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サハリン資源プロジェクト・・足踏み状態にロシア苛立ち


   TKY200603060074.jpg


露が国家統制強化 サハリン石油プロジェクト、 
  背景に欧米への反発

 ロシア天然資源省は二十五日、
 日本も参画し欧米諸国主導で共同開発が進む、
 サハリンの石油・天然ガスプロジェクトへの
 国家統制の強化を検討していることを明らかにした。
 ロシア側が国際的な巨大プロジェクトを
 「国営化」することには多大な困難が伴うが、
 豊富なエネルギー資源を背景にした、
 排他的なロシア民族主義が高まる中、
 欧米側は、ロシア当局による不気味な圧力に警戒感を強めている。
 
 ロシアの英字紙モスクワ・タイムズによると、
 同省のギタズリン報道官は
 「(ロシアは)富を失っている」と強調し、
 同プロジェクトへの政府の対応を
 見直すことを検討していると語った。
 
 ロシア自然科学アカデミーはこのほど、
 欧米投資家の非効率的な運営と計画の遅れで
 ロシアが百億ドル(一兆千五百億円)もの損失を受けているとして、
 ロシア政府が欧米ら投資家との間で、
 利益の分配法などを明確に定めた生産物分与協定を見直し、
 ロシア企業に開発主導権を与えるべきだとする報告書をまとめ、
 同省に提言として提出した。
 
 米エクソンモービル主導の「サハリン1」には、
 ロシア国営石油ロスネフチが12%参画し、
 欧州のロイヤル・ダッチ・シェルによる「サハリン2」では、
 ロシア国営ガスプロムが25%参画をもくろみ、交渉中とされる。
 ロシア側は、これら欧米主導の有力プロジェクトへの
 国家統制を強化したいというわけだ。

   (フジサンケイ ビジネスアイ)


北海道のさらに北、
昔は南半分を日本も領有していたサハリン。
日本名は昔懐かしの「樺太」。

ここに豊富な石油・天然ガスが埋蔵され、
こいつの開発プロジェクトとして
サハリン1からサハリン9までの9つの校区で
大型の採掘プロジェクトが進行中。

そのうち、サハリン1とサハリン2は
ロシア政府と欧米と日本企業出資の共同プロジェクト。
ともに投資額は100億ドル(約1兆円)を超す。
サハリン1は米国のエクソンモービルや石油公団、伊藤忠商事、
丸紅などが参加する国際コンソーシアムが事業主体。
サハリン2は英国・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェルと
三井物産、三菱商事の3社が出資している。

日本のお父さん達がこの極寒の島で
黙々と開発プロジェクトに携わっていることは
案外知られてないんだよね。

資源貧乏国の日本にとっては
近隣でこの手の開発プロジェクトが進行中であることは
実に心強い話し。
ところが、ところが、この2つのプロジェクト、
あまりうまくいってないんですな。

まず、サハリン1。
推定可採埋蔵量は
◇原油:約23億バーレル
◇天然ガス:約17兆立方フィート

この開発プロジェクトは、
日本政府が石油公団などを通じて
1千億円を上回る巨額の税金を投じ、
将来、パイプラインを首都圏まで引いて
石油と天然ガスを送るという構想。
だが、パイプライン敷設にともなう費用分担をめぐって
官民が連携をとれず、プロジェクトは足踏み状態。
 
開発を主導するエクソンのレイモンド会長は
2005年11月に小泉首相と会談、
「このままでは中国に全量を売ることになる」と
最後通告を突きつけた。

確か、買い手は東京ガスを見込んでいたんだけど、
膨大なパイプライン建設費用に
東京ガスがビビって話しが流れかけている。
膨大な1千億の国費がすっ飛んでしまいそうな気配。

資源戦略の観点から
こんなことでいいのか日本政府よ!と言いたくなるね。

次に、サハリン2。
推定可採埋蔵量は
◇原油:約11億バーレル
◇天然ガス:約18兆立方フィート

サハリン北端の採掘現場から
サハリン南端まで約800キロのパイプラインを敷設、
そこから液化天然ガス(LNG)にして日本へ船で送り出す。

なかなか素晴らしい計画に見えるが
資材価格の高騰や自然環境保護の費用で
事業費が当初予定より
2倍近い200億ドル(約2兆3000億円)に跳ね上がった。

サハリン1と2ともに
プロジェクト推進はもたもたしていて
欧米や日本の企業はもとより、
ロシア政府の苛立ちはつのっている。

1は作ったと思ったら買い手が見つからず、
2は費用が2倍に跳ね上がった。

たとえば、2005年11月にこんなニュースが。


◆サハリン2事業費 負担増嫌う?
 露大統領 産業界、来日時の発言注視

 今月二十日のロシア・プーチン大統領の訪日を控え、
 サハリンなど極東のエネルギー開発に対する、
 産業界の関心が高まっている。
 プーチン大統領は、大手ガス・石油会社の首脳らと
 一緒に来日する予定であり、
 日本企業とも新たな協力関係を模索する見通しだ。

 とくにクジラ保護や資源価格の高騰で、
 総事業費が当初計画より倍増しそうな、
 原油・天然ガス事業「サハリン2」をめぐっては、
 プーチン大統領が事業費の増加を認めない意向を示したとされ、
 来日時の発言に関心が寄せられている。
 
 プーチン大統領は今月初旬のオランダ訪問で、
 サハリン2の事業主体の国際石油資本(メジャー)、
 ロイヤル・ダッチ・シェル首脳と会談。
 その中でプーチン大統領は、
 サハリン2で約二百億ドル(約二兆三千億円)に
 倍増する見通しとなった事業費を認めない意向を示した、
 とロシア紙が報道した。

   (産経新聞:2005/11/13)


さらに、2006年3月にはこんなニュースも。


サハリン2超過コスト、露政府がほぼ全額承認へ

 ロシア・サハリン沖の
 原油・天然ガス開発事業サハリン2を手がける企業連合、
 サハリン・エナジーのクレイグ最高経営責任者(CEO)は、
 ロシア政府がプロジェクトの超過コスト100億ドルの
 ほぼ全額を承認する、との見方を示した。

 サハリン2の契約では、
 シェルやパートナーの三井物産、三菱商事は、
 コストをプロジェクトの収入から回収できることになっており、
 超過コストはロシア政府の怒りをかっていた。

   (ロイター:2006/03/23)


ってなわけで、ロシア政府の苛立ちは頂点に達し、
プーチン大統領は腸捻転すら起こしかねない怒りで(笑)、
今回の国家統制強化の流れと相成ったわけですな。

このサハリンの開発プロジェクトは
完成して日本に輸入が始まれば
日本の石油と天然ガス輸入の1割はまかなえる量で
資源戦略の観点からは、かなり貴重なネタです。

いずれ、本店ブログの方で
特集でも組もうかと考えています。


関連資料リンク

天然ガス開発計画「サハリン2」、成功へ自信

資源エネ庁:サハリンプロジェクトの概要について


関連過去記事(本店ブログ)

対露外交と中国包囲網 その4
  ・・東シベリア石油パイプライン(前編)

対露外交と中国包囲網 その5
  ・・東シベリア石油パイプライン(中編)





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