短く斬れ

ニュース・短評・データ・資料を怒濤の如く。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン


       北朝鮮.jpg



前回、半島情勢に対する中国の思惑について書きました。

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑

では、当の北朝鮮自身の思惑は?
さらに彼らの戦略や発想パターンはいかなるものか?

これを今回と次回の2回に分けて書きます。


<北朝鮮の発想パターン>

北朝鮮という国家の発想パターンには
以下の3つの事柄が大きく影響しています。

1,マルクス・レーニン主義譲りの弱肉強食的世界観

2,大国に圧迫されてきた民族の歴史
  事大主義と鋭敏な歴史的被害者意識

3,民族の南北分断という固有の環境

1と2はそのままですね。
解説不要です。

3について詳細に説明しておきます。

北朝鮮という国家の性格を考え得る際に重要なことは
この国が分断国家の片割れだということです。

もし「朝鮮民主主義人民共和国」という国が分断国家ではなく、
日本のような同一アイデンティティの統一国家であれば
今のような攻撃的な国であったかどうか?

南北双方の国民が等しく思っていることは、

  現在、民族は南北に分断されているが、
  本来のあるべき姿は統一された状態である。

ということです。

つまり「統一」が彼らの理念です。
これは朝鮮民族のみならず、他国の人間もそう思っている。
分断は一時期の現象であり、本来の姿ではないと思っている。

この統一という民族理念は
南北双方の国家戦略を常に拘束しています。
そして彼らの発想に多くの影響を与えています。

北朝鮮から見れば自国の進路は二つしかありません。

 1,北朝鮮による韓国の併呑

 2,韓国による北朝鮮の吸収

つまり単純に言うならば
「殺るか、殺られるか」ということです。
自分が相手を呑み込むか、逆に相手に呑み込まれるか。

平和的手法による南北の合併という発想は北朝鮮にはありません。
セレモニーとして平和的合併を装うことはあっても
現実の弱肉強食の世の中では
そんなものはただのおとぎ話に過ぎないと思っています。

北朝鮮の国家戦略は
常にこの発想を大前提としています。
「殺るか、殺られるか」
「呑むか、呑み込まれるか」

同じ民族でも韓国の場合は
経済発展により裕福となり、
国力でも北朝鮮をはるかにしのいでますから
まだまだ発想に余裕があります。

また、韓国は民主主義国家ですから、
裕福となった個々人が
「統一」という民族的理念・建前とは別に
貧乏な北と統一した場合の
生活レベルの低下を考えざるをえません。

しかし、北朝鮮にはそんな余裕はないわけです。
そして南を併呑できればより豊かになれる。
理念と実利の双方で統一を強く望むわけです。

今、北朝鮮指導層は
国民を飢えさせて先軍政治の名のもとに軍備を拡張し、
貧弱な国家予算を圧迫しながら核武装に邁進していますが、
これは西側先進諸国の人間から見れば実に奇っ怪な光景です。
狂っているとしか思えません。
正気を疑うような国です。

しかし、北朝鮮指導層からすれば
これは当たり前の状態なのです。

  南側の韓国は豊かとなり、
  先進兵器で武装した軍隊を持っている。
  北朝鮮がこれに対抗するには
  国家予算を傾ける勢いで軍備を拡張せねばならない。

これが彼らの発想であり、
「殺るか、殺られるか」という北朝鮮流の観点から見るならば
至極当然の結論となるわけです。

彼らは
貧弱な国家予算に比例した貧弱な軍隊しか持たなければ
たちまち韓国とその後援者たる米国に
攻め滅ぼされると思っている。

人は自らの尺度で他人や世界を計るものですが、
北朝鮮は弱肉強食・権謀詐術の世界観で他国を計っている。
自らがそうであるように
他国もまたそういう国々だと思っています。

その彼らが核兵器を持ったことは
周囲の大国に対する対抗心と共に、
南から呑み込まれないための一つの保険です。

これを韓国人はどれだけ意識しているかは知りませんが
北朝鮮が核を保持し、
それを搭載する弾道ミサイルの開発に狂奔している今、
これが完成に至ってしまえば
韓国主導による統一の芽はほぼ消えるということです。
韓国人自身はそこまでは考えてないようですが・・。

このように北朝鮮という国家の発想は、
マルクスレーニン主義譲りの弱肉強食的世界観や
大国に圧迫されてきた民族の歴史と共に、
南北分断という固有の環境に強く強く影響されています。

こういう「殺るか、殺られるか」などという、
ヤクザのような発想で国家を運営していけば、
他国民を拉致し、麻薬や偽札を売りさばき、
権謀詐術を外交の基準とし、
他国との約束を破ることを恥じることもない、
ああいう狂ったような国になるのは
ある意味、当然といえば当然の話です。

あの崩壊寸前の貧乏国家が
ミサイルを乱射し、核実験を行うことを
諸外国は奇異な目で見つめていますが、
これは北朝鮮流に言えば
やるべくしてやった当然の行為なのです。

悪鬼は自らが悪鬼であることを
べつに変であるとは思っていないのです。


<北朝鮮の外交と戦略の原則>

では、上記の北朝鮮の発想パターンから
彼らの外交と戦略の原則を考えてみましょう。

それは以下の3つです。

1,道義・信義等の要素が皆無

2,実利と打算のみで手段を選ばない
  
3,短期的実利の追求

まず、我々日本人も最近になってよくわかってきたことが
北朝鮮の外交には「信義」の文字が無いということです。
倫理的要素など皆無ですね。

また、逆の言い方になりますが
実利の追求と打算のみで、手段を選びません。
どんな悪辣な手段を取ろうと平然としています。

そして3の「短期的実利」の追求ですが、
これは90年代以降の北朝鮮の国家戦略の特徴となっています。

つまり、国力が貧弱で
食料やエネルギーは万年欠乏の状態にありますから、
10年・20年単位で国家の計を考えるより、
半年・1年後の目先の食料や原油の獲得に血眼になっています。

いわば国家自体が自転車操業の状態で
目先のやり繰りに必死となっている状態です。
こぎ続けねば倒れるわけですから。

彼らも国庫が富に満ち、国力が充実しているのならば
もっと数年や十数年単位で
国家の施策を考えていきたいのでしょうが、
いかんせん国自体が破産寸前なので
遠くの大利よりも目先の小利を追い求めざるを得ないのです。

そして、この短期的実利のみを追求するために
結果的に長期的には
国家にとってマイナスとなることを平気でやってしまう。
他国人が見たら不可思議な北朝鮮の一手一手も
この観点で見ればスッキリと分かります。


   <続く>



関連過去記事

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑








スポンサーサイト
このページのトップへ

コメント

いろいろな見立て

「マネーロンダリング入門(幻冬舎新書)」では、偽札が経済合理性では割に合わない「事業」であると大変興味深い説明がなされていました。変わったボスを戴いた人民の悲劇、とも・・・(^^;。

  • 2007/01/15(月) 20:53:39 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

本物以上の・・

「マネーロンダリング入門」は私も読みました。
難解な内容を読みやすく書いていて
とてもよかったです。

偽札のマネロン上の経済的合理性についてですが、
正直、私は米国の金融制裁までは
それなりに儲かっていたと思います。
でなければ、あれだけ熱心にやらないでしょう。
著者が把握してないなんらかのマネロンの手法が
あったのではないでしょうか?

それと今の北朝鮮に偽ドル札ですが
最新バージョンが「スーパーZ1」というもので、
米国高官が「本物以上に精巧」と言ってるやつです。
逆にもうちょっと精度を落とした方が
本物と見分けがつかなくなる、と言われてるやつです。

本物と全く同一レベルになってしまえば
もうマネロン以前の問題になってしまいますね (ーー;)

  • 2007/01/16(火) 00:05:45 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

ケイ

Author:ケイ
憂国と好奇心の30代男

マイブログ・メルマガ

 待避禁止!

 宇宙開発ニュース β版

 メルマガ:古今東西の名言

サイトマップ

 過去記事一覧

 過去記事一覧(本店ブログ)

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。