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台湾の歴史教科書事情・・李登輝氏と「認識台湾」

メルマガ「台湾の声」の10月3日号に
台湾の歴史教科書に関する記述が載ってました。

 2003年から検定制度を導入し、
 高校生の場合、高1前期で台湾史、後期で中国史、
 2年生で世界史、3年生は自由選択となっている。
 高校の歴史教科書で台湾史は、
 第1期が石器時代から清朝時代前まで、
 第2期が清朝時代、第3期が日本時代、
 第4期が戦後という区分になっている。

 日本時代はインフラ等が整備されたことを十分に記述し、
 画期的なことは年代表記に元号を用いたことだ。
 2006年度使用の中には19代の台湾総督全員を
 写真入りで説明する教科書もある。

これに興味を引かれましたので
台湾の歴史教科書に関していろいろと調べてみました。


前大戦後の国民党統治下では
台湾の歴史教科書はイコール中国史であり、
これが自分たちの歴史という編集方針だったようです。

まあ、蒋介石以来の国民党の発想を考えれば
当然という気がしますね。

ところが、李登輝氏が総統になって、
1997年に「認識台湾」という、
中学生用の国定教科書を作ったことから事情は一変したようです。

台湾本島の歴史について解説し、
日本統治時代に関しても感情を入れずに
客観的評価に徹しました。

以下、産経の過去記事から
杏林大の平松茂雄教授と
拓殖大の藤岡信勝教授の2つ文章を引用します。


◇刺激的な台湾の歴史認識

 これまで台湾で使われていた『歴史教科書』は
 三冊からなっているが、中国大陸の歴史であり、
 台湾に関する記述はほんのわずかしかない。

 これに対して『認識台湾』は「先人が台湾を開発した史実を認識し、
 団結協力の精神、郷土を愛し国を愛する情操を養い」、
 「台湾の文化資産に対する理解を強化させる」と指摘し、
 「台湾史の明瞭な特色」として、多元的な文化、
 対外関係の緊密さ、国際貿易の隆盛、冒険奮闘の精神をあげている。

 次に全百十六頁のうち、日本植民統治時代が二十九頁、
 中華民国の台湾での政治変遷が二十八頁と、
 近・現代史が合計五十七頁で、全体の半分近くを占めていて、
 この教科書の編集意図がどこにあるかを明確に示している。
 筆者の関心もそこにある。

 『歴史教科書』では、日本統治時代に、
 「台湾の人々は政治的に差別され、経済的に搾取され、
 法律も不平等であり、かつ愚民教育を受けてきた」
 というものであった。

 『認識台湾』では、
 日本の台湾領有とそれに対する台湾人の抗日活動、
 日本の植民地経営・政策あるいは同化政策・皇民化政策と
 それに対する台湾人の抵抗運動が記述されているが、
 他方で日本統治時代が台湾の発展に与えた意義について、
 肯定的に記述されている。

 土地制度の改革、貨幣と度量衡の統一、
 交通・郵便・通信施設の整備、人口調査の実施、
 農業改革による水田面積の増加と二毛作の普及、
 蓬莱米の育成による水稲生産の飛躍的増産、
 八田与一が設計建設した貯水池と灌漑施設、製糖業の発展、
 日中戦争以後における日本南進基地としての重化学工業の発展。
 そして何よりも台湾の近代化を支えた教育の普及、
 社会教育方式による日本語の普及であり、
 四〇年には学齢児童の入学率は六〇%、
 終戦時の四五年には八〇%に達し、
 また日本語を理解する台湾人は統治時代末期は七五%を越えた。

 この点について『認識台湾』は、
 「日本語は台湾人の生活言語にはならなかった」。
 「台湾人は終始日本語を外国語とみて、
 日本語を学んでも同化されることはなかった」と記述しながらも、
 続いて「日本語は台湾人にとって
 近代化された知識を吸収する主要な手段となり、
 台湾社会の近代化を促進した」と評価している。

 また高等教育について、
 「台湾人子弟に人文学科を学習することを奨励せず、
 公学校(台湾人向け小学校)の教師を養成する師範学校と
 医師を養成する医学校を重点とした」。
 教師と医師の社会的地位は高かったので、
 二つの学校は長期にわたって激しい競争が存在した。
 さらに植民地統治初期から多数の学者、専門家を招聘して、
 台湾の自然環境と社会の科学的な調査研究を行い、
 近代台湾の学問研究の基礎を築いた。

 『認識台湾』は総督府の政治を「典型的な警察政治」と捉え、
 総督府が清朝時代の保甲(隣組)制度を利用して、
 台湾人を監視し、諸々の活動に動員したと記述しているが、
 他方台湾人の間に時間と法律を守る観念、衛生観念を確立した。
 
 日本統治下の台湾では、集会、講演、誓願、抗議行動などによる、
 植民地政治の改革を要求した政治改革運動が行われ、
 台湾人に自治、普通選挙、参政権など
 民主政治の基本観念を普及させたとか、
 出版物の刊行、各種講習会・文化講演会などによる新知識の普及、
 各地を巡回する演劇、映画、音楽会などによる、
 民衆の啓蒙などが行われたなど、
 台湾人に対する法律上の差別を記述しながらも、
 台湾は植民地統治下での法治社会であった事実が記載されている。

 『認識台湾』は
 「台湾人の台湾」を目指す李登輝政権の歴史観に基いて、
 日本の植民統治の功罪を問い直す試みであり、
 過去の日本の歴史を一律に否定してやまない、
 わが国の自虐的歴史観に対して、重要な問題を提起している。

   (産経新聞 1998/10/24)


◇大陸とは一線画す台湾の歴史教科書

 李登輝氏が台湾人初の総統として登場してから、
 状況は大きく変わり始めた。
 教育の「台湾化」の流れの中で、国民中学一年の教育課程に
 「認識台湾」(台湾を知る)という科目が導入された。
 その歴史編で、台湾史が初めて系統的に学べるようになった。

 この科目が導入される背景について、
 私は六年前に台湾師範大学の王啓宗教授から話を伺う機会があった。
 「認識台湾」という科目の成立には、
 意外にも日本の郷土史が関係しているというのである。

 王教授は台湾の文化財保護の審査委員を委嘱され、
 日本に視察旅行をする機会があった。
 そこで、日本の各地で小中学生用の郷土史の副読本が
 盛んに編纂されていることに気づく。
 これは王教授に一つのヒントとなった。

 台湾でも郷土史としてなら
 台湾史を学校教育の中に取り入れることができるのではないかと。

 台湾がまだ名実ともに
 独立国家となり得ていない政治体制の下では、
 首都はいまなお南京であるという建前が残っている。
 そうした中で「台湾史」を系統的に教える方法は、
 郷土史として教育課程の中に導入することだった。

 『認識台湾』は日本統治時代の歴史を
 冷静、客観的に評価する記述が話題となり、日本語にも翻訳された。
 この教科書に、台湾総督以外でただ一人登場する日本人の名前がある。
 それが「八田ダム」を建設し、十五万ヘクタールの耕地を造成して、
 「嘉南大●(たいしゅう)の父」とも呼ばれる
 日本人技師・八田與一である。

 私は昨年の暮れ、
 自由主義史観研究会の台湾研修旅行の一環として
 台湾師範大学を訪問し呉文星教授と面会した。
 呉教授によれば、『認識台湾』には
 大陸との統一を目指すグループからの批判もあった。
 しかし、教育現場からの批判の声はほとんどなく、
 台湾の教師たちはこの教科書を受け入れたという。

 『認識台湾』は、
 一九九七年から二〇〇一年までの五年間、
 国定教科書として全国の中学生が学習した。
 その後、台湾では検定教科書制度に変わったため、
 現在は民間会社が発行する六社の教科書が使われている。
 しかし、それらはいずれも『認識台湾』の記述をベースとしている。
 『認識台湾』は過渡的な役割を十分に果たしたのである。

 十二月初めには「台日民主教育交流訪問団」と
 「新しい歴史教科書をつくる会」の役員との懇談が東京で開催された。
 この席で、台湾教授協会会長の戴寶村団長は、
 今年の九月の新学期から使用される高校段階の
 「台湾史」教科書九冊を検定中であり、
 その中には、十九代にわたる台湾総督の全員の氏名と
 顔写真を掲載しているものがあるという事実を明らかにされた。

 戴氏は、日本統治時代の記述見直しが
 中学校用の『認識台湾』のころより
 さらに前進していることを日本の関係者に知ってほしいと強調した。

 ●=土へんに川

   (産経新聞 2006/02/05)


「認識台湾」には
日本統治時代に得た良い点として

 1、時間厳守

 2,遵法精神

 3,近代的衛生

この3つの概念が記述されました。

確かにこれは近代国家の基となる概念だし、
ある意味、日本人の長所の部分ですね。


この「認識台湾」を調べてて
現在の日本の自虐的歴史教科書と比較して
複雑な気持ちにさせられました。

それと、やはり政治家次第で教育も変わるということですね。
歴史教育が自虐のまま放置されているのも
日本の政治家の「罪」だと思います。
あれは長い目で見ると
国家の未来にそうとうのマイナスの影響を与えるでしょう。

逆に、台湾の教科書は1997年から舵を切ったわけで
将来的に良い影響を与えていくでしょう。
先行きが楽しみですね。



メルマガ:台湾の声






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