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北朝鮮情勢:中国の戦略転換と「北朝鮮船舶への臨検」

唐特使とブッシュ大統領、対北「措置」で一致

 中国国家主席の特使として訪米した唐国務委員は12日、
 ホワイトハウスでブッシュ大統領と会談し、
 核実験の実施を公表した北朝鮮に対して
 「強力な措置」が必要との認識で一致し、
 事態の外交解決をめざす方針を確認した。
 
 唐氏は、ライス国務長官、
 ハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)との会談に続き、
 ブッシュ大統領と約30分会談。
 この中で朝鮮半島の非核化を求める原則などに触れた、
 胡錦濤国家主席のメッセージを米側に伝えた。
 
 この中国側からのメッセージについて、
 クラウチ米大統領副補佐官は記者団に対し、
 「北朝鮮を積極的な協議の枠組みに引き戻すため、
 強力な措置が必要であることに合意する内容だった」と語った。
 
 訪米を終えた唐氏は記者団に、
 「朝鮮(北朝鮮)の核実験に対して、
 国連安保理を含む国際社会は厳しいシグナルを発し、
 強い批判を加える必要がある」と語り、
 国連安保理での北朝鮮向け制裁に賛同する姿勢を示した。

   (iza!)


中国の北朝鮮に対する戦略方針が転換を始めたようですね。

おそらく中国は両睨みだと思います。
北朝鮮に対する一定レベルの制裁に同意することによって、

1,北朝鮮が制裁に音を上げて中国に泣きついてきたら、
  すかさず北朝鮮へのコントロールを強め、
  六ヶ国協議に北朝鮮を引きずり出して核を放棄させる。
  そして、米国と国際社会に対して中国の威信を誇示する。

2,北朝鮮がこのまま自壊するか、暴発すれば、
  後継の傀儡政権を樹立し、南北分断の固定化を図る。

制裁に悲鳴を上げて中国の懐に飛び込んで来るも良し、
制裁に負けて壊れるも良し、
どっちに転んでもかまわないということでしょう。

ただし、中国としては、これは一種の賭ですが
前者の方向性を望んでいると思います。

後者は情勢が流動化し、どこに終着するのか
先行きが読めなくなる恐さがあります。
リスクが大きすぎるんですね。

ただし、私の予想では前者はあり得ず、
中国のこの路線の転換は
北朝鮮崩壊に拍車をかける結果となるでしょう。


さて、日本も国連による制裁のみならず、
独自の制裁措置を着々と打ち出しています。

北朝鮮はこれに神経を尖らせ、
「日本の制裁は厳しすぎる」などと言っています。
妙なセリフですが(笑)。

北朝鮮「日本の制裁は厳しすぎる」

では、事態がこのまま進展すればどうなるか?

ここで北朝鮮の視点で情勢を俯瞰してみましょう。

このまま北朝鮮が制裁に音を上げて、
六ヶ国協議に復帰したと仮定してみます。

協議の場では他の諸国から核の放棄を迫られるのは明白ですが、
北朝鮮の発想からしてこれを飲むとは到底思えず、
また、米国もこれを許容せず、
韜晦戦術として六ヶ国協議復帰をほのめかすことはあっても
本気で復帰することはありえないでしょう。

北朝鮮は日米の本音が金体制の崩壊であることを知っており、
六ヶ国協議で核を放棄すればその後は無理難題を言われて、
外堀を埋められた大坂城の如く、
必ず潰されるという暗い予感にとらわれていると思います。

何故なら北朝鮮は米国の最も嫌う人権弾圧独裁国家だからです。
よって彼らの視点から見れば
「六ヶ国協議+核放棄」は最悪の愚策であり、
このシナリオを選択することはあり得ません。

では、どうするか?

おそらく、北朝鮮は今まで以上の強硬措置を取るでしょう。
いわば「瀬戸際戦術」のグレードアップです。
人的損害を恐れる西側諸国の通弊を突いて、
彼らは軍事的な摩擦・紛争を積極的に仕掛け、
日米韓から妥協を引き出そうとするでしょうね。

この状況に立って
日米主導の制裁措置・包囲網の強化策を考えてみると、
この制裁措置の中で最有力視されている「北朝鮮船舶の臨検」が
極めて可燃性の高い危険手段であるということに
気づかされると思います。

今の状況から行くと
臨検は米軍主体で、自衛隊が後方支援となるか、
あるいは臨検に海保あたりが加わることも考えられます。

この臨検が発火点になる可能性は高いですね。
で、日米政府は薄々、
そこらへんの機敏は承知してるでしょう。
「おそらく、北朝鮮は反撃するだろう」と。

そうなったところで、
これまた「北朝鮮の暴力行為」ということで
国際社会は猛非難を浴びせ、
中国は北朝鮮といっそうの距離を取らざるをえなくなり、
韓国の盧武鉉政権の親北路線はますます影を潜め、
制裁と包囲網は強化され、
限定的な空爆すら国連制裁の枠組みで可能になるかもしれません。

日米の思惑はここにあります。
これはこれで冷徹でシビアな戦略ですし、
私はこの方向性は正しいと思っています。

ただし、願わくば
海保に臨検をさせるのはやめてほしいですね。
貧弱な武装しか持たない海保が可哀想です。
「犠牲の子羊」になれと言ってるようなものです。

海自の護衛艦に警戒を厳重にさせた上で、
米海軍と緊密に協力して臨検を行うべきです。


歴史を振り返ってみると
国家や組織の運命を決するような緊迫した局面においては、
しばしば信じられないような状況、
予想もしなかった「どんでん返し」のような出来事が
群がるように起こり始めます。

これは時勢の緊張化によって
人の心が沸騰するからでしょうが、
北朝鮮情勢もいよいよその局面に入りつつあるように思えます。

日本政府は、予想外の出来事、
いかなる想定外の状況が起きても対応できるように、
戦術上の柔軟性を確保しておくべきです。

具体的に言うと、
法の枠組みと組織の硬直化が
国策の選択肢を縛らないように事前に整理しておくべきです。

法に関しては短期間では間に合いませんが、
組織に関しては新内閣が発足して間もないですから
まだまだいじることは可能です。

緊急時には、大規模な組織は小回りがきかず、
初動が遅れがちとなります。
あらかじめ少人数の選抜チームにより、
情勢の分析、対策の確定、行政措置の実施が出来るように
システムを整備しておくべきです。

この意味からすれば、
安倍内閣の官邸機能と補佐官制の強化は
時宜にあった措置といえるでしょう。



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コメント

北鮮の制裁

日本の制裁に対する北鮮の対応とは具体的には何になるんでしょう?

北鮮とアメリカが直接交渉するとか?

  • 2006/10/14(土) 07:51:00 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

軍事的な対抗措置

> 日本の制裁に対する北鮮の対応とは具体的には何になるんでしょう?

軍事的な対抗措置でしょう。

臨検船舶に対する妨害・攻撃。
工作員による国内施設の破壊。
あと、大規模なサイバー攻撃とか。

緊張を煽り、かつ、アピール効果の高いやつになるでしょう。


> 北鮮とアメリカが直接交渉するとか?

当面は無いと思います。
水面下の秘密チャンネルでの交渉は別として。

やるとすれば
北朝鮮が米国に「城下の盟」を誓う段階です。

  • 2006/10/15(日) 14:40:11 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

韓国では退避訓練が行われたようですが、日本では国民レベルでは何もせず、傍観でしょうか?
シナでは防護フェンスを設け、難民の流入を阻止しようとしてます。さらに中朝国境に虎の保護という名目で620頭を、放す計画もきかれます。
虎の保護より朝鮮人難民対策として、シナが広大な土地の一部を国連に提供し、国連が難民受け入れ施設を作り保護できるといいのですが。東アジアのリーダーたらんとするなら、シナには是非寛大な度量をみせてほしいものです。   まぁしないでしょうね。。

  • 2006/10/17(火) 01:43:37 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

もっと訓練を。

> 韓国では退避訓練が行われたようですが

これは年に二回の恒例の訓練ですね。
核実験を受けて急遽のものではありません。

日本も四国では自衛隊や警察レベルでは
武装ゲリラへの対破壊工作の訓練をやったようですね。

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20061013000294

この種の訓練を大いにやってほしいものです。

> 中朝国境に虎の保護という名目で620頭を

これ、マジですか?
中国人はやることが強烈だなあ (ーー;)

中国は難民対策が頭が痛いでしょう。
おそらく、その種の対策なんて
ほとんど経験が無いでしょうから
ノウハウ自体持ち合わせてないでしょうね。

  • 2006/10/17(火) 01:56:27 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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