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中国:世界で最も過酷な労働搾取国家・・広東省玩具工場の暴動事件

昨日の産経に興味深いニュースが載っていたので
以下、引用します。


◆米企業やっとメス 中国の劣悪玩具工場を調査

 中国広東省のプラスチック玩具工場で今月下旬、
 数千人の従業員が待遇改善を求めて暴動を起こしたことを受け、
 同工場の製品を仕入れているディズニーなどの米大手企業4社が、
 暴動の詳細状況や労働条件などの調査に乗り出した。
 英BBC放送など複数の欧米メディアが30日までに伝えた。
 外国企業の中国での下請け工場における過酷な労働条件は
 以前から指摘されており、
 イメージの低下を避けるため、各企業はようやく重い腰をあげた。
 
 調査に乗り出したのは、ディズニー社のほか、
 ファストフードのマクドナルド社、
 バービー人形で知られるマテル社、玩具大手のハズブロー社。
 いずれも同工場と直接資本関係はないが、
 生産を委託し、製品を仕入れている。

 28日に米国本部から調査員を現地に派遣し、
 工場側と労働者代表と面接したマテル社の幹部は
 メディアに対し「私たちは従業員の安全と、
 彼らが良い環境で働くことを第一に考えている」と語り、
 工場側に労働条件改善をうながすことを示唆した。

 今回暴動が起きた香港に近い広東省東莞周辺には
 数千人規模の玩具工場が複数あり、
 従業員はいずれも過酷な条件で働いているという。
 米人権団体「チャイナ・レーバー・ウオッチ」
 (本部・米ニューヨーク)の調査によると、
 これらの工場の従業員は週6日から7日間勤務、
 毎日平均13時間働いている。
 時給は約20セント(約23円)にすぎない。
 玩具を塗装する際には大量の有害薬品に触れるが、
 手袋とマスクをつけずに作業を行うため、
 数年後には、呼吸器官などの病気にかかる人が多い。
 働けなくなると解雇される。
 従業員の年齢は18歳から25歳に集中し、
 30歳以上はほとんどいない。
 中には16歳未満の少年工もいる。

   (産経新聞)


中国の労働環境の酷さは以前から知られていたところ。

米国の労働団体などは前々からこの問題を追及しており、
議会や役所などを突き上げ、
米国政府を通じて中国に労働環境緩和の圧力をかけようとしていた。

米労働団体の意図は、

1,中国の安価な製品流入による雇用の減少

2,同じ労働者としての怒り

この2点で、
1は私益、2は公益に根ざしたもの。

日本の労組は
中国の労働事情について抗議したことなんかないだろう。
彼等は中共べったりで、
ここらへんのヘタレぶりは前々からだけどね。

さて、この暴動ですが
日本のメディアでは実にそっけなく扱われた。

玩具工場で数千人暴動 広東省、ディズニーに出荷

これでは、詳しいことや背景が全く分からない。

上記の産経の報道と、
宮崎正弘さんのメルマガでようやく詳細が分かった。

以下、宮崎メルマガから引用。


宮崎正弘の国際ニュース・早読み 第1528号

 ディズニーのキャラクター商品の下請け工場で暴動
 最低賃金と奴隷のような労働条件に立ち上がる?

 広東省東莞市の香港資本玩具メーカー
 「マッテル・アジア・パシフィック」の工場
 (従業員11000人)で、06年7月23日から3日間、
 大規模なストライキ、暴力沙汰が起きた。

 とくに「賃金が安すぎる」、残業時間が七十時間などという、
 「出鱈目な労働条件は不当だ」と
 従業員数千人が工場施設を破壊、ガードマンと衝突を繰り返し、
 あげくに近くの道路を封鎖したため警官が出動する騒ぎが起きた。
 負傷者がでたほか、十数人が警察に拘束された。

 香港の『明報』(7月29日付け)に依れば、
 従業員側は残業代の不払いや
 工場の食事のまずさを不満として立ち上がったという。

 日本のマスコミは、この事件を小さく扱うか、無視した。
 対照的に米国『ヘラルド・トリビューン』は大書して報道した。
 見出しは「ディズニー、マクドナルドが
 中国玩具工場の騒動を調査へ」
 (7月29日付け)となっている。

 なぜならこのマッテル・アジア・パシフィックの玩具工場は
 バビー・ドールやディズニーのキャラクター商品、
 ハスブロやワーナー、マックの人形の下請けとして知られ、
 同時に過酷な労働条件と残業時間の長さ、
 労務管理の悪さでも知られた。
 一日十一時間、土曜休みなしで月給574元というのは
 広東省政府が規定した最低賃金額とぴたり符丁。

 米国ではこうした商品が米国市場に流れ込むと
 「労働工場でつくられたモノ」
 と不買運動や訴訟がおきるため、
 たいへんに神経質にならざるを得ず、
 はやくも人権擁護団体が訴訟準備の構え。
 ただちに香港にあるディズニー、マックの
 キャラクター商品担当者は
 現場に飛んで聞き取り調査に入ったという。


夢を呼ぶディズニーやマクドナルドのキャラ人形が
中国での奴隷のようなチープ・レイバーで作られていたとは。

もともと、この広東省東莞周辺の
複数の玩具工場での労働環境の過酷さは
中国国内でも問題視されていました。
これを、中国共産党の下部組織、
共産主義青年団の機関紙「中国青年報」が
去年の10月に詳しく報じ、
その翻訳がメルマガ「中国最新情報」に載ってました。

以下、内容を要約して引用します。


◇「搾取工場」調査 労働者にサービス残業や低賃金を強制

 中国は世界最大の玩具生産国で、
 各種の玩具生産企業と玩具輸出企業は
 6500数社に約1300万人の従業員がいる。
 2004年の中国玩具輸出総額は150.9億ドルに達している。
 
 広東省は中国でも最も重要な玩具の生産輸出基地で、
 現在玩具企業が4500数社ある。
 米国、ヨーロッパ、日本が
 玩具輸出の輸出先として90%を占めている。
 そのうちアメリカが輸出総量の60%以上を占めている。
 なお、アメリカ国内市場の80%以上の玩具に
 「Made in China」のタグが印刷されている。

 2005年の1月から4月まで、
 全国人民代表常務委員会法律執行状況調査チームが
 「労働法」の執行状況の調査のため
 広東省東莞市の11社の玩具製造工場を無作為に調査した。

 これらの工場の大部分が香港資本による企業で、
 取引先は主にアメリカの大規模玩具販売店と小売商で、
 ウォルマート、ハスブロ(Hasbro)、マテル(Mattel)、
 マクドナルド、ケンタッキーなど。

 調査を行った11工場中では1社だけが
 オフシーズンに基本的に労動法の勤務時間を
 遵守していただけであった。
 他の工場の労働者は実質的な毎日の勤務時間は
 どの工場も11時間以上で、
 その中の7工場はかなりひどい状態で、
 毎日14.5時間も働いている。
 それから、半数以上の工場労働者は毎週7日間働いており、
 残りの工場でも週6日間労働で
 1日の休みか、月に2日の休みである。
 このように、多くの労働者は毎週80―90時間労働であり、
 最盛期や工場が生産を急いでいるときの
 労働時間はさらに長くなる。

 給料待遇では、大多数の玩具工場では時給計算で、
 一定の生産ノルマが定められており、
 労働者は規定時間内にノルマを達成しなければならない。
 時給計算によって実際には
 かなりの程度を労働者に強制している。

 
調査した10工場の給料は、東莞の最低賃金水準より低く、
 法律によって定められているような残業代も支払われていない。

 凱龍玩具工場を例に挙げると、この工場の標準時給は1.9元で、
 東莞市の最低賃金水準の1時間3.43元の53%にすぎない。
 そして、この工場には「残業」という概念がない。
 土日の勤務時間も平常勤務として計算されており、
 超過分の残業手当はない。

 圧倒的多数の工場では、
 労働者のための医療、労災、養老保険に入っていない。
 労働社会保障機関が検査に来るときにだけ
 一部労働者を保険に加入させているが、
 労働者にすべての費用を負担させている。

 頻繁に週末に残業するということのほかに、
 労働者が法で定められている有給休暇を
 とっているのはかなり少数で、
 ひどい工場では結婚や葬式でさえも休暇を取ることが難しく、
 産休は言うまでもない。
 多くの工場では労働者に対して罰金制度を行っており、
 不法な身体検査があり、
 主任はいつも口汚くののしっていたり、
 ひどいものでは労働者を殴ったりしている。

 大多数の工場では18―30歳の労働者だけを募集しており、
 16歳以下の少年工を雇っている工場もある。
 多くの工場は、労働者に対して、
 工場の食堂で食事してもしなくても、食費を納めさせている。
 労働者の居住条件は極めて悪く、
 10数人、ひどいところでは20数人もの労働者が、
 満員の寮に住んでおり、1つのフロアにトイレは1つしかなく、
 それを100人で使用している。
 
 ある工場では軍隊式の管理を実行しており、
 労働者は自由に工場に出入りすることさえ許されていない。
 工場はいつでも労働者の
 1カ月の給料を差し押さえることができ、
 労働者が辞職するときには口実をつくって
 最後の1カ月間の給料を支払わないということが
 かなり頻繁に行われている。

 全世界的に徐々にではあるが、経済分業が進んでいる。
 このピラミッドのトップが小売商
 (例えばウォルマートなどの大規模チェーン店)で、
 その下に各メーカーや商社があり、
 生産ラインにいる労働者はこのピラミッドの最下層部にいる。
 
 ウォルマート、マテル(Mattel)、
 ハスブロ(Hasbro)などのブランド会社、
 東莞凱龍玩具工厰などの玩具製造工場などは、
 このピラミッドシステムの最も典型的な例である。
 
 工場はメーカーが提示している低価格で
 受注することを余儀なくされ、
 ひどいものでは注文書を受けてから
 さらにダンピングを要求される。
 メーカーでは原料と製品の品質には
 かなり厳しい要求があるため、
 労働者の給料コストが流動的な要素となり、
 システムの最下層部にいる労働者にしわ寄せがいく。

 中国を含む全世界の消費者は
 ウォルマートの商品の価格が
 どんどん安くなることを喜んでいるが、
 その影で、中国を含む発展途上国の労働者は
 ますます残酷な搾取を受けている。

 多国籍企業はこの中間会社を通じて
 現地の生産工場に発注するというシステムを歓迎している。
 それは、投資リスクを下げられるほか、
 工場で労働法規の違反行為が行われていても、
 道義的にも法律的にも責任がないことがとても重要である。
 直接の雇用主ではないので、
 労働者の極悪な労働環境には
 関係ないという口実があるからである。
 
 多くの会社では数十社から百社以上の製造工場に発注し、
 その工場での注文総数の一部になるようにしている。
 一般的にはブランド会社は製造工場の総注文数の
 20%以上にならないように注文している。
 
 これは、労働者が法律訴訟や人権、
 労働者組織での工場に対する批判が起こったときでも、
 多国籍企業がこの工場に注文している他の会社に
 責任を負わせることができるからである。

 これらの多国籍企業の手法は、
 実際には工場の労動条件に対して
 いかなる責任も負わないようにするための行為であるものの、
 外部からの圧力がかなり大きいときには、
 工場が労働法規と会社の生産規則を
 守らないということを口実として、
 注文をキャンセルし、取引を中止して、
 労働者の権益を守ろうとする立場を演出し、
 印象づけさせることもできる。
 
 ごく少数の会社が
 本当に企業の社会的責任を果たそうとしているが、
 大部分の多国籍企業は一時的な対処や延期という方法で
 問題を放置しているだけである。

 さらに、政府が中国の工場労働者給料に対して
 厳しく監視、管理していないことも、
 労動条件を劣悪にしているもう1つの原因でもある。
 経済発展を重要視している状況で、
 地方政府は現地の経済発展のため、
 次々と各種の優遇政策を打ち出し、外資の注目を集めてきた。
 
 多くの地方政府は、労働者の権益を守ることで
 外資企業が驚いて撤退してしまうことだけを気にしており、
 工場が労働者の権利を
 侵犯する行為を黙認する態度をとってきた。
 このように、経済発展は
 労働者の権利を犠牲にしてつくり上げられてきたのである。

   (中国青年報 2005/10/12)


この中国青年報という機関誌は
胡錦涛の庇護下にある雑誌で
そのため、かなり思い切った政府批判が出来ます。

まあ、胡錦涛の許容範囲内の批判で、
そこらへんは念頭に置く必要がありますが
役人の腐敗を追及したり、この種の労働事情や農村問題を
かなり厳しく書いています。

上記の内容を見れば
そりゃ暴動が起きて当然だよって思いますよね。

この中国という国家は
ある意味、世界で最も過酷な資本主義国家です。
弱肉強食、競争により強者は富み栄え、
弱者には何の保護も無し。

労働者の代表という建前の中国共産党が
労働者の保護や団結に何の興味も持ってない。
なんとも、皮肉な話しです。



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コメント

劣悪さは収束しつつある?

まだまだ中国の労働環境は外には見えないようですね。こういうニュースがあるたび、中国のどこかの小学校を思い出します。

小学校の教師に「爆竹」を作らされ、火薬の取扱いを誤って建物もろとも吹っ飛ぶという痛ましすぎる事件(事故?)がありました。

そのときと比べれば対象年齢がまともで、ただ、生活できない現実というものがより痛ましい、何とも言えない気分です。

「世界で最も過酷な資本主義」というのはその通りだと思います。資本主義国でも経験したことのない競争が、推定15億の人の海の中で起こっている現実だと思います。

暴動を起こした人の中に、戸籍のない人が居ないとは思えません。戸籍の人口+2億の推定はそういう意味で使っております。

  • 2006/08/01(火) 21:17:06 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

日本の労働団体は・・

> 小学校の教師に「爆竹」を作らされ、
> 火薬の取扱いを誤って建物もろとも吹っ飛ぶという

げげっ、そんな事件があったんですか。
なんか教師というより徒弟制度みたいだなあ。

米国なんかは、この中国チープレイバーの問題に熱心ですよ。
しばしば議会でも取り上げてますし。

文中にも書いてるように
何故、日本の労働団体はこれを問題視しないんでしょうか。
「中国の労働は綺麗な労働」ってわけですか。

進出した日本企業では
ここまでひどいことはやってないとは思うけど、
彼等だって下請け・孫請けを通じて仕事を発注しているわけで
その中にはこういう現実もあるでしょう。

もっと日本のマスコミは
こういうことを報じてほしいものです。
中国の地方紙などを見ると
いくらでも載ってるでしょうに。

  • 2006/08/05(土) 00:44:50 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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