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ダルフールの虐殺と中国の罪・・犯罪と資源外交

ダルフール紛争に国連介入求めるデモ、世界各地で開催

 スーダン西部ダルフールの紛争解決に向けて
 国連の積極介入を求める大規模な市民デモが、
 「世界ダルフール行動デー」の17日、
 米ニューヨーク市内セントラルパークで行われた。
 デモに参加したオルブライト前国務長官はCNNに対し、
 「ダルフールで虐殺が続くなか、
 解決策が何も取られていない状況に
 誰もがうんざりしている」とコメントした。

 国連安保理は今月、国連平和維持活動(PKO)部隊が、
 ダルフールに展開しているアフリカ連合(AU)の部隊を
 引き継ぐ決議案を採択した。
 ただ、PKO部隊が展開するためには、
 スーダン政府が説得に応じて受け入れることが条件。

 デモは国連総会の開幕に合わせて開催され、
 米国のほかカナダや欧州、アフリカ、
 アジアの各地で行われた。
 ロンドン市内では首相官邸前で集会が開催され、
 ルワンダやカンボジアでは
 各国の過去の虐殺を生きのびた人々がデモを主導した。
 参加者の中には、
 国連要員を模して青いベレー帽をかぶったり、
 「虐殺を止めよう」などのスローガンが書かれたTシャツを
 着用した人々も見られた。

 こうしたなか
 スーダンの首都ハルツームの国連事務所前では、
 PKO部隊の受け入れに反対する抗議デモが行われた。

   (CNN)


スーダン西部のダルフール地方で虐殺が始まったのは、
2003年の2月から。
以後だらだらと虐殺劇は継続し、
国連によれば2006年2月までに住民18万人が殺された。
一方、英国議会の報告書では30万人となっている。

もともとスーダンは
北部のアラブ系住民と南部の黒人系住民が
ほとんど慢性的と言ってもいい内戦を
1955年から断続的に繰り広げてきた。

2002年より、米国と周辺諸国の仲介で、
北部の中央政府と南部反政府勢力との間で和平交渉が進展し、
南北包括和平合意が成立、ここにアフリカ最長の内戦が終結。

しかし、スーダン西部のダルフール地方においては、
アラブ系と黒人系の反目は続き、
2003年2月、黒人系部族を中心とした、
反政府勢力による政府機関襲撃が勃発。

これに政府支持派のアラブ系民兵「ジャンジャウィード」が
政府軍の空爆の支援の下、
反政府勢力に対する大規模な掃討作戦を開始した。
ここから大虐殺が始める。

ジャンジャウィードは黒人系部族の村を焼き払い、
殺戮・略奪・強姦を行った。
村々は廃墟と化し、後で同地方を訪れた国連調査団は、
アラブ系の村は手つかずで残され、
黒人系の村は容赦なく焼き払われたと報告した。

ジャンジャウィードの蛮行により、
200万人以上の大量の避難民が発生し、
うち20万人は隣国チャドの国境を越え、庇護を求めた。

この惨状が国際社会に知れ渡ったのは
2004年に入ってからで
きっかけはNGO「国境無き医師団」の報告であった。

当時、「国境無き医師団」は
医療支援のためダルフール地方に入っていたが、
虐殺と強姦の横行を生々しくWEBサイト上で報告し、
これに世界は衝撃を受けた。

2004年7月、アナン国連事務総長がダルフールを視察、
「耐え難い状況」と語った。
事務総長に同行して現地を視察した国連緊急援助調整官は

  「まず(政府軍の)ヘリや航空機が爆弾を落とし、
  そのうえで民兵が来て村を焼き尽くす。
  井戸は汚され、灌漑設備は破壊された」

  「現在、食糧、医薬品などの
  人道物資の搬入は続けられているが、
  国連のトラックが略奪されるなど
  悪夢のような活動を強いられている」

と語った。

同月、国連安保理事会はスーダン政府に
制裁措置の発動を警告する決議を
賛成13、棄権2(中国、パキスタン)で採択した。

これがその後も散発的に行われた、
スーダン政府に対する国連決議の最初であり、
米国の制裁決議提案、中国の拒否権ちらつかせ、
スーダン政府の拒絶、そして何事も解決されず、
このパターンが以後も続いていく。

2004年9月、パウエル米国務長官は上院外交委員会で証言し、
ダルフールの紛争について
「ジェノサイド(民族大量虐殺)」との表現を始めて使った。

ダルフールに国連PKOを送り、
虐殺を抑止しようという試みは何度かあったが、
スーダン政府の拒絶により実現しなかった。
PKOは現地政府の承認なしでは行うことはできない。

代わりにアフリカ連合(AU)が
数百から数千人規模の治安維持部隊を送り込んだが、
その士気の低さと武装の貧弱さから
民兵にすら舐められて、彼らの虐殺を目の前で傍観する有様だった。

そして2006年の今、事態は全く進展してない。
国際社会はこの問題に対して無力である。


さて、この問題の解決をこじらせているのは
以下の2者。

 1、スーダン政府

 2、中国

スーダン政府はアラブ系住民に牛耳られており、
現バシール政権は虐殺者であるアラブ系民兵を後援している。
当初は、スーダン空軍の爆撃の後に
アラブ系民兵の虐殺が行われたことはすでに書いたとおり。

彼らは米国や欧州が推進する国連PKOの派遣を
頑として拒み続けており、
ダルフールでの虐殺を単なる「摩擦」と公言している。

また、それ以上に
この問題の解決を長引かせているのが中国の存在。

中国はスーダンに
国有企業の「中国石油」や「中国海洋石油」を通じて
総額40億ドルを投資し、
スーダンからは輸入石油全体の7%を得ている。
これはスーダンからの輸出の70%に相当する。

さらに中国は技術供与や武器輸出、
油田防衛の警備部隊供与までも行っており、
スーダン政府と非常に密接な関係にある。

世界的に孤立したスーダン政府にとって
中国とは頼れる唯一の大国であり、
この依存関係を通じて中国はスーダン政府を
国際社会の制裁から守護する役割を任じ続けている。

数々の国連の非難決議・制裁決議に対して
中国は拒否権をちらつかせ、トーンを弱めさせると共に、
必ず棄権に回り、賛成したことが無い。

国連が制裁を行おうにも
スーダンの最大の貿易相手国である中国の同意無しには
制裁も穴だらけとなってしまう。

また、虐殺を行ったアラブ系民兵の幹部に対して、
米国は「国際戦犯法廷」の開催を要求、
欧州各国は国際刑事裁判所(ICC)に付託することを求めているが、
スーダン政府は「スーダンの国内法で裁く」と言い張り、
中国もこれに賛意をしめしている。


私が、この問題のついていろいろと調べていて思ったことは、
日本のマスコミの無関心さ。

遠いアフリカの出来事で
ニュースの頻度も多くないのは分かるが、
この熱意の無さは異常といっていい。

試みに産経新聞の過去記事を調べてみると、
紙面に「ダルフール」の文字が登場したのは
驚く無かれ、2004年の6月から。
国連事務総長のダルフール訪問予定を伝えた記事が最初。
虐殺が始まり、それが最高潮に達した2003年には、
ダルフールの「ダ」の字も出てこない。

アジアや中東情勢に忙しいのは分かるが
この無関心ぶりは反省してほしいもの。
現在進行形の虐殺を報じないのならば
マスコミの意味などない。

また、中国の露骨なまでのスーダン政府擁護に対して、
日本のマスコミ論調はほとんど沈黙しているに等しい。

彼らはダルフールの虐殺を散発的に報じても
この責任の数割が中国にあることを明確に書かない。
犯罪の片棒担ぎを
中国がスーダンで行っていることを明白に指摘せず、
非難しようともしない。

これに対して欧米紙では
最近、中国の無法ぶりに対する批判が続出している。
特に米紙ワシントンポストは
ここ数日、中国非難の論旨を連打している。

以下、ワシントンポストの2つの記事。


◇ダルフール問題と中国の責任

 中国の王光亜国連大使は先週、
 スーダンのダルフール問題に関する声明を公表した。
 だが声明は、国際的責任を果たす国として
 扱ってもらいたいとする中国の要求を疑問視させることになった。
 王大使はまず、ダルフール地方に
 国連平和維持活動(PKO)部隊を
 派遣することを望んでいると切り出し、
 PKO部隊を「よいアイデアであり、現実的選択」と指摘。
 部隊派遣は「できるだけ早く」実行されるべきだと述べたが、
 引き続いて中国が、PKO部隊の
 派遣を求めた安保理決議の支持を拒んでいる理由を説明した。
 中国が立場を変えないなら、
 ダルフールで何万人もの民間人が死亡する可能性が大きい。
 
 王大使は、
 スーダン政府にまだPKO部隊を受け入れる用意がない以上、
 中国は安保理決議を支持できないと主張した。
 しかし、スーダン政府が部隊の受け入れを拒否している理由は、
 その受け入れを迫る国際的圧力に
 ほとんどさらされていないからだ。
 米国と欧州の盟友諸国は
 スーダンにPKO部隊の入国を認めるよう呼び掛けている。
 だが、スーダンの石油採掘事業に投資し、
 スーダン政府に対して大きな影響力を有している中国は、
 PKO部隊の展開という「現実的選択」をのむよう、
 スーダンに圧力をかけてはいない。
 実際には国連で活発なロビー活動を展開して、
 ロシアが安保理決議を支持するのを阻止し、
 PKO部隊の受け入れを求めるスーダン政府への圧力を弱めた。

 王大使はまた、
 中国政府は安保理決議を原則的に支持したものの、
 「決議を急いで安保理の表決に付す必要はない」と
 考えていたと強調した。
 大使の発言はどうしたら
 「できるだけ早く」部隊を派遣するという表現と折り合うのか。
 それは理解不能なミステリーである。

 王大使は声明の最後の部分で、
 安保理のPKO決議を推進した米英が
 「中国の真剣な努力にまともに注意を払っていない」と
 嘆いて見せた。
 王大使は一体、どんな努力を指しているのだろうか。
 中国が本当にダルフールに
 PKO部隊を展開させたいと思っているなら、
 スーダン政府内の協力者に
 新軍事攻勢の中止と
 国連部隊の即時受け入れを迫るべきである。

   (ワシントンポスト 2006/09/06)


◇中国の責任問うダルフールの虐殺
 
 今後数日の内に、
 中国はスーダンの独裁政権が大量虐殺(ジェノサイド)を
 まんまとやり通せるように
 するつもりでいるかどうかが分かるだろう。

 ニューヨークの国連本部で開かれる一連の会合は、
 国連平和維持(PKO)部隊の
 ダルフール地方への展開を受け入れるよう、
 スーダン政府を説得する最善の、
 そして場合によっては最後のチャンスになる。
 安保理が先月、可決した決議は部隊の派遣を求めている。
 決議はほぼすべての有力国家と
 スーダン政府内の一部勢力からも支持されている。
 しかし、中国はスーダンに大規模投資をしているにもかかわらず、
 孤立したスーダン政府に
 部隊派遣への反対を取り下げるよう迫っていない。
 中国が信頼できる国家と思われたいなら、
 その影響力を行使すべきである。
 
 スーダンの国連次席代表は昨日、
 ダルフールで多数の死者が出ている事態を
 スーダン政府のせいにするのは不当だと主張。
 「ダルフールの武装勢力は本物の犯罪者だ」と強調した。
 しかし、中国指導部は間違いなく
 それがばかげた主張であることを知っている。
 ダルフールの主要な「殺人犯」は、
 政府の武器で武装したジャンジャウィードと呼ばれる民兵だ。
 一方、昨日の世界銀行と国際通貨基金の合同会議では、
 スーダン財務相が
 「ダルフールが必要としているのはPKO部隊ではない。
 水や学校、病院のための資金だ」と述べた。

 だが、ダルフールで
 病院と学校を爆撃しているのはスーダン軍であり、
 ジャンジャウィードは
 井戸に死体を投げ込んで水を汚染している。
 スーダン大統領は「国連PKO部隊の目的は平和ではない。
 スーダンの再植民地化だ」と主張。
 大統領の側近もPKO部隊の代わりに、
 アフリカ連合(AU)の停戦監視部隊の権限を
 拡大する案を示唆している。

 だが、AU部隊は今月末に撤退する。
 中国は国連の決定をねじ曲げたAU部隊の権限拡大を認める前に、
 ダルフールからの報道に目を通すべきだ。
 本紙記者もスーダン政府が、AU部隊のジェット燃料を盗み、
 空軍機に転用していると報じた。
 またジャンジャウィードは最近、
 AU部隊の目前で住民を襲い、
 AU部隊を見下す態度を露骨に示した。

 スーダン政府はAU部隊の作戦能力を破壊しながら、
 その権限拡大を提案しているのだ。
 しかし、AU部隊は大量虐殺が頂点に達した2003年以後、
 最も頻繁になっている民間人に対する空爆の増加を阻止できず、
 ダルフール北部の人道援助活動への妨害も防げないのが実情だ。
 同地方では30万人が食糧援助を断たれている。
 AUはほぼ無意味な存在になっており、
 信頼される国家で国連PKO部隊に代わる選択肢として、
 AU部隊の権限拡大案を
 受け入れることができる国は皆無である。
 中国政府は信頼できる政府なのだろうか。

   (ワシントンポスト 2006/09/19)


国際社会が、ダルフールの惨状に対して取れる手段が
「国連PKO」に限定されている以上は、
常任理事国の一国が現地の犯罪政府に肩入れしているため、
事態の改善などあり得ないだろう。

これが国際社会の現実なのだろうが、
このアジアの隣国が遠いアフリカで行っている、
資源優先外交の罪はあまりにも重い。



関連過去記事

ザンビア:野党候補の「中国排除」発言
 ・・アフリカの一角で嫌中を叫ぶ







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コメント

妥当な結末

どのような結末が妥当なのかわかりませんが、中国人の大量移民があって、革命を起こすことを「おー、こわっっ!!」国連大使を始めとする強面中共外交部は狙っているのかもしれません。「革命の模範」とか何とか言い張って・・・。

中共の正当性を国際的に広める絶好のチャンスと捉えているのかもしれません。何せ、究極の国内対策になりうるのですから・・・。

  • 2006/09/24(日) 07:36:40 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

童謡にもあるよ

またシナか ! 騒動の影にシナの影あり。
ぎりぎりのところで妥協し、PKO派遣に同意。しかしスーダン政府が反対したため派遣はまた先送り。このスーダン政府を陰でコントロールしているのがシナ。
「どんなに上手に隠れても、黄色いあんよがみえてるよ」。図体に比例したでっかいあんよが。。。

一刻も早くシナの犯罪が白日の下にさらされ悪巧みが露呈されることを願います。

  • 2006/09/25(月) 00:23:43 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

米国のソマリア病

> クマのプータロー殿

> 中国人の大量移民

普通のアジアの国であれば
さすがにアフリカに移民ってのは考えられないのですが、
中国なら充分あり得るところが恐いですね。

あっちこっちにローマ軍団のように
チャイナ・コロニーを作りまくってます。
特に今の旬は南米への移住だそうです。
やれやれ (^_^;)


> ジャポネーズ殿

ダルフールに関して
欧米マスコミの対中非難が最高潮に達しつつあります。
特に記事中にあるように米国紙。

米国では黒人系を中心として
ダルフールを救え!というのが
かなり大きな声となりつつあります。
議員連中も動いているようですね。

ただ、ブッシュ政権は国連頼みでしょう。
自前の兵力は底を突いてるし、
ソマリアの二の舞が恐いですから。
あれはほとんどトラウマと化してます。

  • 2006/09/25(月) 01:26:27 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

日本では・・

中国に遠慮して報道しないんでしょうね。情けないですよ

  • 2006/09/26(火) 12:44:18 |
  • URL |
  • SAKAKI #-
  • [編集]

中国はアフリカでは・・

ダルフールに関しては
日本の報道はお粗末すぎます。

1,大量虐殺
2,隣国が大きく関与

この2点がある以上、
もっと大きく伝えないといけません。

中国はアフリカでは手当たり次第ですよ。
かつて米国のカーター政権のデタント時に、
ソ連のブレジネフが調子に乗って
キューバ兵と東独兵を送り込んで、
アフリカをいいように扱ってましたが、
それと似た状況になりつつありますね。

  • 2006/09/27(水) 02:05:44 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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