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グルジアがロシア軍将校を逮捕・・ロシアの諜報工作とグルジアの反撃

ワイン封鎖“冷戦"突入
 グルジア、露将校拘束/露は外交官引き揚げ

 旧ソ連を構成したグルジア当局が、
 ロシア軍人4人をスパイ容疑で逮捕したことから
 両国の対立が急速に先鋭化している。
 グルジア産ワインの全面禁輸など経済封鎖を行うロシアは29日、
 駐グルジア・ロシア人外交官の退避を開始し、
 グルジアに対する圧力強化に乗り出した。
 両国の対立は、緊迫の度を強めている。

 グルジア保安当局が27日、
 ロシア軍参謀本部情報局(GRU)将校4人と
 10人以上のグルジア人をスパイ活動などの容疑で
 グルジア国内で拘束したと公表したことが、
 今回の対立先鋭化のきっかけとなった。

 ロシアのラブロフ外相は28日、スパイ容疑を否定し、
 ロシア軍人の身柄引き渡しを要求。
 グルジア政権の「反ロシア姿勢」が明らかになったと非難し、
 対抗措置をとると述べた。
 ロシア政府系のロシア新聞は、
 両国が「冷戦に突入した」と伝えている。

 ロシア側は29日、特別機をグルジアの首都トビリシに派遣、
 駐グルジア・ロシア大使を召還し
 ロシア人外交官100人を「身の危険がある」と退避させた。
 さらに、対グルジア金融制裁や天然ガスの供給停止などに加え、
 軍事・政治的な圧力を今後さらに強めていく可能性を示唆した。

 また、イワノフ国防相は同日、
 スロベニアで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)との
 国防相理事会終了後の記者会見で、
 グルジアに対し、一部NATO加盟国が
 ロシア製の武器・弾薬をグルジアに違法に売却していると非難した。
 名指しはしなかったが、2004年にNATOに新規加盟した、
 中・東欧など7カ国を念頭に置いたものとみられる。

 これに対し、親欧米派のグルジアのサアカシビリ大統領は
 「(ロシアの)ヒステリーだ」と一蹴。
 ロシア軍人のスパイ活動の証拠だとするビデオテープなどを公表し、
 GRUによる「グルジア政権破壊工作を証明する」と
 一歩も引かぬ構えだ。

 グルジアでは、ロシア語系住民が多数を占め、
 ロシアへの編入を求める南オセチア自治州が
 11月12日に独立を問う住民投票の実施を予定するほか、
 アブハジア自治共和国でも同様の住民投票が検討される。
 同共和国では、ロシアのパスポートが交付されるなどしており、
 グルジア側が「ロシアの内政干渉だ」との非難を強めている。
 ロシア側はこれを否定している。

 これら住民投票では、グルジアからの「独立」支持が
 圧倒的になるものとみられており、
 「独立阻止」を最大の国是とするグルジアのサアカシビリ政権は、
 ロシアとの対立激化の中で正念場を迎えている。

   (産経新聞)


旧CIS諸国の中で
ロシアと一触即発にあるのはウクライナかと思っていたら、
意外や意外、先にグルジアの方に火がついた。

グルジアの現政権は
サーカシヴィリ大統領の親欧米政権。
2003年末から2004年初頭にかけての「バラ革命」で
親露派を蹴散らし、米国のバックアップのもと政権の座についた。

この「バラ革命」に続き、
ウクライナで「オレンジ革命」、
キルギスで「チューリップ革命」などの民主革命劇が起きて
CIS諸国が雪崩を打ってロシア圏から離脱した。

背後にあったのは米国CIAであり、
この渾身の一撃にロシア・プーチン政権は打撃を受けた。

しかし、近年の石油価格の上昇と
国内の秩序安定による大国ロシアの復活で、
グルジアはロシアの圧迫に怯えるようになる。

盟友たるウクライナは
ロシアから天然ガスの値段を上げられ、
先日の選挙では親露派が勝利し、
ユーシェンコ大統領のオレンジ革命は終焉しつつある。

ロシアは今年の3月に
グルジア産ワインの輸入を停止した。
グルジアはワインの産地であり、
その輸出は国家経済を支えている。
そのうち半分はロシアへの輸出であり、
これはグルジアへの死刑宣告に等しい。

そしてロシアは
グルジア国内の少数民族独立運動に火をつける。
上記ニュースにあるように
南オセチアとアブハジアの独立運動であり、
両地方は住民投票によるロシア領編入を望んでいる。

この両地方は
すでに実質上は歴とした独立国家であり、
元首や行政機構、独自の軍隊までを保有しており、
そこにロシア軍が平和維持軍の名目で居座っている。

なすすべもなくロシアに押されてきたグルジアだが、
9月に入ってからにわかに反撃の動きを見せ始めた。

まず、グルジアを強気にさせたのは
今年6月のBTCパイプラインの完成であり、
それまでロシア産・ロシア経由の
石油と天然ガスに頼っていたグルジアが、
これでアゼルバイジャンから直接原油を輸入できるようになった。

そして、9月6日、
親露派のジオルガゼ元国家安全相を国家転覆の容疑で逮捕。
罪状はロシアから資金援助を得て、ロシア諜報機関と共謀し、
政府転覆を企んでいたとのこと。

ジオルガゼの裏にはロシアがいて、
反政府ネットワークをグルジアに張り巡らせていた。
ジオガルゼはかつてのグルジアの諜報機関の長であり、
旧ソ連時代はKGBに属していた。

さらに、この逮捕と前後するように
親露派の野党「正義の党」のメンバーら29人も逮捕。
「正義の党」はジオルガゼとロシアの影響下にあり、
武装蜂起に備え兵器を所有していた。

で、上記ニュースにあるように
今回のロシア軍諜報機関「GRU」将校の逮捕。

この背景にはロシアの諜報工作と
グルジアの防諜組織の死闘がある。
さらに、米CIAや欧州諸国の諜報機関が
グルジアの背後にいて、
情報を提供しているのは間違いないだろう。

このグルジアとロシアの対立は
かなり深刻な様相を帯びている。
ロシアはグルジア内の独立派少数民族に手を突っ込んでいるし、
昨今のプーチン政権の武断傾向から見て、
このままロシアがおとなしく引き下がるのはありえない。

ここでポイントとなるのが欧米諸国の介入で、
彼らがどれだけグルジアを後押しできるかが
この勝負の分かれ道となる。

このグルジアが存在するカフカス地方は民族のるつぼである。
隣のアルメニアとアゼルバイジャンも
ナゴルノ・カラバフ自治州の帰属をめぐって
かつて戦争を繰り広げているし、
そのアゼルバイジャンはイランと犬猿の仲で、
イラン北西部の自国領への併合を目論んでいる。

グルジアの北東部には
あのチェチェン共和国が広がり、
チェチェンからは武装勢力がグルジアに度々侵入し、
国境警備隊との戦闘が起きている。

同時にカフカス地方は
資源の宝庫であり、膨大な石油と天然ガスを産する。
まさに周囲の列強から見れば「おいしい」地域である。

旧ソ連時代に押さえつけられていた民族同士の摩擦と
膨大な天然資源の利権。
この地方は混沌の材料に事欠かない。



関連資料リンク

分離志向の自治州めぐり緊張=グルジアとロシア

緊迫 南オセチア独立問題

「世界の新火薬庫」にロシアはどう向かい合うべきか
 ロシア・カフカス地方とテロ



関連過去記事

ウクライナ:オレンジ連立の崩壊
 ・・ティモシェンコたんの野望は?

対イラン同盟・・イスラエルとアゼルバイジャンが接近中

「BTCパイプライン」出荷開始・・原油輸出とロシア外し

親米欧派連合「GUAM」設立・・4匹の子羊たち






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コメント

グルジアに賭ける

グルジアには確か日本が噛んでいるパイプラインも通っているはずなので、有形無形の協力が出来ます。イランのアサデガン油田は採掘権を事実上放棄したので、中東以外の供給先を確かなものにしておく必要があります。グルジアならホルムズ海峡の封鎖には直接関係ないですから・・・。

  • 2006/10/01(日) 02:21:02 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

サハリンの仇

実はグルジアに対する援助額は
日本は米独に次いで第三位なんですね。
こういうところ日本国民は無自覚だけど、
ロシアにしてみれば
すでに反露包囲網の一角に加わってるわけで。

中国なら無条件に「包囲網形成!」と言いますが、
ロシアは微妙です。
あれが弱くなると中国とのバランスがどうなるか?

ただ、サハリンの仇討はしてやりたいですね(笑)

  • 2006/10/01(日) 02:33:00 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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