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北朝鮮の核実験声明・・その意図と背景

「核実験実施する」北朝鮮外務省が声明 朝鮮中央通信

 朝鮮中央通信によると、
 北朝鮮外務省は3日、声明を発表し
 「科学研究部門で今後、
 安全性が徹底して保証された核実験をする」と表明した。
 北朝鮮が核実験実施に具体的に言及したのは初めて。
 実験の具体的な日時などについては一切触れていない。
 
 米国による金融制裁に北朝鮮が反発、
 6カ国協議が昨年11月以降中断する中での実施宣言に、
 日米韓などを中心に国際社会が強く反発するのは必至だ。
 
 声明は、米国の北朝鮮に対する「孤立圧殺策動」が極限を越え、
 最悪の状況をもたらしていると激しく非難。
 「これ以上事態の発展をただ眺めていることはできない」として
 「自衛的抑止力を強化する新しい措置を取る」とした。
 一方で声明は「絶対に核兵器を先に使用せず、
 核兵器を通じた威嚇や核移転は決して認めない」との立場を示した。

 北朝鮮は昨年2月に核保有を公式に宣言している。
 関連国は北朝鮮の実施兆候を注視するとともに、
 思いとどまるよう説得を強めるとみられる。

   (iza!)


今日はイラク情勢について書こうと思ってましたが、
このニュースが流れたとあっては
こっちを書かざるを得ないでしょう。

確かに驚きですし、
ネット上でも各ブログが大騒ぎしてますが、
ある意味、想定内と言えるんじゃないでしょうか?
逆に「核放棄宣言」された方が
皆さん、ぶっ飛ぶんじゃないんでしょうかね(笑)?

まあ、冗談はともかくとして
以下、情勢を考察します。


<北朝鮮:強硬路線の背景>

過去記事でも何回か触れてきましたが、
北朝鮮と金正日体制の生き残る道は
2つの選択肢しかありません。

1,韓国に赤化工作を仕掛け、
  北朝鮮が主導権を握り統一へ。

2,対外強硬路線による脅しにより、
  周辺諸国から金銭とエネルギーを獲得する。

これ以外にないですね。
改革開放路線は金体制の弱体化につながるし、
中国への過度の傾斜も国家主権を奪われることになる。

まあ、2つの選択肢は
どちらも成功率は低いですが、
客観的に見て、まだ前者の方が
事態打開への可能性は高かったでしょう。

実際、北が本気になって1の選択肢に取り組んでいたならば、
全ての外交上の施策を
「韓国の赤化・軟化」に傾注していたならば、
韓国はやばかったと思います。
国民はすでに軟化してますし、
大統領はあの人ですからね。

しかし、北朝鮮は後者の強硬路線を取りました。
去年末の六ヶ国協議の離脱あたりまでは
両方の路線を取り得る選択上の余裕がありましたが、
今年7月のミサイル乱射で
方向性が強硬路線に定まってしまいました。
もはや引き返せない段階にまで至っています。

では何故、前者を取らずに後者の強硬路線を取ったか?
理由は3つです。

 1,韓国:盧武鉉政権の支持率低下

 2,米国:ブッシュ政権の対北強硬化

 3,日本:小泉政権の対北強硬化

外的な要因が前者の「韓国赤化」路線を諦めさせました。

さらにここに来て
日本は安倍政権の登場です。

小泉政権は「対話と圧力」と言いつつ、
明らかに対話の比重の方が重かったのですが、
7月のミサイル乱射以降、「圧力」にシフトしました。

これが安倍政権になれば
いっそうの圧力が加わるのは間違いなく、
これが彼らを強硬路線に追いやる心理的圧迫と
なっているでしょう。

つまり、日本国民は
どれだけ自覚しているのか知りませんが、
この北朝鮮の「核実験声明」は
安倍内閣の登場が大きな要因となっています。

あと「日中首脳会談」「日韓首脳会談」のニュースも
彼らを愕然とさせたのは間違いないと思います。

あの首脳会談の評価はいろいろ分かれてますが、
こと北朝鮮に関しては
「中韓VS日本」という情勢の転換につながりかねず、
そうとうの衝撃だったのは想像にかたくありません。

それと、中国経済のバブルがはじけそうなことも
北朝鮮を弱気にさせています。
あれがはじけそうであれば
中国は米国に対して強気に出れなくなる。

まあ、そういう様々な諸情勢が
あの声明の背景にあるということですね。


<北朝鮮の意図>

では、北朝鮮は本当に核実験をやるでしょうか?

まず、間違いなくイエスです。
よほどの外的阻害要因、
「中国の強力な圧迫」「米国の空爆」等が起きない限りは
確実にやるでしょう。

ただし、今回の声明後に即やるかどうかは分かりません。
やるかもしれないし、やらないかもしれない。

何故なら彼らの目的は、核実験そのものではなく、
それに伴う政略的効果だからです。

まず、米国の譲歩を勝ち取り、
米国の経済・金融制裁を緩和させること。
さらに核実験による国家的威信の増大。
この2つを彼らは欲しています。

もはや彼らに手持ちのカードは少なくなっており、
実際に核実験をやってしまったら、
後は切れるカードは残りわずかとなってしまいます。

だから、まず「核実験声明」で周辺国を脅しておいて、
それが思ったほどの効果を生まなければ
実際に「核実験」に走ると。
おそらくこういう流れでしょう。

よって、今回の声明後に
即、核実験をやるかどうかは分かりませんが、
段階的に数ヶ月から半年程度の月日を経て
最終的には核実験をやるのは確実でしょう。

彼らの崩壊寸前の国家体制・社会構造と、
夏の豪雨による被害や穀物の不作を考えるならば、
おそらく猶予があっても数ヶ月から半年。
それ以上延ばすことなく、
核実験のカードを必ず切るでしょう。

さて、「核実験の声明」や「核実験」で
北朝鮮が当初の目的を達成できなかった場合、
次に何が待ってるかというと、
それ以上の強硬路線が待っています。

彼も馬鹿じゃないので
やる以上は効率よく、最小投資の最大効果を目指すでしょう。

北朝鮮から見て、
この自国を取り巻く「国際的包囲網」の弱い部分はどこかというと、
韓国と日本です。

韓国は最近、北朝鮮に対して軟化しており、
また、北との戦争や
北朝鮮の崩壊を避けたい心理を持っています。
北朝鮮はそれをよく知悉しています。

また、日本は小泉内閣や安倍内閣の登場で
北朝鮮に対して硬化しているものの、
外交力は弱く、国家の防衛体制・法整備は欠陥だらけです。
さらに国家的意思として、
「国を守る」という発想に欠けています。

北朝鮮としてはこの両国にターゲットをしぼるでしょう。
考えられるオプションとしては、

 1,38度線でわざと紛争状態を引き起こし、
   大軍を張り付かせて南侵の構えをとる。
   韓国との間に緊張状態を作り出す。

 2,竹島近辺で日本と紛争状態を作り、
   猛烈な対日非難を行いつつ、
   韓国世論を煽って味方につけよとする。

こんなとこでしょうかね。

北朝鮮は「強硬化エスカレーター」とでも呼ぶような、
もはや後戻りの出来ない路線に乗っかって、
段階的に強硬事案をぶちかましつつ進んでいくでしょう。


<米国の戦略>

この北朝鮮の強硬路線に対して米国はどう出るか?

彼らの対北戦略には2つのオプションがありました。

 ◇小目的:北朝鮮に核を放棄させる。

 ◇大目的:北朝鮮の崩壊、金体制の打倒。

出来れば「大目的」まで達成したいが、
困難なようであれば最低限「小目的」の達成にとどめる、
という発想です。

しかし、最近、米国の国策は転換を始めてます。
それは、米国は過去の対北朝鮮外交の教訓として
核と金正日体制を切り離して考えることは
不可能だということが分かってきたからです。

北朝鮮という国において
「核だけ放棄」ってのはあり得ないんですね。
何故なら金正日は、核の放棄は
外国勢力の侵攻につながると思っているから。
自分の首を保証するのが
強大な軍備と核の存在だと思っているから。

だから核だけ放棄ってのはあり得ない。
つまり「核=金正日体制」というわけです。

結局、最終的にはどういう手段であれ、
金体制の崩壊にまで突き進まなくては核問題も解決しない。
これが分かってきました。

もし、北朝鮮が核実験に至れば、
国際秩序の基軸である米国としては
急進的に金体制を崩壊させることを考えるでしょう。
それが覇権国家の威信ですし、
それが出来きなければ
世界的な核の拡散が「流行」となるでしょうから。

では、どうやって崩壊させるのか?
米国として最善の選択は
今の経済・金融分野の締め付けをさらに強化して
金体制を崩壊させることです。
これが最善です。

北が核実験をすれば
中国もまた北朝鮮に対して硬化しますから、
米国も中国の協力を取り付けやすくなります。

ただ、これで崩壊の見込みがたたないのならば、
次善の選択として米国は軍事力の行使を考えるでしょう。
オプションとしては空爆による金正日の抹殺や、
軍事基地・核施設・国家経済の要となる施設の破壊、
などです。

最善は「包囲網の形成による自壊」
それが無理そうならば
次善として「軍事力による攻撃」
この位置づけでしょう。


さて、いろいろ書いてきましたが、
北朝鮮情勢は、さらに「中国」「韓国」の要素があり、
これも加味して書きたいとこでしたが、
膨大な長文になりそうなので
また後日に譲ります。

どのみち、この情勢は落ち着きそうもなく、
書く機会はいくらでもありそうですから。



関連過去記事

北朝鮮:核実験の徴候・・強攻策と国家の命運

北朝鮮の集中豪雨:死者2万人・・飢餓と闇社会の増殖

中国の北朝鮮説得は成功するか?・・現情勢の構造解説

韓国:媚朝の盧武鉉政権、窮地に・・ミサイル乱射の余波

日本の国家戦略と中朝の離反





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コメント

金氏朝鮮に望むこと

金氏朝鮮(byいしいひさいち)には、日本に対する軟化工作をやろうという機運はありませんかねぇ・・・(^^;。

拉致を認めたんだから、拉致のすべてを公開して被害者を帰す所までやれば、日米に非常に有力なくさびを打ち込むことになりますし、有効な国内政策を打ち出せない安部政権の命運もこれにより尽きることになります。

日本に尻尾を振ることが日米分断、日本の国内世論分断に何よりも有効なカードとなると思うんですけどねぇ・・・。どのみち、米中で手打ちが成立したら終わりなんですけど・・・。まさか、パン事務総長に期待しているんでしょうか・・・?

  • 2006/10/04(水) 10:55:26 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

金ちゃん重病説までありますね。
いったいどこにいるのやら

  • 2006/10/04(水) 21:18:03 |
  • URL |
  • SAKAKI #-
  • [編集]

土壇場の急展開も・・

> クマのプータロー殿

> 金氏朝鮮

いい表現だなあ。
使わせてもらいます m(__)m

> 日本に対する軟化工作をやろうという機運は

難しいですね。
ここまで世論が北朝鮮に対して悪化してる以上は、
拉致絡みで軟化させることは無理でしょう。

と、北朝鮮も見てると思います。
だからこそ、彼らも拉致では譲歩しないんでしょう。

むしろ彼らの視点としては
軍事的な剣を突きつけることによって
日本の譲歩を引き出すという発想の方が強いでしょう。


> SAKAKI殿

> 金ちゃん重病説までありますね

あと、金ちゃん亡命説も某メルマガとかから出てますしね。

正直、ここまで事態がヒートアップすれば
何があってもおかしくありません。

日本の幕末などもそうですが、
思いがけぬ急展開ということが
往々にして起こりがちです。

歴史が煮詰まり最後の土壇場になると
想像もつかない展開が生じることが多いです。
人心が沸騰するからでしょうね。

  • 2006/10/06(金) 01:29:40 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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