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半島情勢の緊迫と中朝の意図 その3・・北朝鮮の今後の一手は?


     北朝鮮ミサイル「テポドン」.jpg


前回と前々回の続きです。

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン


<今後の北朝鮮の路線は?>

前々回の「その1」において
中国の思惑と意図について書きました。

即ち、

  「北朝鮮の国家体制・統治システムは崩壊させない」
 
  「トップの指導層のみをすげ替える」

  「米国と韓国に介入させず、半島の分断を固定する」

北朝鮮はこの中国の意図をよく見抜いています。
見抜いた上で中国を利用しています。

つまり、

  「我が国が崩壊したら困るのは貴国だろ?」

  「韓国による半島統一や難民の大量流入は
  貴国の国益に反するはず」

  「だから食料と原油を寄こせ」

こういう発想ですね。

まあ、凄まじいばかりの性根としか言いようがありません。
北朝鮮は米国に対して「瀬戸際戦術」を行ってますが、
これは中国に対しても同様だということです。

北朝鮮経済と国家システムの命綱は
中国が握っていると言われています。
それは原油と食料の援助によってですが、
その中国があれだけ警告しているにもかかわらず、
平然とミサイル乱射や核実験を行う北朝鮮。
その不可思議さを解く鍵は
「崩壊したら困るのはお前らだろ」
このセリフの中にあります。

ただし、中国の援助は
あくまでも最低限のレベルでしかありません。
即ち「生かさず、殺さず」。

北朝鮮としては短期的なその場しのぎにはなっても
長期的にこの状態が持続すれば
やはりジリ貧となってしまいます。

結局、彼らはどこかで国家の生存のために
活路を見いださざるを得ません。

もともと北朝鮮の国家戦略は2つの方向性がありました。

1,軍事的侵攻による半島の統一

2,韓国を思想的に赤化し併呑する。
  (対南赤化路線)

1は物理的な力で、2は思想で、というわけです。

1に関しては70年代から国力に開きが生じ始め、
今や軍事力による侵攻はほぼ不可能といっていいでしょう。
不可能を可能にする魔法の鍵は
核弾頭を搭載したミサイルの開発ですが、
まだまだ数年から十数年先の話しです。

2が一番現実味がある策です。
実際に、北朝鮮の努力と韓国自身の油断で
90年代以降の韓国は親北左傾化し、
この路線は半ば成功の状態にまでこぎつけていました。

本来、北朝鮮が取るべき最善の道は
この2の対南赤化路線だったのですが、
結局、北朝鮮はそれを中途半端にしか進めませんでした。

それは何故か?
北朝鮮自体が崩壊寸前に至ったからです。
目先の食料とエネルギーが欠乏したからです。
だから彼らは数年後にしか結果の出そうもない対南赤化よりも
核とミサイルによる瀬戸際戦術を選び、
目先の小利を追わざるを得なくなりました。

具体的に言えば
小泉政権末期からの日本の対北制裁の強化と
米国の金融制裁の開始です。
この打撃が大きかったわけです。

そして去年のミサイル乱射と核実験が行われたわけですが、
これにより韓国内の親北ムードは冷や水を浴びせられ、
太陽政策を行っていた盧武鉉政権の支持率低下に
一層の拍車がかかりました。
また、北朝鮮が敵視する野党ハンナラ党の支持率が上昇しました。

こうして長年、
北朝鮮が地道に進めていた対南赤化工作は
大きく後退したわけです。

それは国家の窮乏により
遠くの大利よりも目先の小利を追わざるをえない、
彼らの固有の事情があるわけです。
そして小利を追いかけるために
むざむざ大利をドブに捨てるようなことを
してしまったわけです。

まあ、なんとも北朝鮮にとっては悲痛な話しですが、
これは国家だけではなく、企業や個人も同様ですね。
貧乏ゆえに目先の利益に汲々とし、
遠大な投資は見送らざるをえない。
なんだか北朝鮮が他人とは思えませんな(笑)

まあ、冗談はともかく
長期的な2つの大きな戦略方針は
今や国家の困窮により、放棄か保留せざるをえない北朝鮮。

結果的に今後の彼らの戦略は
短期的実利の追求の連発になってくると思われます。
つまり半年から一年後のエネルギーと食料の追求、
国家の生存を求めてのあがきです。


<北朝鮮の次の一手>

短期的実利の追求。
次の一手として予想されるものは2つでしょう。

 1,南北首脳会談の実現と韓国の援助の引き出し

 2,一層の瀬戸際戦術の推進

1は単なる一時しのぎです。

上述したように
かつて北朝鮮は対南赤化路線の推進により、
韓国の全面赤化と吸収を意図していましたが、
北朝鮮の核実験と国際社会による猛非難、
韓国内の親北派の退潮と盧武鉉政権の弱体化により
この路線自体は不可能となりました。

ただ、彼らは切迫した食糧事情を打開するために
南北首脳会談を盧武鉉政権に持ちかけ、
援助を引っ張り出すことはやるかもしれません。

しかし、これは一時しのぎにすぎませんし、
北朝鮮の窮状の抜本的解決にはなりません。
何故ならば、一年後に韓国では大統領選挙が待っており、
今のままでは親北左派の候補が大敗するのは確実だからです。

最終的に北朝鮮が打開策とするのは
瀬戸際戦術の強化です。
これしか彼らの選択肢は無いでしょう。

去年にミサイルを乱射し、核実験を強行し、
米国の金融制裁の解除を求めてきた北朝鮮ですが、
解除どころか、一層の制裁強化に直面してしまいました。
米国のみならず、日本の制裁も厳しくなってしまいました。

あてが外れ、事態は一層悪化してしまったわけですが、
彼らの発想は

  「では、もっと強烈なやつを」

  「米国と日本が譲歩せざるを得ないような強力なやつを」

となるでしょうね。

では、この「もっと強烈なやつ」とは具体的にどういうものか?
それは過去記事でも何度か書きましたが、

北朝鮮:テポドン・ノドン、ミサイル連射・・強攻策の行き着く先は?

予想されるものは2つです。

 1,対南軍事侵攻の構えを取り、38度線沿いに大兵を集結させる。

 2,日本との軍事紛争を意図的に引き起こす

1は第二次朝鮮戦争の危機を煽ることです。

もっとも第二次朝鮮戦争が起きても
北朝鮮が勝つ見込みなど百に一つもありません。
老巧化し、稼働率も下がっている兵器と
食糧不足で士気が弛緩している北朝鮮軍が攻めてきたところで
米韓連合軍の圧勝に終わるでしょう。

ただ、これは北朝鮮自身も分かっています。
それを承知の上で
戦争すればそっちも軍民合わせて万単位の死傷者が出るよと
脅しをかけるわけです。
さらに38度線沿いの長距離砲の攻撃により、
ソウルを火の海に変えるよ、と。

これは韓国にとっては厳しいですね。
実にシビアなシナリオです。
もちろん米軍にも多くの死傷者が出るでしょう。

そして北朝鮮は言うわけですな。
それが嫌なら金を寄こせ、制裁を解除しろと。

ただ、これをやると
韓国内の親北ムードは完全に消え去るでしょう。
まだ北朝鮮が対南赤化路線に未練があれば
韓国はターゲットにしないかもしれません。

その場合は、2の日本との対決路線です。

まず、なんだかんだと日本に難癖をつけます。

  「これ以上の制裁は民族の生存を揺るがす」

  「よって我々は自衛の権利を行使する」

とか言いつつ、
日本海や日本海沿岸において
海空軍を使ってわざとドンパチやるわけです。
海保の巡視船を撃沈するとか、
原発がある県の沖合に弾道ミサイルを撃ち込むとか。

あるいは竹島あたりがいいかもしれませんね。
竹島からちょっと離れたあたりにいる海保の巡視船に
北朝鮮のミサイル艇が攻撃して撃沈する。
そして声明を出すわけです。

  「独島(竹島)は我が民族固有の領土である」

  「我が国土は寸土たりとも日帝には渡さぬ」

これを言われれば韓国人あたりにも
共感する連中が出てくるかもしれませんね。
また、それが狙いでもあるわけですが。

そして北朝鮮は要求するわけです。
制裁は解除せよ、金を寄こせ、
さもなくば我々は生存のために行動せざるを得ない、と。

これらの瀬戸際戦術を行使されて
韓国はぐらつかないでしょうか?
日本の世論は動揺しないでしょうか?
それを北朝鮮は狙うでしょうね。


さて、3回に渡って半島情勢に絡めて
中国と北朝鮮の思惑について書いてきました。

北朝鮮はもはや崩壊寸前の国です。
そしてそれ故に彼らは
目先の食料とエネルギーの確保に血眼になり、
結果的に国家百年の計にとって
マイナスになる行為を平然と行っています。

飢えた人間が目前の他人の食料を奪うが如く、
彼らの一手一手は常に国家の信用を落とし、
さらに彼らの進路は細く困難な道となっていきます。
悪循環、困窮のスパイラルに北朝鮮は落ち込んでいます。

その落ちていく先に亡国か体制崩壊の奈落があり、
それは年内にやってくるものと私は思っています。



関連過去記事

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その2・・北朝鮮の発想パターン

半島情勢の緊迫と中朝の意図 その1・・中国の思惑









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コメント

北朝鮮は昨年の核実験で得たあらゆる資料をイランと共有することで合意したそうです。北朝鮮はイランを使って核実験の続きをするつもりでしょうか。

  • 2007/01/25(木) 00:06:24 |
  • URL |
  • 金豚 #-
  • [編集]

裏同盟の人々

なんせ、イラン・北朝鮮ときて
さらにパキスタンなどを加えると
「裏:核同盟」「裏:ミサイル連合」ですからね。
彼らがつるんで何かやっとしても
全然不思議じゃありません。

特に北朝鮮とイランは
核問題で米国と対立してるという共通の利害がありますから。

確か北の核実験の時には
イランの技術者も帯同していたとの報道もありましたね。

  • 2007/01/25(木) 00:50:37 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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