだった。

 「そういう背景があるとは知らなかった」

 ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった。
 しかし、人権に関するテーマだけに
 米国内保守派も日本を援護しにくい。
 時すでに遅しだった。

 駐米大使の加藤良三は米議会に
 「日本政府は慰安婦問題に関し、責任を明確に認め、
 政府最高レベルで正式なおわびを表明した」と声明を出したが、
 大使館員が米政府や米国議会に
 詳しい事情説明や反論を試みた形跡はない。
 理由は河野談話だった。
 「政府が談話を継承する限り、反論しようがない」(政府高官)。
 談話は決議案の根拠となっているだけでなく、
 日本政府が反論できない理由にもなっていた。

   (iza!)


私が今回の慰安婦騒動を見ていて思うのは、
日本国内の保守世論の成長ですね。

今回の保守系論調の特徴は、
上記の産経の記事もそうですし、
多くの時事系ブログが、

  「背後に日米離反をもくろむ仕掛け人有り」

という観点をもっていること。

以前ならば、河野談話が是か非か、
慰安婦の強制はあったか否かに議論は収束するのですが、
一段と踏み込んだ観点で議論を進めている。

日本の保守層のレベルアップとでもいうべきでしょうか。
国際社会が甘チョロい場所ではないことが
だんだんと周知されてきたようです。
頼もしい限りです。

さて、上記記事の個々の箇所への感想など書いておきます。


  決議案が可決されれば、
  日本の保守論陣から連合国軍総司令部(GHQ)占領下での
  米軍による婦女暴行事件を糾弾する声が上がることは必至だ。
  東京大空襲や広島・長崎への原爆投下の
  人道上の罪を問う声も上がるだろう。

これ、日本の保守層は決議案が通ればやるべきでしょう。

非難の応酬で非生産的と言ってしまえばそのとおりだし、
「日米離間」にわざわざ乗じられるようなものかもしれませんが、
この機会に物事の真偽をハッキリさせればいいんです。
私はこの程度のことで日米同盟が崩壊するとは思いませんので。

小泉政権の頃から
日米同盟の緊密化は進んでいます。
長期的には「自由と民主主義」の価値観共有が大きな理由ですが、
短期的には、米国に北朝鮮問題の解決を負ってもらい、
逆に日本はイラク派兵などの米国の行動を支持するという、
取引の側面があったわけです。

しかし、米国は北朝鮮政策の路線転換を行い、
先日の六者協議でああいう妥協をしてしまった。
さらに金融制裁すら解除してしまった。

ここ数年、日本が営々として
ブッシュ政権の政策を側面支援してきたにもかかわらず、
ああいう妥協を平気で行う。

一部論調では「米国の裏切り」との声も上がってますが、
ハッキリ言えば取引が破綻したということです。
イラク政策で米国を支援する代わりに
北朝鮮問題では日本の立場を支持する。
これの破綻です。

彼らが東アジアで手を抜くならば
日本も同盟緊密化の方向性を
少し緩める程度の動きをブラフで見せた方がいいでしょう。

また、ブッシュ政権が弱体化し、
米国自体がイラクで窮地に陥ってますから、
何かあっても米国は日本に強く出れないでしょう。


  対日非難決議案は過去5回提出されているが、
  いずれも廃案になっている。
  しかし、「今回は少し動きが違う」と、
  いち早く察知したのは
  首相補佐官(教育担当)の山谷えり子だった。

  山谷は昨年9月の補佐官就任直後、官房長官の塩崎恭久に
  「このまま放置したら大変なことになる」と進言したが、
  塩崎の動きは鈍かった。
 
山谷えり子さんは
長年、左翼・エセ人権思想と戦ってきた人ですから、
この分野に人脈・戦友が豊富なのでしょう。

おそらく、その人脈からの情報で
この米国の動きを察知したのではないかと思います。

官房長官の塩崎氏は
どうも評判がいまいちですね。

もともと塩崎氏を官房長官に起用したのは
この人物が米国民主党の知日派に人脈を持っているからで、
米国の大統領選挙を睨んでの布陣だと思います。

ところが、この人の能力不足は
米大統領選以前の問題のようです。


  世耕は応対に出た米国務省の課長級職員に懸命に訴えた。
  世耕の勢いに押されて
  職員が呼びに行ったのは国務次官補のヒルだった。

  「そういう背景があるとは知らなかった」

  ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった。
  しかし、人権に関するテーマだけに
  米国内保守派も日本を援護しにくい。
  時すでに遅しだった。

首相補佐官の世耕氏の対応相手が
課長級職員だというのも泣ける話しですが、
まあ、そういう突っ込みはやめておきましょう。

国務次官補でアジア担当のクリストファー・ヒルですが、
六者協議のイメージで日本ではすっかり軟弱者扱いです。

ヒルはブッシュ政権高官としては珍しく
外交官僚の出身です。

2001年のブッシュによる東欧訪問で
当時、ポーランド大使だったヒルは
ポーランド国内の「親米・ブッシュ歓迎」ムードのお膳立てをし、
それがブッシュの好感を得て国務次官補に登用されました。

第一次ブッシュ政権の時には
米国の政権中枢や国務省内には
アジア通や知日派の人材が綺羅星の如く揃ってましたが、
一人抜け、二人抜けと、櫛歯のように抜けていき、
元来は欧州外交の専門家だったヒルが
今ではアジア担当となってしまい、
六者協議を仕切るようになりました。

これは日本にとって大きなダメージですね。
所詮、国家の外交ですから
根本の方針を仕切るのはブッシュとライスですが、
現場から彼らに直言する立場の人間が
日本やアジアの状況に通じてないとは痛い話しです。

上記の産経の記事も
「ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった」の部分に
書いた記者のヒルに対する感情が漂ってますね。

いずれにせよ、ヒルは六者協議に手一杯で
さらにアジアの状況には知悉せずで
慰安婦問題に関してはとても期待できそうもありません。



関連過去記事

河野談話の破綻の経緯 その3
 ・・日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会

河野談話の破綻の経緯 その2
 ・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー








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河野談話の破綻の経緯 その3・・日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会


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前回と前々回の続きです。

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

河野談話の破綻の経緯 その2
 ・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書



前回にも書きましたが、
今、世間を「慰安婦問題」と「河野談話」が騒がしてますが、
本来、河野談話とは1997年の時点で
その内容の虚偽がハッキリとした代物です。

例の「官憲等による強制」の文言ですが、
あれに何らの証拠の裏付けも無いことがハッキリしました。
それが10年前です。

ところが河野談話は今でも日本の足を引っ張り続け、
米国議会やマスコミなどから悪し様に罵られる。
韓国や中国からは
日本の悪行の決定的な証拠のように扱われる。

そうなったのは、
すでに破綻した河野談話を訂正しようとせずに
この10年間の歳月を無駄にした政治家の罪でしょう。
特に保守系の議員は自省すべきです。

さて、今回は
この河野談話の破綻に決定的な役割を果たした、
「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」について書きます。

この自民党議員による会は
教科書に「従軍慰安婦」が記載されたことに危機感を感じた若手有志が
勉強会として結成したものです。

毎回、外部から講師などを招いて
慰安婦問題や教科書問題などについて意見を聞く。
当時、講師として呼ばれた中には
藤岡信勝さん、呉善花さん、西岡力さん、などがいます。

この勉強会の内容が
産経を中心に大々的に報道されて、
その影響力はけっこう大きなものがありました。
また、その内容が本になって出版されたことも
大きかったです。

歴史教科書への疑問―若手国会議員による歴史教科書問題の総括
 日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会

決定的なことは
河野談話の作成当事者の2人を講師として呼んだことです。
石原信雄・元官房副長官と河野洋平・元官房長官です。

呼ばれた石原氏は
「軍による強制性の資料は全く無かった」と改めて証言し、
これで河野談話の虚偽がハッキリとしました。

で、河野洋平氏。
彼が講師として呼ばれて如何なることを話したか?
それを以下に掲載します。

最初に言っておきますが、非常に長いです。
それと河野氏の話し方は脈絡が無く、
とても分かりづらいです(笑)

以下、河野洋平氏による、
「河野談話」発表に至るまでの経緯説明と、
当時の自民党の若手議員による質疑応答です。


        ◇           ◇


<河野洋平>

ご存じのとおり、冷戦が終わりまして、
湾岸戦争の経験も我々は持っていました。
あの当時、日本の外交としては新たな目標を
「新しい時代のアジア外交の構築」
ということに向けていたわけでございます。

例えば皆さんもよくご存じのとおり、
ASEAN(東南アジア諸国連合)の国々の
目ざましい経済的な発展ぶり、
それから民主化への非常に真摯な動き、そういったものを見るにつけ、
我々はアジアの一員として共に考え、
共に汗を流すということが重要だというふうに
考えていたわけであります。

日本の国がアジアと共に汗を流し、アジアと共に考えよう、
アジア外交というものを非常に重要視する、という状況にあった。
あれまでも何度かありました。
福田ドクトリンとか、いろいろありましたけど、
あらためてアジア外交を構築するという状況にあった、
ということをまず頭に入れておいていただきたいと思います。

そういう状況下でありますから、当時、宮澤内閣ですが、
宮澤(喜一)総理もアジア太平洋政策に関する政策を
きちんとつくり上げたいということから、
アジア太平洋政策に関する諮問機関というものがあったりして、
アジア外交の強化に向けて努力がなされていたわけです。

陛下の中国ご訪問などというものがあったりしたのも、
その当時でございます。
そうした時期に、
シンガポールのリー・クアンユーさんだったと思いますが、
リー・クアンユー首相から「日本がもしアジアの一員として、
この地域でみんなと一緒に努力しようとするならば、
歴史の問題に対する真摯な取り組みが必要だ」という指摘があったのも、
その当時だったと記憶しております。

一方、わが国は国連の安保理(安全保障理事会)に入ることを希望して、
言い方は非常にソフトな言い方でしたが、
「多くの国々の支持があれば、
我々は国連の安保理でその責任を果たす用意がある」
というような言い方で、安保理に加わりたいという気持ちを
表現したのもそのころでございますが、
そのためには近隣諸国の理解、
近隣諸国の支持をいかに得るかということが
極めて重要だということも
非常に深刻に我々は受け止めていたわけであります。

そうした時期に宮澤総理は総理大臣として韓国訪問されまして、
韓国において日韓首脳会談などが行われていたという、
そういう背景があったことをご理解をいただきたいと思います。

そう言う背景の中で、政治的にはそういう状況の中で、
一方、いわゆる従軍慰安婦問題というものが浮上したわけです。
従軍慰安婦問題というのもが
何年何月だったかという細かいことを・・・・。
年月日は多少思い違いがあったら直していただきたいと思いますが、
たしか平成3年の12月であったかと思います。
何人かのいわいる従軍慰安婦と言われる人たちが
日本の裁判所に訴訟を起こした。

その訴訟に端を発して、
もちろんその訴訟は以前に強制連行問題とか、
いろいろあったわけですが、
この強制連行問題は
中国、あるいは韓国の人を日本に強制的に連れてきて
働かせたという事案ですから、これは比較的資料が残っていたんです。
よそから日本に連れてきて、
日本で仕事をしていたということですから、
日本の企業の中にも資料がありましたし、
いわゆる役所の中にも若干の資料が残っていた。

ところが、いわゆる従軍慰安婦問題というのは、
言ってみれば多くの場合、
日本本土でないところから戦地に連れていって、
戦地で転戦しながらいろいろやっていたという事案ですから、
このいわゆる従軍慰安婦問題というものが、
その全貌が明らかになるということがなかなか難しかった、
というふうに私は思うんです。

しかし、裁判所に訴訟が起きたりして、なおかつ、日本の国内で、
もっと率直に言えば日本の国会で野党議員から再三にわたって
相当の時間をかけて厳しい質問が出るということもありまして、
これは相当真剣にいわゆる従軍慰安婦問題について
資料を集める努力をしなければいけない、
というふうに考えるに至ったわけですが、
そう言う状況下でさっき申し上げた宮澤訪韓というものがあって、
両国の首脳会談の折りだったと思いますが、
韓国側からこの問題が持ち出され、
総理は「国へ帰ったら、
真剣にこの問題について調査をいたしましょう」
というような趣旨の答弁をして帰られた。
そこで帰ってこられて調査を始めるということになったわけです。

で、私の前任者でございますが加藤(紘一)官房長官は、
その当時、記者会見で
「調査をやります」ということをはっきり明言されて、
調査をされたわけでありますが、
その調査が時間的にも非常に短い調査であったせいもあって、
なかなか十分な全貌を調べ上げるというわけにはいかなかった。

それは一遍発表してみると、
ここにもっとあるのではないか、こういうこともあったのではないか、
ここも調べてほしい、というような指摘もあって、
「さらに調査を続けます」ということになって、
そこで私が官房長官を
前任の加藤官房長官から引き継いだわけでございます。

こうした問題は決していたずらに時間をかけてゆっくり、
いわゆる引き延ばすようなことをすべきではないと。
調査はやはり速やかにやるべきだということで調査を行ったわけですが、
その調査の段取り、
それから何省の何課にどういう資料があったかというのは
いま十分申し上げるだけの資料は私の手元にはありませんが、
官房長官として外政審議室を督励をして、
関係各省、それからたしか役所だけではなかったと思いますが、
資料がありそうな場所は相当幅広く当たったことは事実でございます。
 
そこで、あったか、なかったか、という問題になると、
はっきりあったと言えるのは、
いわゆる慰安所というものがあったということははっきりいたしました。
慰安所というものがあって、
なぜ慰安所をつくったかについてはいろいろ理由もあるわけですが、
それは置くとして、慰安所というものがあって、
そこに働く女性がいたということもはっきりしている。
 
それがはっきりして、慰安所があって、
いわゆる慰安婦と言われる人がそこに働いていた。
強いて言えば「働かされていた」と言っていいかもしれません。
いや、それは公娼というのがあって、ビジネスでやっていたので、
という説明もありますが、
慰安所における女性に対する管理を
どういうふうにするかというような資料などを見ると、
やはり管理の下に仕事をしていた。
自由はかなり拘束されていたと思える部分がある。
 
その拘束されていた理由はいろいろあって、
例えば情報が漏れるといけないとかいうことも
理由の一つだと思いますし、
それ以外の理由もあったかもしれません。
いろいろな理由があって自由が束縛された。
本人個人の意思でどこにでもいける、
つまり、もういやになったから辞めます、
ということが言えたかというと、
それはどうもできない、という状況まではっきりした。
 
しかし、それははっきりしたんですが、
皆さんが一番問題と考えて指摘をしておられる、
その女性が強制的に
連行されたものであるかどうかということについては、
文書、書類ではありませんでした。
女性を強制的に徴用しろといいますか、
本人の意思のいかんにかかわらず連れてこい、
というような命令書があったかと言えば、そんなものは存在しなかった。
調べた限りは存在しなかったということは申し上げていいと思うんです。
 
ただ、そこで考えなければならないことは、
そういう資料がなかったということは、
資料がないんだからなかったんだ、と決められるかどうか。
逆に言えば、資料がなかったのにあったと言えるかと言えば、
これもまたその逆でございまして、
言えることは「資料がなかった」ということは
事実としてはっきりさせておかなければいけない。
 
ただし、資料はありませんでしたが、
もろもろ様々な人たちの発言などを聞いていると、
やはりいろいろなことがあったのではないかと。
全く非公式に、これはそう簡単なことではなかったのではないか、
と思える節もある。

それは何と言ってもあのころのわが国の状況、
これはもう命がけでやるか、やられるか、
という戦争をしようというときですから、
軍隊の持つ強制力といいますか、
軍隊の持つ権力というものは絶大であって、
軍に「こういうことをしてほしい」と言われれば、
それに対して、「そうかもしらんが、私はそれはできません」
ということが言えるかどうか。
 
それは一人の女性だけではなくて、
極端なことを言えば、
高級官僚といえども、さらには政治家といえども、
絶対にとは言いませんが、これに反する意思を述べるということは
なかなかそう簡単ではなかったのではないか、
ということも推測できると思うんです。
これはあくまでも推測です。

そういう状況下で、一体どのくらいの女性が
いわゆる慰安所というところで働いていたかという総数についても、
資料で数を確認することはできませんでした。
できませんでしたが、これはいろいろな人からの話を聞いて、
相当な数だったということを
きっと調査に当たっていた人たちが思っていたこともあると思うんです。

そういう中で、資料がない、
つまり書類がない以上はどうするかと言えば、
書類がない以上はやはりそれにかかわっていたと思われる人たちの
証言もまた聞くべきだという議論があって、それはそうだね、と。
しかし、では、誰がかかわっていたか、
どうやってわかるんだという問題もあるわけです。

「私はかかわっていましたよ」と本人が言ったって、
本当にかかわっていたかどうかは証明のしようがないではないか、
何か証明すべきものがあるかということになると、
それもなかなか難しいということもあったわけです。
現在も現存をすると思いますが、韓国にはそういう人たちが集まり、
そういう人たちを支える組織というものも複数があって、
その複数の組織から
いろいろな意見が出てくるという話も聞いておりまして、
我々としてもそういう人たちの意見も
聞いたらいいではないかということになったわけです。

で、何人かの人の証言も聞きました。
それはいま申し上げたようにプライバシーの問題もあるので、
どこで、誰々さんから聞いた話はこうですよ、
ということは外には一切出さない。
しかし、それが本当かね、どうかね、という話は、
いろいろな人が聞いてきて、あれは本当ではないのではないかとか、
いろいろなことを言う人も中にはあったわけです。
 
私はその証言を全部拝見しました。
「その証言には間違いがある」という指摘をされた方もありますが、
少なくとも被害者として、
被害者でなければ到底説明することができないような証言というものが
その中あるということは重く見る必要がある、
というふうに私は思ったわけでございます。

私は今日、2つのことを申し上げようと思いますのは、
いわゆる従軍慰安婦という、
非常に気の毒な状況に置かれた女性達がいたか、
いなかったかという点については、私はいただろうと。
総合的な判断をして、いたと思える。
こういうことをまず申し上げたい。

問題は、歴史的に見て歴史的な事実であったということを考える。
歴史的事実であったということを前提にして、
しからば、その教訓といいますか、その大変厳しい経験というものを、
次の世代にどういう形で伝えていくべきなのかということについて
どう考えるかということと、
2つが重要だと思うんです。


<小林興起>

私があえて話しをさせていただきたいのは、
官房長官のお人柄とか、お考えによって
この談話が出来ているという感じがするんです。

私は例えばこの程度のことは違う立場から見れば、
戦争だったわけですから当然のことなんですね。
これが強制連行と言ったらひどすぎますが、
連れていくのに全然自由意思で
「さあ、どうぞ」という話しなどないわけですね

しかし、この程度のことを
外国に向けて本当にそんなに謝らなきゃいかんのか。
誰がひどいと言ったって、戦争には悲惨なことがあるのであって、
当時、娼婦というものがない時代ならば別ですけれども、
町にはあふれているのに、
戦争に行く軍人には
そういうものをつけるというのは常識だったわけです。
働かせなきゃいけなんです。

兵隊も命をかけるわけですから、明日死んでしまうというのに
何も楽しみがなくて死ねとは言えないわけですから、
楽しみもある代わりに死んでくれ、と言っているわけでしょう。
そういうところにどこの国だって連れていく。
つい最近のベトナム戦争においたって、
もっと近来になっているにもかかわらず、
ベトナムに従軍慰安婦みたいなものを韓国は持っていたわけです。
戦争にはついこの間までそういうものがあった。

我が国だけがひどいことをしたのかどうかということを考えるならば、
例えば中国で大量虐殺があったなどと言っていますが、
中国の大量虐殺よりも広島に原爆を落とされた方が本当に・・・・。
軍人以外の者が当然死ぬだろうということがわかりながら、
大量にあの爆弾を落とすなどということはもう非常識窮まりない。


<河野洋平>

この程度のことで謝る必要があるかどうかと
小林さんはおっしゃるけれども、
本当にこの程度のものなんだろうか、
というふうにむしろ私は思うんです。


<衛藤晟一>

慰安所があったということは事実。
で、そこに慰安婦がいたということは事実。
それはまた世界全部がそれが行われていた。
全体として見れば、終戦後、アメリカが日本に来たときも
そうであったこともまた事実です。

そういう状況の中で、そこにいる女性たちは
ある意味ではいま言われたようにみんなきついと言えばきつい、
強制的な部分があったと言えばあった。
大変なことだというふうに思います。

その部分とどこかちょっとごっちゃにしているところが
あるのではないかと。
だから、今度は事実をちゃんとしていくと、
資料がないからないと言えるのかどうかというのとは逆に、
資料がないのにあると言えるのかということで、
これだけいろいろな詳細な調査をしてみた。

それが事実かどうかはっきりわからない状況で、
「ほぼ事実に近いですよ」という形の言い方をすると、
それが結局、事実になるわけです。
事実ということを立証できないのに事実になってしまう。
そして逆にそのことが二国の間を引き裂くという結果が
起こっているという感じがいたします。

少なくとも、私どもの今までの勉強会の中では
軍の強制性を実証できる資料は、
桜井よしこさんが言ったと同じように証明できませんでした。
しかし、ないという証拠も確かにできていません。

しかし、問題は、実はここで一番問われていることは、
軍が直接そこに歩いている女性を引っ張ってきて、
セクシャル・スレイプ(性的奴隷)として使ったと。
ということは、極端に言えばそれはお金というものではない、
完全に強制的にしたと。
そうすると、ここもまた調べてみると、
内地より料金的に3倍だとかいうような料金が支払われたとか、
いろいろ出てきます。

だから、今、先生が言われたように
非常に善意の「本当にかわいそうだよな」ということの中身ではなく、
そのことはそのこととして私は人間だからよく分かります。
しかしながら、今、そのことを日本に対して言っているのではなく、
日本という国はとんでもない国だ、
そこに歩いてる女性を強制的に軍隊が引っ張ってきて
セクシャル・スレイプとして使ったんだと。
そういう印象を与えて、
そしてそのことが広がっていることが問題なので、
だから、ここのところで本当に軍の強制があったのかどうなのか、
という一点の事実確認はどうですか。


<河野洋平>

軍の関与があったかどうかということについて、
たしか書いてあるかと思いますが、
軍の直接関与があったか、あるいは間接関与があったか、
という問題があるわけです。

つまり、兵隊が女性に飛びかかっていってレイプして、
そのまま連れていっちゃった、
あるいは引っ担いで連れて行っちゃったという、
軍そのものがやったかどうかという問題と、
先ほどから申し上げているように、
あの頃の時代背景から言うと、
軍の力というものは圧倒的、非常に強い権力を持っていた。
そういう軍を背景に、表現はちょっと適切でないかもしれませんが、
人狩り、女衒の類が背後に軍がいることを
ちらつかせてやったということもあるかもしれない。
ということまで含めて考えていただきたいと思うんです。

それからもう一つ申し上げると、
あっちもこっちもやっているじゃないかと
いうことをおっしゃるんですが、
「まあ、日本もこの程度のことをやってもいいじゃないか」
というのは、いかにも言うべき言葉ではないというふうに
私は思います。


<衛藤晟一>

いやいや、私はそうは言ってない。
やっているからいいということではなくて、
それはその当時、全部の国がやっていたわけで、
そうすると、もっと事実として
全部がそういうことをやっていたということを
ちゃんと書かないとやはりおかしいですよ。
事実誤認になってしまいます。

それで軍が強制的に連行したかどうかは、
そこを歩いてる女性を引っ張ってきたかのごとく
例えば国連等でもPRされて、
そしてそういう印象を与えるようにされているんです。


<平沢勝栄>

河野先生は、先ほど、お伺いしていますと、
何か状況から見て恐らくあった可能性が高いと、
こういうことでやられたんでしょうか。
それとも100%断定資料がなかったということは
先程からおっしゃられてますので、
要するに状況からして、
その可能性が高い、蓋然性が高いということで、
こういう形で(官房長官談話を)出されたと。
こういうことでよろしいんでしょうか。


<河野洋平>

私の「談話」をよく読んでいただければ、
そのへんのところは書いてありますから、
これをよく読んでいただければいいと思います。


<平沢勝栄>

先程「だろう」とか、
「と思える」いかいうようなお話をされてましたね。


<河野洋平>

いやいや、ですから、資料をみんな集めて、
みんなで議論をしたわけです。
そのときに、私はそういうふうに思ったことは事実なんです。
「これはやはりあったと思わざるを得ないね」というふうに
私が思ったことは事実なんです。


<自見庄三郎>

この間、石原(信雄)前官房副長官が勉強会に来られまして、
強制した客観的事実は一切なかったと。


<河野洋平>

ああ、そうですか。


<自見庄三郎>

何で強制ということを言ったか、については、
韓国の慰安婦だったという方々を政府がいって面接調査した。
それに日本人の弁護士も立ち会ったらしいんですが、
その裏付け調査、あったかどうか確認もしてないけれども、
その内容だけが、その供述だけが実は強制ということに結びついた、
ということをはっきり言われたんです。


<衛藤晟一>

裏付け調査をしないという前提で来たと。
その代わり騒ぎもしなかったし、
静かにしゃべるということでやったと。


<自見庄三郎>

という話しでしたよね。


<河野洋平>

これは先程も申し上げたように、
話しをずーっと私も見せてもらいましたが、
局部的には思い違いがあるのではないか、
こんなことはなかったのではないか、
つまり場所が違ってやしないかとか、
何がどうだということはあったとしても、
大筋において経験がなければ、体験がなければ、
こんなことは証言できないと思える部分というのは、
非常にあっちこっちにあるということははっきりしてますね。


<衛藤晟一>

ですから、前総裁はそう推察する、
蓋然性が高いのではないかといわれるけれども、
でも、前総裁の個人的な善意の問題と事実の問題は・・・。


<河野洋平>

いやいや、これは善意ではありません。
こういうことは善意だけでものを言うつもりはないので、
やはり調査の結果を見れば、これはなかったとは言えない、
というふうに私は思います。


<安倍晋三>

なかったということを証明するということは、
私は限りなく不可能に近いと思うんです。
なかったというのは、例えば一万例があるとすると、
一万例すべてについて当たっていって
なかったということを証明しない限りこれは不可能ですから、
なかったということは証明できない。
ですから、あったということを
まず証明しなければいけないと思うんです。

それで国家として、それに教育もしていく、
あるいは国として謝罪するということであれば、
その人に対する思いやりとはまた別に、
厳然たる事実かどうかということを
ちゃんと精査していかなければいけないのかなと私は思うんです。

そういう中で慰安婦の皆さん16名に対しての
インタビューの裏付けを取ってないということは、
その人に対して、被害者だから、
そんなことをするべきではないということを言うことも
わからないことはないんですが、
ただ、国家として態度を決めるからには
やはりそれをする必要があると私は思うんです。

しかも、それが直接わが国の場合は、
教科書にまで載るということになってしまったわけです。
本来、「官房長官談話」と教科書に載るというのは
別の次元の話しなんですが、
日本のシステムはそうなっているんです。

そうすると、ここのところを直さない限り、
教科書が直せないというのが文部省の・・・・。
私が何回質問しても、文部省が金科玉条のごとく、
「この『談話』があるから、私たちは悪いことをしていませんよ。
個人的にはこんなものを載せるべきではないと思っているけれども、
これはしょうがないんです」と。


<河野洋平>

いや、安倍先生のお話はそれなりによくわかりますが、
私は「官房長官談話」を出すにあたって、
そんなあやふやな状況下で出したつもりはないんです。

私は少なくともずーっと調査を重ねていって、
あの時点で、これは「官房長官談話」に書きました意味において、
私は「強制性は認められる」というふうに言って憚らないという、
最終的な判断をしました。


<安倍晋三>

軍の「強制性」ですね。


<河野洋平>

官憲等による。


<古屋圭司>

今、自見先生のほうからご指摘がありました。
石原先生のお話の中で、当時の政治的背景からすると、
まともな調査をできる状況ではなかったんだということを
はっきり言われましたね。
したがって、いわば政治判断をやらざるを得なかった。

だから、実際、安倍さんの言うように、
本当のそこの部分の調査というものはやれるのかどうか。
私はこのへんをもう一度検証する必要が
あるのではないかと思います。


<河野洋平>

私は最後に一言だけ申し上げますが、
やはり日本の国は品格のある国づくりを目指すべきだと思うんです。

依然として例えば東南アジアに対する買春ツアーとか、
そういうものがあると言われている。
こういうことがあると言われるような国というのは
そんなにありません。
私はそういう点についても
我々はもう少し深刻に考える必要があるのではないかと。

いわゆるフィリピンにはジャピーノと言われる子供達が大勢いて、
それに手を差し延べるということも十分ではない。
もちろんすべてではありませんが、
一部の日本人男性のこうした残念な問題について、
どうも我々はややもすれば許してしまう雰囲気があるのではないか。

今、女性の権利をもっと認め合うとか、
男女共同参画社会をつくろうとか、
タテマエはいろいろ言うけども、
実態の認識はそこまでいってないというころに問題がある。
審議会の委員に何人女性を入れようとか、
そんなことだけではやはり男女共同参画社会なんていうのは
できないのではないかと。


<中川昭一>

それはそれとして大事な問題だと思いますが、
歴史的事実を
どう認定するかという話しとは違う話でございますので、
それとこれとは・・・。


<自見庄三郎>

どうもありがとうございました。


       ◇            ◇


以上です。

私がこれを読んでいてまず思ったのは、
慰安婦云々とは無関係に
河野という人物はなんと脈絡もない話し方をするんだろうかと。

話しがあっちに飛び、こっちに飛びで、
グルグルグルグル回るような言い方をする。
この人、論理的に物事が考えられないんじゃないかと。

慰安婦問題と河野談話を考えるに当たって、
この人のこういう論理的思考の欠如こそが
意外に大きなウェートを占めるのかもしれませんね。

また、最後の方にも
「男女共同参画社会が」などと言ってますが、
ここらへんにこの人の思想的背景があったのかと
思わず納得した次第です。

さて、どう見ても突っ込み不足の自民党若手諸氏ですが、
これは同じ党の大先輩ということで遠慮したのかもしれませんが、
もうちょっと頑張ってほしかったところです。

全体を通してみると
証拠・文書などが一切無いのに
「官憲による強制」を認め、
国家が謝罪してしまった誤りは明白です。

河野氏はこれに対して

  ただし、資料はありませんでしたが、
  もろもろ様々な人たちの発言などを聞いていると、
  やはりいろいろなことがあったのではないかと。
  全く非公式に、これはそう簡単なことではなかったのではないか、
  と思える節もある。

などと言ってますが、
「思える節」だけで謝罪されちゃあかないません。

たとえば河野氏が、
ある女性から身に覚えが無いにもかかわらず、
「あんたは私をレイプした!」と
いきなり言われたらどうなるんでしょうか?

河野氏自身は否定し、証拠も何もない。
しかし、女性の証言だけで犯人とされ、
哀れ罪人となってしまった。
こうなったらどうするんでしょうかね?

河野氏は徹底的に反論するでしょう。
「ふざけるなよ」と。
「これは冤罪だ!」と。
「証拠もないのに罪人に仕立てる気か!」と。

自分がそういう状況におかれれば
当然、素直には従わずに反撃するんでしょうが、
国家の歴史となると基準が別のようです。

彼は証拠もなく国家を罪人に仕立てたわけです。
何の証拠も文書もないのに
「官憲による強制」といったわけです。

それと、もう一つ思うのですが、
私は戦地の慰安婦が総計で何人いたかは知りませんが、
一万人ほどいたとして
仮にそのうちの数十人に強制による悲劇があったとしても、
それは国策そのものの罪とは別物だということです。

あえて冷厳な言い方をさせてもらいますが、
国家が施策として何かを行った時、
システムとして施策としてやったことと、
それを遂行する過程で生じた末端での悲劇は
これは峻厳に切り離して考えなければなりません。

システムとして日本国が
そこらへんの女性を強制的にかき集めて
慰安婦として送ったわけではない。

国策レベルの話しと
それが遂行される過程で生じた末端の暴走による悲劇とは
これは全く別のものです。

河野談話を作成するに当たって
日本政府は慰安婦関係の資料をかき集めて検証しました。
そして、強制性を示す文書は全く無かったわけですが、
仮に一部の末端の部隊で
そういうことが行われたという文書が出てきたとて、
それを日本国の国策とイコールにされてはかないません。

私は上記の河野氏の話を見ていて
この人物は証拠の文書が一枚でも出てくれば
得たりとばかりに飛びつき、
国家レベルの悪業として謝罪するんだろうなあ、と思いました。



関連資料リンク

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話

歴史教科書への疑問―若手国会議員による歴史教科書問題の総括
 日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会



関連過去記事

河野談話の破綻の経緯 その2
 ・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー








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河野談話の破綻の経緯 その2・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書


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前回の続きです。

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

前回も書いたように
この1997年という年、特に前半は
慰安婦問題が世情をにぎわし、
1993年に発表された河野談話が破綻した年でした。

その破綻した政府談話が
10年後の今になって米議会での慰安婦決議の根拠として使われる。
これは河野談話の中の「官憲による強制」云々の部分を
1997年の時点できっちりと訂正しなかった政治の怠慢です。

この1997年という年を
新聞報道から振り返ってみると
慰安婦問題を巡って、この問題を拡大化しようとする左翼と
河野談話の修正を求める保守層の間で
激烈な論争・政争が起こっていたことが分かります。

きっかけは前年の96年6月に
中学校の教科書検定結果が発表され、
その中に「従軍慰安婦」が初めて記載されたことでした。
当然ながら河野談話に基づいた「強制」云々という記述内容です。

これに日本の保守層は衝撃を受けます。
まず、これが明確な形となってあらわれたのが
96年12月の「新しい歴史教科書をつくる会」の発足です。
また、多くの保守系の学者やジャーナリストから
慰安婦の教科書記述や河野談話に対する反対意見が噴出し始めます。

一方、相変わらずというべきでしょうか、
韓国は「慰安婦」絡みで日本の姿勢を厳しく批判し続け、
これに日本の左翼政治家が呼応するという、
いつものパターンが展開されます。

特に97年1月には
当時の民主党代表である鳩山由起夫氏が訪韓し、
韓国の金泳三大統領と会談、
席上、鳩山氏は
「日本政府による元慰安婦への国家補償が必要である」と言いました。

一方、与党政治家が
河野談話に疑義を示し、慰安婦問題に対して硬骨な正論を述べると
ここぞとばかりに朝日・毎日が騒ぎ、
野党がそれに便乗し、韓国が喚き始め、
謝罪に追い込まれるという例のパターンも繰り返されます。
当時の梶山官房長官などです。

さらにジャーナリストの桜井よしこさんが
96年10月に横浜市教育委員会での講演会で
「私の取材の範囲では慰安婦の強制連行を裏付ける事実はなく、
自分としては強制連行はないという信念を持っている」
と発言したことに対して、
各地の自治体で桜井氏の講演が
左翼市民団体の圧力で相次いでキャンセルされるという、
異常な事態が起きました。

これなどは言論の抑圧なのですが
桜井氏は敢然とこれに立ち向かい、
97年の文藝春秋4月号にて
河野談話の欺瞞性を暴く論文を発表し、
世論に衝撃を与えました。

そしてこの問題に危機感を感じた自民党の若手議員らが
「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」を結成したことは
前回の記事で書いたとおりです。

まさに96年末から97年にかけ
「慰安婦問題」を巡って政界と言論界で
保守と左翼による激烈な闘争が巻き起こっていたことが分かります。

しかし、この闘争もあっけなく勝負がつきました。
それは上述の文藝春秋での桜井氏の論文と
前回の記事に掲載した、
産経新聞による石原元官房副長官のインタビューが決め手となり、
河野談話の「官憲による強制」という文言が
誤りだったことがハッキリとしたことです。

この97年前半の産経新聞の報道を調べてみると
驚くほどの数の慰安婦・河野談話関連の記事を量産しています
同時期の読売新聞は眠ったようにこの問題に鈍感であり、
朝日・毎日に至っては調べる気自体が起きません。

さて、今日は97年4月の
いわば「激戦中」の産経の記事を2つ載せます。

日本政府は1991年から1年8カ月かけて
過去の政府文書や米国立公文書館・国会図書館などから
「従軍慰安婦」に関する資料をかき集めて
その概要のみを公開しましたが、
これの検証記事です。

なかなかに興味深い内容です。


◆慰安婦問題政府資料から(上)
 善意の関与多く含む 軍名義悪用や流言の防止目的

 「従軍慰安婦」問題で、政府が集めた公文書の中に、
 軍や官憲が悪質業者を取り締まったり慰安婦を保護するなど、
 むしろ「善意の関与」を行っていた事実を示す記述が
 多く含まれていることが三十一日までに、
 小山孝雄・参院議員(自民)らの調査で分かった。
 こうした「善意の関与」はほとんど発表されていない。
 公文書以外の元慰安婦からの聞き取り調査だけで
 「強制連行」を認めた日本政府の意図が見え隠れする。

 日本政府が平成三年十二月から一年八カ月かけて
 外務、防衛、厚生といった七省庁や米国立公文書館、
 国会図書館などで集めた「従軍慰安婦」に関する公文書は約二百三十点。
 内閣外政審議室がまとめた概要は発表されているが、
 中身の検証・吟味はほとんど行われていない。

 今回、小山議員らのグループはナマの資料を丹念にあたった。
 その結果、概要では分からない旧日本軍や警察による、
 慰安婦のための「関与」を示す部分がいくつも見つかった。

 例えば、「軍慰安所従業婦等の募集に関する件」
 (陸支密第七四五号、昭和十三年三月四日)では、
 慰安婦募集にあたって、軍の名義を利用するような
 好ましからざる人物が暗躍するのを防ぐため、
 軍が統制し、防止策に努めることを記している。

 「朝鮮総督府部内臨時職員設置制中改正ノ件」
 (昭和十九年六月二十七日)では、
 「未婚女子ノ徴用」を朝鮮(当時)の人々が誤解し、
 「慰安婦トナス」かのようなうわさを
 「荒唐無稽ナル流言」「悪質ナル流言」としたうえで、
 それらを取り締まるため、
 朝鮮総督府が警察官を増員したという内容となっている。

 また、「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件(内務省発警第五号)」
 (昭和十三年二月二十三日)では、
 慰安業を目的とした渡支(中国に渡ること)に
 「現業が娼婦(しょうふ)」
 「年齢が二十一歳以上」という制限が付けられ、
 契約期間が終了し次第、速やかな帰国を前提としていた。
 身分証明書の発給には、本人自らの出頭を要し、
 特に「婦女売買又ハ略取誘拐等ノ事実ナキ」ことを求めた。
 募集に従事する者の「厳重ナル調査」も求めるなど、
 渡支する慰安婦や業者を厳しい制限下に置いていたことが分かる。

 「昭和十一年中ニ於ケル在留邦人ノ特種婦女ノ状況及其ノ取締」
 (在上海総領事館警察署沿革誌ニ依ル)によると、
 上海の慰安所の取り締まりに当たっては、
 領事館は「海軍側トモ協調取締ヲ厳ニシ」、
 慰安所の新規開業を許可していない。
 前借金は認めず、稼ぎ高の折半を命じている。

 こうした旧日本軍や政府がむしろ、
 慰安婦のために行った「善意の関与」は、
 発表資料(概要)では、よく分からない。
 研究者の一人は
 「意図的に削られているとしか思えない」と指摘している。

   (産経新聞 1997/04/01)


◆慰安婦問題政府資料から(下)
 買い物や客断る特権

 平成五年八月、内閣外政審議室名で発表された、
 政府の慰安婦関係調査結果の要旨、
 「いわゆる従軍慰安婦について」は
 「自由もない、痛ましい生活を強いられた」としている。
 だが、参院議員の小山孝雄氏(自民)が
 政府収集の公文書を詳しく調べたところ、
 そうした状況とは逆の事実を示す事例がいくつも見つかった。

 連合軍側の資料である米国戦争情報局資料、
 「心理戦チーム報告書NO・49」(昭和十九年十月一日)は、
 ビルマ・ミートキーナの慰安所における慰安婦の生活の実態について、
 次のように記している。

 「食事や生活用品はそれほど切り詰められていたわけではなく、
 彼女らは金を多く持っていたので、
 欲しいものを買うことが出来た。
 兵士からの贈り物に加えて、衣服、靴、煙草(たばこ)、
 化粧品を買うことが出来た。
 ビルマにいる間、彼女らは将兵とともにスポーツをして楽しんだり
 ピクニックや娯楽、夕食会に参加した。
 彼女らは蓄音機を持っており、
 町に買い物にでることを許されていた」

 報告書はこのほか、
 「慰安婦は客を断る特権を与えられていた」
 「(日本人兵士が)結婚を申し込むケースが多くあり、
 現実に結婚に至ったケースもあった」と書いており、
 ビルマでは、慰安婦の行動がかなり自由だったことが分かる。

 やはり連合軍内部で作成した、
 「調査報告書」(二十年十一月十五日)には、
 ビルマの慰安所経営者の話として、
 借金を返せば慰安婦の帰国は
 可能だったという証言が紹介されている。

 「慰安婦は売上げの半分を受領し、自由な通行、
 食料の支給、医療関係費用無料という条件で雇用されていた。
 家族への前渡金及び利息を弁済すれば、
 自由に朝鮮に帰ることができた」

 また、小山氏の調査によると、
 日本側の第六十二師団司令部(在沖縄)が各部隊にあてた、
 「石兵団会報第五十八号」(十九年九月二十一日)には、
 次のような記述がある。

 「経営者ト妓女(慰安婦)トノ関係ヲ調査シ
 分ケ前等ヲ研究シ遺漏ナキ如クセラレ度」
 「妓女等ガ那覇ニ時折帰リ度キ希望アリ然ルトキハ
 便アレバ証明書ヲ委員に於テ発行シ自動貨車等ヲ利用セシメラレ度」

 慰安所経営者と慰安婦との取り分などの実態を調査し、
 不備のないよう求めており、
 また、慰安婦から郷里に時々帰りたいとの希望があった場合には、
 証明書を出して乗り物の便宜を図っていたことが分かる。

 しかし、政府が発表した調査結果の「記述の概要」には、
 「『後方施設』の監督事項」として個条書きで
 「経営者と妓女の利益配分の適正化」
 「自動車及びたばこ便宜供与」などと書かれているだけ。
 軍の「善意の関与」を示す具体的な記述は省略されている。

 陸相にあてた「陸支普大日記」九号(十七年五月三日)からは、
 「休みの慰安婦に接客を要求、
 拒否されて乱暴をした兵士が厳重説諭を受けた」
 「酩酊(めいてい)して慰安所の板壁を壊したり、
 経営者や慰安婦を罵倒(ばとう)したりした兵士が
 一カ月の外出禁止となった」など、
 慰安婦らに不当な扱いをした兵士が処分された事実が、
 複数報告されていることが分かった。

 また、同日記(同年三月十八日)は、
 日本兵側が慰安婦に転職を求める様子を
 「女給トシテ奉公シ速カニ慰安婦ヲ廃業スベキ旨ヲ要求セシモ
 即答ナカリシヲ以テ…」などと説明しており、
 慰安婦が廃業できるものだったことを示唆している。

 しかし、政府調査結果では
 「慰安婦との同棲(どうせい)を約束した陸軍一等兵が
 嫉妬(しっと)興奮により慰安婦を傷害し
 自殺した事件に関する報告」とあるだけで、
 肝心の部分は省かれている。

   (産経新聞 1997/04/02)


以上です。

これを見ていると
ニューヨークタイムズ紙のいう「奴隷状態でのレイプ」とは
如何なる根拠で書いたのかと言いたくなります。

また、米国議会の議員達が
自国の公文書ですら調べる努力をしてないことが分かります。
ホンダ某とは要するに無知な人なんでしょうね。

こういう人達の妄想決議などに
日本が迎合する必要はないでしょう。



関連資料リンク

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話


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河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言


     miyazawanaikaku.jpg


米国議会の慰安婦騒ぎで
河野談話が再び話題となっています。

1993年8月に当時の河野洋平官房長官が発表した「河野談話」。
この欺瞞に満ちた談話がどれだけ日本外交をゆがめ、
日本の歴史に泥をぬったことか、
そのマイナスは計り知れないものがあります。

この談話の欺瞞性が大きく騒がれ始めたのが
4年後の1997年です。
それまでも保守系の学者や作家などから
疑問を呈されてきたわけですが、
1997年3月に元官房副長官の石原信雄氏が
産経新聞のインタビューで

  「慰安婦が強制的に官憲に連行されたなどの資料は
  調査したが全く見あたらなかった」

と述べてからです。

さらに同年4月に
当時の自民党の若手議員で作っていた、
「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が
歴史教科書と慰安婦問題に関して
関係者から精力的な調査とヒヤリングを行い、
講師として呼ばれた石原氏と河野元官房長官から
「強制を裏付ける資料は無かった」との証言を引き出しました。

この2つが起爆剤となり
国会の質疑などでも河野談話の欺瞞性が指摘され、
この談話のいい加減さは
日本の保守層の間で周知の事実となりました。

ちなみに、この自民党の「若手議員の会」は
当時の中川昭一議員が代表を務め、
安倍晋三議員が事務局長であり、
そうそうたるメンバーが揃っていました。

さて、この1997年の一連の経緯に関して
当時の産経新聞の記事と
「若手議員の会」が出した本の内容などを
何回かに分けて載せておきます。

今回は、1997年3月の産経新聞の記事を3つ載せます。
石原元官房副長官と平林博内閣外政審議室長(当時)への
インタビュー記事などです。


◆河野元官房長官の「慰安婦」謝罪
 「強制連行」証拠なく直前の聞き取り基に

 「従軍慰安婦」をめぐる平成五年八月の河野洋平官房長官談話で
 「強制連行」を認めたくだりは、
 政府調査から導き出されたものではなく、
 談話発表の直前に韓国で行った元慰安婦十六人からの
 聞き取り調査に基づくものだったことが八日、
 当時の官房副長官、石原信雄氏(七〇)の証言で分かった。
 しかし、元慰安婦の証言はいずれも裏付けがなく、
 一方的な被害証言による「従軍慰安婦の強制連行」が
 “歴史的事実”として今日まで独り歩きしている。

 平成五年八月四日、当時の第二次宮沢喜一内閣の河野官房長官は
 「慰安婦の募集については、
 軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、
 その場合も甘言、強圧によるなど、
 本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、
 さらに、官憲などが直接これに加担したこともあった」
 「当時の朝鮮半島はわが国の統治下にあり、
 その募集、移送、管理なども、甘言、強圧によるなど、
 総じて本人たちの意思に反して行われた」という談話を発表、
 募集段階での「従軍慰安婦」の強制連行をはっきり認めた。

 同じ日、政府は警察庁、防衛庁、法務省などで発見された、
 約百点の慰安婦に関する第二次調査結果を発表したが、
 石原氏によると、第一次調査結果
 (平成四年七月、百二十七点)も含めて政府が集めた資料の中には、
 募集段階での強制連行を裏付ける証拠は全くなかった。

 しかし、韓国側からの再三の要請により、
 当時の外政審議室審議官、田中耕太郎氏らを韓国に派遣、
 プライバシー保護のため非公開を条件に
 元慰安婦十六人から聞き取り調査を行った結果、
 「募集段階における強制性を認めざるを得ないと決断した」
 (石原氏)としている。

 官房長官談話の文面作成にあたっては、
 当時の河野長官、谷野作太郎・外政審議室長(現・インド大使)、
 田中審議官らと協議したほか、
 韓国側とも相談し、何回も手直しを加えた。
 できあがった最終文面についても、
 記者発表の前、趣旨を外政審議室や外務省を通じて韓国側に通報し、
 了解を求めたという。

 一部で伝えられている、
 「韓国側が国家補償を求めないことを条件に、
 日本側は官房長官談話に『強制』の文字を入れるという密約が
 あったのではないか」という疑惑について、
 石原氏は「そんな取引はあり得ない。
 当時は、元慰安婦の人たちの精神的な名誉回復の問題だけであり、
 国家補償の問題は全くなかった」と密約説を強く否定した。

 また、石原氏は平成四年一月の第一次宮沢内閣で、
 当時の加藤紘一官房長官が「軍の関与」を認め、
 「胸のつまる思いがする」と謝罪した談話について、
 「あの時点でも慰安婦に関するデータがかなりあり、
 謝らざるを得ないと私が判断した」と語った。

 同年七月の第一次調査結果発表でも、
 日本政府は「旧日本軍を含めた政府の関与」だけは認めたが、
 石原氏は「外政審議室には連日、
 慰安婦訴訟の原告団や支援団体のメンバーがつめかけ、
 『関与』を認めただけでは決着しないと思った。
 韓国側も納得しなかった」と当時の心境を打ち明けた。

   (産経新聞 1997/03/09)


◆慰安婦強制連行 河野談話は総合的判断
 石原前副長官、「謝罪」の経緯語る

 元慰安婦への謝罪談話を発表した、
 宮沢内閣の加藤紘一、河野洋平の両官房長官を
 官房副長官として補佐した石原信雄氏(七〇)は八日、
 川崎市麻生区の自宅で産経新聞のインタビューに応じ、
 「いくら探しても、日本側には
 強制連行の事実を示す資料も証言者もなく、
 韓国側にも通達、文書など物的なものはなかったが、
 総合的に判断して強制性を認めた」などと語った。

 石原氏との一問一答は次の通り。

 --河野氏は調査の結果、強制連行の事実があったと述べているが

 「随分探したが、
 日本側のデータには強制連行を裏付けるものはない。
 慰安婦募集の文書や担当者の証言にも、
 強制にあたるものはなかった」

 --一部には、政府がまだ
 資料を隠しているのではという疑問もある

 「私は当時、各省庁に資料提供を求め、
 (警察関係、米国立公文書館など)どこにでも行って
 (証拠を)探してこいと指示していた。
 薬害エイズ問題で厚生省が資料を隠していたから
 慰安婦問題でも、というのはとんでもない話。
 あるものすべてを出し、確認した。
 政府の名誉のために言っておきたい」

 --ではなぜ強制性を認めたのか

 「日本側としては、
 できれば文書とか日本側の証言者が欲しかったが、見つからない。
 加藤官房長官の談話には強制性の認定が入っていなかったが、
 韓国側はそれで納得せず、
 元慰安婦の名誉のため、強制性を認めるよう要請していた。
 そして、その証拠として
 元慰安婦の証言を聞くように求めてきたので、
 韓国で十六人に聞き取り調査をしたところ、
 『明らかに本人の意思に反して連れていかれた例があるのは
 否定できない』と担当官から報告を受けた。
 十六人中、何人がそうかは言えないが、
 官憲の立ち会いの下、連れ去られたという例もあった。
 談話の文言は、河野官房長官、谷野作太郎外政審議室長、
 田中耕太郎外政審議官(いずれも当時)らと相談して決めた」

 --聞き取り調査の内容は公表されていないが、
 証言の信ぴょう性は

 「当時、外政審議室には毎日のように、
 元慰安婦や支援者らが押しかけ、泣き叫ぶようなありさまだった。
 冷静に真実を確認できるか心配だったが、
 在韓日本大使館と韓国側が話し合い、
 韓国側が冷静な対応の責任を持つというので、担当官を派遣した。
 時間をかけて面接しており
 当事者の供述には強制性にあたるものがあると認識している。
 調査内容は公表しないことを前提にヒアリングを行っており
 公表はできない」

 --韓国側の要請は強かったのか

 「元慰安婦の名誉回復に相当、こだわっているのが
 外務省や在韓大使館を通じて分かっていた。
 ただ、彼女たちの話の内容はあらかじめ、多少は聞いていた。
 行って確認したということ。
 元慰安婦へのヒアリングを行うかどうか、
 意見調整に時間がかかったが、
 やはり(担当官を)韓国へ行かせると決断した。
 行くと決めた時点で、(強制性を認めるという)結論は、
 ある程度想定されていた」

 --それが河野談話の裏付けとなったのか

 「日本側には証拠はないが、韓国の当事者はあると証言する。
 河野談話に『(慰安婦の募集、移送、管理などが)
 総じて本人たちの意思に反して行われた』とあるのは、
 両方の話を総体としてみれば、という意味。
 全体の状況から判断して、強制にあたるものはあると謝罪した。
 強制性を認めれば、問題は収まるという判断があった。
 これは在韓大使館などの意見を聞き、
 宮沢喜一首相の了解も得てのことだ」

 --談話の中身を事前に韓国に通告したのか

 「談話そのものではないが、趣旨は発表直前に通告した。
 草案段階でも、外政審議室は強制性を認めるなどの焦点については、
 在日韓国大使館と連絡を取り合って作っていたと思う」

 --韓国側が国家補償は要求しないかわり、
 日本は強制性を認めるとの取引があったとの見方もある

 「それはない。
 当時、両国間で(慰安婦問題に関連して)お金の問題はなかった。
 今の時点で議論すれば、
 日本政府の立場は戦後補償は済んでいるとなる」

 --元慰安婦の証言だけでは不十分なのでは

 「証言だけで(強制性を認めるという)
 結論にもっていったことへの議論があることは知っているし
 批判は覚悟している。
 決断したのだから、弁解はしない」

   (産経新聞 1997/03/09)


◆「慰安婦強制連行」の資料なし 内閣外審室長が追認

 平林博内閣外政審議室長は十一日、
 産経新聞のインタビューに応じ、河野洋平元官房長官が
 平成五年に発表した慰安婦をめぐる謝罪談話に関連、
 石原信雄前官房副長官が
 「日本側に慰安婦の強制連行の資料はなかった」と述べたことについて、
 「その通りだ」と追認した。

 さらに、「慰安婦が、
 政府が関与したと受け取った場合はあるかもしれないが、
 政府が強制連行を組織的に行った公的な記録は
 見つかっていない」と述べた。

 ただ、平林室長は強制連行を認めた政府の方針については、
 「政府が十分に考え、総合的に判断した結果だから
 方針を変える必要はない」として、堅持する考えを表明した。

 その上で、「組織的調査は終わったが、
 根本からひっくり返すような資料が出れば、再検討は有り得る。
 ただ、今は、淡々と決めた方針に従って、
 『女性のためのアジア平和国民基金』(アジア女性基金)で
 慰安婦に対する支援事業をやっていく」と述べた。

 さらに、平林室長は、政府が強制連行を認めた理由について、
 「証言、文書などいろいろなものを含めてみると、
 一定の強制性は認められる。
 政府の文書ですら、慰安婦が自分の意思に反した状態で、
 不自由な境遇に置かれることを
 余儀なくされたことをうかがわせるものはある。
 軍隊と一緒に動いていたという点もそうかもしれない」と指摘した。

   (産経新聞 1997/03/12)


以上です。

この3つの記事は
日本の保守層と政治家達に強烈なインパクトを与え、
「河野談話」破綻へのとっかかりとなりました。

河野談話では、

  甘言、強圧による等、
  本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、
  更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが
  明らかになった。

となっていますが、
その裏付け資料を収集した事務方のトップである石原氏と
97年当時の内閣外審室長が
これを明確に否定しているわけです。

つまり、資料の裏付けは全くなく、当の「慰安婦」の証言のみで
河野氏及び日本政府は、

  官憲等が直接これに加担したこともあった

と言ったわけですね。

この人物達の責任はどうなるんでしょうか?
特に現在の衆議院議長は?
さらに当時の首相だった宮沢氏は?


さて、この河野談話が発表されるにあたって
日本政府は平成3年12月から1年8カ月をかけて
各省庁や米国立公文書館、国会図書館などから
「慰安婦」に関する資料をかき集めて公表しました。

この内容に関して
当時の産経新聞が詳細に検証しています。
次回はこれを載せます。



関連資料リンク

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話


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「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー







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「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2・・ユダヤ・ロビーの実例


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中国の「意思」色濃く反映
 「慰安婦」問題追及のホンダ米下院議員に献金

 「慰安婦」問題決議案を主唱している、
 マイク・ホンダ下院議員(民主党=カリフォルニア州選出)は
 中国系の反日団体「世界抗日戦争史実維護連合会」を
 動かす活動家たちから一貫して献金を受け、
 日本を糾弾する言動もその団体の活動方針に
 ぴたりと沿った形だという実態が明らかとなった。
 
 「世界抗日戦争史実維護連合会」は
 公式には1994年に海外華僑、中国系住民によって創設され、
 本部をカリフォルニア州クパナティノにおき、
 傘下に50以上の下部組織を持つとされる。
 だが実際には同連合会は
 中国国営の新華社通信とウェブサイトを共有するほか、
 中国側の公的組織との共催の形で日本批判のセミナー類の行事を
 中国国内で頻繁に開き、中国当局との密接なきずなを明示している。
 
 同連合会はその任務を日本の残虐行為を恒常的に糾弾し、
 謝罪や賠償を求め続けることとし、
 日本側のこれまでの謝罪や賠償をまったく認めずに
 国内の教育や言論にまで一定の命令を下す、
 という点で反日だといえる。
 事実、同連合会は97年にはアイリス・チャン著の
 「レイプ・オブ・南京」を組織をあげて宣伝し、
 2005年春には日本の国連安保理常任理事国入りの動きに
 反対する署名を世界規模で集めたうえ、
 中国内部での反日デモをあおった形跡もある。
 
 同連合会はさらに同年末には「クリント・イーストウッド監督が
 南京虐殺映画を作る」というデマを流し、
 昨年からは南京事件のドキュメンタリー映画の宣伝に力を注いでいる。
 
 同連合会の米側での幹部たちは
 イグナシアス・ディン氏のように中国で生まれ、20代で米国に渡り、
 そのまま米国の国籍や永住権を取得した人物たちがほとんどで、
 同氏は1990年代後半、
 カリフォルニア州下院議員だったホンダ氏に接近した。
 99年にはディン氏は「ホンダ氏と共同で
 州議会に出す決議案の草案を書き、日本の南京大虐殺、
 731細菌部隊、米人捕虜虐待、
 慰安婦強制徴用など戦争犯罪を追及した」と地元の新聞に述べたように、
 ホンダ氏の決議案提出と州議会での採択を成功させている。
 
 ホンダ氏はその翌年の2000年に
 州議会から連邦議会への転出を図ったわけだが、
 その間、ディン氏らはいっせいに選挙用の献金をして、
 ホンダ下院議員の誕生に貢献している。
 そしてホンダ氏はディン氏らの意向にそっくり沿った形で
 連邦議会でも01年、03年、06年、07年と連続して
 慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議案を提出してきた。
 この背後には、どうしても中国当局の同連合会を通じての
 日本の道義面での弱体化や日米離反という政治意図がにじむわけだ。
 
   (iza!)


先日の記事でも書いたとおり、

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー

やはりホンダ議員に中国系団体から資金が流れていたようで
予想していたこととは言え、
こうして報道で見るとなんともショッキングな話しですね。

これで明らかになったのは
今回の米議会による慰安婦決議案は
議員自らの意思のみで行ったのではなく、
外部から中国系の諸団体と中国政府の
強力な力が働いているということです。

まさに安物の陰謀ドラマのような展開で
実に分かりやすくていいです。

  世界の覇権国家は米国であり、
  その米国は民主主義国家であり、民意によって動かされる。
  であるならば、その民意の部分に影響力を持つことによって
  自国の都合のいい方向に米国の政策を誘導する

これもまた分かりやすい公式です。

中国のみならず、
国際秩序に一定の野望を持つ国ならば
そのような発想をしたところで不思議ではありません。

おそらく中国での
この種の対米世論工作の総元締めは
国務院の下部にある諜報機関「国家安全部」でしょう。

中国政府は過去記事でも書いたとおり、
これまで多くの資金を投じ、
対米世論工作と米政界へのロビー活動を行ってきました。

いわゆるチャイナ・ロビーと称される一連の活動ですが、
米世論に対して影響力を行使し、
結果、米外交を自国の利益の方向に誘導することは
実はすでに一つのモデルケースが存在します。

米議会に強力な影響を与えているユダヤ・ロビーの存在です。


米国は現在、
世界各国に対して多額の経済・軍事援助を行っていますが、
そのうちの実に2割がイスラエル一国に対してです。
その総額はイスラエル建国の翌年から2002年までに
975億ドルに達しています。

イスラエルの国民所得は世界第16位の1万8千ドルであり、
決して貧困国家ではありません。
また、人口は約700万人であり、
世界全体の0.1%程度でしかありません。

米国はこの中東の小国に対して
資金援助以外にも外交的なバックアップを続けており、
イスラエルとアラブの間で紛争が起きても
米国は必ずといっていいほどイスラエルを擁護します。

それは何故か?
それは巨大なユダヤ・ロビーの影響力ゆえです。

ユダヤ系のロビー団体はいくつかありますが、
その中でも最強なのが
AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)です。

1997年にフォーチュン誌が
米議会の議員とその補佐官たちを対象に
最も強力なロビー団体は何かと質問調査を行った際に
AIPACは全米退職者協会に次いで第二位となりました。
あの強力なロビー団体、
全米ライフル協会を上回っています。
また、AIPACは上位25の諸団体のうち、
唯一、外交問題に働きかける団体です。

この団体の目的はイスラエル国家の擁護であり、
その影響力の根源は巨額の資金と組織力で、
主に米議会の議員たちに対して働きかけます。

イスラエルに有利に政策を行う政治家を援護し、
不利な決定を行う政治家には
世論工作などを通じて落選運動などを行い圧力をかける。
イスラエルに不利な報道をするマスコミにも
スポンサーなどを通じて締め上げる。

また、この団体の特徴は
議員達が必要とする情報の提供者となることで、
AIPACのスタッフが議員達の演説の原稿を作成するのを助けたり、
法案を作成する際に助言を与えるなどして
無償で議員活動の援助を行うことで
米議会に食い込んでいます。

事実、世界の各国が
中東問題に関して米国に働きかける際には、
まず、民間団体であるAIPACに
お伺いをたてるのが公然の秘密となっています。

中東の親米国家であるトルコやヨルダンが
米国から武器購入を求める際にも
最初の交渉相手はAIPACです。

  「AIPACはとしては
  どこまでの武器輸出なら許容範囲ですか?」

これを先に聞いておくわけです。

イスラエルの生存に脅威を及ぼす武器の輸出などは
AIPACは頑として認めず、
議員を通じて反対運動を起こすため、
これを先に聞いておかなければいけないわけです。

当然の如くイスラエル政府は
このAIPACと連携しており、
中でもリクード党やカディマ党とは密接な関係で結ばれています。

ユダヤ・ロビーとAIPACに関しては
過去記事でも書いたことがありますので
興味を持った方はそちらもご覧になってください。

米国とイスラエル・・ユダヤ系ロビーとキリスト教福音派

また、詳細を知りたければ
こちらの本を一読してみるのもいいと思います。

アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか
 超大国に力を振るうユダヤ・ロビー 佐藤 唯行 (著)



さて、ユダヤ・ロビーについて触れてきましたが、
中国がこのロビー活動の「模範例」を見て、
どのように思うでしょうか?

こと外交や謀略工作に関しては老獪な彼らですから、
この対米世論工作の成功例を研究しているでしょうし、
イスラエルと同様の位置に彼らが立とうと思ったところで
不思議ではありません。

近年、米国社会で
社会的地位を獲得しつつある中国系米国人を基盤にして、
米国世論に対して影響力を増大させる。
この種の工作を当然行っているでしょうし、
今回の「慰安婦決議」などはその典型例でしょうね。

先日の記事でも書きましたが、
中国の対米世論工作は
戦前の国民党時代からのお家芸でもあります。

日本もこれに対する情報収集を行い、
しっかりとした対応策をたてねば
今回の決議案のような苦杯を何度も飲まされ続けるでしょう。



関連資料リンク

「慰安婦」問題追及ホンダ議員 中国系献金突出

アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか
 超大国に力を振るうユダヤ・ロビー 佐藤 唯行 (著)



関連過去記事

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー

米国とイスラエル・・ユダヤ系ロビーとキリスト教福音派







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韓国:軍事戦略と軍備の南方転換


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韓国海軍、7000トン級イージス艦6隻建造へ

 韓国軍当局が2020年を目標に
 戦略機動艦隊の建設を進めていることが確認された。
 機動艦隊は7000トン級イージス艦6隻と
 5000トン級韓国型駆逐艦(KDX‐?)12隻、
 軽空母によく似た形状の大型上陸艦(LPX)2隻などで構成される。

 特に強力な防空能力を持ち、
 世界で最も強力な水上戦闘艦に挙げられるイージス艦を
 6隻保有した場合、
 米国・日本に次ぐ世界3位のイージス艦保有国になる。

 軍消息筋は13日、「海軍で従来のイージス艦および
 5000トン級韓国型駆逐艦の建造計画を2倍に増やした、
 機動艦隊建設計画を進めている。
 早ければ今月末までに詳細な計画を決定し、
 合同参謀本部などの上級機関に建議する予定」と語った。

 海軍は特に、
 アジア最大の上陸艦である大型上陸艦の建造計画を、
 従来予定されていた18年から14年に
 前倒しする案も積極的に検討している。

 これは、中小型艦艇中心だった、
 従来の海軍力が大きく変化することを意味する。
 また、離於島・独島(日本名竹島)で発生し得る、
 中国や日本との海上衝突や、
 海底資源をめぐる海洋紛争に備える意味もある。

 韓国海軍は今年から12年までに
 イージス艦3隻を建造する予定であり、
 5000トン級韓国型駆逐艦は昨年末までに6隻を建造した。

   (朝鮮日報)


韓国の7千トン級のイージス艦とは、
現在、3隻ほどが建造中の「KDX-III」と呼ばれるタイプで、
一番艦が2008年、二番艦が2010年、
三番艦が2012年に配備される予定です。

実は韓国海軍が装備するイージスシステムは
日本や米国のものと違い、
いくつかの機能を端折ったタイプです。
予算の問題なのか、米国が技術を出し渋ったのかは知りませんが、
ハッキリ言えば簡略バージョンなんですね。

ちなみにトップの画像は
「KDX-III」の完成予想図ですが、
艦橋の構造がいかにもイージス艦っぽいですね。
艦橋の横に菱形のようなものが張り付いてますが、
あれがイージス艦独特の「フェーズド・アレイ・レーダー」でしょう。

さて、マニアックな話しは脇に置いといて、
私が上記のニュースを見て思ったことは
韓国の軍事戦略が変質しつつあるということです。

軍事戦略や軍備体系というものは
その国の国家戦略を基盤として策定されます。
逆に言えば、軍事戦略や軍備を見ていれば
おのずから、その国が何を指向し、
いかなる国家戦略を内に抱いているかが推測できます。

韓国軍は現在、
「国防2020」という組織と軍備の改変計画を進めています。

その大まかな内容は、

◇総兵力を現在の約68万人から2020年には50万人に縮小。

◇陸軍は現在の約54万8000人から37万人へ、
 17万7000人の削減

◇徴兵だけではなく、志願兵も導入する。

◇現在304万人の予備軍の規模を150万人に減らす。

◇兵力削減による戦力の空白を埋めるため、
 軍備のRMA化を推進する。

ざっとこんな感じです。

まあ、見てお分かりのとおり、
韓国陸軍はザックリと削られるわけです。
逆に海空軍は兵員数にあまり変化はありません。

そして、上記ニュースにあったように
韓国海軍は量・質共に拡張計画を進めているわけで
ここからこの国の軍事の方向性が
北方重視から南方重視へ、陸軍重視から海空軍重視へと
変化しようとしてることが見て取れます。

ハッキリ言うならば
北朝鮮の脅威を従来よりも軽く見て、
南方、即ち、日本に
その軍備の矛先を向け始めているということです。

もちろん、中国海軍の増強も
韓国を大いに刺激しているでしょうが、
中国海軍の主正面はあくまでも台湾であり、
また、その背後に控える日本と米国であって、
韓国を標的にしているわけではありません。
また、そんなことは韓国は百も承知でしょう。

私から見ればこの軍備計画は愚策そのものです。
彼らの国家戦略は、

  北方の脅威に備えつつ、
  南方の海洋国家と同盟・友好を保ち、背後をかためる。

これが最善です。

現情勢下では北朝鮮の脅威は衰えておらず、
また、朝鮮半島が韓国主導で統一されても
北方の長大な国境線を覇権主義国家・中国と接することとなります。
しかし、彼らは陸上兵力を大幅に減らし、
海軍の拡張を始めています。
実に危うい選択と言わざるをえません。

この韓国海軍の拡張計画は
盧武鉉政権下の親北・親中・反米・反日姿勢からきたものでしょうが、
なんとも間抜けな軍備計画です。

これは傍目から見ていても実に危うく、
在韓米軍のベル司令官は3月7日の米上院の公聴会で、

  「北朝鮮がほぼ同じ規模の兵力削減をしないのなら、
  韓国政府は大規模兵力削減について慎重に検討するよう望む」

  「韓国政府は兵役期間を短縮する作業に入ったが、
  このアプローチ法は部隊の兵力空洞化を招く可能性がある。
  こうした変化は休戦ラインの脅威に備え、慎重に進めるべき」

と懸念を表明しました。

敵と味方、脅威と非脅威の区別がつかず、
外交を過ち、軍備を無駄なことに費やす。
無能な指導者を選出した韓国の悲劇です。

一方、韓国に剣の矛先を向けられそうな我々日本人としては
実に迷惑そのものですが、
こういう狂った軍備計画をする隣国がある以上、
それ相応の備えはしていかねばならないでしょうね。



関連資料リンク

在韓米軍司令官、韓国軍削減計画に懸念表明(上)

在韓米軍司令官、韓国軍削減計画に懸念表明(下)

地上軍の戦力、2020年には北朝鮮軍に劣勢

陸軍の軍団・師団を半分に削減
 2010年までに、国防部が国防改革案







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「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー


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拉致解決に固執すれば日米歩調に乱れ…米タイム誌

 米タイム誌(電子版)は8日、
 北朝鮮による拉致問題に対する日本の対応について、
 「安倍首相が一切の譲歩を拒否すれば、日朝間の離反が続き、
 北朝鮮への積極対応に転じた同盟国・米国との歩調にも
 乱れが生じる」と報じた。

 記事は、安倍政権が拉致問題で進展がない限り、
 北朝鮮との国交正常化や
 対北朝鮮支援はないと明言していることについて、
 「核計画より4半世紀前の拉致(の解決)を
 優先させるのは健全ではない」と指摘。

 さらに、いわゆる従軍慰安婦問題に言及し、
 「首相は一握りの日本人の拉致の清算を北朝鮮に求める一方、
 何百何千と言われる性的奴隷(慰安婦)に対する自国の責任に
 疑問を投げかけているように見える」として、
 慰安婦問題が6か国協議での日本の立場にも影響を与えると警告した。 

   (読売新聞)


いわゆる「慰安婦問題」で米国議会とマスコミが騒いでます。

何故、この時期にこういう問題が浮上したか?
仕掛け人は誰で、何が狙いなのか?

慰安婦問題がとうとう日朝協議に影響を与え始め、
北朝鮮の口実に使われ、
米国マスコミがその尻馬に乗って喚き始める。
歴史問題から国際政治の問題への転化です。

この米タイム誌の論調のアホらしさはともかくとして
「慰安婦」を政治問題化することで安倍政権に圧力をかけ、
保守化しつつある日本の政治風土に一撃を与えようという、
一部特定国家の思惑があるのでしょう。

まあ、ハッキリ言えば中国ですが、
小泉・安倍と連なる保守政権の登場に
彼らは快く思っていないでしょう。
表向きは融和ムードを掲げつつも
日本政界内の親中人脈の巻き返しに
中国は期待しているでしょうし、
また、そうすべく工作を怠らないでしょう。

今回の「慰安婦」の件に関しても
どこまでが米国議員の自発的活動で
どこまでが外部からの影響なのか?
私は大がかりな「仕掛け」の存在を感じます。

中国政府は米国政界に影響を及ぼすべく、
常時、ワシントンで盛大に金を使い、
広告代理店まで雇い、
中国に進出した米国企業などに働きかけて
米政界内で活発なロビー活動を展開しています。
チャイナ・ロビーってやつですね。

米国内での対日工作は
戦前からの中国のお家芸であり、
日本は常に苦杯を飲まされ続けてきました。

今回、この種の工作活動が
慰安婦の件に関して直接的に間接的に影響を及ぼしていることは
間違いないと思います。

さて、このチャイナ・ロビーについて触れておくと、
たとえばクリントン政権時に
中国政府からクリントン大統領や米民主党有力議員に対して
巨額の政治資金が流れたといって問題になりました。

この時の産経の記事を2つ載せておきましょう。


◇ロビー活動で対中政策ぶれ 米議会調査局報告
 利益優先「多元外交」に変質

 米議会調査局(CRS)はこのほど、
 クリントン米政権の対中政策が一貫せずに一変するのは、
 米国内の利益団体などによる猛烈なロビー(議会工作)活動と
 その影響を受けやすい体質があるとする報告書、
 「中国、米利益団体と対中政策」をまとめ、議会に提出した。
 そうした政権下では、各種団体が
 議会を標的としたロビイングでしのぎを削り、
 ますます一貫した政策がとりにくい、と指摘している。

 報告書はまず、冷戦時代を通じて米国の対中政策には、
 「チャイナ・カード」など対ソ戦略の一つとして
 米国内にある種のコンセンサスがあったと指摘する。

 だが冷戦終結後はこの暗黙の了解が崩れて、
 経済利益団体、人権保護団体、チベット支援団体、
 さらに元政府高官など多くの利益団体が入り乱れて
 対中政策に影響を及ぼすようになったと分析する。
 特に、さまざまな団体の利益を代表する議会が
 外交に影響力を行使する場面が増え、
 これまでの政府高官だけの「エリート外交」から
 利益団体に引きずられる「多元外交」に変質してきた、
 と指摘している。

 初期のクリントン政権は、
 民主党リベラル寄りの立場をとって中国内の人権状況を批判し、
 最恵国待遇(MFN)の付与と結びつけて中国への改善要求を強めた。
 その結果、香港のパッテン総督や
 チベット独立運動を推進する精神的指導者ダライ・ラマらが
 相次いで大統領を訪問した。

 ところが、中国経済の急成長とともに
 米中ビジネス評議会など経済界からの反発を受けた。
 クリントン政権はこれに引きずられて
 九四年に対中政策をあっさり変更して人権問題とMFNを切り離した。
 「経済利益派」の「人権擁護派」に対する巻き返しである。

 報告書は特に、クリントン政権になって国内問題に力が注がれ、
 「利益団体が対中政策に対して
 影響力を行使できる機会が増えた」と指摘し、
 マスメディアがその手段に使われたと分析する。

   (産経新聞 1997/02/01)


◇米の中国ロビイスト ボーイングや3大自動車メーカー
 最大勢力は大企業
 
 中国からの不正献金問題に揺れ動く米国政界で、
 中国のロビイスト(院外議会工作者)の最大勢力は
 米国の大企業だった-。
 一九九六年のロビー活動報告書の中で、
 米国企業が中国の最恵国待遇(MFN)の更新のため
 数億ドルの金を使ったことが明らかになった。
 AP通信が二十三日伝えたもので、
 ロビー活動の次の目標は
 中国の世界貿易機関(WTO)加盟だとしている。
 
 中国ロビイストとしてリストにあがっているのは、
 航空機大手のボーイング社とマクダネル・ダグラス社、GM、
 フォード、クライスラーの三大自動車メーカー、
 プロクター・アンド・ギャンブル社、マクドナルド、コカ・コーラ、
 モトローラ、AT&T、IBMなどといった大企業で、
 すべて中国に進出している。

 このうちボーイング社については、
 二十五日に中国を訪問するゴア米副大統領に幹部社員が同行、
 中国側と十億ドルにのぼる航空機購入契約が
 締結される見通しだという。

 同社は、中国市場で欧州のエアバス社と激しい競争を展開しており、
 十九日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、
 「大量の航空機の受注が
 米国と中国の政治関係の犠牲になっていると不満を抱いており、
 契約の調印には副大統領に臨席を求める」という。

 米連邦選挙委員会(FEC)の調べによると、
 同社の民主党への昨年の政治献金は十一万八千二百五十ドルで、
 この金額は共和党への献金を上回るという。

 AP通信によると、
 ボーイング社などロビイスト企業の橋渡し役として
 有力政治家が働いているという。

   (産経新聞 1997/03/24)


まあ、こんな感じで
米政界へのチャイナ・ロビーの影響力は
侮れないものがあります。

それにプラスして
中国政府と密接な関係のある在米中国人組織が
米国内で様々な反日活動を行っています。

この連中が今回の件で大いに暗躍しているのでしょうが、
この種の団体で主だったところは
カリフォルニア州に本拠を置く、

◇第二次大戦史実維護会

◇世界抗日戦争史実維護会

この2つです。

2005年には、日本の常任理事国入りに対し、
この2つの団体はネット上で反対運動を行い、
1160万人の署名を集めました。
このうちの大多数が中国本土からの署名だったのですが、
それがあの大規模な反日デモへの伏線ともなりました。

これらの団体のワシントンでの出店が
「ワシントン慰安婦問題連合Inc」という組織です。

これについての詳細は
去年の産経の記事に載っています。


◇【緯度経度】ワシントン・古森義久 米国での慰安婦訴訟の教訓

 慰安婦問題といえば、最近でもなお
 NHKの番組や朝日新聞の報道をめぐって論議が絶えないが、
 米国内でこの問題で日本を非難する勢力にとって
 大きな後退となる最終判決がこのほど出された。
 米国の司法や行政の良識を思わせる適切な判決だったのだが、
 ここにいたるまでの五年以上の原告側の執拗な動きからは
 日本側にとっての多くの教訓もうかがわれる。
 
 米連邦最高裁判所は第二次大戦中に
 日本軍の「従軍慰安婦」にさせられたと主張する、
 中国や韓国の女性計十五人が
 日本政府を相手どって米国内で起こしていた、
 損害賠償請求などの集団訴訟に対し、
 二月二十一日、却下の判決を下した。
 この判決は米国内でのこの案件に関する司法の最終判断となった。
 もう慰安婦問題に関して日本側に賠償や謝罪を求める訴えは
 米国内では起こせないことを意味する点でその意義は大きい。

 この訴えは最初は二〇〇〇年九月に
 首都ワシントンの連邦地方裁判所で起こされた。
 米国では国際法違反に対する訴訟は
 地域や時代にかかわらず受けつけるシステムがある一方、
 外国の主権国家については「外国主権者免責法」により、
 その行動を米国司法機関が裁くことはできないとしている。
 ところが同法には外国の国家の行動でも
 商業活動は例外だとする規定がある。
 元慰安婦を支援する側は慰安婦を使った活動には
 商業的要素もあったとして、この例外規定の小さな穴をついて、
 日本政府への訴えを起こしたのだった。

 六年近くもこの訴訟を一貫して、
 しかもきわめて粘り強く進めた組織の中核は
 「ワシントン慰安婦問題連合Inc」という団体だった。
 在米の韓国人や中国人から成り、
 中国政府関連機関とも連携する政治団体である。
 Incという語が示すように
 資金面では会社のような性格の組織でもあるという。

 この「ワシントン慰安婦問題連合Inc」は
 実は二〇〇〇年十二月に東京で開かれた、
 「女性国際戦犯法廷」にも深くかかわっていた。
 この「法廷」は模擬裁判で慰安婦問題を主に扱い、
 日本の天皇らを被告にして、その模擬裁判を伝えたNHK番組が
 日本国内で大きな論議の原因となった。
 「慰安婦問題連合」はまた、その少し前には
 中国系米人ジャーナリスト、アイリス・チャン氏著の欠陥本、
 「レイプ・オブ・南京」の宣伝や販売を活発に支援した。

 この種の組織は
 日本の戦争での「侵略」や「残虐行為」を一貫して誇張して伝え、
 日本の賠償や謝罪の実績を認めずに非難を続ける点では
 間違いなく反日団体といえる。
 その種の団体が日本を攻撃するときによく使う手段が
 米国での訴訟やプロパガンダであり、
 その典型が今回の慰安婦問題訴訟だった。
 米国での日本糾弾は超大国の米国が国際世論の場に近いことや、
 日本側が同盟国の米国での判断やイメージを最も気にかけることを
 熟知したうえでの戦術だろう。
 日本の弱点を突くわけである。

 だから「慰安婦問題連合」は日ごろワシントン地域で
 慰安婦についてのセミナーや写真展示、講演会などを頻繁に開いている。
 最高裁の最終判決が出るつい四日前も
 下院議員会館で慰安婦だったという女性たちを記者会見させ、
 「日本は非を認めていない」と非難させた。

 だが米国の司法は最高裁での却下という結論を打ち出した。
 行政府のブッシュ政権も一貫して
 「日本の賠償は対日講和条約ですべて解決ずみ」という立場を
 裁判の過程でも示した。

 しかし立法府である米国議会は
 「慰安婦問題連合」などの果敢なロビー工作を受けて、
 慰安婦問題ではまだ日本を非難する決議案をたびたび出している。
 その種の工作の持続性、粘り強さは
 今回の訴訟での軌跡がよく示している。
 日本側も米国という舞台での
 この種の争いの重要性を十二分に意識して、
 果敢に反撃すべきだろう。
 反撃すればそれなりの成果も得られる。
 今回の最高裁の判決はそんな教訓を与えてくれるようである。

   (産経新聞 2006/03/18)


この記事は、
「ワシントン慰安婦問題連合Inc」という団体や
中国系の反日団体の様相について詳しく伝えてくれてますが、
それ以外にも歴史問題に対する日本外交のあり方などに関しても
示唆するところは非常に大きいように感じます。


もともとこの種の歴史問題は
日本のいわばアキレス腱でもあります。
日本政界の保守派のアキレス腱です。
特にいわゆる「慰安婦」や「南京大虐殺」の件などがそうですね。

本当のことや真実に対して謝罪したならともかく、
偽りの情報や他者の歴史観を基準に
日本政府は政治的判断で
謝罪と譲歩を繰り返している部分が多くあります。
河野談話などがその最たるものでしょう。

何の証拠も事実も資料も無いにもかかわらず、
政治的判断で事実をねじ曲げ
「官憲の強制関与があった」などと謝罪する。

そして、それに対する反動として、
真実に基づかずに謝罪したが故に
本当の真実を明らかにしようという国民の動きが起きる。
歴史的な冤罪を被されたが故に
その汚名をそそごうとする動きが起きる。
これは健全な国家の証しなのですが、
その都度、中国が騒ぎ、韓国が騒ぎ、
今回のように無知蒙昧な米国議員とマスコミが騒ぎ、
そして日本政府はへこまされて、偽りの事実の追認をしてしまう。
これを毎回、エンドレスで繰り返しているわけです。
そしてその都度、傷口を広げてしまう。

しかし、日本国が健全な国であるなら、
必ずや真実を追究しようとする動きが生じるのは必然であり、
その動きは永久に止むことがないでしょう。
汚名をそそごうとする心は誰にも止められないものです。
ましてや他国の干渉などで抑止されるものではない。

安倍政権に望みたいことは、
この問題はどこかで正面突破を計らねば駄目だということです。
小賢しい言葉のあやで事態を一時的に収拾させたところで、
必ずまた問題は浮上してくる。
それは日本人の良心があり続ける限り、
決して止むことはありません。

言葉のちょろまかしは
そろそろ終わりにすべきです。
また、それを行うだけの
国民的土壌と国際環境は整いつつあるように感じます。






テーマ:慰安婦問題 - ジャンル:政治・経済

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中国の物権法制定・・共産党と体制内改革


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最近、仕事関係でバッタバッタしてまして
ホント、久々の更新と相成りました。

さぼってる間に
日朝作業部会が始まり、台湾では陳水遍氏が「独立」を呼号し、
米国議会で慰安婦問題が炎上し、
いい加減に河野は辞職しろと腹が立ち、
韓国では盧武鉉が相変わらずの脳天気ぶり、
中国ではバブルが弾けるかと色めき立ち、
いやあ、世界は動いていますね。

・・・で、今日は中国の「物権法」上程のニュースを取り上げます。


中国、農地私有を実質容認 社会主義の建前崩壊も

 5日から北京で始まった、
 第10期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)、
 第5回会議に上程、審議を経て採択される見通しの物権法で、
 農地の土地請負経営権(土地使用権)を
 物権として流通させられると明記されていたことが
 産経新聞の入手した最終草案(第7次草案)でわかった。
 農地の個人所有を実質容認した内容で、
 草案がそのまま採択されれば
 公有制を主体とする中国の社会主義の建前は大きく崩れることになる。

 草案は249条からなり施行日の日付は入っていない。
 第4条で「国家、集団、私人の物権、
 その他権利は法律の保護を受け、
 いかなる団体・機関、個人も侵犯することはできない」と、
 個人の財産権に対し国家財産などと同等の保護を規定した。
 
 注目されるのは農地に関する規定。
 中国では土地に個人所有はなく、
 国有か農民集団(村など)による集団所有制となっている。
 農民は集団から土地請負経営権を借りる形で
 土地を占有、利用している。
 同法はこの請負経営権に関し、耕地の請負期間を30年、
 草地については30~50年、
 林地については30~70年と明確に規定。
 請負期間満期後も国家規定に従いそのまま請負を継続できるとし、
 事実上の私有地扱いを容認する内容となっている。
 また請負期間内であれば、請負経営権を譲渡できるとした。
 請負経営権権の交換、譲渡は
 県レベル(県は省、自治区、直轄市の下に位置する)以上の
 人民政府への登記を必要とする。
 
 荒れ地の農地については
 入札などでその請負経営権を分配、取得でき、
 その権利について譲渡、貸し出し、株式化、
 抵当権設定などができる。

 請負経営権の流通については既存の土地請負法にもあるが、
 物権法で個人の物権として裏付けられた。
 ただ、国家の耕地に対する保護政策により
 農業用地を建設用地に転用することは厳格に制限され、
 現在、社会問題になっているような
 都市開発のための農地強制収用を抑制する内容だ。
 
   (iza!)


この物権法に関しては
詳しくは産経の福島記者のブログをどうぞ。

北京趣聞博客:中国で物権法ができたら??その1

ニュース中に、

 農地の個人所有を実質容認した内容で、
 公有制を主体とする中国の社会主義の建前は
 大きく崩れることになる。

とありますが、
確かに革命的な内容ですね。

私はこの法の細かいとこまで目を通したわけでもなく、
法律に関しては門外漢なので
専門的な事などはあれこれ書けません。

ただ、この物権法制定もひっくるめて
改革開放路線以降の中国の歩みを俯瞰的に見るならば
「統制から私権拡大へ」の流れと言えるでしょう。

物権法制定も
この大きな流れの一コマでしょうが、
私はこの流れの行き着く先は
中国共産党の没落が待ちかまえていると思います。

一党独裁の堅持と私権拡大の流れ。
この二つは相矛盾しており、
どこかで限界を迎えるでしょう。

改革開放路線。
外資の導入。
市場経済。
移動の自由、起業の自由。

彼らにとって私権拡大の流れは両刃の剣です。
その流れに逆らえば世界の潮流に遅れ、経済的に落後し、
しかし、潮流に流されすぎると
一党独裁の統制システムを破壊してしまう。

まさに二律背反であり、
胡錦涛も悩ましい思いをしてるでしょうね。

もともと中国共産党の統治の拠り所は

◇列強からの解放と中国の統一という歴史的役割

◇共産主義というイデオロギー

◇統制的国家体制

この3つにありました。

しかし、歴史的役割はすでに過去のものとなり、
共産主義は博物館の遺物と化しました。

残りの強固な統制システムにより、
彼らは自らの権力を維持してきたわけですが、
上述のようにこれが私権の拡大の流れと
真っ向からぶつかり合う形となります。

かつての奈良期や平安期に
あの公地公民を基盤とした律令体制が
土地の私有化という時勢の流れに押され、
次第に政治システムの変質と矛盾の拡大により破綻し、
ついに鎌倉期の武士政権に取って代わられました。

その武士政権も
商業の発達と物流の増大により、
江戸期後半においてシステムは崩壊の兆しを見せ、
ついに制度的矛盾を克服することなく、
幕府は滅亡し、明治期へと移行しました。

共産主義という、
政治的・経済的統制主義に依拠した中国共産党の権力基盤は
この私権拡大の潮流に乗ることにより、
危機的状態を迎えると思います。


この中国共産党の方向性とは反対の道を歩んだのが
かつてのソビエト連邦です。

ソ連は最後まで統制を崩そうとはせず、
その結果、経済は冷却化し、物流は死に絶え、
国家の活力は失われていき、
最後はゴルバチョフの改革の失敗により、
とどめを刺されてしまいました。

この観点から中国での物権法制定の動きを見ると
中国共産党はソビエト共産党よりも
まだまだ活気に満ちてると言えるでしょう。
少なくとも現状打破・脱皮の意欲は持っています。

胡錦涛のやっていることは
かつてのゴルバチョフと同じで
「体制内改革」です。

体制内改革とは難しいものです。

  体制に依り、体制を維持しつつ、
  体制によってもたらされる権力を用いながら、
  体制自体を変革していく。

たとえるならば、
ボロボロに腐食した4脚のイスの修理のようなもので、
体制内改革者は
今にも折れそうなイスの上に乗ったままで
上からイスの脚を一つ一つ修理していかなければならない。

一つの脚を切断し、新しい材木に取り替え、
その間は残りの3つの脚でバランスを取りながら
イスが倒れないように細心の注意を払う。
これを順番に一つ一つ繰り返していく。

  体制に依り、体制を維持しつつ、
  体制によってもたらされる権力を用いながら、
  体制自体を変革していく。

これがゴルバチョフのつらさでしたし、
胡錦涛の苦慮するところでしょう。

私は別段、胡錦涛を擁護する気などありませんが、
彼が言論や出版などの統制を強化しつつ、
一方で物権法のような私権の拡大を行う様子は、
あたかも3脚でバランスを取りつつ、
残りの1脚の修理を行っているように見えます。

ただ、先ほども書いたとおり、
この私権拡大という流れの行き着く先は
中国共産党の没落でしょう。

歴史的に見れば
体制内改革はほとんどが失敗に終わっています。

歴史的役割を終えた共産主義政党が
己の脱皮とシステムの変革に苦悶する有様は
傍目から見ていると実に興味深いものがあります。



関連資料リンク

北京趣聞博客:中国で物権法ができたら??その1
        中国で物権法ができたら??その2
        中国で物権法ができたら??その3








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六者協議と日本外交の失敗


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南北閣僚級会談スタート コメ支援や核放棄履行論議へ

 韓国と北朝鮮による第20回南北閣僚級会談に出席する、
 韓国側代表団が27日午後、平壌に到着、
 夜には北朝鮮の朴奉珠首相主催の夕食会が開かれ
 会談日程が始まった。
 夕食会のあいさつで朴首相が南北共助を訴え、
 韓国首席代表の李在禎統一相は
 中断している南北協力事業の再開・促進を促した。
 28日午前の全体会議から本格協議入りし、
 韓国は先の6カ国協議で合意した、
 北朝鮮の核放棄へ向けた初期段階措置の
 迅速な履行を北朝鮮に求める方針だ。

 今回の会談は、昨年7月の北朝鮮の弾道ミサイル発射で
 韓国が凍結したコメや肥料の人道支援の再開問題が
 最大の焦点になる見通し。
 
 会談はミサイル発射直後の前回会談の決裂以来約7カ月ぶり。
 韓国同行記者団によると、朴首相は「北南関係進展のため
 (過去に)倍する努力をしなければならない」と述べ、
 李統一相も「中断していた事業を
 1日も早く正常化しなければならない」と応じた。
 
   (iza!)


韓国と北朝鮮による南北閣僚会談が始まりました。

このところ韓国政府は
先日の六者協議での合意を受けて
早くも南北の雪解けムードを煽り、
援助再開への切っ掛けをつかもうとしていますね。

なんとも不可解なまでの情熱。
盧武鉉大統領を始めとする韓国政府の面々にとって
太陽政策とはほとんど宗教的情熱と化してます。

盧武鉉は六者協議の合意後、

 「交渉担当者に
 (北朝鮮が)要請すれば全部提供するように、
 と心の中で祈った」

 「われわれが全部提供し負担してでも、
 この問題は解決されるべきであり、
 結局は儲かるものと考えている」
 
 「頻繁に与えるいっぽうだと非難されているが、
 米国が戦争以降莫大な援助で欧州の経済を支えたが、
 (後ほど)最も利得を得た国は米国」

 「韓国も南北(韓国・北朝鮮)関係、
 開城工業団地などが北核問題のため中断されているが、
 北朝鮮の経済を生かせば、
 米国のマーシャルプラン以上の成果を得られる」

  「それを通じて北東アジアの大きな市場が一つに統合できる。
 だから投資だと思っている」

こういう馬鹿げた発言をして
日本の時事系ブログ界に大いにネタを提供してくれましたが、
27日にも同レベルの発言を繰り返しました。

 「(北朝鮮が)核を作って、
 いついかなる状況でどこに向けて攻撃するのか。
 北朝鮮が先に攻撃を受けずに
 核兵器を先制使用するなどということは、
 精神病者だけができることだ」

 「(北朝鮮は)改革開放とは別途に、
 相手から脅威を受けずに交渉するために核兵器を開発している。
 北朝鮮の核が攻撃用だとは想像できない」

 「これは北朝鮮に寛大なのではなく、
 冷静な事実関係を述べているだけ」

 「北朝鮮は共存ができるか、
 敵対関係を清算し平和構造を定着させ
 貿易と協力で友好関係を結ぶことができるかという確信があれば、
 核兵器を捨て改革開放の方へ進むはずだ」

 「韓国は開放を通じ利益を得ることができるという信号を
 北朝鮮に与える必要があり、
 韓国政府は状況が悪化したときにも一貫してそれを行ってきた」

 「米国の場合は判断がクリントン、ブッシュ政権で異なり、
 ブッシュ政権でも状況により異なり、
 また別の意見も存在するなど、
 韓国のように一貫していなかった」

 「これが一方向で定着し長期的に固まれば
 相手も判断がしやすくなる。
 そうした相互信頼を構築すれば道は開かれる」

まあ、この人のこういうボケぶりに関しては
何を今さらという気もしますが・・。


さて、上記の如き韓国政府の態度は
六者協議合意の結果を受けてのことですが、
あの中途半端な合意内容と言い、
この韓国政府のはしゃぎぶりと言い、
過去記事でも何度か書いてきましたが、
あれはろくな協議ではなかったというのが私の率直な感想です。

そもそも六者協議とは六ヶ国の合意を受けて決まるもので
当然ながら結果的に日本もこれに賛成しているわけです。

しかし、安倍政権は
拉致問題の解決無しに支援をしないと言っているように
あの合意内容には内心では反対でしょう。
また、日本国民の多くも
あの内容には賛成していないでしょう。

では、何故、政府も反対し、
国民も反対する合意内容を
国家として賛同してしまったのか?

力関係と言ってしまえばそれまでです。
米国が賛成し、中国が賛成し、韓露も賛成すれば、
日本一国だけで拒めるか否か?

六者協議の合意後に
日本の一部国会議員などが「バスに乗り遅れるな」と
拉致問題の解決無しには支援せずとした安倍政権を
批判したりしました。
彼らの言い分は「日本は孤立してしまう」
「日本の発言力がなくなってしまう」でした。

しかし、逆に思うのですが、
では何故、日本は六者協議に参加できたのでしょうか?
六者協議のメンバーと認められたのでしょうか?

同じアジアの国だから?
北朝鮮の近隣諸国だから?
まあ、それもあるでしょうね。

でも、「アジアで近隣」というならば
何故モンゴルは参加しないのしょうかね?
また、他国はモンゴルを参加させようとはしないのでしょうか?

理由は単純です。
参加させても意味が無いからです。
もっと言えば国力が無いからです。
いてもいなくても一緒だからです。
だから無視されるわけです。

逆に、アジアの国でもなく、近隣諸国でもない米国が、
この六者協議に参加しているのは
かの国が世界の覇権国家だからです。
端的に言うならば国力が大きいからです。

この意味から言うならば
日本が協議に参加している理由は
半島情勢に影響を及ぼす国力と国際的地位を持っているからです。

六者協議の合意内容が進み、
もし、核問題が解決の方向に向かい、拉致問題も解決され、
いざ北朝鮮に支援拡大という結果に至った時に
いったい誰が援助金を送るのでしょうか?
それだけの国力を持った国はどこでしょうか?

であるから日本があの場にいるわけです。
参加するプレーヤーとして認められているわけです。
決して日本という国が北朝鮮から核の脅威を受けたり、
拉致問題を抱えているから参加を認められているのではなく、
それだけの影響力と国力を持っているからこそ
プレーヤーとして遇されているわけです。
小国だったら最初から相手にされてません。

で、最初の命題に戻りますが、
あの先日の六者協議の合意内容に
日本が不満を持っていた場合、
何故、これを覆すことができなかったのか?

想像してみてください。
たとえば、日本の立場に英国がいたらどうなったか?
フランスがいたらどうなったか?
彼らが唯々諾々と「孤立を恐れて」合意に賛成するでしょうか?
私はそうは思いませんね。

英国やフランスならば
もっと自国の国力をタネにして
駆け引きを計ったと思います。
決してああいう完敗の如き合意は行わないでしょう。

この意味においては、
上述の「バスに乗り遅れるな」
「日本も支援しないと発言力が無くなってしまう」
などと言った国会議員氏らは、
手段と目的の区別もつかない人たちです。

発言力というのは「手段」であって「目的」ではない。
なんらかの目的を追求する手段として発言力を行使するのであって、
発言力がほしいがために
拉致問題を無視し、核問題であやふやな合意を許容するとは
これは本末転倒だということです。
この人達は脳の血行の心配をしたほうがいいでしょう。


北朝鮮が核を開発し、
さらに弾道ミサイルの技術開発に狂奔している状況は
日本にとって国家の死命を制される脅威です。
遠く海を隔てて核武装している米国とは意味合いが違います。

この脅威自体は
北朝鮮が核を廃棄するか、国自体が滅ぶかの
二つの選択肢によってしか解決されず、
北朝鮮が核を手放すとはとうてい思えない以上、
では国ごと滅びてもらうしかありません。

北朝鮮が国力的に経済的に
ボロボロの状況であるのは周知の事実です。
六者協議の直前にはかなり追いつめられていたと言っていい。
それがあの合意によって一息ついているわけで、
もろに日本外交の失敗です。

私は安倍政権は支持していますが、
あの六者協議に関しては
あまりにも運び方が拙劣すぎたと思います。
ブッシュ政権との盟友関係に依存しすぎたのでしょう。

せめて最低限、北朝鮮のテロ支援国解除などは
ヒルに言わせるべきではなかったと思います。

あれは完敗の外交結果です。
日本の有権者はおとなしいですね。
他国ならば暴動が起きてますよ。
自国の脅威だというのに。



関連資料リンク

盧大統領「北が要請するまま与えても儲かる」

盧大統領、オーマイニュースに「北の核は別問題…信じる」

北朝鮮、韓国の支援なければ食糧200万トン不足


関連過去記事

六者協議と中東情勢・・米朝のパワーバランス
 
六者協議:北朝鮮の外交勝利と米国の譲歩

六者協議:北朝鮮の核凍結と外交取引







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