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中国の関係改善アプローチ・・その覇権拡張と日本の「国家10年の計」

日中首相の握手写真、ASEMのHPに…中国の要望で

 小泉首相が出席したヘルシンキでの
 アジア欧州会議(ASEM)首脳会議の公式ホームページに、
 首相と中国の温家宝首相が会場内で
 笑顔で握手した瞬間をとらえた写真が11日、掲載された。

 両首相は、
 靖国神社参拝問題をめぐって関係が冷え切っているが、
 10、11両日の会議期間中は
 場内で非公式に何度か軽くあいさつした。
 各メディアは握手の瞬間を撮影していなかった。

 ところが、11日は、中国政府の公式カメラマンが
 至近距離で両首相の握手の瞬間を撮影していたという。
 ASEM議長国のフィンランド政府によると、
 同日午後、中国政府から
 「日本の首相との握手の写真を撮ったので、
 ASEMホームページに掲載してほしい」と写真提供があり、
 掲載を決めた。
 同日、フィンランド政府から
 ヘルシンキ市内で連絡を受けた日本政府筋は
 「日本との関係改善に意欲を示す、
 中国からの明確なメッセージだと受け止めている」と語った。

   (読売新聞)


中国からの関係改善のメッセージ。
さて、これをどう捉えるべきか?

このニュースを糸口に
今後の日中関係と
日本の「国家10年の計」について書きます。


<中国の勢威拡大と嫌中感情>

最近、日本の各種世論調査で
「中国を嫌う」人の率が上昇しています。
ある人は当然の結果だといいい、
ある人はこの国民の嫌中感情に
外交政策が引きずられることを危惧しています。

私はどう思っているかというと、
「日本人は賢明だな」というのが率直な感想です。

何故、嫌中感情が増加してるかというと、
答えは簡単です。
あの国が嫌らしい国だからです。
ハッキリ言えばそういうことです。

逆にあの国が素晴らしい国であるにもかかわらず、
日本人が嫌中感情を持ち続けるならば
私は声を大にして言うでしょう。
「皆さんは間違っている」と。

しかしながら、現実は嫌らしい国です。
日々のニュースにその材料は事欠きません。
独裁政党の統制国家、言論の自由の弾圧、
信教の自由の弾圧、賄賂が公然化する人治の国。
詐術と権謀と私益丸出しの外交、
国際秩序に対してなんの良き理念・理想を持つわけでもなく、
国家的エゴのままに動く国。

ああいう国の勢威が拡大することが
果たして日本にとって幸せなことでしょうか?
アジアにとって幸せなことでしょうか?
そして世界の幸福に寄与するでしょうか?

そうじゃなさそうだから
日本人の嫌中感情は増大するわけです。
嫌らしい国だから増大するわけです。
ここらへんは身も蓋もないほど
日本人の感覚は聡明にして率直です。

もちろん私は、あの国の歴史、
過去の春秋から清に至るまでの
幾多の輝かしい歴史劇に敬意を表しますし、
13億人全てが真っ黒けなどとは思いません。
どこの国でもそうであるように
良き人もいれば、悪人もいるという、
雑多の人間の集合体でしょう。

しかしながら、中国という国家そのものは
残念ながら敬意を表すにふさわしい国家ではありません。

この日本人の嫌中感情の高まりに対して
しばしば、国家間の力関係や
国際社会の様相を冷徹に見つめる「現実主義者」たちからは、

  そうは言っても中国の経済発展と勢威の拡大は
  目を塞ぐことのできない現実であり、
  現実は現実として直視しなければならない。
  日中関係は改善すべきであり、
  それには日本の譲歩もやむなし。

との意見も聞かれます。

ある意味、一理あります。
国家と国家のパワーのぶつかり合いである現実の外交に
しみったれた感情など入れるのは論外だという発想です。
まあ、物事の表面のみを見ればそういうことでしょうね。

おそらく彼らは上記ニュースのような
「中国からの関係改善アプローチ」を見て、
得たりとばかりに日中関係の改善を訴えると共に、
日本人の嫌中感情を些末な感情論と切り捨てるでしょう。

ただ、彼らのものの見方は、
薄っぺらな表象のみしか見てない、
「現実主義」ならぬ「皮相主義」でしかありません。
あるいは「些末主義」と言い換えてもいい。

もう一度、借問します。

  中国の国力と覇権が拡大することが
  果たして日本にとって幸せなことでしょうか?

中国の経済発展が
これ以降も同じようなペースで続き、
日本の国力を越え、さらに米国の国力も越えた時、
それは日本にとって良きことでしょうか?
日本人に幸福をもたらすでしょうか?
そして、中国が世界の覇権と秩序を握った世界は
はたして現在の世界よりも良き世界でしょうか?

かつて半世紀以上前に、
日本は、組むべき国の選択を間違えました。
ナチス・ドイツの勢力拡大とその一時的な快進撃に幻惑されて、
ドイツと組むことを選択しました。

今、過去の歴史を振り返って
多くの日本人はあの同盟を推進した陸軍の親独派や
松岡洋石外相などの盲目ぶりを嘲笑ってますが、
当時としては、あれも国策の選択肢の一つだったわけです。

「ミュンヘン会談」の故事を持ち出すまでもなく、
その国力の拡大が、将来の日本と世界に害を与えるような、
そういう国の勢威拡張に力を貸すべきではありません。
これは自明の理だと思います。

皮相な薄っぺらな現実に幻惑されて国策を誤ってはいけない。
かの国の国力衰退こそが日本の国益であり、
ハッキリ言い切るならば、
それが世界にとって幸福なことです。

要は根本から物事を見ることです。
たかだか数年単位の外交上の事象に
幻惑されてはいけません。


<国家10年の計>

今、日本が志向すべきは何か?

それは2つです。

  「国力の拡充」
  
  「外交システムの整備」

どれだけ外交上の手練手管を有した国家であっても、
その根本に国力が無ければ
国際社会での発言力は限られてきます。

それは英国と米国を取ってみれば分かります。
英国は外交上手の国で知られており、
一方、米国は同じアングロサクソンながら
しばしば外交において信じられないような失策を犯します。

しかし、英国と米国、
どっちが発言力を持っているかと言えば
これは当たり前ですが米国です。
何故なら、国力があるからです。
どれだけ外交の技芸に長けていようとも
ある程度「国力」に差がついてしまえば
どうあがこうと勝ち目がないということです。

ゆえに、国家のパワーの源泉は国力であり、
国際社会において勢威を増したければ
脇目を振らず国力を拡大することが
国家ゲームの「王道」です。

今、中国の影響力が周辺諸国において拡大し、
逆に日本のそれが現状維持か退嬰を余儀なくされているのも、
中国の猛烈な経済発展と、
長きに渡った日本経済の低迷という対極の現実があるからです。
これがクッキリと両国の勢力図に現れています。

まず、日本が今後10年間において
最上の課題として追求すべきことは
「経済発展と国力の拡充」です。

外交の課題もいろいろありますが、
まず、内側のパワーを充実させることを優先課題とすべきです。

それにプラスして言うと、
「外交システムの整備」
これもやる必要があります。

いくらパワーを貯めても
それを発揮すべき良き外交戦略と
戦略を推進する組織と人材がいなければ
どうにもなりません。

かつての80年代から90年代にかけての日本がそうですね。
あれだけの圧倒的な経済力を有していながら、
それをろくに発揮できていませんでした。
そこにあるのは国家戦略の不在、
幼稚な外交システム、
政治・行政における人材登用・人材供給ルートの未整備、
これが原因でした。

今、少しずつ、
日本はこの分野の整備を進めつつあります。

安倍長官:首相官邸機能、2段階で強化 現行仕組みを活用

いい徴候だと思います。

また、財政なんかもそうですね。
これだけ借金を抱えれば、
どれだけ中国が軍拡に走ろうとも
なかなか対抗してこっちも軍拡というわけにもいきません。
財政の問題が足を引っ張っているからです。

結局、日本は外交的な課題をいろいろ抱えていますが、
まず国家の優先課題とすべきは「内側」です。
内側のパワーを増して、
そのパワーを思う存分使いこなせるシステムを整備すること。
これを考えるべきでしょう。

もちろん、日々の外交は外交で、
キッチリと国益と国家の尊厳を重視してやるべきですが、
当面、ここ10年の課題は内側のレベルアップに専念することです。

国力が無ければ、
どれだけ外交上の技芸を駆使しても
名論卓説があっても、
国力差において上位の国に逆らえなくなります。
悲しいかなこれが現実です。


さて、最初のニュースに戻ります。
中国からの関係改善アプローチ。
これにどう対するべきか?

日本はこれを適当にあやすべきです。
深入りせず、熱中せず。
適度の友好関係を維持しつつ、
政治・経済両面において中国に深入りするのは避ける。
外交においては是々非々で対応し、
国益を守り、主権を損ねる彼らの行為には断固として対抗する。

日本は中国の国力増大に寄与することは避け、
また、彼らの勢威拡張に静かな対峙の姿勢を取る。

そして、中期的には
10年のスパンで国力を増大させ、
外交システムの整備を行い、
これを持って国際社会において積極的に国家戦略を推進し、
世界に良き秩序を構築する。

この方針が肝要かと思います。






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コメント

確かに、テレビに呼ばれたり、政治家の秘書をやっているような保守系ブログで自称「現実主義者」達が、KとかSとかが、「そろそろ日中雪解け」とか言っていますが、そういう人達こそ現実が見えていないんでしょうね。

  • 2006/09/15(金) 01:36:34 |
  • URL |
  • タカダ #IalhYDqo
  • [編集]

国力の伸張の問題

根本的な構造の問題ですよ。

ああいう政体で、エゴ丸出しの国家理念を持った国。
そして世界秩序に対して何の理念も理想もない。
こういう国が国力と覇権を拡張していって
果たして日本と世界は幸せか?って問題です。

中国がASEANやら朝鮮半島や中央アジアに勢威を拡張すれば
すぐに焦ったり、これと結ぶことを考えたがる。
私にすればオタオタするな、と言いたいんです。
まあ、平和ボケの憲法教の論者よりはマシなんでしょうが。

なんでこうなったかというと、
中国の国力が急速に増して、
逆に日本が十数年の低迷期をあったからです。
ここでアジアの勢力図が変化してるんですね。

じゃあ、この根本構造から考えればいい。
要は国力の伸張の問題なんですよ。

  • 2006/09/15(金) 02:26:43 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

背中を刺される?

アメリカの議会が日本の首脳に靖国参拝を自粛するよう提言してきました。

サンフランシスコ講和条約は何だったのか、ニューヨークタイムズやワシントンポスト、そしてチャイナロビーの流す情報を鵜呑みにする議員が多数を占めたことに落胆を隠せません。と同時に、日本の外交当局は何をしているのか、あれだけの高給を取っておいて成果が見えてきません。

ブッシュ政権の賞味期限が切れつつある今、議会の中韓よりを転換させるために、イランのアサデガン油田を放棄することもオプションに加えなければならないかもしれません。

外交のシステムを整備するにしても、スタートは大きなマイナスからになることは確実だと思いますが・・・?

  • 2006/09/15(金) 07:34:07 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

あの写真が中共の対日プロパガンダであることを日本人に説明するには
中国国内で写真掲載の経緯が報道されたかどうか見るといいのではないでしょうか。
それにしても離間策うまいな

  • 2006/09/15(金) 07:49:13 |
  • URL |
  • プヨモン #-
  • [編集]

公明正大

温家宝、なかなか曲者ですね。小泉氏の人気が想定外に高かったので、中国のイメージ改善に利用したとしか思えません。中国には性善説はやめました。冷静にあくまで国益中心に正論をとおすべきです。相手は名うての性悪です。油断なく!

中国と韓国で今後生まれ変わるとしたら中国人、韓国人に生まれ変わりたいかと言う質問に中国では65%が、韓国でもそれ以上がNOと答えています。日本で同じ質問をしたら同じような結果になるでしょうか?そうは思えません。

個人的には多少不満はあるけど、また日本人でも良いかなと思います。以前には考えたこと無かったけど。

夕べニュースで行政(大和市)や民間(弁当やさん)が調理に使った廃油を燃料としてゴミ収集車、商品配達車両に開発し使用してると報じてました。すごい創意工夫です。これが日本の底力です。民間の日本における設備投資も回復し、国内市場回帰が既に始まってます。国力拡充は可能かと思います。

戦後60年間、富国に邁進したが明確な国家観をもてなかった。公明正大な目標を示してくれるリーダのもと、一丸となってガンばることができる其れが日本人かと。。。特アとの違いです。 すみません、ケイさんの論調に影響され熱くなりました。

  • 2006/09/15(金) 19:20:10 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

政治家次第

> クマのプータロー殿

> 日本の外交当局は何をしているのか

ホント、何をやってるんでしょうか?
連中は費用対効果に見合った仕事をしてるんでしょうか?

ただ、こういうのは本国次第ですね。

 「南京大虐殺?
 中国の言う30万人説なんて
 ただの政治的プロパガンダ」

これを首相が言えるかどうかですよ。

言えれば官僚も右へならえ。
言えなければ官僚も保身があるから滅多なことを言えない。
要は政治家の姿勢でしょう。

> 外交のシステムを整備するにしても、
> スタートは大きなマイナスからになることは

もの凄いマイナスからのスタートですね。
よくこの程度の組織と人材でやってきたなと思いますよ。


> プヨモン殿

> あの写真が中共の対日プロパガンダであることを

あれのいい加減さを米国人にキッチリ説明することですね。

北京の息のかかった反日団体が
米国内でかなり力を持ってますし、
米政界の内部ではチャイナ・ロビーの影響力が強いですから。

ここらへんはいずれ記事にしようと思ってます。


> ジャポネーズ殿

> 日本で同じ質問をしたら同じような結果になるでしょうか?
> そうは思えません。

同意です。
日本では、やはり同じ日本人という答えが
多いんではないでしょうか?

> すごい創意工夫です。これが日本の底力です。

先日、こういうニュースもありましたよ。

*稲わらや雑草からバイオ燃料 ホンダが新技術開発
 http://www.sankei.co.jp/news/060914/kei027.htm

すごい技術だし、同時にワクワクするような技術ですね。

> ケイさんの論調に影響され熱くなりました。

私も熱くなって書きました(笑)

この手の国家戦略を考える記事って好きなんですよ。
ただ、あんまりこればっかりだと飽きられるんで
適度にしてますけどね (^_^;

  • 2006/09/17(日) 03:19:17 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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