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中国:ウィキペディアの規制解除とその思惑

ウィキペディア中国語版も歴史を歪曲  
 
 中国当局が先月中旬、
 米国のオンライン百科事典「ウィキペディア」中国語版に対する、
 中国国内での接続遮断措置を1年ぶりに解除したが、
 歴史的事実とは異なる歪曲された情報を掲載している、
 と米ニューヨークタイムズ紙が先月30日に報じた。

 例えば毛沢東について、英語版ウィキペディアでは
 「中国に共産国家を建設した軍事・政治指導者であり、
 数千万人の無実の中国人らを死に追いやった、
 大量虐殺犯として記憶されている人物」と紹介されている。

 しかし、ウィキペディア中国語版での
 毛沢東に関する記述はこれとはまったく異なっている。
 中国語版では、「中華人民共和国や中国共産党、
 人民解放軍の主要な創設者および指導者の1人であり、
 大躍進運動や文化大革命のような政治運動を展開し、
 世界に大きな影響を及ぼした人物」として描かれている。

 一方、毛沢東の汚点として挙げられる、
 1950年代から60年代にかけての大量粛清や、
 大飢饉による犠牲者を多数出したことに関する記述は
 どこにも見当たらない。

 こうした記述の差はまた、
 天安門事件や大躍進運動、文化大革命のような
 敏感な歴史的事件の記述にもそのまま現れており、
 まるで自主検閲でもしたかのように
 英語版とは異なった内容を掲載している。

   (朝鮮日報)


中国版ウィキペディアの当局による規制は
11月上旬に解除されました。

中国、ウィキペディアの規制を解除
 中国本土ユーザーの新規登録が殺到

中国当局によって規制されていたウィキペディアが
何故、今になって解除されたのか?
正直、彼らの意図を図りかねました。

言論を統制している中国当局にとって、
あの種の百科事典は体制維持に抵触する存在であり、
中共的価値観から言えば規制の対象になるはずです。

この時、私が思ったのは
中国政府が意味もなく、善意で規制を解除することはありえず、
何らかの対応策を考えた上での解除だろうということでした。

で、上記ニュースです。
う~ん、やっぱりって感じですかね。

もはやネット利用者周知のフリー百科事典ウィキペディアは
ネット上で誰もが編集作業に加わることが出来、
加筆・修正も思いのままです。

この「集合知を目指す」特異な百科事典は、
集団の知恵と知識を糾合してレベルを高めていくという思想が
設立の当初からの理念です。

私自身は具体的な編集の手順や
仮に間違った内容が記載された場合、
どういう過程を経てそれが修正されていくのか、
また情報がどのように持ち寄られて集合知として完成していくのか、
そこらへんの事情はよく知りません。

ただ、おそらく中国当局の意図としては
この自由編集の仕組みを利用して、

  ウィキペディアの内容を
  自らの都合のいい方向に誘導しよう

という発想が根底にあるのではないかと思います。
また、それが可能だと確信したからこそ
彼らは規制を解除したのではないでしょうか?

ウィキペディアには各国の言語別に様々な「版」があります。
英語版・ドイツ語版・フランス語版・日本語版、等々等。

私はこの「版」の違いによって
いくら中立を標榜する百科事典であっても
特定の題材に対する解説や解釈に多少の差がでるのは
やむを得ないと思っています。

たとえば、英語版と仏語版では
ジャンヌ・ダルクの評価に差異があっても当然だと思いますし、
それはナポレオンにおいても同様でしょう。
また、鉄血宰相ビスマルクにしても
仏語版と独語版では違いはあるでしょう。

しかし、それはあくまでも
「多少の差異」「観点の違い」であって、
歴史的事実それ自体の否定や無視は
許容できるものではありません。

上記ニュースによれば、
毛沢東の大躍進や文革での陰惨な暴乱と殺戮に関して
全く記載されてないようで、
それがたまたま記者氏が閲覧した時だけの表記なのか、
あるいは長期的にそのような内容が
持続しているのか分かりませんが、
これは由々しき問題であり、
中国当局の意図が見えてきたような気がしました。

中国のネット検閲は有名で
彼らはそれに数万単位の技術者と検閲者を投入してますが、
これが組織単位で、
そして組織単位であることを気取られないように、
ウィキペディアの編集に介入すれば
やはりそれなりの内容になってしまうのではないでしょうか?

中立を標榜し、
また万人がそれに信頼を寄せるネット上の百科事典が、
実は特定用語に関して政府の思惑で左右されるとあっては、
これは見えない洗脳に等しいでしょう。

もう一度、設問を繰り返します。

  中国当局は何故、ウィキペディアの規制を解除したか?

私には、彼らが何の対応策も考えず、
何の思惑も無しに解除したとは到底思えません。



関連過去記事

中国の報道規制、この時期に何故?・・内部で何が進行中なのか

中国政府:ネット上の動画も規制へ・・動画は「金盾」の盲点か?







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コメント

オリンピックをにらみ北京で人権展を開催したり、オリンピック期間前後は海外記者に自由に取材させるのと同じ猫騙しです。
人海戦術で韓国のVANKと同じことをやるのでしょう。しかしこれは世界にシナの異常さを広く知らしめ、逆効果だと思うのです。そのうち墓穴を掘るでしょ、VANKのように。それを願います。

わかりやすい国です。

  • 2006/12/07(木) 00:22:42 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

他国からどう見られているか

中国の場合は、
他国からどう見られているかなど
どっちかというと気にしない国なんでしょう。
歴史的に気にする必要もありませんでしたし。

もちろん中国政府高官の中には気にする人もいるいんでしょうが、
国内の施策が海外でどう映るかという観点が
非常に鈍感な国だと感じます。
また、その鈍感さがこの国の強さになってる部分はあると思います。

それと逆なのが日本人で
自分らがどう見られているかを非常に気にしますね。
長所でもあり、短所でもあり、難しいとこです。

  • 2006/12/07(木) 01:02:13 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

自由編集機能は・・・

書き換える人を探しているんじゃないでしょうか?

こちらから中国版にアクセスすることは至難の業ですが、向こうからこっちのウィキペディアにアクセスするのは簡単です。知らないうちに人が死んでいたり、タカ派の国会議員のスキャンダルが掲載されたり、向こうで訴訟を起こしまくっている企業のネガティブキャンペーンが張られたり・・・いろいろな展開が考えられます。

  • 2006/12/07(木) 21:58:41 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

耐久度

確かにそういう展開を考えると憂鬱ですね。

実際問題、ウィキペディアの編集というものが
どれだけそういう悪巧みに耐えられるのか、
その「耐久度」みたいなのが知りたいですね。

このままウィキペディア中国語版が
規制を解除されつつづければ
それは中国当局から見て
都合のいい展開になっているという証拠でしょうし、
逆に「耐久度」が高くて
当局の思いのままにコントロール出来ぬと分かれば
即、その時点で規制が復活するでしょう。

変な言い方ですが、
ウィキペディア「耐久度」テストの始まりです。

ウィキペディアには申し訳ないけど、
ある意味、興味津々ではあります。
「集合知と組織工作の戦い」の巻です(笑)

  • 2006/12/07(木) 22:29:05 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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