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安倍氏の日本版NSC構想・・安全保障の「頭脳」組織

安倍氏 日本版NSC新設を提唱

 安倍晋三官房長官は22日午後、
 横浜市で開かれた自民党北関東・南関東合同ブロック大会で、
 外交と安全保障政策の強化に向け、
 「日米の政務レベルで対話を行うために
 米国家安全保障会議(NSC)のような組織を
 つくらなければならない」と述べ、
 現在の安全保障会議をNSCをモデルとして強化する考えを表明した。
 
 日本版NSC新設は、首相官邸主導で
 総合的に外交・安全保障政策を立案、対応するのが狙い。
 首相や官房長官、外相、防衛庁長官らに
 自衛隊の統合幕僚長も加え、緊急事態にも対処することで、
 形骸化している安保会議を活性化させる構想とみられる。

   (iza!)


前々から言われてることだよね。
日本は安全保障の統合立案機関が無いってさ。

国家に限らず、企業など、
どの組織にも共通した組織運営のプロセスは、

  1、情報の収集
      ↓
  2,情報の分析
      ↓
  3,現状の把握と未来の想定
      ↓
  4,行動指針の策定
      ↓
  5,策定した指針をもとに
    傘下の組織・部署・人材を動かし、
    指示命令を下す

だいたい、こんなとこでしょう。

日本という国家に欠けているのは
笑っちゃうことに全てのプロセスだけど、
特に3~5が大穴なんだな。

この3~5の部分ってのは
本来、政治家の領域だけど、
日本の場合は官僚が決めてしまうことが多い。

各省庁がバラバラに考えて、
あげくに省庁間で摩擦が生じ、
結果、政治家が「利害調整」ってことで走り回る。

まあ、醜くも無惨な日本の現状だけど、
これは安全保障の分野においても同様。
外務省vs防衛庁とか、経産省vs外務省とかね。

本来ならば、官僚なんてものは
行政機構上の「手足」の存在に過ぎない。
その手足たちが「頭脳」を代替し、
それぞれがピーチクパーチクと喚きあって
国家の統一的な指針が生み出せない。

この「日本国家」という生き物は
それぞれの手足が好き勝手に動いて、
コントロールすべき頭脳がほとんど機能していない。
こんなんで弱肉強食の国際社会を生きていけるわけ?

上記のNSC構想ってのは
この欠陥を修正するための組織。
モデルとなる米国の国家安全保障会議(NSC)は、
米国の最高意志決定機関の一つで、
1947年に国家安全保障法によって設立された。

メンバーは、大統領、副大統領、国務長官、国防長官、財務長官。
それ以外に臨時メンバーが呼ばれることもある。
助言者として国家情報長官、統合参謀本部議長など。

NSCの事務局を統括し、
実質上、NSCを仕切っているのが
国家安全保障担当の大統領補佐官。
NSCの会議での司会進行役は、この中の首席補佐官が行う。
ちなみに、現在の首席補佐官はスチーブン・ハドリー。

このNSCが単なる会議ではなく、
「使える能動的な機関」である理由は、
専門の事務局とスタッフを抱えていること。
そして情報収集と政策立案に関して権限を持っていること。

情報に関しては、助言者の国家情報長官が
傘下の米国の15の情報機関からの情報を集約して伝える。
以前はCIA長官がこの役割を担っていたが、
9・11以降の国家安全保障法の改正によって
国家情報長官が仕切ることになった。

原則的には、
NSCは大統領に対する「助言機関」に過ぎないが、
これだけのメンツが揃って
情報をバリバリ吸い上げ、多士済々のスタッフが政策立案し、
大統領がそれにゴーサインを出す以上、
事実上の安全保障の最終意志決定機関といえる。

さて、安倍氏が構想する日本版NSCは
具体的にどういうものになるのだろうか?

以下、昨日の産経の朝刊から。


◇【論争 06総裁選】安倍氏「憲法改正を政治日程に」
 自民ブロック大会

 安倍晋三官房長官が
 米国の「国家安全保障会議」(NSC)をモデルとした、
 「日本版NSC」を首相官邸に新設する方針を打ち出した背景には、
 7月の北朝鮮のミサイル発射の教訓がある。

 「北朝鮮に対する国連決議を行う際、
 頻繁にハドリー米大統領補佐官と連絡をとりあった。
 そのとき、さらに(日本版NSCを新設して)
 信頼を厚くする必要性を感じた」

 安倍氏が22日、記者団にこう語ったように、
 北朝鮮のミサイル問題では、
 安倍氏とNSC事務局長であるハドリー氏との個人的関係で、
 北朝鮮に対する国連安全保障理事会の決議採択に持ち込めた。
 しかし、同時に外務省と防衛庁など官庁の縄張り争いもあって
 形骸化している既存の安全保障会議の限界も痛感したとされる。

 実は首相官邸主導で
 外交・安全保障に関する情報を収集、
 基本的な安保政策を立案しようという日本版NSC構想は、
 ペルー大使公邸占拠事件での反省をふまえ、
 平成9年の橋本龍太郎政権時から浮上している。
 小泉純一郎政権でも2年前の
 「安全保障と防衛に関する懇談会」で再度浮上していたが、
 議論が深まらなかった。

 安倍氏の提案は、これらの経緯を踏まえて、
 得意とする安全保障分野で、
 安倍政権の独自性や強いリーダーシップを
 打ち出したいとの狙いがあるとみられる。

 特に重視しているのが、安保担当の首相補佐官の新設で、
 官邸の「ホワイトハウス」計画というべきものだ。
 ただ、補佐官の人選や日本版NSCをどの程度の規模にするか、
 外務省や防衛庁との関係をどうするのかといった難題は多く、
 実現できるかどうかは安倍氏の手腕にかかっているといえそうだ。

   (産経新聞 2006/08/23)


ニュース中にもあるように
この安倍構想の元ダネになっているのが
1997年に橋本政権下の行革会議で検討されていた構想。

以下、当時の産経の記事から。


◇行革会議 日本版NSC(国家安全保障会議)浮上
 首相補佐体制を強化

 行政改革会議(会長・橋本龍太郎首相)は二十一日までに、
 現行の安全保障会議を改組し、
 内閣に米国の「国家安全保障会議」(NSC)をモデルとした、
 「日本版NSC」を新設する方向で検討に入った。
 阪神大震災やカンボジアの在留日本人救助など、
 緊急時に関係省庁の調整に手間取り、
 迅速な決定ができなかったことの反省を踏まえたもので、
 内閣機能強化の新たな柱となりそうだ。

 「日本版NSC」構想は、
 現在の安全保障会議(議長・橋本首相)が
 外務省、防衛庁が決定した政策の追認機関化しているうえ、
 内閣安全保障室も総合的な安保政策を企画立案する態勢に
 必ずしもなっていないことへの反省を踏まえたもの。
 安全保障政策にかかわる首相補佐体制を強化し、
 首相によるシビリアンコントロール(文民統制)を
 充実させるとともに、
 安保政策に関する総合調整機能の強化を目指す。

 構成メンバーは首相を議長とし、
 官房長官、外交、防衛担当の各閣僚や関係省庁の幹部で構成。
 統合幕僚会議議長など防衛庁の制服組も
 助言、勧告のために出席する。
 安全保障担当の首相補佐官が設置される場合は主要メンバーとなり、
 構成員が活発な議論を行い、首相の政策決定上の判断材料とする。

 事務局を、内閣官房か省庁再編で新設が見込まれる、
 「内閣府」(仮称)に置き、
 防衛関連情報の分析や国際軍事情勢に関する、
 各種研究機関のシミュレーションを会議に随時提供する。

   (産経新聞 1997/07/22)


おそらく安倍氏の構想も
上記の「1997年構想」を踏襲した形じゃないかな。

今まで日本は
この種の安全保障に関する統合立案機関を
全く持たずにやってきた。
「安全保障会議」ってのがあるにはあったが
ほとんど形骸化し、全く使えない機関だった。

まあ、米国の後を
金魚のフンみたいにくっついていたら、
取りあえず、外交や安全保障は乗り切れたからね。

ただ、これからはそうはいかない。
日本もこれだけの大国になった。
自前の国家理念と国家戦略を
バシバシと打ち出していかなきゃいけない。

波乱の国際社会の中を余裕でスイスイと進めるような、
「大船に乗ったつもりでいてください」と
国家が国民に胸を張って言えるような、
そんな強悍で冷徹で
智慧者が集った組織の創設を望むよ。



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