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米軍:イラク戦での軍紀弛緩と感覚の「泥沼」

イラク軍への権限移譲、今後1年半内に可能 米司令官

 イラク駐留の多国籍軍司令官の
 ジョージ・ケーシー米陸軍大将は30日、バグダッドで記者団に、
 米軍などが育成に当たるイラク軍、治安部隊が
 今後1年─1年半内に任務遂行で自立し、
 同国内における治安維持の権限を
 多国籍軍からおおむね引き継げる、との見通しを示した。

 この権限移譲が、駐留米軍の撤収規模や時期に
 どう影響するのかには触れなかった。

 イラクでは、武装勢力による爆弾テロなどが連日のように発生。
 イラクのマリキ首相は、米軍と協力し、
 首都バグダッドでの治安回復を至上課題にしているが、
 目立った成果はまだ見えていない。
 30日にも各地で、爆弾攻撃があり、多数が死亡している。

 南部のディワニーヤでは28日、
 イスラム教シーア派の武装組織とイラク軍が交戦、
 兵士20人が死亡した。
 この衝突でのイラク軍の戦闘能力を質問された同司令官は、
 10人以上のイラク兵は弾薬を使い果たした後、処刑されており、
 兵士の士気などに問題はなかったとの考えを示した。

   (CNN)


ケーシー司令官の発言、

  米軍などが育成に当たるイラク軍、治安部隊が
  今後1年─1年半内に任務遂行で自立し、
  同国内における治安維持の権限を
  多国籍軍からおおむね引き継げる

これは政治的発言だろうな。
と、誰もが思ったでしょう。
イラクの現状は司令官の楽観的発言には程遠い。

私はこのニュースを見て、
少し前の以下の記事を思い出した。


酒におぼれる異常な日常 少女レイプの駐イラク米兵

 イラク中部で3月、
 米兵が14歳のイラク人少女をレイプし家族4人を殺害、
 隠ぺいのため遺体を焼いたとされる事件の審理が
 バグダッドの米軍事法廷で続いている。
 法廷証言などから、暴力と死に直面し
 酒と薬におぼれる駐留米兵の異常な日常が明らかになってきた。

 「攻撃の恐怖で眠れず、部隊には絶望が満ちていた」。
 実行犯とされる米兵5人(うち1人は除隊)の同僚は8日、
 軍事法廷でこう証言した。

 イラクの中でも特に治安が悪いバグダッド南方マハムディヤ。
 5人はこの地域でも「不運な部隊」(米紙)に属し、
 2月には通常5日交代の検問所勤務を30日連続で命じられた。
 昨年9月から今年6月まで、
 5人の所属する中隊だけで8人が死亡した。

 米メディアによると昨年12月には、
 検問所に立ち寄ったイラク人の男が
 兵士らと握手を交わした直後、
 短銃を取り出し兵士2人の頭部を銃撃。
 レイプ事件の主犯格グリーン元兵士は必死で救命活動を続けた。
 この後グリーン元兵士は
 「イラク人は全員悪者だ」(上官の法廷証言)と
 口にするようになったという。

 部隊では
 イラク軍兵士から調達した酒や鎮静剤などをのみ
 「恐怖を和らげる」ことが日常化。
 レイプ事件直前も、
 5人はウイスキーを回し飲みしていたとされる。

   (U.S. FrontLine)


なんだかこういう記事を見てると、
イラク戦もベトナム戦争の状況に極似してきたと思う。

現在の米軍は全員が志願兵で
ベトナム戦争時の徴兵とは違う。
だから、ベトナムで起きた米兵の極端な士気低下や、
民間人の殺害、麻薬やアルコールによる軍紀の弛緩など、
そういうことは起きづらいと思われてきた。

しかし、上記記事の現実。
これはベトナム戦争と同じだね。
いかに異民族・異国家での長期のゲリラ戦が
侵攻軍兵士の心を歪ませるかを物語っている。

これはかつてのアフガンでのソ連軍もそうだったし、
今、アフガンでタリバンの残党と戦っているNATO軍も
おそらくこの現象に呑み込まれるのではないかな。

米国のイラク戦での問題点は
兵士の死傷や士気低下もあるけど、
それ以上に問題なのは前途に全く展望が無いこと。
中途半端な10数万の兵力で現状を維持するだけで精一杯。
前途を打開する妙策が全くない。

先が見えない戦争ほど兵士の士気を低下させるものはない。
そして国民の戦争遂行意欲も低下していく。

米兵の死傷のニュースが日常となり、重要ニュースでもなく、
感覚は麻痺し、それを誰も気にもとめない。
駐留米軍はゲリラの掃討が日常の業務となり、
イラク人は日々、何十から何百単位で死亡していく。

これは軍事の泥沼であり、政治の泥沼。
さらには感覚の泥沼でもある。



関連過去記事

米国:イラク混沌の処方箋は?・・老覇者の苦悶

イラクの現状を伝えるブログと「民主化」という信仰






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コメント

志願制

アメリカの軍隊が志願制になっても、目的は「恩給」とか、貧困からの脱却だったりするので、州兵レベルでは珠が少ないという意味では徴兵制の頃とあまり変わらないような気がします。

前出のアメリカの将軍、ドイツの士官、日本の兵士・・・こういう軍隊だったらゲリラも手を焼くかもしれませんが・・・。

  • 2006/09/02(土) 08:47:18 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

やっぱ駄目か

恩給目当てであっても、
あるいは米国特有の「市民権」目当てであっても
取りあえずは望んで入隊しているわけで。

徴兵と比べると
やはりレベル差はあると思いますよ。

> 前出のアメリカの将軍、ドイツの士官、日本の兵士

方策としては、
占領後に旧イラク軍の中堅を温存しておくか、
あるいは大兵を一気に投入して殲滅戦をやるか、
これのどちらかでしょうね。

前者は今さら言ってもしょうがないし、
後者はそもそも兵力が足りないし・・。

なんだ、結局、無理じゃん (ーー;)

  • 2006/09/04(月) 01:39:55 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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