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人民元の偽札が蔓延・・東南アジアと台湾


 人民元.jpg


今日は軽めに。
人民元の偽札蔓延のニュースを。


東南アジアに偽人民元蔓延 対ドル上昇で地下活動猛威 
 
 中国と国境を接するベトナムやミャンマーをはじめ
 タイ、シンガポール、マレーシアなど東南アジア各国で、
 偽人民元札の流通が深刻化している。
 中国紙、国際先駆導報が24日までに報じた。

 同紙は「昨年以降、人民元の対ドル相場が上昇したことを受け、
 地下の闇活動が猛威を振るっている」と指摘した。

 中越国境付近でマンガン鉱石開発に投資し、
 中国商人と取引する、あるベトナム人は
 昨年から人民元による現金受け取りを拒否。
 米ドルや銀行を通じた送金を要求しているという。

 このベトナム人は「国境付近には偽人民元札が非常に多く、
 わたしが受け取った1万2千元(1元=約15・5円)のうち
 900元が偽札だったこともある」と指摘した。

 同紙によると、
 ベトナム、ミャンマーなどの中国国境付近で開業する両替商が
 「偽人民元札流通のルート」になっている。

 中越国境付近にはこうした両替商が600以上あるというが、
 両替商の多くは偽札の識別ができない。
 さらに東南アジアへの中国人旅行客が急増し、
 人民元が流通するにつれ、偽札が紛れ込むケースが多くなっている。

 同紙は「人民元の偽造防止に対する認識が依然として低い。
 偽人民元札が東南アジアではんらんする状況が続けば、
 人民元の国際的信用は損なわれるだろう」と警告した。

   (FujiSankei Business i.)


ちょうどこれに関連する内容が
メルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
通巻第1775号に載っていたので
合わせて引用しておきます。


◇こんな手があったか。人民元偽札が大量に台湾へ上陸
 広東の偽札工場からマフィアが観光客に化けて。。。

 台湾で人民元が堂々と使えるのは金門島だけである。
 しかし台湾本島でも、一部で人民元が流通し、闇のマーケットがある。

 これに目を付けたのが偽札団だ。
 中国大陸では100元、50元という高額紙幣は、
 どんな店でも偽札発見器がおいてあり、
 あやしい札びらはつっかえされる。
 このため近年、偽札団は発見器が見逃しがちな、
 20元、10元紙幣を大量につくって攻勢をかけてきた。
 いずれも偽札工場は広東と推定されている。
 広東のヤクザは山口組よりも怖い。

 香港「東方日報」に依れば、
 昨年だけでも5億4000万人民元の偽札が発見され、
 その増加率は飛躍的。
 スーパーや寝具店など忙しい店を狙い撃ちしているという。

 そして偽札は台湾へ上陸した。
 偽札発見器が整備されていないからだ。
 これまでの偽札の対象はドル、
 日本円、そしてユーロだけだったから。

 台湾の有力紙『自由時報』(4月12日付け)は
 「現在金門島の銀行での人民元レートは
 一人民元が、4・52台湾ドル。
 台湾国会では「人民元の全面開放」を唱える国民党と、
 人民元交換に「断固反対」する与党連合(民進党、台湾団結連盟)とが
 真っ二つに意見が分かれている」。

   (宮崎正弘の国際ニュース・早読み)


両方の記事を合わせて読むと
中国の内情はデタラメとしか言いようがないですね。

まあ、著作権無視の海賊版が堂々と流通している国ですから
偽札がまかり通るのも当たり前なんでしょうが、
実際に中国国内での偽札の横行はハンパじゃないようです。
日常生活で偽札を掴まされることは
さほど珍しいことではないそうです。

台湾では国民党が「人民元の全面開放」を唱え、
民進党と台湾団結連盟が反対しているそうですが、
そりゃ反対が大正解でしょう。

そういえば、こんな悲劇的なニュースもありました。


給料すべて偽札で泣き寝入り―重慶市

 2007年4月12日、重慶市の曽さんは
 2日前に給料として受け取った7枚の100元札(約1500円)が
 すべて偽札だったと警察に届け出た。
 7枚はすべて同じ番号「CC81594721」で、
 警察は事件の証拠品として没収した。

 曽さんによると、
 4月10日に働いている縫製工場から月給をもらい、
 2日後にその札で買い物をしようとして偽札に気づいた、
 だから給料が怪しいという。
 
 しかし縫製工場の経理担当者の話では、給料を手渡した際、
 9枚の100元札を一旦曽さんに支払った上で、
 社長への借金返済としてそこから200元返してもらった、
 この200元は偽札ではなかったから支払った札に問題はないはず、
 しかも受け取ったその場で何も言わなかったし、
 2日たってから言い出すのはおかしい、と主張する。

 法律の専門家によると、通貨はその性質上、
 市民がたとえ偽札をつかまされても
 責任を追求する相手が見つからないのが現実、
 つまり泣き寝入りするしかない、ということだ。

   (レコードチャイナ)


掴まされる方が馬鹿、という捉え方なんでしょうが
なんとも凄い現実です。







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大陸からの大気汚染が流入か?・・福岡県で10年ぶりに光化学スモッグ注意報


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全国版のニュースでは
何故か、ほとんど取り上げられてませんが、
昨日(4月26日)福岡県北九州市で
10年ぶりに「光化学スモッグ注意報」が発令されました。

近年の大気汚染浄化の努力により、
北九州市ではここ10年間、その種の警報は出されていませんでした。
中国大陸からの大気汚染流入が原因と見られています。


八幡西区・若松区にスモッグ注意報

 北九州市はきょう午後1時20分に、
 八幡西区と若松区を対象に光化学スモッグ注意報を発令しました。

 北九州市環境局によると、若松区にある観測所で、
 スモッグの原因となる汚染物質光化学オキシダントの濃度が
 0.122ppmと注意報の基準となる0.12ppmを超えました。

 気象条件などから濃度が高い状態が続く可能性があり、
 目やのどに刺激を受けるおそれもあるため、
 北九州市環境局は、なるべく自動車の使用をやめ、
 屋外に出ないよう呼びかけています。

 光化学オキシダントの監視体制は1984年からとられていますが、
 北九州市で光化学スモッグ注意報を発令するのは
 97年4月以来10年ぶり、2度目です。

   (RKB)


ついに来るべきものが来たかという感じです。

光化学スモッグとは
工場や自動車などから排出される窒素酸化物などが
太陽からの紫外線に反応して
身体に有害な光化学オキシデント濃度が高くなる状態で、
目や呼吸器への粘膜刺激、喘息発作などを引き起こします。

大気汚染の絶頂期だった70年代には
東京を中心として日本各地で警報が発令されていましたし、
今でも東京都は年に20日前後は注意報が出ています。

しかし、九州では
97年に福岡県で発令されて以降は全く途絶えてましたが、
昨年、10年ぶりに
これまた何故か、熊本・長崎両県で発令されました。

26日の北九州市では
光化学スモッグ生成の必須条件である太陽の光が弱まった夕方でも
一定の濃度を保ち続け、
注意報はようやく午後8時15分になってから解除されました。
この時刻に光化学オキシデント濃度が高いのは異常です。

また、同日午後には
ばい煙など皆無に近いはずの離島の壱岐島や五島列島でも
0.12ppmに近い数字が出ており、
これらのことを総合すると
どうやら大陸方面から汚染された空気が流入したことが
原因と推測されます。

全国紙や大手ニュースサイトは
この件をほとんど黙殺しているようですが、
これは見過ごすことの出来ない問題です。

国は早急にデータを集め、
中国からの大気汚染の流入が原因と断定できれば
かの国に猛抗議と対策を要求すべきです。

時が経つごとに
被害地域が拡大してからでは遅いです。


追記:本日(27日)は熊本県天草地方でも
   光化学スモッグ注意報が出たようです。
   同地方での注意報は観測史上、初めてとのこと。

   *天草に光化学スモッグ 県が注意報発令



関連資料リンク

光化学スモッグ発生のメカニズム





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タイの新憲法素案と「仏教の国教化」デモ


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新憲法に「仏教の国教化」明記を…タイで僧侶ら大規模デモ

 タイの首都バンコクで25日、
 全国から集まった僧侶や仏教徒約1000人が議会を取り囲み、
 新憲法草案に「仏教の国教化」を
 盛り込むよう求める大規模デモを始めた。

 2日間で2万人規模に膨らむ見込みで、
 タイ南部でイスラム過激派のテロが続く中、
 宗教対立をあおる動きに懸念の声が高まっている。

 僧侶らは、これまでの憲法で
 国王を仏教徒に限っている点を根拠に、
 国民の90%が信仰する仏教を国教として新憲法に定めることを要望。
 しかし、18日に公表された草案には反映されなかった。

 僧侶らはデモで
 「仏教の国教化なくして新憲法は国民の支持を得られない」と連呼。
 これに対し、タイのイスラム教団体は
 「タイはすべての宗教のための国であるべきだ」と反論した。
 スラユット暫定首相は「仏教徒の要望はわかるが、
 事を荒立てないでほしい」と述べた。 

   (読売新聞)


タイでは18日に、軍事政権による新憲法素案が発表されました。

その内容の骨子は、

◇上院はこれまでの公選制から任命制に変え、
 議員は憲法裁判所長官、選挙委員会委員長らが選出する

◇下院は地域別比例代表制と中選挙区制の折衷

◇首相は下院議員から選出し、任期は連続2期8年まで

というものです。

タイは1997年に憲法を改正し、
それまで任命制だった上院を公選制にし、
また、小選挙区制の導入することにより、
軍部の影響力の強かったエリート主導の民主制から、
政党主導による完全な民主制に移行した経緯があります。

今回の新憲法素案は
この97年憲法以前の状態に戻るということです。

軍事政権の狙いは
上院任命制によるエリート統治と
下院の地域別比例代表制と中選挙区制の導入により小政党を乱立させ、
政党政治の力を削ぐことを狙ったもので、
この新憲法素案を元に草案をまとめ
9月に国民投票を行う予定です。


さて、冒頭の「仏教の国教化」デモのニュースですが、
タイの国民の9割は仏教徒であり、
軍事政権側もこの動きは相当のプレッシャーだと思います。

しかし、タイは
南部地方のイスラム過激派の問題を抱えており、
もし仏教を国教化すれば
過激派のテロが一層激化するのは間違いなく、
政権はこの要求をのむわけにはいきません。

実は、この国教化を求める仏教徒の背後では
クーデターにより政権を追われた旧タクシン派が糸を引いています。

「仏教の国教化」という、
とうてい政権側がのめない要求を突きつけることにより、
憲法改正そのものを流産させようとの意図です。

まあ、仏教徒は仏教徒で
純真に国教化を求めているのでしょうが、
この動きを利用しようとする勢力と
それを阻止しようとする軍事政権とが
今、水面下で暗闘している状況です。


去年のタイのクーデターは
国王の軍事政権容認と
年中行事と化したクーデターへのタイ人の「感覚麻痺」で
あれよあれよという間に軍部が政権を握りました。

日本の学者やマスコミなどには
この国王と軍部の連携によるクーデター劇を
「タイ式政治安定装置」のような言い方で評した人もいましたが、
この新憲法素案を見る限りは
軍事政権側が軍の発言力増大と政党政治の弱体化を意図しているのは
一目瞭然ですね。

タクシンの暴走を止められなかったのはタイの民主主義の弱さですが、
その上、クーデターを成功させてしまったのも
この国の政治システムのひ弱さです。
決して「タイ式政治安定装置」などという代物ではありません。



関連資料リンク

タイ軍政が新憲法草案公表、エリート支配復活に重点








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ディズニー激怒!? 中国のパクリ・テーマパーク・・園内をミッキーが闊歩

今日はタイ情勢について書こうと思ってたんですが、
あまりにもぶっ飛んだニュースがあったので
そちらを紹介します。


国営アミューズメント・パークで、ディズニー模倣 - 中国

 「ディズニーランドは遠すぎる」をスローガンにする、
 中国国営のアミューズメント・パークがある。
 この北京石景山游来園(Shijingshan Amusement Park)では、
 園内のスタッフがディズニーのキャラクターである、
 白雪姫と7人の小人たちに扮し、
 「シンデレラの城」や「マジック・キングダム」のレプリカを設置。

 ディズニーランドのイメージいっぱいだが、
 キャラクターを使用許可は一切、取っていない。
 中国の著作権侵害を端的に表す例として、
 米国政府は憤りをあらわにしている。

   (AFP)


百聞は一見に如かずというわけで画像も載せておきます。

  nezumi.jpg


      nezumi2.jpg


いやあ、ハンパじゃありませんね。
パクリと言うよりも
「そのまんまじゃねえかよ!」と突っ込みたくなります。
しかも国営だし(笑)

この「北京石景山游来園」という遊園地ですが、
検索して調べてみると
けっこう名の通った北京郊外のテーマパークのようです。

こちらの紹介サイトには、

北京の公園:エクスプロア北京

「北京市街地の西に位置し、
地下鉄八角駅の近くにある『国家AAAA級』の大型遊園地」とあります。

ちなみに同テーマパークのサイトがこちらですが↓

http://www.bs-amusement-park.com/

おそらくアクセスが世界中から殺到してるんでしょう。
重くてサッパリ開けませんでした。

まあ、なにはともあれ、
ディズニー激怒、米政府激怒、なんでしょうね (;^_^A






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空自の次期主力戦闘機選定・・F-22とロビー戦争


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次期主力戦闘機、米にF22の情報求める・防衛相表明
 
 久間章生防衛相は20日、日本経済新聞のインタビューで、
 来年夏の次期主力戦闘機(FX)選定に向けて
 米国に機種情報の提供を求める考えを明らかにした。

 米国は軍事的優位を保つため、
 最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの輸出を禁じ、
 性能の詳細情報も明らかにしていない。
 防衛相の発言はF22購入への環境整備とみられ、
 総額1兆円とも見込まれるFX選定の行方に影響しそうだ。

 インタビューで防衛相はFX選定について
 「(候補機の)まず中身を知るために
 情報を開示してもらわなければならない。
 こちらの気持ちを米側に伝えたい」と述べた。
 30日にワシントンで会うゲーツ米国防長官に要請する。

   (日経新聞)


空自のFX(次期主力戦闘機)選定も大詰めを迎えてます。

久間防衛相が訪米して
米国にF-22の情報提供を求めるとのニュースですが、
まあ、ハッキリ言えば情報提供云々と言うよりも
米国に方針転換を求めて
日本に売却するよう要請しに行くんでしょうね。

おそらく月末の首相の訪米時にも
この件は話し合われると思います。

米国にしてみれば国家機密の塊のような戦闘機だけに、
「スパイ防止法を作って出直してこい!」と
言いたいとこなんでしょうが・・。

現在、空自のFX選定には
F/A-18・F-15FX・ユーロファイターなどが
候補機に上がっています。

ただ、今さらF-18やF-15でもないだろうと思うし、
ユーロファイターは欧州製で馴染みが無いし、
米国が開発中のF-35は間に合わないし、
是非ともFー22を売ってくれと言うのが防衛省の本音でしょう。

果たして久間防衛相や安倍総理の訪米後に
米国の態度に変化が出るや否や?

これに今、一番神経質になっているのが
他ならぬ中国です。

ここ数ヶ月が山場だと思いますが、
米政界内部で切った張ったのロビー戦争が展開されると思います。
中国としては日本がこの機種を保有するのは
是非とも避けたいことでしょうから。

中国が焦点を置いている台湾情勢。
日本がF-22を沖縄や九州に配備すれば
一気に航空戦力のバランスが傾いてしまいます。
彼らは日本のF-22導入をあの手この手で妨害するでしょう。

ここしばらくはワシントン発のF-22絡みの報道に
要注目だと思います。


さて、F-22と言えば
日本以外にもう一つの国が導入を熱望しています。
それはイスラエルです。

数日前に以下の報道が流れました。


イスラエル、米に最先端戦闘機要求・現地紙報道

 イスラエル政府が米政府に対し
 最新鋭の米国製戦闘機F22ラプターの売却を近く求めることがわかった。
 米国がイスラエルの反対を押して
 サウジアラビアに高性能武器を売却することの
 「見返り」としたい考えだ。
 エルサレム・ポスト紙が19日報じた。

 F22はレーダーに探知されにくいステルス性能に優れるが、
 最新鋭ゆえに2005年の運用開始以来米以外の国に売却されていない。
 イスラエルが導入できれば、
 核開発計画を進めるイランへの強いけん制力となる。

 世界最大の武器販売国家である米国は、
 サウジアラビアやペルシャ湾岸諸国へのミサイル売却を計画中。
 ただ、米ユダヤロビーの強い反対もあり、今月初めの売却を延期した。
 19日までイスラエルを訪問したゲーツ米国防長官は
 イスラエル政府幹部らに「引き続きイスラエルが
 アラブ諸国と軍事格差を維持できるよう支援する」と約束した。

   (日経新聞)


米国は1988年に制定した法律で
F-22の他国への売却を禁止しています。

日本やイスラエルがこれを覆すには
米国の法改正が必要となるわけですが、
ここは一つ、日本はイスラエルとタッグを組んで
チャイナロビーの妨害を排除しつつ、
熾烈なロビー工作を米政界に仕掛けてほしいものです。
米軍需産業界も日本側に加担するでしょう。



参考資料リンク

F-22 ラプター





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ソマリア情勢の緊迫化・・イスラム法廷と原理勢力


     map_somalia.gif


ソマリア紛争:首都モガディシオの戦闘、4日目に突入

 首都モガディシオで発生した、
 エチオピア軍とイスラム武装勢力の迫撃砲を用いた激しい戦闘は
 21日、4日目に突入した。
 住民らによると、前夜には複数の地域で散発的な銃撃が発生したという。

 エチオピア軍部隊が
 モガディシオ南部にある大統領府から武装勢力の潜伏場所数か所に向けて
 迫撃砲やロケット弾を発射したことを受け、
 武装勢力側は激しい報復攻撃に出ている。

 2006年12月には、
 国連の支援を受けたソマリア暫定政府とエチオピア軍の合同部隊が
 イスラム原理主義勢力「イスラム法廷会議」を
 モガディシオから追放したが、
 イスラム勢力や国内の軍閥は、エチオピア軍の撤退を要求し、
 首都の治安は悪化の一途をたどっている。

 エチオピア軍とイスラム武装勢力は
 北部Fagahや中心地のバカラ市場付近で機関銃を使用して戦闘を展開した。
 住民らの話によると、
 複数の地域で夜間に発生した砲撃による死傷者数は不明。

 首都南部に住む市民は
 「エチオピア軍部隊がバカラ市場を攻撃し、
 迫撃砲があちこちに散在している。
 どうしたら良いのか分からない」と語った。

   (AFP)


ソマリア情勢が再び緊迫しています。

ソマリアに関しては過去二回ほど書きましたが、

ソマリア情勢:首都モガディシオの陥落と全土ゲリラ戦の始まり

ソマリアの混沌・・エチオピア軍の進入、米国の介入論

いっそうの泥沼状態に突入しつつあるようです。

上記ニュースに書いてあるように
去年12月にソマリア暫定政府とエチオピア軍の合同部隊によって、
イスラム原理勢力「イスラム法廷」はソマリアから追い払われ、
一旦は和平へと向かうかに見えました。

ところがどっこい、イスラム法廷は生きてました。
お得意のゲリラ戦を駆使して
首都モガディシオは再び戦闘のまっただ中にあります。

ロイター電によると、
先月29日から今月1日にかけてのモガディシオの戦闘で
少なくとも1086人が死亡し、
4300人以上が負傷したとのこと。

このうち民間人がどれだけ含まれているのかは不明ですが、
一回の戦闘の死者としてはハンパな数字ではなく、
そうとうの激戦であったことが分かります。

また、11日付けの毎日新聞によると、
軍関係者以外の立ち入りが禁止された市南部には
多数の遺体が放置されており、
モガディシオは「陸の孤島」と化し、
砂糖や米の価格が1週間で2倍に高騰しているとのこと。

また、エチオピア軍は戦闘前に
市南部の住民に退去を呼びかけたが徹底せず、
砲爆撃が民家を直撃して多数の民間人が犠牲になったとのこと。

国連はこの戦闘に関して
10日間で民間人約5万人が難民化したと発表しました。

一旦はイスラム原理勢力を追い払った
ソマリア暫定政府とエチオピア軍ですが、
彼らには誤算がありました。

当初の計画では、
戦闘が終わった後、エチオピア軍は早々に引き揚げ、
AU(アフリカ連合)軍8千名が代わりに進駐する予定でした。

しかし、AU各国は財政難を理由に派兵を渋り、
結局、派兵を約束したのは
ウガンダ・ナイジェリア・ガーナ・ブルンジの四ヶ国のみで、
このうち実際に派兵したのはウガンダのみです。

元々、弱体の暫定政府軍は頼りにならず、
律儀に派兵してきたウガンダ軍はわずかに千四百名のみ。
やむなくエチオピア軍はソマリアに残り、
イスラム法廷と激戦を繰り返しているという流れです。

エチオピアの背後には
イスラム原理勢力の拡大を恐れる米英がいて
一定の資金援助は行うのでしょうが、
このような泥沼の戦闘が続けば
いずれエチオピア軍も息切れするに相違なく、
現情勢の延長線上には原理勢力の天下が待っているでしょうね。

ソマリアは「アフリカの角」と呼ばれ、
紅海を臨む要衝の地ですが、
ここをイスラム原理勢力が制圧するとなれば
国際社会へのインパクトは相当のものがあるでしょう。


さて、ソマリア暫定政府も一定の兵力を抱え、
各国からの援助も潤沢に入っています。
しかし、エチオピア軍の助力がなければ
とうてい一騎当千のイスラム法廷軍には太刀打ちできません。

この状況はソマリアのみならず、
イラクやアフガンでも同様ですが、
何故、こうまで「イスラム法廷」などの
原理主義勢力は強いのか?

それは、彼らの背景にイスラム原理主義という、
イデオロギー又は思想体系があるからでしょう。

ソマリアを例にとっても
ソマリア暫定政府軍は各軍閥の寄せ集めで
何を理念に、何を基準に国家を建設していくのかという、
思想の背景がありません。
国家を構築していく理念など存在せず、
ただの利害関係で烏合した集団に過ぎません。

これに対してイスラム法廷側には
確固たる思想のバックボーンがあり、
いかなる国家と社会を構築していくのかという理念が明確です。
また、その思想によって
個々の兵士の戦闘倫理も磨き上げられています。

この状況を見ていると
生半可な存在ではイスラム法廷に撃破されるでしょうし、
唯一の対抗馬たるエチオピア軍が
この泥沼の戦闘にいつまで耐えられるのか?

米国はイラクで疲弊しきっており、
イラン情勢の緊迫化もあり、
とうていソマリアにまで手を出せないでしょう。

かつて米ソの冷戦時代に
内戦が頻発したアフリカ各国は
米ソそれぞれの陣営に属して戦闘を繰り広げてきました。

しかし、今や米国は疲弊し、
ソ連邦はすでに崩壊して存在しません。
この間隙にイスラム原理勢力が付け入っているわけですが、
私は第三勢力としての中国の動きに興味を感じています。



関連過去記事

ソマリア情勢:首都モガディシオの陥落と全土ゲリラ戦の始まり

ソマリアの混沌・・エチオピア軍の進入、米国の介入論






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中国の台湾企業工作・・・囲い込みと和平演変


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台湾企業の全国組織が発足

 中国に進出している台湾企業の全国組織、
 「全国台湾同胞投資企業聯誼会」が16日、正式に設立され、
 北京の人民大会堂で成立大会が開かれた。
 中国の国務院台湾事務弁公室の陳雲林主任が名誉会長に就任。
 大会で「両岸(中台)関係の平和発展に大きな役割を果たす」と
 同会設立の意義を強調し、
 経済的きずなの強化を通じた中台関係の進展に期待を表した。

 新華社電によると、初代会長に選ばれた台湾実業家の張漢文氏も
 「両岸の民間交流を積極推進し、
 「三通」(中台の直接通航、通信、通商)実現を促進したい」と述べ、
 中国の台湾政策に同調する意向を示した。

 聯誼会は中国各地に設けられた台湾企業協会を母体にして設立された。
 同協会は25の省・自治区・直轄市に約百を数え、
 進出企業全体の3分の1に当たる2万社以上が加盟している。
 聯誼会は会員企業の対中ビジネスを支援し、
 中国当局との橋渡しの役割を担う。

   (FujiSankei Business i.)


中国に大挙進出している台湾企業。
今やその数は6万社を越え、総投資額は約2800億ドル、
中国に進出した外資のうち半分が台湾系です。

李登輝時代は中国への企業進出には制限をもうけ、
5千万ドル以上の投資については
有用な公共投資や科学技術が流出しないように
政府のきびしい審査をパスする必要がありました。

ところが陳政権発足後の2000年に
この審査を解除し、完全自由としたことから
台湾企業の進出が加速していき、今日のような結果となりました。

さて、冒頭のニュース。
あれやこれやと書いてますが、
端的に言うならば

  「中共による台湾系企業の囲い込み・隷属化」

ということです。

これについての解説は
メルマガ「台湾の声」の文章を引用しておきます。


◇平和統一に向け着実に 中国の台湾企業工作

 
名誉会長は 中国では4月16日、同国進出の台湾企業の組織、
 「全国台湾同胞投資企業聯誼会」(全国台企聯)が発足、
 北京の人民大会堂で成立大会が行われた。
 規約によると「台湾企業が自主的に組織した非営利社会団体」。
 目的は「台湾企業の権利確保」であるとか。
 
 同会の葉恵徳・常務副会長も
 「過去20年間に中国各地で設置された企業協会と同じもの」で
 「中国の政府、企業、市民と台湾企業の懸け橋にもなりたい」
 などと強調しているし、日本の一部メディアもそのように報道した。

 だが、実際はただそれだけのものではないらしい。

 中国で統一工作を司る国務院台湾弁公室(国台弁)の陳雲林主任、
 副会長も国台弁の何世忠経済局長(秘書長も兼任する)と
 同じく経済副局長の劉軍川。

 会長は台湾の実業家、張漢文・前東莞台商協会会長だが、
 この人物は前回の総統選挙では中国での連・宋後援会会長となり、
 「20万人の企業関係者を引き連れて投票のため帰国する」と豪語したり、
 台商協会で陳総統の国家統一綱領廃止などに反対する署名運動をやって
 本国に圧力をかけたり、
 さらには中国の反国家分裂法の制定にまで公然と支持表明したりと、
 完全なる中国の代弁者であり傀儡である。

 規約ではメンバーは
 「一つの中国の原則を守り、国家統一を擁護しなければならない」。
 つまり台湾企業が中国でこれからも儲けたければ、
 台湾併合に手を貸すべきだと言うわけだ。
 この日の大会でも陳雲林主任は
 「台独分裂活動は必ず阻止しなければならない」と、
 各台湾企業協会の会長たちの前で強調している。

   (台湾の声 2007/04/17)


これが「通商」「交易」というものの恐ろしさで
相互に依存関係を生み出します。

互いに経済的に切っても切れない依存関係になった時、
相手の利害の代弁者となってしまう。
この場合、台湾企業と中国政府の力関係から言えば
個々の企業よりも中国政府の方が強い立場ですから
進出した台湾企業は中国の言いなりにならざるをえない。

そして中国政府の指揮棒に従って
「中国は一つ」「台湾独立反対」と叫ばざるをえない。

今さら陳政権は
大挙進出した台湾企業に帰ってこいよとは言えないでしょうから、
SAPIO誌で李登輝氏がインタビューで言っていたように
「中国資本受け入れ」
「ワン・ウェイをツー・ウェイに」
これを次善の策として取らざるをえないでしょうね。


まあ、この状況は日本と日本企業も同様なわけで
中国市場に目がくらんで媚中発言を行う財界人も目立ってきました。
通商関係の深化が利害の代弁者を作るという実例ですね。

しかし、私は思うのですが、
経済的利益の部分を端折って
単に政治的利益のみを考えるならば
中国へ台湾企業なり日本企業なりが進出することが
果たして中国のみに利することなのか?

かつて中国は
西側諸国による「和平演変」を極度に恐れていました。

「和平演変」とは
ソ連や東欧のように
西側諸国が資本投下や情報発信などの平和的手段により
社会主義諸国の政権を転覆させたことです。

中国は90年代には事あるごとに
「和平演変を警戒せよ」と言ってましたが、
最近ではあまり言わなくなりました。

これは中国の自信の表れなのかどうか知りませんが、
逆に言えば、他国の視点から見るならば
今ほど中国に政治工作をかけやすい時代はないのではないかと思います。

かつてギチギチの監視体制が
社会の隅々まで行き渡っていた中国ですが、
今ではよほど緩やかになっています。

自由主義国家の基準から見れば、いまだ制約の多い国ですが、
一昔前の北朝鮮顔負けの統制時代に比べれば
そうとう緩くなってきています。

また、民衆にもそれなりの情報が入るようになっているわけで、
「和平演変」の政治工作を仕掛けるならば
今ほどやりやすい時期はないでしょう。

中国に大挙進出した台湾企業。
これは裏を返せば、
いくらでも政治工作用のダミー企業として使えるわけで、
経済的利益の部分を脇に置いといて
単に政治的利益の視点で見るならば
「台湾企業の対中進出」の損得収支は
マイナスばかりではないでしょう。

これは米国企業や日本企業にも言えるわけで、
本気で国家戦略として「中共政権転覆」を考えるならば
進出企業とは「トロイの木馬」として
相当に有用な存在に感じます。

もう一度、同じフレーズを繰り返しますが、
経済的利益の部分を端折って
単に政治的利益のみを考えるならば、
この中国に大挙して押しかけている西側企業の群れは
現時点においては中国政府の人質のような存在ですが、
数十年後に振り返ってみるならば
案外、中共独裁体制を浸食した存在だった、と
言われるようになるかもしれません。

まあ、こういう発想は
時が経ってみないと当たってるのかどうなのかも分かりませんし、
私自身、無制限な日本企業による中国への投資は反対ですが、
必ずしも負の側面のみではないということです。

状況がこうであるのなら
そのプラスの部分を大いに活用すべきで、
すでに台湾や米国の諜報機関は
この進出企業というチャンネルを大いに活用しているでしょうし、
日本政府にもそのぐらいの料簡を見せてほしいものです。

「中国の発展は日本のチャンス」などと
本気で思っているアホ政治家は別として、
あの覇権国家のこれ以上の国力増大を危惧する正常な頭があるのなら、
この「トロイの木馬」は大いに活用してほしいものです。



メルマガ「台湾の声」






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中国のインド洋進出と日米印3カ国海軍共同訓練


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中国包囲網 日米印3カ国海軍初の親善訓練

 海上自衛隊は16日、千葉県・房総半島南方の太平洋上で、
 米印両海軍との間で初の3カ国による親善訓練を実施した。
 インド海軍艦船の来日の機会をとらえ行われたもので、
 3カ国の防衛交流には、海軍力の増強など軍拡を進める中国を
 牽制する意図もある。
 
 海自からはイージス艦を含む護衛艦4隻、米海軍は駆逐艦2隻、
 インド海軍は駆逐艦など3隻が参加。
 約7時間にわたり通信訓練や、陣形を組み航行する訓練を行った。
 インド海軍艦船の来日は平成16年10月以来。

   (iza!)


インド海軍は他国海軍との合同訓練に熱心で
毎年、米国・ロシア・英国・フランス・シンガポールなどと
訓練を行っています。

しかし、東アジアにおける日米印三ヶ国の組み合わせは実に異例で
ニュースにも書いてますように
対中国を念頭に置いているのは間違いないでしょうね。

もともとこの訓練は
米国防省が日印に呼びかけて決まったものですが、
安倍総理の推進する日米豪印による対中包囲網構想に合致しており、
日本にすれば渡りに舟だったでしょう。

インドは中国と一定の友好関係・経済関係は築いていますが、
根底においては、かの国の仮想敵はパキスタンと中国です。

先日もこういうニュースが流れましたが、

インド、中国に届く弾道ミサイルの実験成功

インドの核ミサイルは
主としてパキスタンと中国に矛先を向けています。


さて、近年、中国は
ミャンマーやパキスタンとの結びつきを強め、
シーレーン確保の観点からインド洋に拠点を次々に設置し、
インドはこれに神経を尖らせています。

この「中国のインド洋進出事情」について
以下、さらりと書いておきます。

<パキスタン:バルチスタン地方>

まず、パキスタン西部のバルチスタン地方には
最近、中国資本が資源絡みで大挙進出を開始しています。

同地方はパキスタンからの分離独立運動が盛んであり、
進出している中国系企業にテロによる被害が頻発しています。

パキスタン:中国人技術者3人射殺「頻発する襲撃」

また、同地方沿岸のグアダール港には
中国の援助で大規模な港が建設中です。

グアダール港は水深が深く、大型船舶も停泊が可能であり、
パキスタンは中央アジアの石油・ガスの積出港として、
中国は自国海軍のインド洋での拠点として活用しようとし、
両国の思惑が合致しています。 

<ミャンマー:シットウェ港・ココ諸島>

これについては過去記事で書いたことがありますが、

青蔵鉄道の開通とチベット独立
 ・・「西部大開発」を巡る地政学的インパクト

中国はミャンマーのシットウェ港から雲南省西端の瑞麗にまで
長大な石油パイプラインを建設中です。

これは中東やアフリカからの原油の輸入をする際に
マラッカ海峡などを経由せずに
インド洋ベンガル湾から原油を直接、
中国国内に運び込んでしまおうという意図で
シーレーンのリスクを軽減するための措置です。

このパイプラインは3年後に完成の予定です。

また、インド洋のミャンマー領ココ諸島には
中国海軍のレーダー基地が設置されています。

実はこの基地は
インド軍のアンダマン諸島とコタバル諸島の基地に
対峙するように作られており、
中国の意図がハッキリと分かります。

<セーシェル>

インド洋に浮かぶ島国セーシェル。

このセーシェルに中国が急接近を図っており、
インドと米国が神経を尖らせています。

今年2月に胡錦涛主席がセーシェルを訪問。
また、例によって経済協力攻勢を仕掛けて
同国での影響力を拡大しています。

実はセーシェルの首都ビクトリアにある各国大使館のうち、
中国大使館は建物の大きさや人員数ともに最大であり、
この両国の急速な接近ぶりに
いずれ中国との軍事協定が結ばれるのではとの観測が流れています。

セーシェルは
米国のインド洋での拠点ディエゴガルシア島に近く、
この意味で米国はセーシェル情勢を注視しています。


ざっとこんな感じで
中国のインド洋進出は進んでおり、
インドがこれに対抗する意味でも
日米との提携を強めるのは自然な動きといえます。

日本にとっても
インド洋などのシーレーン上に
数珠繋ぎのように中国軍の基地が建設されるのは
脅威としかいいようがありません。

まあ、ひるがえってみると
日本も前大戦時にはインド洋にまで空母機動部隊を進出させ、
英国海軍を撃破したことがあります。

「セイロン島沖海戦」ってやつですが、
今の日本の海上戦力からすると
なにやら今昔の感がありますね。

本来ならば、アジアのことならば
日本一手で対応できるぐらいの国力を持っているわけで
中国の覇権拡大に脅威を感じて
インドや米海軍の戦力をあてにする現状は
ある意味、情けない気もしないではありません。

去年の安倍政権の誕生時に
産経にこんな記事が載ってました。


◇米分析、アジア諸国の本音 中国との均衡、安倍首相に期待

 安倍晋三首相の登場に対し同じアジアでも中国と朝鮮半島以外は
 安全保障面での積極性や
 民主主義の主張を歓迎する諸国が多いとする考察が
 米国でこのところ増えてきた。
 とくに東南アジアでは拡大する中国のパワーとの均衡を
 安倍政権に期待する向きが多いという。

 米国ブッシュ政権に近い大手研究機関「AEI」の
 ダン・ブルーメンソール、ギャリー・シュミット両研究員は
 雑誌「ウィークリー・スタンダード」10月上旬最新号に
 「イエスといえる日本=われわれは安倍首相の
 ナショナリズムを歓迎すべきだ」と題する論文を発表し、
 「安倍氏のナショナリズムは
 米国でもなじみの深い自由主義ナショナリズムであり、
 アジア全体にプラスの効果を発揮する」と
 安倍氏の首相就任を歓迎した。

 ブルーメンソール氏は
 1期目ブッシュ政権での国防総省中国部長、
 シュミット氏は日米安保問題の専門家。
 両氏の論文はさらに安倍氏が
 日本の外交政策の正面に民主主義の促進を掲げた点を重視し、
 中国と北朝鮮に対して確かに強硬な面もあるが、
 民主主義の有志連合としてインド、オーストラリア、
 米国との協力強化を求める点は大いに歓迎すべきだ、としている。

 同論文は日本が安倍首相の下で
 民主主義主体の地域連携組織を形成する動きをも歓迎するとし、
 そのような動きは
 「中国周辺の中小国に新たな自信を与える」としている。

 同論文はまた日本の「歴史問題」について
 「中国は自国民数千万の死に責任を負うべきなのに、
 反日の合唱を続け、歴史を日本を孤立させるための
 外交武器に利用している」と述べ、
 米国政府がその中国の策略を読んで、
 日本が「普通の国家」になることを支援すべきだと主張した。

 一方、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン
 米国版も10月上旬に
 東南アジアに詳しい評論家フィリップ・ボウリング氏の
 「アジアは外向的な日本を歓迎する」と題する論文を掲載した。

 同論文は「安倍首相の登場に対し中国と南北朝鮮だけは
 『ナショナリズムの再興』などとして警戒しているが、
 他のアジア諸国は安倍氏が日本の戦後の制約を除去して、
 地域的、世界的により積極的な役割を果たす展望を歓迎している」と論評し、
 とくに「核武装した中国の力が増し、
 米国の覇権が侵食されるアジアの現況では
 日本はパワーの均衡をもたらす」として、日本の役割拡大を訴えた。

 同論文は歴史問題については
 「中国のプロパガンダと
 帝国主義の過去を忘れる西欧の傾向に気をつけるべきだ」として、
 インドネシアのスカルノやミャンマーのアウン・サンなど、
 アジアの民族主義のヒーローは
 みな日本軍と協力したのだ、と強調した。

 同論文はさらに
 「アジアのほとんどの国は日本の通常戦力の強化を
 中国との均衡という意味で実は歓迎しているし、
 中国の経済進出よりも日本の投資を望んでいる」と指摘した。

 ワシントンの専門家の多くはさらに
 インドネシアのユウォノ・スダルソノ国防相が
 ロイター通信との会見で安倍政権について
 (1)東アジアの安全保障でのより積極的な役割を
    中国との均衡という点で歓迎する
 (2)日本の防衛庁を防衛省に昇格させ、
    「普通の国」となることを望む
 (3)米国との同盟関係を保ちながらも
    自主防衛能力を高める日本を望む
 などと述べたことを重視し、
 東南アジアによる安倍政権の安保面での動きの歓迎とみている。

   (産経新聞 2006/10/19)


日本の政略として
日米印の三国協力を拡大するのはけっこうだと思います。
方向性としては正しいと思います。

しかし、他力本願にならぬことです。
他国の軍事力に依存しすぎないことです。
日本一手で中国を料理するぐらいの料簡を持つべきでしょう。

そのぐらいの国力を持っているわけですし、
上記記事が伝える如く、
アジアの諸国でそれを望んでいる国家も多いわけですから。

日本近海での海自とインド海軍の共同訓練。
しかし、私としてはその逆を望みたいですね。
日本の海自がインド洋にて
インド海軍と共同演習を行う。

ココ諸島やバルチスタン沖で
中国海軍基地の鼻先で
これみよがしに演習などやって牽制球を投げてほしいものです。







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各国会議員:温家宝演説への感想


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先日の温家宝の国会演説ですが、
各国会議員の感想談話が産経新聞に載っていたので
引用しておきます。


◆温首相演説 百家争鳴 与野党議員談話

 12日に行われた中国の温家宝首相の国会演説に対し、
 与野党議員がさまざまな立場からコメントした。

 ■中川秀直自民党幹事長

 「対日関係重視の決意がひしひしと伝わる歴史的な演説だ。
 孫文や周恩来の日本人との親交に触れたことは意義深い。
 終戦時の中国人民の恨みを超えた人道精神を強調したことも
 中国指導部の歴史問題への姿勢を示すものだ。
 日本が国際社会で大きな役割を果たすことを望むとも述べた。
 まさに氷がとけた旅じゃないか」

 ■二階俊博自民党国対委員長

 「日中の良い関係を
 持続していく跳躍台にしたいという気持ちが表れた歴史的な演説だ。
 ほとばしるような情熱があった。
 立ち見が出るほど超満員で温首相も何度も手を振って応えた。
 ああいうことが一歩一歩氷をとかすのではないか。
 『歴史問題を忘れないでください』というのは当然で、
 われわれは忘れてはならない。
 凝り固まった考えではいつまでも交わることはない」

 ■加藤紘一元自民党幹事長

 「注意深くピシッと歴史問題を話したな。
 先の戦争は侵略行為だという認識を述べ、
 それは一部の軍国主義指導者によるものだったと。
 ある意味では安倍晋三首相が就任前に語っていた歴史観と
 正反対のことを遠慮なく述べた。
 今の安倍首相は方針変更してだいぶ良くなったが、
 まだ固まっていないので念を入れた感じだ。
 練りに練った演説だ」

 ■山崎拓元自民党副総裁

 「名前のとおり温かい論調で『風は吹けども山は動かず』と述べた。
 過去に不幸な歴史があったが、
 子々孫々にわたる日中友好は山のごとく動かないという趣旨だ。
 村山談話を引用し、『行動で示せ』と言ったことは、
 靖国問題への中国の考え方を示したと受け止めるべきだ」

 ■太田昭宏公明党代表

 「中国の基本的な考え方を率直に表現され、
 日中関係が極めて重要であることを日中両国民に訴えた良い演説だ。
 歴史問題では恨みではなく戦後の日本の営みを評価し、
 未来志向を打ち出した」

 ■鳩山由紀夫民主党幹事長

 「日中関係がよりよい方向に進んでいくことが期待できる。
 歴史問題でかなり長い話をし、
 実際の行動を求めたことを
 政府はきちんと受け止める度量を持つべきだ」

 ■古屋圭司衆院議員(自民)

 「国会演説で演説原稿が配られないのは異例だ。
 一部を読み飛ばしたのも意図的ではないか。
 軍事費を毎年増やし、人工衛星を打ち落としながら、
 発展途上国だから援助しろとはあまりにご都合主義だ」

 ■萩生田光一衆院議員(自民)

 「互恵関係と言うならばもう少しバランスよく発言すべきだ。
 少し恩着せがましい感じがしたね」

 ■稲田朋美衆院議員(自民)

 「『実際の行動で示せ』と靖国参拝自粛を求めたところで、
 みんなが拍手するのはおかしい。遺憾だ」

 ■長島昭久衆院議員(民主)

 「日本の文化の源流はわれわれにあり、
 不幸な出来事では中国が度量を示したと印象づけるのが狙いか。
 でも大国外交の風格はあった。
 わが国はこのままでは絶対勝てない。
 全身を緊張させオール・ジャパンで臨まなかったら
 勝ち抜くことは難しいと感じたね」

 ■渡辺周衆院議員(民主)

 「日本の発展は中国文化から始まり、
 長い友好の歴史は日本のせいで悪くなったと
 言外に言いたかったのではないか。
 穏やかながら中国の従来の主張が随所に織り込まれ、
 今も変わらぬ中国の強固な意思を感じた」

 ■中川昭一自民党政調会長

 「実務的で外交交渉みたいだな…」

 ■丹羽雄哉自民党総務会長

 「日中友好に配慮しながらも牽制球を随所にちりばめていた」

 ■町村信孝元外相

 「東シナ海の問題など懸案を1つ2つ前進させなければ、
 真の日中友好ではない」

   (産経新聞 2007/04/13)


解説不要ですね。

阿呆議員とそうじゃない議員の区別がついて助かります。



関連資料リンク

二階氏、温家宝首相の国会演説を提案 唐氏も前向き


関連過去記事

温家宝の来日と国会演説・・日本国の矜持は?





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小ネタ:北朝鮮、独農家の巨大ウサギで食糧難解消!?


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あまりにも笑えたので小ネタを載せておきます。

まず、今年1月のニュースから


巨大ウサギで食糧難解消…独農家、北朝鮮を支援

 食糧難の北朝鮮国民を助けたいと、
 「世界最大品種」とされる食用ウサギを養殖するドイツ人農家が、
 このほど北朝鮮にウサギを販売した。
 4月下旬には平壌の飼育場で餌や成育環境などを視察し、
 指導に当たる計画だ。

 カール・スモリンスキさん(67)はベルリンの北東、
 ブランデンブルク州エーバースワルデで
 「巨大な灰色」と呼ばれるウサギを飼育している。
 ウサギは通常の約3倍の体長70センチ、体重10キロにもなる。

 北朝鮮は、金正日総書記自ら飼育場を視察するほど
 ウサギ飼育に力を入れている。
 昨年のドイツの品評会で
 優勝したウサギ「ロバート1世」を育てた名声を聞き付け、
 ベルリンの北朝鮮大使館幹部が
 スモリンスキさんを訪問したのがきっかけだった。

 昨年12月にロバート1世を含む12匹を
 通常の約3分の1の“友好価格”で販売。
 ウサギは空輸されて平壌で試験飼育されており、
 うまく育てれば年に60匹程度の繁殖が期待できるという。

 スモリンスキさんは
 「外国旅行も飛行機も初めてで緊張しているが、
 ロバート1世が元気にしているかどうか楽しみだ」と話している。

   (スポーツ報知)


北朝鮮の食糧不足解決に
一役買いたいと意気込むドイツのカール・スモリンスキ氏。

ところが今月9日になって、こんな続報が流れました。


巨大ウサギ北に販売ドイツ農家「もう売らない」と激怒!

 北朝鮮の食糧難解決に役立てようと、
 世界最大品種とされる食用の巨大ウサギを同国に販売した、
 ドイツ東部の農業カール・スモリンスキさんは7日、
 繁殖のために平壌に送ったウサギの飼育指導のため
 今月下旬に予定していた訪朝について、
 北朝鮮側から断られたことを明らかにした。

 スモリンスキさんは昨年末、ベルリンの北朝鮮大使館員の仲介で、
 通常の約3倍の体重10キロにもなる、
 巨大ウサギ12匹を卸売価格で販売。
 指導のため北朝鮮側に招待されたが、大使館員がこのほど電話で
 「自分たちで飼育できる。訪朝は不要」と伝えてきたという。

 スモリンスキさんは
 「説明があいまいでとても怪しい。
 ウサギは既に食べられてしまったようだ。
 2度と北朝鮮に販売しない」と激怒している。

   (ZAKZAK)


食べられてしまったようです(笑)

冒頭のスモリンスキさんとウサギのツーショットが
何とも言えない風情ですね (^_^;)

 

 

 

 

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温家宝の来日と国会演説・・日本国の矜持は?


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温首相が国会演説、歴史認識問題で苦言

 来日中の中国の温家宝首相は12日午前、
 中国の首相として初めて国会演説を行った。
 今回の来日を「氷を溶かす旅」と位置づける温首相は、
 演説の冒頭、「友情と協力のために貴国にきた」と強調した。
 日中戦略的互恵関係の構築の重要性をアピールする一方、
 歴史問題に相当の時間を割き、
 日本側の深い反省とおわびの態度を実際の行動で示すよう求めた。

   (iza!)


2004年1月、中国の胡錦涛主席がフランスを訪問し、
シラク大統領と会談しました。

仏政府は当時から異様に中国に肩入れしており、
シラクは台湾問題に関しても中国の立場を強く支持し、
またこの時、天安門事件以来継続していた、
対中武器禁輸の解除の可能性にも言及しました。

まさに和気あいあいの中仏首脳会談でしたが、
その後に行われたフランス下院での演説で
胡錦涛は大恥をかかされました。

なんと、出席した下院議員は577人中の約250人に過ぎず、
残りの半数以上の議員は
中国の人権弾圧に抗議してボイコットしたためです。

胡錦涛は中仏友好を訴える演説を
ガランと空席が目立つ仏下院で虚しく読み上げました。

ボイコットした仏議員達の主張は、

 「人権、自由の聖域である下院に独裁者を迎えるべきではない」

というものでした。

ひるがえって、今回の温家宝の来日と国会演説。
果たしてボイコットした議員はいるのでしょうか?

東シナ海の日中中間線付近で
日本側の抗議を無視してガスを採掘し続ける中国。
また、2年前の中国での反日暴動では
温家宝は「全ての責任は日本側にある」と自国の暴徒を庇い、
日本に罪をなすりつけ、当然の如く謝罪の一つもしていません。

また、中国国内では人権が弾圧され、
自由と民主主義を国是とする日本とは対極的な状況にあります。

まあ、外交ってのは
腹の中では「この野郎!」と思っていても
握手をしなければいけない時もあります。
よって安倍首相が言うべき事は言いつつも
それなりに中国との友好関係を維持するのは良しとしましょう。

ただし、温家宝が国会で演説するならば
ましてや歴史問題を持ち出して得意顔に語ろうとするならば、
議員の何割かはボイコットしてほしいものです。

全員がボイコットする必要はありません。
外交ですから茶番だろうが拍手する人数も一定数は必要ですが、
「日本人として、あんな男の演説など聞けるかよ」と
退席する議員もいてほしいものです。

それが日本国としての矜持ではありませんか。






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グーグルアース:衛星写真から見たダルフールの紛争と虐殺


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米グーグル、ダルフール紛争を衛星写真で提供 監視の目拡大狙う

 米インターネット検索最大手グーグルは10日、
 米ホロコースト記念博物館と連携して、
 スーダンのダルフール紛争の状況を衛星写真グーグルアースを通じて
 世界中に伝える事業を開始した。
 グーグルの技術を駆使して、
 「21世紀最初のジェノサイド(大量虐殺)」に関心と監視の目を広げ、
 紛争解決に役立てようという試みだ。

 「スーダンの危機」という共同プロジェクトで、
 無料のソフトウエアをダウンロードすると、
 スーダン西部のダルフール地方の衛星地図が
 パソコン画面に映し出される。
 襲撃され破壊された村々は炎のマーク、難民キャンプはテントのマーク。
 クリックすると、村の名前や破壊された住居数など
 被害の最新データが表示される。
 
 ダルフール紛争は
 2003年に勃発したアラブ人民兵と非アラブ系住民との紛争。
 20万人が殺害、250万人が家を失い、
 隣国チャドに大量難民が流出。
 スーダン政府はアラブ民兵を支援しているとして、
 国際的批判を浴びているが、解決の見通しは立っていない。
 
   (iza!)


ダルフールに関しては以前にも書きましたが、

ダルフールの虐殺と中国の罪・・犯罪と資源外交

いまだに事態は進行中であり、
スーダン政府は虐殺をごまかし、隣国チャドには難民が流失中、
中国がスーダンを陰に陽に庇い続けるという図式です。

ソマリアの紛争などもそうですが、
どうもアフリカ諸国には自浄能力が無いですね。
「地域大国」的な存在が不在のせいでしょうか、
リーダーシップを取る国が無く、他地域からの介入を許してしまう。

さて、冒頭の画像は
そのグーグルアースで見た焼かれて破壊された村落です。
黒っぽい部分が焼け焦げた痕でしょうか。

グーグルアースをすでにインストールしている方は
こちらから「ダルフール」のファイルをダウンロードしてみてください。

http://www.ushmm.org/googleearth/crisisindarfur.kmz

私もマウスをいじりながら見ましたが、
今さらながらダルフールの惨状を感じつつ、
グーグルアースをこういう用途にも使えるのかと驚きました。
上空から丸見えですもんね。

インドの国防相が
「国防機密を上空から映し出してけしからん」と怒ったそうですが、
人工衛星から精密な画像を撮れば
国家なんて丸裸になるというのがよく分かります。

米国が情報機関の情報収集技術で
人的情報よりも画像や電波情報に頼りがちというのも
これを見てると気持ちが分からないでもありません。



関連過去記事

胡錦涛のアフリカ行脚・・資源外交と力の空白

中国:北京でのアフリカ首脳会議・・覇者と「会盟」

ダルフールの虐殺と中国の罪・・犯罪と資源外交

ザンビア:野党候補の「中国排除」発言
 ・・アフリカの一角で嫌中を叫ぶ







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北朝鮮違法口座の凍結解除・・米金融制裁の挫折


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マカオの北朝鮮口座、すでに凍結解除…米財務省も容認声明

 米財務省は10日、声明を発表し、マカオ金融当局が、
 マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)にある、
 北朝鮮関連口座すべての凍結を解除することを容認した。

 マカオ金融当局の報道担当者は本紙に、
 「口座主が求めれば、いつでも資金を引き出せる」と述べ、
 口座の凍結がすでに解除されたことを明らかにした。

 米国はこれまで、問題の資金をいったん中国銀行に移し、
 その使途を人道目的などに制限しようとしてきたが、
 今回の凍結解除でそれは難しくなった。
 北朝鮮が、凍結資金が返還されない限り、
 6か国協議で合意された核放棄に向けた行動を取らないと
 強硬姿勢を続けたため、
 米国が譲歩を余儀なくされたと見られる。 

    (読売新聞)


・・・という結果になったそうです。

「北朝鮮の金融犯罪は許さない!」などと拳をあげていた米国が
いまや北朝鮮に資金を返還できて「ホっ」と息をなで下ろしています。
なんでしょうかね、この落差は?

米朝合意でBDAの北朝鮮資金の返還が一旦は決まったものの、
金融技術の問題からスンナリと返還に至らず、
北朝鮮はゴネまくり、スネまくり、六者協議を中途退席し、
米国は大慌てで、汗を流して資金返還のために東奔西走。
ああ、ヒルさん大変だね、と。

今回の六者協議の合意事項が
米国政界内でも評判が悪いのは、
北朝鮮に対して妥協しすぎという政略的な部分よりも、
ヒル氏がこういう戯画的な醜態をさらしてるという、
感覚的な部分が大きいんじゃないでしょうか?

米国人の感情から言うと
これは国辱的な醜態でしょうし、
他国人から見れば滑稽そのものです。
北朝鮮人から見れば大笑いでしょう。

などと思ってたら、
この対北朝鮮金融制裁の司令塔的存在であった、
アッシャー元国務省東アジア太平洋局上級顧問の
インタビュー記事が世界日報に載ってました。
以下、引用します。


北への違法資金返還は誤り―金融制裁立案の元米高官が批判
 年内に核実験実施の可能性も

 2005年7月まで米政府で北朝鮮問題を担当し、
 金融制裁の立案に中心的役割を果たした、
 デービッド・アッシャー元国務省北朝鮮作業班調整官
 ・東アジア太平洋局上級顧問は4日までに、
 世界日報のインタビューに応じた。

 アッシャー氏は、
 マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジアで凍結されている、
 北朝鮮資金約2500万ドルをめぐる米政府の対応について、
 「北朝鮮が犯罪行為で得た資金を戻すのは
 まったくばかげている」と厳しく批判した。
 また、米国が大幅な譲歩をしたことにより、
 「北朝鮮が年内に再び核実験を行うなど、
 挑発行為をとっても私は驚かない」と指摘、
 北朝鮮の態度は今後さらに挑発的になるとの見方を示した。

 ――BDA問題をめぐる米政府の対応をどう評価するか。

 北朝鮮資金の一部返還であれば、
 譲歩の観点から許容されるかもしれない。
 だが、全額返還というのはあり得ない話だ。
 北朝鮮が犯罪行為で得た資金を戻すのはまったくばかげている。
 北朝鮮に資金を提供したいなら、
 その国に役立つ開発援助をすればいい。
 北朝鮮指導部に犯罪資金を渡してはならない。

 財務省に道理に合わない措置を取らせたのは国務省だ。
 北朝鮮がまともな行動を取ることを期待して
 頭金を支払ったつもりだろうが、
 その考えはあまりにもナイーブ過ぎる。
 米国は北朝鮮の罠にはまってしまった。

 ――資金返還が難航しているが。

 米政府は決してしてはならない取引をしてしまい、
 完全に自縄自縛の状態に陥っている。
 そもそも米国が返還を約束した資金の一部は北朝鮮のものではなく、
 英国の投資家のものだ。
 米国の行為は、その投資家から金を盗むようなものであり、
 正当な根拠もなく北朝鮮に渡そうとしている。

 ――今後の北朝鮮の対応は。

 米政府は北朝鮮と
 より良い関係を築く土台をつくろうとしたのだろうが、
 実際はまったく逆のメッセージを北朝鮮に送ってしまった。
 北朝鮮は悪い振る舞いをすれば、
 米国は譲歩し、金が手に入ると判断したはずだ。
 資金の返還は北朝鮮の態度を改めさせるどころか、
 むしろ悪化させるだろう。
 悪い行為をするたびに金が手に入るのだから当然だ。

 北朝鮮が年内に再び核実験を行うなど、
 挑発行為をとっても私は驚かない。
 昨年10月に実施した核実験が、
 北朝鮮にとって今回の成果を勝ち取る原点になったからだ。
 米国は北朝鮮に核実験の影響力を活用すれば、
 国際社会から多額の援助が得られ、違法資金も取り戻せるという、
 誤ったメッセージを送ってしまったのだ。

   (世界日報)


2001年秋、アッシャーは
上司であるケリー国務次官補に呼び出され、
「経済があれほどひどい状態なのに北朝鮮は何故崩壊しないのか?
これを徹底して調べるように」との指示を受けました。

それから一年をかけて情報機関を動員して調べたところ、
貿易統計には載っていない巨額の資金を
北朝鮮が不法なルートを使って稼いでいるという実態が
浮かび上がりました。

偽札・麻薬・偽タバコ、等々等。
それまで北朝鮮の不法行為については
断片的にしか把握していなかった米国ですが、
この時点で彼らの「闇経済・闇取引」の全貌を掴んだわけです。

何故、あの貧乏国家がミサイルと核を開発できるのか?
貿易では恒常的に赤字を出し、
外国からは全く信用されていない北朝鮮が
如何なる手段で外貨を獲得しているのか?
その答えがここにハッキリしたわけです。

そこから米国は動き始めます。
2003年4月、米政府内で北朝鮮の不法活動への対応策を協議する、
IAIという部署が発足しました。
IAIは国務省・財務省など各省庁・各部局を横断して
100名ものスタッフを抱えていました。
さらに、国務省内では「北朝鮮ワーキンググループ」が設置されました。

デービッド・アッシャーはこの両組織のチーフ的存在であり、
対北朝鮮の金融制裁の構想はここから生まれ、
2005年から始動を開始したわけです。

まあ、そういう状況ですから
アッシャーがインタビューの中で

  「北朝鮮が犯罪行為で得た資金を戻すのは
  まったくばかげている」

と怒るのも当然といえるでしょう。
なにしろ、立案者ですからね。


さて、BDA資金は北朝鮮に返還され、
ヒルは胸をなで下ろし、金正日は高笑いし、
このテロ国家をあそこまで追いつめていた金融制裁は
全てパァとなってしまいました。

日本としては一段と厳しい情勢になりましたね。



関連資料リンク

金正日「闇ドル帝国」の壊死:高世 仁 (著)


関連過去記事

六者協議と日本外交の失敗

六者協議と中東情勢・・米朝のパワーバランス

六者協議:北朝鮮の外交勝利と米国の譲歩








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地球温暖化と中国の環境汚染・・存在自体が迷惑


     m51064.jpg


「ガイアの致死量」わずか2-3度

 温暖化による水不足や
 洪水の被害人口は一体どこまで増えるのか?
 地球の未来について、各国が夜を徹した議論の末、
 ようやく一つの結論がまとまった。
 
 地球温暖化が世界に及ぼす影響を予測する国連の
 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第2作業部会は6日、
 ブリュッセルでの会合で、
 世界の平均気温が1990年に比べ2~3度以上高くなれば、
 世界のあらゆる地域で損失が増加する可能性が高いとする、
 見解を盛り込んだ最新の報告書を採択した。

 気候変動が自然や社会、
 経済に与える影響をまとめる第2作業部会には、
 130を超える国の政府関係者や科学者ら約2500人が参加。
 2日に開幕した会議は当初、
 現地時間の5日中に終了する予定だったが、
 温暖化の影響を受ける人数の予測数値などで各国の意見が対立、
 6日朝(日本時間6日夕)までずれ込む異例の展開になった。
 
 報告書は、人間活動が原因の地球温暖化が、
 各地の生態系や人の健康などにさまざまな影響を及ぼしていると警告。
 そのうえで平均気温の上昇が1990年比で1~3度未満であれば、
 ロシアや北ヨーロッパなどで
 農作物の収穫量が増加するなどの恩恵が生じる地域もあるが、
 2~3度以上になると農作物収穫量の減少や水不足、
 人の健康被害などで損失の方が大きくなる可能性が高いと指摘した。

 また、気温の上昇で氷河が融解し、
 水不足や洪水が深刻化することにも言及。
 2020年には世界全体で数億人が水不足に悩むと予測した。
 熱波が頻発し、大気汚染物質も増加するなど、
 健康被害をもたらす恐れがあるとしている。
 その結果、地球の生態系が大きな影響を受け、
 平均気温が2度上昇すれば、
 種の30%が絶滅する危険性が増すと指摘した。
 
 会合は、具体的な影響予測を盛り込むよう求める欧州諸国と、
 これに批判的な米国、中国などが対立して激しく紛糾、
 原案にあった具体的な予測数値のほとんどが削除された。

    (iza!)


先日の記事でバイオ・エタノールについて書きましたが、
地球環境問題はもはや剣が峰に近いとこまで行ってるようです。
2~3度の温度上昇だけで種の3割が絶滅ですからね。

さて、先週号と今週号の週刊新潮に
桜井よしこさんが「環境が危ない」と題して
この問題について書いています。

今週号は後編で
「中国・ロシアの暴力的な『文明への挑戦』」というタイトルで
なかなか刺激的な内容です。

数週間後に桜井さんのブログに全掲載されるとは思いますが、

櫻井よしこブログ

そのうちの一部を引用して載せておきます。


 IPCCの2005年の報告は、
 地球の温度が1~2度上昇すると地球上の生物種の約四分の一が死滅、
 2~3度の上昇では三分の一が死滅し、
 またツンドラの大半と北方林の半分が消滅する。
 3度、4度、5度と上昇するにつれて
 農業生産力が顕著に落ちて人類の飢餓が進む。
 5~6度の上昇で、人類を含む生物の絶滅が現実になると予告する。

 「2050年までに温室効果ガスの排出量を半減させなければ、
 この危険水域に達してしまう。
 50年で50%、10年で10%。
 京都議定書で決めたのは約20年で6%の削減でしかなく、
 到底間に合いません」と西岡氏(*国立環境研究所参与の西岡秀三氏)。

 京都議定書では1990年を基準として、
 2008年から2012年までに日本は6%、
 EUは8%の温室効果ガスを削減せよと決めた。
 その一方で世界最大の排ガス国家・米国は同議定書から抜けてしまい、
 二番目の排ガス国家・中国や工業化の進むインドは
 最初から削減は課されてない。

 このままでは間違いなく、
 地球と人類を滅ぼす最悪最大の原因となる中国も向転換できないと
 中国人ジャーナリストの石平氏は悲観的である。
 「中国共産党は国民の不満解消に経済成長を必要とし、
 汚染産業を容認しなければならない。
 環境対策で経済成長が鈍れば、
 失業者はますます増えて政権の崩壊につながります。
 環境保全か共産党独裁政権の生き残りか。
 中国政府は迷わず後者を選びます」

 国際教養大学学長の中嶋嶺雄氏も
 温暖化を含めて、全ての環境悪化の原因は中国であると指弾する。
 「共産党が独裁を維持し
 情報をコントロールしている限り、解決は不可能です。
 環境と人権問題は密接で、
 人権を抑圧し、情報や言論の自由を奪う国が、
 内在的に環境問題を解決することは出来ません」

 ロシアの環境対策は一言で言えば野蛮である。
 ソ連時代には存在した環境省は、97年に環境保護国家委員会に、
 また2000年には天然資源省の下部機関に格下げされた。
 原氏(*早大教授の原剛氏)は、
 天然資源省自体が汚染を生み出す省であり、
 彼らが自律機能を発揮して
 環境保護に舵を切ることなどあり得ないと語る。


以上です。
なんとも身震いするような内容ですね。

桜井氏はこの記事の後半部分で
環境問題において米国が転換を始めていることを書いています。

 「米国を突き動かすのは明確な結果、
 メリットを伴う動機である」

 「経済効果があるとなれば一気に展開するのが米国の底力」

 「米国を反環境の国と見るのは間違いで
 近い将来、米国が一気に環境大国への道を
 駆け上がることも考えなくてはならない」

確かに米国は極から極に振れる国で
一旦、環境問題に徹すれば
それにつんのめるように没頭する可能性もありますね。

と、米国が「改心」の兆しを見せているならば
残る問題児は中国ということになります。

正直、この国の環境汚染に関する現状は
「地球の癌」と言っていいと思います。

2005年末に
中国国家環境保護総局の張力軍・副局長(次官級)が
多国間会議の席上で驚くべき報告を行い、
全世界に戦慄が流れました。

 「有効な環境保護策を講じないまま現在の経済成長が続けば、
 中国の大気汚染レベルは15年後には現在の最大5倍に達する」

 「中国はこのような深刻な汚染には耐えられない」

 「中国全体の30%の面積が酸性雨の被害を受けており、
 一部の地域における酸性雨の沈殿汚染は非常に深刻」

 「2004年に中国の二酸化硫黄排出総量は
 世界でもっとも高い2600万トンに達し、
 そのため、酸性雨の汚染も深刻化した」

 「中国の都市の大気汚染は、ほこり、酸性雨、光化学スモッグ、
 呼吸器疾患の原因となる浮遊粒子状物質が、
 物理・化学・生物反応によって複合型汚染が形成され、
 被害状況をもたらした」

 「中国の都市48・1%が中・重度の空気汚染であり、
 その内、蘭州、大同、臨汾、ウルムチ、北京など重点11都市では、
 大気中の汚染物質が3割以上増加し、
 国民1500万人以上に身体的・精神的な問題が生じている」

 「15年後に中国の人口は14億6000万人に達し、
 国内総生産(GDP)は2倍になるが、
 現状のままなら大気汚染は今の4~5倍となる」

 「中国の都市の9割で地下水が有害物質に汚染され、
 汚染規模が全国に拡大している」

 「その地下水は人口の約7割の飲用に使われ、
 田畑の4割の灌漑に利用されており、
 汚染による直接経済損失額は年数百億元に上る」

 「中国の7大水系中、長江支流は軽程度の汚染であったが、
 黄河と松花河支流は重度汚染、淮河、海河流域は深刻な汚染。
 7大水系のうち7割の流域は、
 魚介類の生殖も困難なほど汚染されている」

この発言の波紋は大きかったですね。

なんせ中国政府要人の公式発言ですから。
彼らももはや環境汚染の酷さを認めざるを得ないんでしょう。


この中国の公害は地球自体を害するものですが、
それ以前に近隣諸国に汚染の被害が拡散しています

すでに日本の西日本各地は
中国の環境汚染による酸性雨や黄砂の被害にあっています。

また隣の韓国ではもっと酷いことになっています。
4月は黄砂が暴風のように押し寄せ、
渤海は中国からの汚水で死の海と変わり果てました。

韓国の黄砂被害、年3兆~5兆ウォン

黄砂:今年最悪! 初めて全国に警報発令

西海隣接した渤海湾の汚染が深刻

「死海」と化した渤海湾

まさに、環境問題に関しては

  「中国は存在自体が迷惑」

ということです。

温家宝首相が4月11日から来日するそうですが、
浮かれた友好ムードなどに流されることなく、
日本はこの問題を提起すべきでしょう。



関連資料リンク

温暖化、国際社会やっと一致 IPCC報告書







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資源戦略とバイオ燃料・・ブラジルと米国のエタノール同盟


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ブラジル エタノールを一大輸出産業に 米伊と提携、生産拡大 
 
 米国と並ぶエタノールの世界2大生産国であるブラジルが、
 エタノールの世界戦略を加速している。
 米国やイタリアとの提携などを通じて
 技術の高度化と生産量の拡大を急ぎ、
 エタノールを鉄鉱石や自動車などと並ぶ
 一大輸出産業に育成する計画だ。

 AP通信などによると、
 エタノール輸出で世界最大手のブラジル国営石油、
 ペトロブラスは3月27日、
 伊エネルギー大手のENI(伊炭化水素公社)と
 バイオ燃料の共同プロジェクトをめぐる覚書に調印した。

 両社はバイオディーゼルやエタノールなど、
 バイオ燃料の生産技術の開発で協力、
 バイオ燃料販売の共同事業についても検討する。
 ブラジル政府はアフリカでのバイオ燃料生産も視野に入れており、
 イタリア向けバイオ燃料をアフリカで生産するプロジェクトも
 話し合われる見込みだ。

 ペトロブラスは、技術力を向上させるだけでなく、
 この提携を足がかりに国外での事業を拡大できる。
 報道によると、ブラジルのルラ大統領は
 「世界の汚染削減につながる特別なパートナーシップになる」と、
 地球環境への効果を強調した。

 ルラ大統領は、
 3月初旬にブラジルを訪れたブッシュ米大統領との会談で、
 中米やカリブ諸国などでのエタノール生産拡大や、
 セルロースをエタノールに加工する、
 技術開発などを柱とする戦略的提携で合意。
 これに続き、31日に行われた、
 米メリーランド州キャンプデービッドでの首脳会談では
 代替燃料に関する国際会議を開催することでも合意した。

 ブッシュ政権は、米国内のガソリン消費を減らすだけでなく、
 オイルマネーを使い反米活動を展開する、
 ベネズエラのチャベス政権などへの打撃も狙っている。

 ブラジルにとっても米国との提携は、
 エタノールを石油と同じように世界市場で取引されるエネルギー商品に
 育成するうえで大きな意味がある。
 トウモロコシ原料の米国産と
 サトウキビ原料のブラジル産を合わせれば
 世界のエタノール生産の7割を占め、
 国際的な主導権を握れるからだ。

 ペトロブラスは、こうした国際的提携と並行し、
 設備の増強を着々と進めている。

 ブルームバーグによると、
 同社はエタノール輸出を現在の8億5000万リットルから
 2011年には約4倍の35億リットルに引き上げたい考えだ。
 ただ、輸出量拡大にはブラジル国内での貧弱なエタノール輸送体制が
 ネックになるとみられている。

 このため、三井物産との間で、
 約7億5000万ドル(約880億円)を投じて
 1000キロのエタノール向けパイプラインを
 建設する交渉を進めている。
 同時に、内陸部にあるエタノール原料のサトウキビ農場や
 蒸留所から川を使ってエタノールを
 サンパウロの拠点に輸送することも検討している。
 韓国企業などを対象に輸出先の開拓にも力を入れている。

   (FujiSankei Business i.)


サトウキビやトウモロコシなどから精製されるエタノールは
石油よりも安上がりで
燃焼時に発生する二酸化炭素の量なども低いことから
石油に代わる主力燃料として脚光を浴びています。

特に米国は
石油に代わる代替エネルギーとしてのエタノールに注目しています。

米ブッシュ政権は
原油を海外からの輸入に依存している危険性回避と
地球温暖化などへの対応策から
このエタノールに着目しています。
「安全保障」と「環境」の二兎を追う対策というわけですね。

京都議定書から離脱し、
国際的に轟々たる非難を浴びた米国ですが、
温暖化による異常気象や巨大化したハリケーンの直撃などから
さしものブッシュ政権も重い腰を上げたようです。

さらには、石油の高騰により
ロシアやベネズエラなどの原油産出国が
資源を武器として反米政策を推進していることも
これに拍車をかけたようです。

米国政府は、2017年までに
エタノールを中心とした代替燃料の生産量を
350億ガロンまで増加する目標を掲げ、
これにより10年間で石油消費を
20%減少させることを目指しています。

米国での現在の年間のエタノール生産は40億ガロン。
これを年々増加させて10年後には
年間350億ガロンまで持っていこうという構想です。

この構想が発表されてから
エタノールの原料となるトウモロコシの値段が2倍に高騰。
また、米国中西部の農家は
発狂したように我も我もと小麦や大豆からトウモロコシの栽培に転換し、
時ならぬ「トウモロコシ・ラッシュ」が起きています。

トウモロコシ、食料より燃料? 価格2倍、転作が加速

トウモロコシ予想作付面積、米で63年ぶり高水準に

トウモロコシの高騰は
これを飼料としていた養豚農家や養鶏農家を直撃し、
豚とニワトリ、さらには鶏卵の値段までが
急騰するというオマケがつきました。

養豚業者はブーブー~トウモロコシの値段高騰で

エタノールの増産策、意外な分野へ響いてます

まさに風が吹けば桶屋が儲かるという感じで
地球温暖化と中東情勢の不安定化によって
養豚農家が悲鳴を上げるという図式です。


実は米国でのトウモロコシによるエタノール生産は
いささか懐疑的な側面があります。
それはエネルギー効率の問題です。

トウモロコシを生産するに要するエネルギー量と
それをエタノール化した場合のエネルギー量を比較すると、
1対1.8程度だと言われています。

つまりトウモロコシを作るのに「1」のエネルギーを使い、
それをエタノール化しても
「1.8」のエネルギーしか得られず、
あまりにも効率が悪いのです。

これに対して米国政府は
エタノールの精製技術を年々向上させれば
この問題はクリアできるとしています。

上記ニュースにあるように
実はバイオエタノールの技術先進国はブラジルです。

ブラジルは主にサトウキビからエタノールを精製していますが
この場合、エネルギーの効率が1対8であり、
米国のトウモロコシよりも効率が桁違いに良いわけですね。


さて、ブラジルのエタノール事情についても書いておきましょう。

ブラジルは石油ショックに対する反省から
70年代からエタノールの利用を推進してきました。

たとえば自動車ですが、
通常、エタノールを混合したガソリンは
ガソホール(gasohol)と呼ばれています。

ブラジルでは、ガソリンは法律で
エタノール混合率20~25%のガソホールを義務付けしています。
ガソリンスタンドでガソリンを入れても
必ずエタノールが混入されているわけです。

ガソホールの場合、
日本の自動車のような通常のガソリンエンジンだと
エンジントラブルが多発します。

エタノールは水との相溶性があるため、
エンジンの腐食が発生する可能性があるからです。

ブラジルの自動車は
エタノールやガソホールで走行が可能なように
エンジンを特別な仕様のものに変えています。

さらに、ガソリンとエタノールが
どのような割合で混合しても良いフレックス車(FFV)が
新車販売の八割を占めています。

FFVだとエタノールの混合割合が自由なので
割安なエタノール100%の燃料で走っても問題はありません。
ガソリンスタンドにも
エタノールのみとガソホールの二種類が置かれています。

ちなみに米国の自動車も
E15と呼ばれるエタノール15%・ガソリン85%のガソホールでも
走れるようなエンジン仕様となっており、
最近ではE85と呼ばれる、
エタノール85%混合にも対応したエンジンが増えてきました。

ブラジル政府は
このサトウキビ精製のエタノールの
自動車燃料への使用を促進しています。

ブラジルは世界有数のサトウキビ生産を誇り、
サトウキビは収穫期のみ小数の人手を必要とする植物で加工も容易です。
また、上記の如くエネルギー効率も優れています。

ブラジルの80年代からのエタノール推進政策は
同国に多くの技術の蓄積をもたらし、
今や世界のエタノール生産の多くを占めるようになりました。

そして現在の石油の高騰と地球温暖化により
ブラジルのエタノール生産が脚光を浴びているわけです。

米国はこのブラジルの技術と生産量に着目し、
早くも両国による「エタノール・エネルギー同盟」を狙っています。

エタノールの生産量は
米国が世界一で、ブラジルは2位。
輸出量はブラジルが1位。
両国がタッグを組めば
世界のエタノール生産の大半を牛耳れることになります。

ここらへんの米国の手の早さは
さすがと言うか、あざといと言うべきか・・。


さて、日本でもエタノールは注目されていますが、
上述のように日本の自動車エンジンは
エタノール混合ガソリンを使える仕様となっていません。

一応、政府の音頭取りで
4月27日から首都圏の50ヶ所の給油所で
エタノール混合ガソリン(3%混入)の発売が試験的に開始されますが、
エンジントラブルを警戒する反対意見も出ています。

輸入バイオ燃料、日本上陸へ=首都圏で27日発売-石油業界

自動車用バイオ燃料巡る 政府VS石油連盟のゴタゴタ

2004年9月に小泉首相がブラジルを訪問し、
ブラジルのルラ大統領と
ブラジルからのエタノール輸入について話し合い、
ブラジルの国営エネルギー企業ペトロブラスと
日本アルコール販売との合弁会社が作られました。
「日伯エタノール」という会社ですが、
これが2008年から日本への輸入を本格化させるようです。

ちなみに小泉首相はこのブラジル来訪時に
サンパウロ郊外のエタノール製造工場も見学して
すっかりエタノール推進派となりまして、
米・ブラジル両政府の後押しで結成された「米州エタノール委員会」に
ブッシュ大統領の弟などと共に
共同代表に就任することが決まっています。

小泉・ブッシュ同盟再び バイオ燃料普及団体の共同代表に


原油価格の高騰、中東情勢の不安定化、
ロシアや中国による資源ナショナリズム・資源買い漁り、
さらには地球温暖化の問題が進行する中で
エタノールの生産はますます拡大していくでしょう。

また、そこから生産国のカルテル化、生産国と消費国の確執、
さらには列強によるエタノール囲い込みなど、
国際政治に様々な動きが起きていくのでしょうね。



参考資料リンク

ワードBOX:バイオエタノール

カストロ議長「エタノール政策は飢餓加速」 論評で再び米批判









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韓米FTA締結とサンドイッチ・コリア


      20070403091830-1.jpg


韓国:米韓FTA締結で合意、車・牛肉で歩み寄り
 
 米韓自由貿易協定(FTA)は2日、
 交渉開始から1年2カ月を経て締結で合意した。
 3月31日の交渉期限を延長し、
 争点となっていた自動車や牛肉問題で歩み寄った。
 韓国のFTA締結はチリ、シンガポール、
 欧州自由貿易連合(EFTA)に次ぐ。
 5月には協定文書が公開されるが、
 諸手続きなどで発効は2009年になる見通し。

 交渉は最後の最後まで難航した。
 交渉期限は3月31日の午前7時だったが、合意にこぎつけられず、
 両国は48時間延長することを決めた。
 2日午前1時までの期限を再延長。
 交渉が行われていたソウルでは
 デモや焼身騒動など反対者の抗議もエスカレートした。
 
 最後まで対立した分野のうち、自動車分野では
 米国側が韓国車への関税を3000cc未満の乗用車については即時撤廃、
 3000cc以上については3年後の撤廃とした。
 現在関税率が25%に上るピックアップトラック、
 (バンや多目的レジャー車・RV)は10年後の撤廃とした。
 
 一方、韓国は米国車について、8%の関税を撤廃するとともに
 現在5段階の排気量別の税制を3段階にする。
 また、発効から3年以内に
 自動車特別消費税を均一5%にすることでも合意した。
 
 現代自動車グループの関係者は
 「両国の市場が広くなることはいいこと」と歓迎の意を示しつつも、
 「米国産日本車の輸入について
 危機感を強めなければならない」と話した。
 
 もう一つの争点のとなった農業分野のうち、
 牛肉の検疫問題については、
 韓国が米国産牛肉に対する国際貿易事務局(OIE)の
 牛海綿状脳症(BSE)評価が5月に出た後、
 その結果に基づき骨付き肉を輸入するとした。
 40%の関税については15年以内に撤廃する。
 
   (NNA)


米国と韓国がFTA締結で合意しました。

韓国保守層はこの結果に手放しの喜びようで
日頃、現政権に手厳しい保守系新聞3紙も
盧武鉉大統領を褒めちぎっています。

盧大統領の「FTAリーダーシップ」を高く評価する

盧大統領、執念のリーダーシップ「ドラマは終わっていない」

韓国保守層は
何やらFTA締結で全てがバラ色になるような浮かれぶりです。
こういうところがいかにも韓国らしいのですが・・。

しかし、何はともあれ、
これは韓国経済にとっては前進であることは事実でしょうし、
未だに諸国とのFTAが遅々として進まない日本の現状を顧みるならば、
国内の利害関係を押し切って
FTA締結にこぎ着けたのは見事だと思います。

ただ、上記ニュースには書いてませんが、
このFTAの締結事項の中に
韓国と北朝鮮の共同プロジェクトである開城工業団地の産品を
「韓国産」として認める含みを残したことは
日本にとっては大いに気がかりです。

この工業団地の製品を通じて
北朝鮮に外貨が雪崩れ込むようであれば、
対北経済制裁などは崩れ去ってしまいます。

この点、日本政府は米国に対して強い懸念を表明すべきです。
ブッシュ政権がこの問題を、どの程度自覚しているのか?


さて、このFTA締結の一ヶ月ほど前から
韓国保守層で大流行となっている言葉があります。

  「サンドイッチ・コリア」

これには経済的な意味と政治的な意味があります。

1,経済的に韓国は、日本と中国の板挟みとなり
  先を行く日本にはいつまでも追いつけず、
  後からは中国の巨大な影が迫っている。

  韓国製品は、日本製品と比較すれば技術と質に劣り、
  中国製品と比較すれば価格に劣り、
  このままではジリ貧である。
  
2,政治的に韓国は、大陸勢力と海洋勢力の板挟み状態であり、
  朝鮮半島を中心にして
  日米中露の四大国が睨み合っている現状である。

  盧武鉉政権の反米親北政策により
  米国との盟友関係にはヒビが入っており、孤立化し、
  韓国は日米中露の間でサンドイッチ状態となっている。

上記の米韓FTAの締結を韓国保守層が望んだのは
「経済的サンドイッチ」状態の危機感からです。

この「サンドイッチ・コリア」なる造語を
最も頻繁に使用しているのが中央日報で
ここ数週間ほど、ほぼ毎日のように
「サンドイッチ・コリア~」のタイトルのついた記事を掲載していました。

<サンドイッチコリア>中・ロ密月…日米豪新同盟…韓国は?

<サンドイッチコリア>中国・日本も過去を埋めて意気投合

<サンドイッチコリア>日本・中国の軍事力を緊急診断

<サンドイッチコリア>対米輸出も「サンドイッチ」

内容は、
「俺たちは大国同士の板挟みだ~」
「韓国は孤立している!」
という感じで
何やら自虐味すら感じさせる危機感がこもった記事の群れです。


さて、経済的な部分はともかくとして
政治的・歴史的には
「サンドイッチ・コリア」とは
ある意味、彼らの地政学的宿命でもあります。

歴史的に「半島」とは
大陸勢力と海洋勢力の草刈り場となる傾向があります。
朝鮮半島やイタリア半島などがそうでしょう。

半島に位置する国家が
自前の巨大な国力を持てば別ですが、
朝鮮半島の場合は、人口と面積からして
大きな国力を持つことは困難であり、
結果、その大半の歴史が大陸中国の服属国であり、
近年になって海洋勢力である日本の支配下に置かれました。

まあ、厳しい地理環境にある彼らですが、
政治的な解決策は一つで
大陸勢力か海洋勢力か
自国にとって都合のいい勢力側と同盟関係になり、
他に対する以外にありません。

第三の道として
自前の勢力圏構築や中立国家となることなどがありますが、
これは韓国の国力からして空想話に過ぎません。

この意味では、現盧武鉉政権の掲げる、
「北東アジアのバランサー」構想は空論に過ぎません。
国力の裏付けが無いからですね。

本来ならば
政治体制やシステムが似通っており、
領土的野心を持たぬ日米の海洋勢力と連携し、
大陸勢力に対するというのが
彼らにとっては賢明な選択です。

そもそも、本当に「バランサー」になりたいのならば、
東アジア諸国の摩擦や紛争などに
韓国は仲介役を買ってでるべきです。
日中間の紛争など特にそうでしょう。

欧州などでは
たとえば英国とドイツがもめても
必ずフランスなどが仲介に入りますし、
その他の国々も同様です。

フランスなどは
米国と中東諸国の間に摩擦が生じると
すかさず「止め男」として仲介に登場し、
外交的な存在感を見せつけてきました。
今ではトルコなんかもそうですね。
これが外交の得点となるわけです。
ASEANにおけるシンガポールなどもそうです。

しかし、韓国は、
あるいは盧武鉉政権は、と言い換えてもいいですが、
彼らは日中間で摩擦が生じても
何らそういう動きは見せないわけです。
「バランサー」などと言いつつ、何もしないわけです。
意志もなければ、それ以前にそういう発想すらない。

むしろ、中国の反日暴動の時などもそうですが、
中国と一緒になって反日を叫んでいるのが現状です。

この一事を取ってみても
盧武鉉の「バランサー」なるものが
単なる観念のお遊びだということがよく分かります。


さて、今回の米韓FTAの妥結で
盧武鉉政権はその外交の軸足を
海洋勢力たる米国の方に若干傾けた印象です。

韓国の保守層や保守系紙が
手のひらを返したように盧武鉉を褒め称えるのは
いささか滑稽な感じがしないではありませんが、
「バランサー」などと妄言を放っていた男が
国内の反対勢力をねじ伏せて米国とFTAを結んだわけで
「やれば出来るじゃん」というのが
韓国保守層の率直な感想でしょうか。



関連資料リンク

韓米FTA妥結:ヘビー級米国と戦うミドル級韓国(上)

韓米FTA妥結:ヘビー級米国と戦うミドル級韓国(中)

韓米FTA妥結:ヘビー級米国と戦うミドル級韓国(下)

米韓FTA合意、日本は取り残されたのか
 韓国がこだわった理由








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慰安婦問題:低レベルの中央大教授とニューヨークタイムズ


      yosimi.jpg


外出しようと思ったのですが、
こんなニュースが目についたので
呆れつつ書いておきます。


慰安婦問題 米紙、吉見教授の見解掲載 保守派の反発強調

 3月31日付の米紙ニューヨーク・タイムズは東京発で、
 従軍慰安婦に対する旧日本軍の関与を指摘してきた、
 吉見義明・中央大教授(日本現代史)のインタビューを伝え、
 安倍晋三首相を筆頭とする保守派が
 教授の見解の否定に躍起になってきたとする記事を、
 国際面の1ページを使って掲載した。
 
 記事は、吉見教授が1992年、
 防衛庁(当時)保管の従軍慰安婦に関する「決定的」資料を発掘し、
 それが93年の河野洋平官房長官談話につながったと紹介。
 従軍慰安婦は「旧日本軍が主導的に創設、維持、拡大したシステムで、
 結果として(女性の)人権を侵害した」との教授の見解を伝えた。
 
 その上で、従軍慰安婦問題は、
 資料発掘によって論争に終止符が打たれるとみられたのに、
 安倍氏に先導された若い民族主義者の政治家らが反発、
 河野談話の撤回に向けたロビー活動を行ったと報じた。

   (iza!)


ニューヨークタイムズの左翼論調は
今に始まったことではありませんが、
一連の慰安婦を巡る記事はあまりにもレベルが低すぎました。

特に上記記事などはそうです。
馬鹿馬鹿しい内容です。

この吉見義明氏の発掘した「決定的資料」とは
昭和13年の陸軍省の文書「軍慰安所従業婦等募集に関する件」です。
 
その内容は
民間業者が慰安婦を募集する際には、

 「軍部諒解の名儀を悪用」

 「従軍記者、慰問者らを介した不統制な募集」

 「誘拐に類する方法を使って警察に取調べられるなどの
 問題が多発しているので、業者の選定をしっかりし、
 地方憲兵警察と連繋を密にせよ」

と命じた内容です。

つまり、軍が警察と共同して
民間業者が悪質なことをしないように、と出した命令書です。

ところが、これを朝日新聞が
「慰安婦に軍の関与の証拠発見!」と取り上げたわけです。

ちょうど宮澤首相の訪韓5日前のタイミングでした。
それで、韓国世論が大騒ぎし、
それが翌年の河野談話につながったわけです。

いかにも左翼っぽい悪質なやり方で
今回のニューヨークタイムズの内容はそれと同レベルですね。

ちなみに、吉見氏は
「従軍慰安婦資料集」という本を出してますが、
この中に「強制連行」を示す資料は1つもありません。

また、彼は97年1月に「朝まで生テレビ」に出演し、

  「植民地での奴隷狩り的強制連行は確認されていない」

  「挺身隊が慰安婦にさせられた例も確認されていない」

これをハッキリと認めています。

彼は「従軍慰安婦資料集」の中でこう書いています。

  一般には、強制連行というと
  人狩りの場合しか想定しない日本人が多いが、
  これは狭義の強制連行であり、
  詐欺などを含む広義の強制連行の問題をも
  深刻に考えてしかるべきであろう。

まあ、言い訳ですね。
詭弁です。

「狭義」だの「広義」だのと言って、
民間業者が行った悪質な勧誘すら軍の責任であるかのように
言葉のすり替えを行っているわけです。

この人が中央大(日本現代史)の教授とは
申し訳ないけど中央大のレベルを疑ってしまいます。



関連資料リンク

JOG:「従軍慰安婦」問題(上)

JOG:「従軍慰安婦」問題(下)


関連過去記事

特報:米ニューズウィーク誌に慰安婦決議への反論文が掲載

河野談話の破綻の経緯 その3
 ・・日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会

河野談話の破綻の経緯 その2
 ・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー









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