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イラク情勢:サウジがスンニ派武装勢力を支援か?

武器購入の資金源はサウジ個人、イラクのスンニ派武装勢力

 イラクで頻発する反政府武装勢力の攻撃で、
 サウジアラビアの個人が
 数百万ドル単位の活動資金の供給源となっており、
 その大部分は武器購入に充てられている事実が8日判明した。
 AP通信が、複数のイラク政府当局者と
 資金の流出経路などに詳しい消息筋の情報として報じた。

 サウジ政府はこれまで、
 イラク武装勢力へ自国から資金が流れていることを否定している。
 同通信によると、ブッシュ米大統領の諮問機関で超党派の
 「イラク研究グループ」が6日発表した、
 今後のイラク政策についての提言を盛り込んだ報告書も、
 イラクのイスラム教スンニ派武装勢力は
 資金の多くをサウジアラビア人に頼っていると指摘していた。

 AP通信の取材に応じたイラクへの運搬トラックの運転手複数は、
 サウジから箱に詰め込まれた現金をイラクへ輸送したと証言したという。

 イラク政府高官は、サウジの資金は個人から出されており、
 イスラム教の大義や慈善推進の名目でねん出されていると指摘。
 寄付金がイラクへ流出していることを知っている者もいるが、
 善意でイスラム教指導者へ贈り、使途は知らない場合もあるという。

 イラク政府高官によると、
 サウジで集められた現金2500万ドル(約28億7500万円)が
 イラクのスンニ派指導者へ渡されたが、
 ロシア製の携帯型の対空ミサイルの調達に使われたという。
 ルーマニアの武器商人から闇市場で買い入れていた。

 サウジはスンニ派主体の国で、
 米軍主導の軍事作戦で崩壊したイラクのフセイン旧政権も
 スンニ派が主流だった。
 現在のイラク政府は、スンニ派と対立するシーアが主導権を得ている。
 サウジは、シーア派が多数のイランが
 イラクへ政治的影響力を及ぼすことにも警戒感を募らせている。

 AP通信によると、サウジ内務省の報道官は
 同国内で組織だったテロ資金源の存在を否定、
 許可もしないと述べた。
 約1年前には、不審な資金の流れを
 取り締まる専従班も設置したと主張している。

   (CNN)


このニュースによると、
サウジがイラクでのシーア派の伸張を恐れるあまり、
スンニ派に資金を流しているとのことです。

なるほど、今まで米国の手前、
その種の裏工作を抑制していたサウジが
とうとう米軍撤退後を睨んで
スンニ派への後援を始めたわけですか。

ただ、これにはもう一つ別な観点があります。
それはイラク国内のスンニ派武力組織は
シーア派に対抗するために
アルカイダと密接に結びついていました。

これにサウジも資金を流すようになったわけで、
まあ、スンニ派武力組織といってもいろいろあるのでしょうが、
スンニ派の後ろ盾にサウジとアルカイダがいるという、
なんとも妙な構図が出来上がりつつあるわけですね。

おそらくこの資金の流れを
サウジ政府自身がやるというよりも
篤志家が寄付という形で政府黙認のもとにやっているのでしょうが、
仇敵であるサウジとアルカイダが
共にスンニ派を支えるという奇妙な状態で
まさに呉越同舟です。

サウジとしては
アルカイダ系の武装組織が肥大化するのは避けたいのでしょうが、
一方でイランが後援するシーア派の勢力拡大も阻止したく、
究極の選択で後者を優先させたのでしょうね。


さて、私は先日のベーカー報告書が出た際にも
記事に書きましたが、

ベーカー報告書:イラク米軍撤退を勧告・・中東大乱時代の始まり

あの報告書の中で
今後、米軍はイラク軍部隊の訓練に
比重を移すとありましたが、
それに対して悲観的なニュースが流れてきました。


イラク軍の自立には最低3年が必要―米シンクタンク

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が
 このほど発表した報告書によると、
 イラク軍と治安部隊が自立できるようになるには
 3年から5年が必要だと指摘した。
 
 これは同研究所の上級研究員で
 元国防省高官のアンソニー・コーデスマン氏の執筆によるもので、
 1年半から2年でイラク軍の自立は可能としている米軍の評価と
 大きな食い違いをみせている。

 「イラク軍の発展と内戦の挑戦」と題した報告書では、
 「現状レベルの米軍と同盟国軍の支援、
 そして顧問団の努力に現実のイラク軍は頼らざるを得ず、
 それは少なくとも2008年まで、
 おそらく2010年まで続くだろう」としている。

 また同報告書は「米軍と同盟国軍の大幅な削減は
 永久的に中止する必要がある。
 イラク軍は単純に言って自国の防衛の重荷を
 負う準備ができていない」と指摘、
 性急な段階的削減、早期撤退論に警告を発している。

 コーデスマン氏は何度もイラクを訪れ、
 現地の専門家と対話を重ね、
 イラク軍と治安部隊の装備欠如や人員不足、
 イラク軍部や内務省内での腐敗が
 深刻であることを指摘している。

   (世界日報)


これを見ている限りでは
ベーカー報告書の柱の一つである、
「イラク軍部隊の自立」は画餅に帰しそうです。

もともとイラク戦争後に
バース党主体の旧イラク軍を解体してしまったため
一から軍を創建していかねばならなくなり、
このツケが今になってまわってきているわけです。
職業軍人は一朝一夕には作れないといういい見本です。

しかし、米軍は今までにも
それなりにイラク軍の訓練や教育に
エネルギーを注いできたわけですが、
なんだかんだ言いつつうまくいかないのは、
このイラクという国自体に
国家としての求心力がないのではないかと思ってしまいます。

スンニ派とシーア派という宗派の分裂と、
クルド人という第三勢力の混在する国家。
この国の統一国家としての理念というのは
端で見ているよりもけっこう薄いのかもしれませんね。
もともとイギリスの中東政策が作り上げた人工国家ですし。



関連過去記事

米国:イラク政策の転換とサプライズのバース党復権?

ラムズフェルド米国防長官の退任・・米軍改革の功罪

イラク三分割案とローマ法王発言


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