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日本企業の対中投資が冷え込み・・熱狂と成長の終焉

「世界の工場」に異変 1~10月 日本企業の対中投資30%減 
 
 日本企業の対中投資が減少している。
 中国商務省が28日までにまとめた、
 海外からの対中直接投資統計(実行ベース、金融を除く)によると、
 日本からは今年1~10月で
 37億1180万ドル(約4343億円)と、
 前年同期に比べて30%以上の大幅な減少となった。
 今年は通年でも4年ぶりにマイナスとなる見通しだ。

 日本の対中投資は大型案件がほぼ一巡したことに加え、
 地価の上昇や最低賃金の引き上げなど人件費も高騰。
 コスト増への懸念から、
 「世界の工場」としての魅力が失われつつあるという。
 さらに、中国一極集中のリスクを避けるため、
 企業がベトナムやインドなども加えた「チャイナ・プラスワン」に
 海外投資戦略をシフトさせていることも背後にありそうだ。

 さらに2010年を最終年度とする中国の第11次5カ年計画で、
 外国投資受け入れ指針として
 ハイテクや環境保護、省エネルギー、
 内陸部開発などの案件を優遇すると定めるなど、
 投資内容を選別するようになった中国政府側の事情もある。

   (FujiSankei Business i.)


熱狂も冷めつつあるようです。

日本企業の過熱気味だった中国投資の要因は、

1、人件費が安いこと

2、巨大な市場としての魅力

3、マスコミの煽り

この3本柱。

今や、1の神話に翳りが生じ、
2は意外に商売が難しいことが理解され始め、
3は、むしろ中国進出に警告を発する情報が増え始めた。

特に先年の反日暴動の衝撃は大きかった。
あれだけ映像でかの国の実情と反日憎悪を見せられると、
「でも、進出するよ」などという企業は
頭がおかしいんじゃないかと思えてしまう。

中国進出を煽っていた日経も
あのあたりでトーンが変化し始め、
対中投資の薔薇色の夢を高らかに歌い上げることもなくなった。

中国の暗部に関する報道がどっと増えたのも
あの反日暴動以降であり、
直接的よりも間接的にあの暴動が日本人の対中心理を冷え込ませ、
波及効果としてはかなり大きかったと思う。

たとえば今日のニュースにこういうのもありましたが、

上海の日系企業、再開発に困惑 立ち退き要請続々

こういう報道を見れば誰でも気持ちは冷めてくる。

また、日本が小泉~安倍政権の流れの中で
中国に一定の距離を置き始めたことも大きい。
その国策の変化が
微妙に企業心理に影響を与えている部分はあるでしょう。

もともと日本は
その巨大な経済や貿易量・投資額を
国策追求の道具として用いることが少なすぎた。
中国が対外投資を外交と一体化させていることや、
ロシアがエネルギー輸出を対外的な武器として使っているのとは
まさに正反対の状況だった。

国力に比した軍事力を持たず、
外交力も弱い日本にとって、
その経済力は大きな武器となりえるのだが、
これを政治が有効に使ってきたとは言いがたい。

日本はほとんど政経分離状態で
政治が東を向けば、経済は西を向き、
このチグハグさがこの国の弱点だった。

それが安倍政権になって微妙に変わってきたと思う。
たとえば以下のニュースとか。


ベトナムでトップセールス…国際競争力へ “安倍流”確立か

 安倍首相は19日、
 ハノイで行われたベトナムのズン首相との首脳会談に
 日本経団連の御手洗冨士夫会長ら財界人を同席させるなど、
 日本企業の売り込みに国のトップが関与する、
 欧米流の「トップセールス」を展開した。
 投資案件などで国際競争を勝ち抜くための試みで、
 安倍首相のスタイルとして定着する可能性が高い。

 ベトナム経済ミッションは、安倍首相の肝いりで行われ、
 同行した経済人は約130人にも上る。
 参加した三菱重工の西岡喬会長は、
 「アメリカ、フランス、ドイツなど各国とも
 (国際競争を)勝ち抜くために(トップセールスを)やっている。
 今回の試みはその第一歩とすべきだ」と今後の継続を期待する。

   (読売新聞)


ニュース中では
「トップセールス」の側面が強調されてますが
首相自身の思惑はむしろ別なところにあると思う。

つまり日本企業の「ベトナムシフト」を促しているわけです。
いい加減に中国から離れろよ、というわけ。
このニュースは中国にとっては嫌味そのものだろう。

日本企業が中国に過度に進出し、
結果、日本経済の生殺与奪の権を
中国に握られてしまうことを恐れる発想が根底にあると思う。
台湾経済の対中依存などがそのいい例。

ここらへんに
経済の方向性を政略と一体化させて
経済力を武器として用いるという発想が
政治家の中で少しずつ芽生えつつあるように思う。
まだまだレベルが低いけどね。

対外投資に依存し、その経済成長を維持してきた中国にとって
この日本の変化は大きい。
中国への投資額が大きい国は日本と台湾が双璧であり、
台湾の場合は言語の問題があり、
容易に中国進出の旨味から離れられないだろうが、
日本にとって中国は単なる外国の一つであり、
商売上採算に合わぬとなれば撤収も早い。

日本の対中投資の減少は
徐々に中国に大きな変動を促していくでしょう。
胡錦濤政権の経済引き締め路線もあいまって
この減少傾向自体は長期的に続いていく。
そして、それがかの国の経済成長にブレーキをかけていく。

「経済成長」を政権の正統性の一つとしてきた共産党政府にとって
この寄って立つべき杖が失われるダメージは大きく、
彼らは代わりに言論のいっそうの統制と
対外覇権の拡張に活路を見出すと思われる。

もはや「反日」は共産党政権維持の求心力になりえず、
これを用いればさらなる日本の投資心理の冷え込みにつながるため、
この「反日」という打ち出の小槌の魔力は失われたと見ていい。

これから先、情勢は中国共産党にとっては
まさに綱渡り状態となるでしょう。
彼らは結果として
言論統制と覇権拡大に活路を見出さざるをえず、
国内情勢の緊張と周辺諸国との摩擦は高まるでしょう。



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