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北朝鮮:核実験の徴候・・強攻策と国家の命運

韓国、24時間態勢で監視 北の核実験可能性で

 韓国の聯合ニュースは20日、北朝鮮の地下核実験に備え、
 韓国軍が国内の地質研究所に
 専門知識を持つ兵士を派遣するなどして
 24時間の監視態勢を取っていると報じた。
 政府消息筋は、北朝鮮が7月5日のミサイル発射以降、
 核実験に踏み切る可能性が
 「過去のどの時点よりも高まった」とみていると話した。
 
 消息筋によると、韓国軍は14日から、
 中部大田にある韓国地質資源研究所に
 大学で資源工学や地質学を学んだ兵士6人を派遣、監視している。
 同研究所は全国約30カ所の地震観測所を統括。
 朝鮮半島全域で一定規模以上の人工爆発を観測すれば、
 包括的核実験禁止条約(CTBT)に基づき、
 ウィーンの国連機関に通報する態勢を取っている。
 最近、南北の軍事境界線付近に新たな観測所が設けられたという。
 
 監視を強化した理由について、複数の当局者は、
 北朝鮮外務省がミサイル発射翌日の7月6日、
 今後、同国に圧力を加えれば
 「別の形態のより強力な物理的行動」を
 取らざるを得ないと主張したことを指摘している。

   (iza!)


この北朝鮮の核実験の徴候について
あれこれと書いてみたいと思います。


<核実験の徴候:その目的と背景>

前にも何度か書いてきましたが、
この国の現時点での最大の国家理念は、
「国家の生き残り」です。
サバイバルです。

積極的に国力を増大させ国威を増そうとか、
武力で無理矢理、半島を統一してやろうとか、
そういう進取の気性は全くなく、
また、現実的にもそれどころではなく、
ただただ、国家と金王朝の生き残りに腐心している現状です。

この彼等の思考様式からして
では「生き残る」にはどうするか?
どういう方法論があるか?
これは2つです。

1,核とミサイルを開発し、
  軍事的に恫喝することによって
  他国から金と権益をむしり取る。

2,思想的に韓国を取り込み、
  北朝鮮のコントロール下で統一国家を作る。
  (思想的赤化統一路線)

本来ならば、2が確実なんですね。
実際に媚朝の盧武鉉政権のもと、
かつてないほど韓国の思想的武装解除は進んでますし、
この傾向があと数年持続できれば
韓国の取り込みが可能な状態となります。

ところが、ここで北朝鮮に誤算が起きます。
盧武鉉の支持率低下と
先日の地方選挙で与党のウリ党が大敗したことです。

盧武鉉が自嘲気味に語ってるように、
この政権はほぼレームダックと化しています。

盧武鉉:某日の会食にて愚痴が爆発
 ・・「私が犯した間違いがあるなら指摘してみてほしい」

おそらく利害判断で盧武鉉の周辺に集った人々は
今、沈没船からネズミが逃げ出すように
盧武鉉から距離を置き始めているでしょう。
それが政治的現実というものです。

盧武鉉が指示を出しても言うことを聞かない。
意図的に政策をサポタージュする。
没落しかかった政権とはつらいものです。

たとえば今日のニュースにこういうものがありました。


北朝鮮が派遣した諜報員を検挙、現政権で初めて

 盧武鉉政権では初めて、
 北朝鮮が韓国に直接送り込んだ諜報員が
 摘発されたことが分かった。
 公安当局が21日に明らかにした。

   (YONHAP NEWS)


盧武鉉は就任以来、
韓国の諜報機関である「国家情報院」の骨抜きを行い、
その防諜能力は低下の一途を辿っていました。
また、盧武鉉の方針で北の諜報工作に対しては
寛容というか、やらせ放題の状態になってました。

盧武鉉政権:誕生前夜 その7・・左傾人事と諜報機関

しかし、ここに来て
政権発足以来、初めての北工作員の逮捕。
これが何を意味するのか非常に興味深いところです。
おそらく、国家情報院が
政権の意向を無視し始めているのでないかと思います。
政界の風向きが変わったことに彼等は反応しているのでしょう。

北朝鮮にとって盧武鉉政権とは
いわば韓国内に構築した北の出城であり、
「トロイの木馬」のような存在です。

この盧武鉉政権没落の現状を見て北朝鮮は、
「こりゃ駄目だ」と思ってるでしょう。
とうていこいつらに頼るわけにはいかないと。

盧武鉉の任期は、あと一年と数ヶ月であり、
さらに現在の韓国の趨勢から考えて、
次期政権も媚朝政権が続く可能性は低いでしょう。
むしろバリバリの保守派政権が誕生する可能性が高い。

今まで一定の成果を収めてきた思想的赤化統一路線も、
ここにきて挫折の時を迎えたわけです。

で、彼等は2の路線にある程度見切りをつけ、
1を選ぶしかないわけです。

さらに北朝鮮が
1の恫喝路線に走らざるを得ない理由がもう一つあります。
それは日本で安倍政権の誕生が確実になってきたこと。

対北強硬論者の安倍首相の登場により、
朝鮮総連を始めとする日本国内の資金源からパイプは寸断され、
彼等の資金確保は一層困難となることが予想されます。
また、政界工作による日本からの援助引き出しも
全く望めない状況となりました。

今回の核実験の徴候の背景には
韓国と日本の国情の変化、
そういう事情があります。

本当に核実験を行うのか、
あるいは、そう見せかけた脅しに過ぎないかは別にして、
また、脅しが客観的に成功するか否かを別として、
彼等が向かうところはただ一つの道しかなくなりました。
即ち、核とミサイルによる恫喝路線です。


<北朝鮮の命運と国家体制の崩壊>

北朝鮮にとって唯一の光明は
対北強硬路線を取る米ブッシュ政権が支持率を落としていること、
さらに米国がイラクの泥沼に足を取られ、
極東方面での大規模な武力行使は考えづらい状況にあることです。

ブッシュ大統領の任期はあと2年と数ヶ月。
本来ならば、この任期が終わるのを待ち、
次期政権に期待したいところですが、
次期政権が北にとって有利な政権になるとは限らず、
また、一番の問題は
北朝鮮の国家体制が崩壊寸前にあり、
とうてい2年など待ってられないという現状があります。
自分の滅亡の方が先かもしれないわけです。

現在、北朝鮮は
韓国と中国からの援助・交易と
麻薬・偽札などの非合法な資金獲得手段で
かろうじて体制を延命させています。

しかし、この状態にも限度があります。
麻薬や偽札は米国を中心とする国際包囲網によって
確実にルートを狭められつつあります。

今のところ、韓国と中国からの援助・交易が頼りの状態ですが、
先日のミサイル乱射により、
両国からの巨額の援助は期待できそうもありません。
せいぜいが水害援助の義捐金程度です。

ただ、中国は資源獲得に狂奔しており、
ここが北朝鮮にとって付け目で
国内の鉱山の租借権を中国企業に売り渡し、
身を切ることによって金を獲得してますが、
あまりやりすぎると、国内のナショナリズムを刺激し、
政権が危なくなるでしょう。

北朝鮮のモリブデン鉱山、中国が採掘権獲得

さて、日本の保守論壇でも
この北朝鮮の国家体制の「延命度」については
いろいろ意見が分かれています。
「倒れる、倒れる」と言われつつも
なんだかんだと今まで延命してきたわけで、
北朝鮮の軍事力を基盤とした国家体制は
そうそう簡単には崩壊しないという論者もいます。

この意外なまでの北の国家体制のしぶとさには
2つの理由があります。

1,昔と違って、国際社会のあり方が変化し、
  外国勢力からの侵攻の機会が減ったこと

2,昔と違って、軍隊の火力・武装度が向上し、
  ただの民衆には対抗しようがないこと。

外からの侵入の可能性が減り、
内にあっては軍隊は無敵の存在ですから、
これを基盤とする国家体制を崩すのは容易ではありません。
まして北朝鮮には人権などの発想は皆無であり、
国民が何百万人餓死しようと歯牙にかけません。

では、この体制は半永久的存在なのでしょうか?
否、否。
地上の事物に永遠はありません。
それは北朝鮮という国家においても同様です。

あの1990年の前後に、
東欧とソ連の国家体制が雪崩のように崩壊していきました。
鉄のような軍隊と秘密警察による国家体制。
しかし、それも我々の眼前でもろくも崩壊していきました。

地上の事物に永遠はなく、
「生誕・成長・繁栄・衰退」のサイクルは
全ての事柄に当てはまります。

北朝鮮の体制内にも、まともな官僚や軍人はいるわけで、
あの二千万の国家が困難に遭いつつも、
まがりなりにも国家を運営できてる理由は、
運営している人間にまともな人間がいるからです。
そうでなければとっくの昔に滅びていたでしょう。

体制を支え、国家を運営するノウハウや技術、
そして思考能力や才能を持った人間が
官吏・軍人・法官の中にいるわけで、
この層の動向が、今後の北朝鮮の運命を左右するでしょう。

過去の歴史的事象から比較すると、
確かに北朝鮮という国家は強く倒れづらい国家体制ですが、
現状の国際的孤立と日米等による包囲体制が持続する限り
それほど長く持ちこたえるとは思えません。
数年単位がこの国家の寿命であると思います。



関連資料リンク

北 核実験秒読みか? テポドンに代わる“劇薬”で米揺さぶり

核実験準備? 北、山岳地域に疎開令 韓国紙報道

核開発:「北朝鮮は核実験可能」


関連過去記事

北朝鮮の集中豪雨:死者2万人・・飢餓と闇社会の増殖

国連安保理:対北朝鮮決議の採択・・北の強硬化と今後の展開

北朝鮮:麻薬中毒者が増加・・麻薬製造と麻薬中毒

平壌に中国人が溢れている?・・北朝鮮の危機感

米国、北朝鮮に全面金融制裁発動か?・・米愛国法311条
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コメント

教えてください

かつて日本が植民地支配していた満州は地下資源が豊富ときいております。かつての満州は北の領土となってるのですかそれとも中国ですか?現在満州の資源開発はどのようになっているのでしょか?

  • 2006/08/21(月) 23:50:24 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

満州

満州とは現在の中国東北部のことです。

満州国時代には
ダムやら重工業やらを開花させましたが、
最近では中国内での経済的地位は低下しつつあるようです。
中共もこの地方のテコ入れに躍起となってますね。

満州の資源状況については
申し訳ないのですが、あまり知りません。
せいぜい大慶油田があって
これが中国国内最大の油田であること、
長い間、中国のエネルギー供給を
引っ張ってきた存在であることです。

ちなみに大慶油田の開発は戦後のことで、
これが戦前の満州国時代に発見されていたら、
歴史もかなり変わったかもしれませんね。

と言うのは、実は元ダネがありまして、
谷甲州さんの小説「覇者の戦塵」シリーズは、
「満州時代に大慶油田が開発されたら?」
という仮定に基づいて書かれた小説です。
かなり面白いですよ。

・・・ええと、答えになってませんでしたか (^_^;)

  • 2006/08/22(火) 00:15:19 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

満州国

さっそくありがとうございます。

中国を将来サイズダウンさせた場合、満州を日本が統治することにしたらば。。。というイデをどこかで読んで、満州国は漢民族とは異なる民族が住んでいるのかなと思ったものですから。。。
実現できたらいい話だけど荒唐無稽ですよね!  

  • 2006/08/22(火) 01:39:56 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

民族的には・・。

民族的にはどうなんでしょう。
構成比はわかりませんが、
満州族と漢族が混じった状態じゃないですかね。
ただ、満州族は民族としてのアイデンティティは
かなり失っているようですが。

かつて、万里の長城を越えて、
清王朝を作ったのは彼等ですが、
そう思うと寂しい気がしますね。

統治はもう無理でしょう。
そういう時代はすでに過ぎ去りました。
やれることは友好的な助言のみですね。

  • 2006/08/22(火) 01:47:05 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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