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首相の靖国参拝:敗戦責任と東京裁判について

朝からマスコミが首相の靖国参拝で大騒ぎしているので、
逆に靖国や終戦記念日について書く気が全くなかったのですが、
思うところあって、頭に浮かぶままに
あの戦争についてポツリポツリと書いてみようと思いました。


<敗戦責任について>

私が、あの戦争を振り返る時に
真っ先に頭に浮かぶのが

  なんで負けたんだ?

という思いです。
不謹慎ながら「戦争の惨禍」だの「不戦の誓い」だのではありません。

歴史の大きな流れや
自由や民主主義はともかくとして、
一人の愛国者として思うのは
「やる以上は勝ってほしかった」ということです。

戦前を振り返る時に
戦後日本は善悪の倫理観で歴史を断罪してきました。
私はそういう観点を否定する気はありませんが、
そろそろ戦後半世紀たった今、
冷徹に「国益」や「国家戦略」という観点で
あの「大日本帝国」の行動を振り返るべきだと思います。

戦争を振り返って思うのは
とにかく下手すぎたということですね。
前線の兵士や下士官クラスの勇猛さは世界的に定評がありましたが、
佐官や将官クラス、さらに政治家・指導者の戦争指導は
やはり他国と比較してレベルが低いと思います。

ガダルカナルの戦いやインパール作戦なんてその代表例ですが、
ああいう戦史はとても誉められたものではありません。
特にインパール戦なんてものは
世界史に残る愚劣な戦です。

ああいう部分をもっときっちり検証すべきで、
「敗戦原因」「敗戦責任」は明確にすべきです。
善悪論ではなくて、「戦略・戦術」の技巧論です。

政治家・指導者レベルで
彼等の国家戦略と戦争指導の巧拙を問い、
軍人レベルで
戦争における戦略・戦術の巧拙を問うべきです。

政治家は国家の進路を誤らないように棒給と権限をもらい、
軍人は戦争で勝つように
兵器と部下の生殺与奪の権を与えられています。
である以上、負けた以上、
負けた原因と責任を追及されるのは当然のことです。

そして付言しておきますが、
この「敗戦責任」と靖国合祀は何の関係もありません。
民主党の小沢氏はここらへんがトチ狂ってると思うけど、
負けた責任と靖国に祭ることは全く関係の無いことです。

いわゆる「A級戦犯」に限らず、
靖国神社に祭られている多くの軍人たちには、
勇敢な者もいれば、臆病だった者もいるでしょう。
名将もいれば愚将もいる。
軍人の鏡のような人もいれば、
いたずらに部下を死なせた卑怯者だっているでしょう。

しかし、靖国にはそういう賢愚や勇怯など関係なく、
皆、一視同仁に祭ってるわけで、
それが祭儀というものの本質でしょう。
靖国は論功行賞の場ではない。

私は東条氏に関しても毀誉褒貶あります。
彼は陸軍官僚として優秀な人だったし、
きわめて生真面目な人だったと思うけど、
決して戦争指導者として有能だったとは思いません。
その意味において彼には敗戦責任があると思います。

しかし、靖国はそういう結果論を問う場ではないでしょう。
一視同仁に追悼する場でしょう。
結果責任で人をより分ける場ではないでしょう。
敗戦責任を問いたければ靖国とは無関係に問えばいい。


<東京裁判について>

東京裁判なるものは事後法による裁きで
とうてい「裁判」の名に値しないことは明らかです。
米国が自らの世界秩序を形成するにあたって紡ぎ出した、
「私刑の論理」「私刑の公刑化」に過ぎません。

首相の靖国参拝に反対する人の中には、
これがA級戦犯の問題と絡み、
日米同盟に深刻な影響をもたらすのではないかと
危惧してる人もいるようです。
故に、参拝は控えるべきだ、と。

しかし、別段、日本政府が公式声明で
「東京裁判は不当であり、認めない」と宣言したわけではない。
単に「戦死者を追悼」する意味で靖国に参拝しているに過ぎない。

ですから、これが日米離反につながるという発想は
いささか考えすぎでしょう。
要は、自由と民主主義の国家体制を維持し、
世界秩序の理念を共有しているならば、
首相の靖国参拝程度では日米同盟は崩れません。

ただし、いずれいつの日にか、
日本は「東京裁判は不当である」との声明を
世界に対して高らかに宣言する必要があると思います。

あれは国家の歴史に突き刺さったトゲです。
今は国際環境と彼我の国力差を考慮し、
このトゲを突き刺したままにしていますが、
時到らば、このトゲを抜き放つべきでしょう。

それは米国との国力差が縮まった時、
日本の政治力・軍事力が
世界の中で無視できない位置を占めた時。
この時に宣言すべきでしょう。

果たしてそういう時が訪れるか否かは分かりませんが、
日本国家は志を遠大に保つべきです。
一時の国際環境に幻惑されて
つまらない分祀論や参拝不要論に拘泥することなく、
粛々と総理は参拝を続け、現国際環境の中で志を保ち続ける。
そして時が到れば堂々と
東京裁判の無効・不当を宣言すればいい。

要は、国際社会における日本の地位次第です。
地位が低ければ周りの言うことを聞かざるをえないし、
地位が高くなれば独自の論理を発揮していけばいい。

それまでは内において志を維持し続けること。
これが肝要かと思います。






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テーマ:靖国参拝 - ジャンル:政治・経済

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コメント

アマノジャクな意見

戦争に負けたら、次はどうしたら負けないかということに腐心すべきで、「戦争を起こしてはいけない」と思考停止してしまうのは大変危険なことだと思うのです。

国際政治の表現手段として外交と武力行使は同列なので、避けられない現実をどう乗り切るかを国民を挙げて議論すべきでしょう。

「どうしたら戦争に負けないか」と言う中で、「どうしたら戦争に巻き込まれないか」という中の議論の一つに「戦争を起こさない」という話はあってもかまわないのですが、プリンシプルは「戦争に負けない」ということでないと空虚な議論になってしまいます。

61年もこんな事がやっていられること自体、ものすごく平和なことです。陸続きの国ではこんな事していたらあっという間に侵略、占領されてしまいます。

妄想も、たまには役立つのです(≧▽≦)。

  • 2006/08/16(水) 06:26:34 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

毀誉褒貶=世間の評判

>私は東条氏に関しても毀誉褒貶あります。
>彼は陸軍官僚として優秀な人だったし、
>きわめて生真面目な人だったと思うけど、
>決して戦争指導者として有能だったとは思いません。
>その意味において彼には敗戦責任があると思います。

文脈を見て思うんですが
「敗戦責任」は敗戦原因ではないですか。
責任は立場が要求するものなので
有能か否かは関係ないです。
もちろん東条は最高指揮官だったので
敗戦責任があります

  • 2006/08/16(水) 23:55:41 |
  • URL |
  • プヨモン #-
  • [編集]

責任と原因

> クマのプータロー殿

大学なんかでもそうですが
「戦争」を教えなさすぎるんですよ。
「戦争の悲惨さ」とかじゃなくて「戦史」ですね。

何故、ある時は勝ち、ある時は負けるのか?
戦史を教えた上で、普遍的な原理のようなものを
各人が歴史から紡ぎ出していくような教育を大学とかでやらないと
日本人は本当に軍事音痴になってしまいます。

今どき、戦史なんて
「丸」でも立ち読みしなきゃ載ってませんもんね(笑)


> プヨモン殿

あらら、「毀誉褒貶」は使い方がちがいますね。
失礼しました m(__)m

「原因」と「責任」に関しては
う~ん、言葉の定義の問題なんでしょうが、
やはり別じゃないですかね。

べつに厳密に区別して使ったわけではありませんが、
「責任」とは、広い意味では
自分の行為から生じた結果に対して負うことですから、
自らのミスや無能さゆえに
一定のマイナスの結果が生じたならば「責任」を負う、
という意味で使ってます。
決して「組織上の責任」とか「法的な責任」のような
狭義の意味で使ってるわけではありません。

狭義の意味で言えば
意見を具申するだけの参謀やスタッフは
責任を負わないということになります。

まあ、ここらへんは定義の問題なんでしょうが。

  • 2006/08/17(木) 00:14:59 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

> 前線の兵士や下士官クラスの勇猛さは世界的に定評がありましたが、
> 佐官や将官クラス、さらに政治家・指導者の戦争指導は
> やはり他国と比較してレベルが低いと思います。

自衛官時代に聞いた話ですが、日本は下士官王国なんだそうです。
つまり部隊基盤の主軸となる技術者(言い換えれば兵器のプロ)気質の国民性だというのです。
そしてアメリカは仕官王国で、いいか悪いかは別にして、部隊指揮系統の上位者がガツーンというと、全体がそれに従う国民性(といっても、他民族国家なのに・・とは思いますが;苦笑)だそうな。
じゃ、兵士王国は?というと、それはお隣の中国で、上からの命令と世間の空気に敏感に反応する国民性(一匹が右を向くと全員が右を向く小魚みたいな感じ)なんだそうな。

こんなのは雑談程度に出てくるもので科学的に議論されても困っちゃいますが、当たらずとも遠からずなのが興味深いところですね。

  • 2006/08/17(木) 01:16:59 |
  • URL |
  • 神保銀郎 #-
  • [編集]

強い軍隊

たしか、第二次大戦中の小話で

 世界最高の軍隊とは、
 日本人の兵士とドイツ人の士官と、
 アメリカ人の将軍で作った軍隊。

ってのがあったと思います。

逆に、最弱の軍隊ってのが何だったかなあ?
ちょっと思い出せないんですが、

 イタリア人の兵士
 
これは定番だったように思います(笑)

ドイツ人の将軍ってのも強そうな気がするんですけどね。
マンシュタインとかロンメルとか。

  • 2006/08/18(金) 01:30:12 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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