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半島情勢の混迷と韓国の選択・・北崩壊と統一

韓国:安保理決議と開城・金剛山は無関係、統一部当局者 
 
 統一部当局者は15日、
 国連安全保障理事会による北朝鮮制裁決議と関連し、
 決議と開城工業団地、金剛山観光事業は無関係だとの見方を示した。

 同当局者は非公式の説明として、
 決議が資金と金融資産などを凍結するようにしているのは
 大量破壊兵器に関連したもので、
 金剛山観光と開城工業団地はこれと関係がないためと述べた。
 このため、今後韓国政府が取る対応では、
 対象に金剛山観光と開城工業団地は含まれない見通しだ。
 ただ、開城工業団地の追加分譲など
 事業拡大に向けた措置は当面厳しくなりそうだ。

 また、南北間の一般的な貿易についても、
 通常の商取引に当たるため決議とは関係ないとしている。
 ただ決議に伴う輸出入禁止品目が定まっておらず、
 大量破壊兵器と関連した個人や団体なども指定されていないことから、
 状況を見守る必要があるとしている。

   (YONHAPNEWS)


北朝鮮の核実験以来、韓国の朝野がもめています。

盧武鉉政権は周章狼狽し、
保守系マスコミは「それ見たことか!」と政府を突き上げ、
一方、左派団体は「こうなったのも米国の責任」と
ワケの分からない論理で反米デモを行っています。

今日はこの混迷する韓国情勢について書きます。


<金剛山観光と開城団地>

上記ニュースの
韓国の太陽政策の目玉である「金剛山観光」と「開城工業団地」。
核実験当初は韓国政府も
この2事業を中止しそうな事を言ってましたが、
時が経つにつれて継続の方向に傾いてます。

「金剛山観光」とは
韓国の現代グループが主導しているプロジェクトで、
北朝鮮領内の名山である金剛山を観光地化し、
韓国から観光客がどっと押しかけるというプロジェクトです。

これに伴い、現代グループは北朝鮮に巨額の「入山料」を払い、
また、観光客が現地に多くの外貨を落としていきます。

開城工業団地に関しては以前に記事にしたことがあります。

北朝鮮のドル箱「開城工業団地」

韓国と北朝鮮のタイアップ事業で
北朝鮮領内の都市「開城」に
韓国の資金により大規模な工業団地を造り、
ここに韓国企業を誘致し、
現地の北朝鮮人労働者を雇うというものです。

現在、この工業団地は
まだまだ始まったばかりのテスト段階で、
少数の韓国企業が進出しているに過ぎません。
これから大がかりな造成と開発を繰り返し、
最終的には2012年までに、800万坪の工業団地と
周辺の新都市など総計2000万坪を開発、2000社を誘致し、
労働者70万人の大規模団地へと進化させる予定です。

この工業団地の眼目は
韓国の「太陽政策」の「β版」の位置づけだということです。

太陽政策とは単純に言っちゃえば、
韓国にとって貧しい北朝鮮と一緒になるのは
負担が大きくて嫌です、と。
だから、徐々に北朝鮮の成長を促し、貧乏じゃなくなった段階で
お互いに平和統一しましょうねという発想です。

これを遂行するための前段階として、
まず、韓国の資本と北朝鮮の低賃金労働力を合体させて、
安価な産業製品を作り、国際市場で大いに儲けましょう、と。

韓国企業は安い北朝鮮の労働力を使って安価な製品を作り、
北朝鮮人は韓国企業を通して外貨で給料をもらい、
双方両得で互いに発展しましょうね、と。
北朝鮮も貧乏じゃなくなるから統一できるね、と。
こういう経済戦略が根底にあるわけです。

その戦略の先駆け的なプロジェクトとして
この「開城工業団地」が存在するわけですね。

韓国は各国とのFTA交渉の際には、
必ずこの開城団地産の製品を
「韓国製品と認めるように」と交渉をしています。
「北朝鮮製」と認定されると
制裁などの絡みで輸出できなくなる恐れがあるからです。
すでにシンガポールなどはこの主張をのみ、
韓国製品として扱っています。

まあ、こんな壮大な夢と希望に燃え立つ工業団地なわけで、
太陽政策を推し進める盧武鉉政権にとっては重要施策の一つです。


さて、この「開城」と「金剛山」の2つのプロジェクトを
日米両国から見たらどうなるか?

北朝鮮への制裁・封鎖を進める日米にとっては、
これは許し難い利敵行為です。
このプロジェクトを通して
北朝鮮に外貨が流れ込むわけですから。

南北貿易12%増、開城工業団地が2割占める

開城工業団地事業、北朝鮮に2800万ドルの支払い

北朝鮮の金剛山観光収入、2年間で76%増加

すでに北朝鮮の核保有宣言の時から、
米国議会では、このプロジェクトを中止するように
韓国に圧力をかけるべきだとの主張がありました。
また最近では、開城工業団地での
北朝鮮労働者の労働環境が劣悪なのではないかと、
米政府がイチャモンをつけたりしてました。

開城工業団地に疑問持つ米国人多い

しかし、韓国政府はひるみません。
米国の陰に陽にの圧力も跳ね返して
2つのプロジェクトを押し進めてきました。

そして、ここに来て北朝鮮の核実験が起きました。

当然ながら、日米の目は
この開城工業団地と金剛山観光事業に注がれます。

また、韓国の省庁内にも
この2つのプロジェクトの可否について
かなりの激論が交わされているようです。

大統領府・統一部、核対策めぐり他省庁と意見対立

最終的には盧武鉉の判断でしょうが、
韓国の統一部は盧武鉉の側近の牙城ですから、
統一部の高官が事業の存続に言及している以上、
それが韓国政府の最終決定となる可能性が高いですね。


<北崩壊と韓国の選択>

さて、ここで「韓国の国益」の観点から
現在の半島情勢を考察してみましょう。

私はここ数日の過去記事で書いたとおり、
もはや北朝鮮の崩壊は避けられないと見ています。

よって、韓国政府は「北崩壊」を前提として
国家戦略を転換すべきです。
もはや太陽政策など意味がありません。
壊れた中古品の如く捨て去るべきです。

北崩壊後の北朝鮮情勢は
予測として3つのパターンがありえます。

 1,韓国による統一

 2,金正日政権の崩壊と中国支援による後継政権の樹立
   中国による北政権の傀儡化
   南北分断状態の固定

 3,中国による半島北部の直接統治

この3つの選択肢を前にして
韓国としては、どれを望むべきか?

結果、精神的には1ですし、
実利的にも消去法で1が選択されるでしょう。

1は、貧しい北朝鮮を呑み込むことにより、
韓国の国力に多大な負担を背負わせますが、
2と3よりはマシでしょう。

2と3とは一言で言うならば
「半島北域が中華圏に呑み込まれる」ということです。

北朝鮮という国家は、
今回の核実験でも分かるとおり、
中国の多大な影響を受けつつも、
根本においては中国の容喙を許しません。

かつて米ソ冷戦時代には
金日成は「ソ連」と「中国」という二人の親分を
それぞれ天秤に掛け、両国を競わせることにより、
双方から援助を引き出していました。
ここらへんの芸当は見事なものでした。

そしてソ連崩壊後は親分は中国のみとなりましたが、
決して国家主権の核の部分は譲ることなく、
独立国家の構えを維持してきました。

ところが、北崩壊後に、
中国の傀儡政権が樹立するか、
半島北域が中国の直接統治下におかれれば、
韓国は半島南部のみで中華圏と直接対峙することになります。

また、韓国の国是である民族の統一は
かなり先に遠ざかるか、
あるいは永遠の夢幻と消え去るでしょう

これは非常にまずい事態であり、
それを防ぐためにも
韓国は積極的に統一の方向に動く必要があります。

これを成すにあたって必要なことは、

 1,日米との同盟関係の緊密化
   日米両国に統一を後援させる。

 2,半島北部の主権が韓国にあることを声高に訴え、
   中国を牽制する。

 3,韓国軍の北進体制

 4,統一後の見取り図を描く。
   プロジェクトチームを作り、シミュレーションを行う。

この4つでしょうね。

この観点に立つならば
上述の「開城団地」と「金剛山」の継続などは
まさに愚の骨頂でしかありません。

単純に投資が無駄になるばかりか、
日米両国との乖離を生んでしまいます。
特に開城団地プロジェクトを今後も推進すれば、
米韓同盟は半ば崩壊するといっていいと思います。


<韓国の国家戦略と海洋パワー>

現在の半島情勢を俯瞰するにあたって必要なことは、

  「中国の百数十年ぶりの復活」

この事実ですね。

東アジアの巨大パワーが
百数十年ぶりに復活しつつあるということです。
韓国の国策もこれを前提にすべきです。

過去の歴史を振り返り、
大陸から巨大な文明の恩恵を受けつつも、
国家主権を侵害され続けてきた歴史を想起すべきです。
こういう過去のパターンの再現は
韓国国民は決して望まないでしょう。

しかし、この百数十年ぶりの中国の復活と同時に
韓国人が考えるべきことは、
ここ百年間の日本の興隆、
そして英国及び米国などのアングロサクソンパワーの来航です。
これが過去の李氏朝鮮以前の歴史と異なる部分ですね。

つまり、韓国にとっては
大陸パワーのみならず、
それに拮抗するか、それを上回る海洋パワーが
南方に生じたという現実を直視しなければなりません。

よって韓国が
この北朝鮮情勢の混沌を前にして考慮すべきことは、
ある意味、単純な話しなんですが
過去の軍部政権時代の国家戦略に立ち返ることです。

つまり、海洋勢力の後援を得て半島を統一し、
大陸勢力と対峙するという、
実にオーソドックスな戦略に戻ることです。

あれが真っ当な戦略だと思います。



関連過去記事

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