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大統領選の勝利と「反米基金」創設・・チャベス・ウオッチ 2007/01


        2007011067278.jpg


チャベス・ウオッチの3回目。
「怒濤の反米闘士」ことベネズエラのチャベス大統領の定点観測です。

メルコスル加盟と反米漫遊の旅・・チャベス・ウオッチ 2006/08

非同盟諸国会議と怒濤の国連演説・・チャベス・ウオッチ 2006/09


<ペルー大統領と米大統領、チャベスを猛批判>

 2006/10/10

米国とペルーの首脳会談。

ペルーの大統領はアラン・ガルシア。
2006年6月に行われた大統領選で
チャベス推奨の左派民族主義者のウマラに競り勝った。

その後、チャベスはガルシアを「米帝の犬」と罵倒し、
ガルシアは「チャベスは石油という、
宝くじに当たった人物」と切り返した。

この首脳会談では
両大統領によるベネズエラ情勢への意見交換が行われた。

ガルシア曰く、

  「南米に新たな原理主義が台頭している。
  『アンデス原理主義』と呼ぶべきものだ」

  「チャベス氏は南米を不安定化させる危険がある。
  イスラム原理主義と同様の重大な結果をもたらしかねない」
  
  「ペルーの役割は、
  南米での民主的価値を確かなものにすることだ」

ブッシュ曰く、

  「(チャベスの)ののしりには慣れている。
  口げんかをするつもりはない」

  「彼は他国にまで影響を与えているが、
  自分の国は苦しい経済状況に至っている」

両大統領ともに
日頃、チャベスの悪口雑言に悩まされているため
ここぞとばかりにチャベスの批判が飛び交った。


<ベネズエラ、国連非常任理事国に出馬>

 2006/10/16

国連では非常任理事国五ヶ国の改選投票が行われ、
四ヶ国はすんなりと決まったが、
中南米枠の一ヶ国がなかなか決まらない。
反米路線を掲げるベネズエラと
米国が支持するグアテマラに票が真っ二つに割れたためである。

チャベス率いるベネズエラは
自信満々で非常任理事国へと出馬した。
中南米の民衆に絶大な人気を誇り、
世界の反米国家のリーダー的存在であるチャベス。
これは当選しないはずがない。

しかし、米国は仇敵チャベスに当選されてはなるものかと
グアテマラを立候補させ、票を固める。
日頃、チャベスから「米国の犬」と罵られている、
中道右派の中南米諸国もグアテマラに一票を投じた。

形勢はグアテマラが有利であったが、
選出に必要な総会の三分の二の支持が得られないため、
延々と数十回もの投票が行われたあげくに決定に至らない。

折れたのはチャベスの方で
形勢不利を悟り、グアテマラ外相と話しをつけ、
両国が出馬を取り下げた上で
中立のパナマを中南米グループの統一候補とすることで合意した。

翌11月に
パナマが漁夫の利を得た格好で
非常任理事国にめでたく当選した。

チャベスは自分の意外なまでの不人気に愕然としたのか、
ここから年末の大統領選挙に至るまで
過激な言動をセーブした。


<ベネズエラ、ワシントンで灯油を値引き販売>

 2006/11/01

ベネズエラの駐米アルバレス大使が
この冬、米国のメリーランド州・バージニア州・ワシントンの
3万7千の低所得世帯に暖房用の灯油を格安で販売すると表明。
価格は市場値の4割安。

ベネズエラは2005年にも、
米国の8州、18万世帯に格安の灯油を提供した。

大使は記者会見で
自国で貧民問題を抱えているのに、
どうしてチャベス大統領は貧しい米国人の心配をしているのか、
との質問に対して、

  「値引き販売で利益は減るが、この程度ならば、
  ベネズエラの貧困層の救済に影響はない」

と語った。


<ニカラグアに左派大統領誕生>

 2006/11/05

ニカラグア大統領選で、
80年代の革命政府の大統領だった左派のダニエル・オルテガが当選。
チャベスはオルテガに資金援助を行っていた。

80年代にオルテガのサディニスタ政権に対して、
反政府組織「コントラ」を支援して戦った米国は
この選挙結果に唖然呆然。

チャベスの盟友がまた一人増えた。


<エクアドルにも左派大統領誕生>

 2006/11/27

エクアドル大統領選挙で、
反米左派のラファエル・コレア元経済・財務相が当選。
チャベスはコレアも支援していた。

コレアは、選挙戦を通して“市民革命”を叫び、
「エクアドルを寡頭政治から国民に返す」と主張した。
IMFの対外債務の支払いを拒否することも示唆。
また、米主導の新自由主義反対、
原油に関連する多国籍企業との契約見直しを訴えていた。

これで南米全体の三分の二に当たる計八カ国が
左派もしくは中道左派となった。

チャベスの盟友がさらに増えた。


<ベネズエラ大統領選:チャベス、余裕で圧勝>

 2006/12/03

チャベスは3回目の大統領選挙で圧勝した。
貧困層の票が彼に雪崩れ込み、
対立候補を蹴散らしての余裕の勝利だった。

チャベスは首都カラカス市内の大統領府のバルコニーで、
詰め掛けた支持者を前に

  「愛の勝利、社会主義の勝利だ」

と高らかに勝利を宣言した。

一方の対立候補のロサレス氏は

  「彼ら(チャベス陣営)はわれわれに勝ったが、
  引き続き戦い続ける。
  彼らの汚い戦い方を認めるわけにはいかない」

として、敗北を受け入れた。

ロサレス氏の言う「彼らの汚い戦い方」とは
以下のようなこと。

1,投票前に全政府職員へのボーナス支給を指示。

2,チャベスのテレビへの登場時間は野党候補の22倍。

3,国営石油企業の総裁が
  従業員四万人をチャベスの選挙運動に動員し、
  この動員に反対する者は「罪」を犯すことになると明言。


<チャベス、ブラジル大統領と会談>

 2006/12/06

大統領選の勝利の後、
チャベスは早速と南米一の大国、ブラジルのルラ大統領と会談。

ルラはチャベスの急進ぶりに辟易しながらも
それなりにチャベスに歩調を合わせている。

会談では、ブラジル国営石油会社ペトロブラスと
ベネズエラ国営石油会社PDVSAとの間での
以下の共同投資について話し合われた。

◇ベネズエラからアルゼンチンまでの天然ガスパイプラインの建設

◇ブラジル:ペルナムブコ州における石油精製所の建設

◇ベネズエラ:マリスカル・スクレ海底油田の天然ガス採掘

◇ベネズエラ:カラボエ油田における重油の採掘


<チャベス、体制批判のメディアに免許更新認めず>

 2006/12/27

チャベスは軍の行事で行った演説で、
政権に批判的なテレビ局RCTVの
来年3月の免許更新を認めない、と明言した。

チャベス曰く、

  「RCTVは
  免許は永遠に与えられると思いこんでいるのは誤りだ」

  「来年3月に、同局の免許が切れる。
  早く荷物をまとめて、3月以降にやることを考えるべきだ。
  クーデターを目論むようなRCTVには、
  新たな免許は与えられない」

  「クーデターに関連する、国民や国、国の主体性、
  共和国の尊厳に対立するような放送局は許されない」

主要民放局のRCTVは、テレビとラジオの放送網を持ち、
数年にわたって、チャベスを強く批判してきた。
また、RCTV以外にも
「ベネビシオン」「グロボビシオン」の二局が反大統領派とされ、
チャベスは圧力を強めている。

ベネズエラでは2004年秋、
暴力や性描写のほか「公共の秩序を乱す」放送を規制する、
「ラジオ・テレビ社会的責任法案」を可決している。

このチャベス発言に対して
非政府組織「国境なき記者団(RWB)」は、
政府が特定の放送局を対象に
非難するのは好ましくないと批判した。


<ベネズエラ、サッカー選手権でのビール禁止>

 2007/01/03

ベネズエラでは6月にサッカー南米選手権が開催される予定だが、
競技場内および周辺での飲酒、酒類の販売が
大会組織委員会によって禁止されることになった。

チャベスは公共の場での飲酒に嫌悪感を示しており、
街頭からのビール販売トラックの撤去命令を出したほど。


<チャベス、国会に大統領権限の拡大を要求>

 2007/01/08

チャベスは新閣僚の就任式で演説し、
大統領令によって法案の議会通過を可能にする法を
数日内に国会に提出する意向を示した。

また、中央銀行の独立性は持続し得ないとも言明。
「中銀は独立的であってはならない。
それは新自由主義の発想だ」と言った。

演説中では、ロシアの革命家トロツキーを引き合いに出し、
「われわれは永久革命を目指している」とまで述べた。

さらに、全エネルギー産業と電力産業部門、
オリノコ川流域の製油施設プロジェクトの国有化も公約。
この「製油施設プロジェクト」には
米石油大手のシェブロンやエクソンモービル、
ノルウェーのスタトイル、米コノコ・フィリップスなどの
多数の外資企業が参画している。

これに対して米国のボドマン・エネルギー省長官は、

  「これは現実的な問題であり、懸念を強めている。
  現時点では、契約が順守されることを目標におくべきだ」

と懸念を表明。

スノー大統領報道官は、

  「世界各国での国有化は長いが、栄光の少ない歴史を持つ」

と揶揄した。

カラカスの株式市場は1月9日、平均株価が18・7%の大暴落。
ブラジルでもその余波で株価が下落した。


<チャベス、3期目就任の怒濤演説>

 2007/01/10

チャベスは首都カラカスの国会で行われた大統領就任式で宣誓。

  「社会主義建設のために人生をささげる」

  「我々は大統領の無制限再選について改革案を練っている」

  「国家、社会主義、それとも死か」

また、チャベスに批判的なキリスト教会に対して、

  「私は司教と違って選挙で選ばれた。
  私が守る国家の尊厳と権利は不可侵であり、
  かけがえのないものだ」

  「キリストは歴史上最大の社会主義者だ」

  「政府は教会を尊重する。
  教会も政府を尊重しなければならない」

などと言った。

久々のチャベス節だった。


<ベネズエラ「反米基金」創設へ>

 2007/01/13

チャベスと並ぶ「反米暴れん坊」の
イランのアフマディネジャド大統領が
南米の反米三ヶ国ベネズエラ、ニカラグア、エクアドルを歴訪。

1月13日にチャベスと首都カラカスで会談し、
両者は米国に対抗する途上国を支援するため
“反米基金”を共同で創設することで一致した。

両者はこれに先立って、
総額20億ドル規模の相互投資協定で合意していたが、
この資金の一部を、米国の支配を打ち破るため、
反米と判断される国の社会基盤整備などに振り向けるとした。

チャベスがこの基金を
「帝国主義から解放するための仕組みだ」と自賛すると、
アフマディネジャドは、

  「チャベス大統領は解放者である。、
  中南米やアフリカ諸国の結束を促進する重要な決断だ」

  「我が国はもはや単独ではない。
  抑圧者と帝国主義は死に絶え、我々が勝利する」

と、チャベス顔負けに吼えた。


      ◇       ◇


国連の非常任理事国選では苦杯をなめ、
大統領選ではあっさりと勝利を決めたチャベス。

「21世紀の社会主義」を目指して邁進中の彼だが
石油から得た利益を国内外にばらまき、
今や彼が大統領になった当時と比べて
国家の歳出は8倍に膨れあがっているという凄まじさ。

また、違法な銃器が数百万丁も出回り、
年々ベネズエラの犯罪発生率は上昇し、
治安は悪化の一方で、南米最悪のレベルと言われてる。

さらに、国内の石油産業への投資は冷え込み、
石油生産は落ち込み始めている。

彼が施策の柱と位置づける多数の貧困住民の救済についても
ベネズエラ政府はチャベスの施政8年間で
貧困層は4割にまで減ったとしているが、
誰もがこの公式数値には首をかしげている。
一時的なばらまきによる救済と
抜本的な雇用の創出と経済の振興による救済を
彼はどこまで区別できているのか?

さてさて、2007年のチャベス氏は
この難局をどう裁いていくのでしょうか?
お手並み拝見でございます。



関連過去記事

非同盟諸国会議と怒濤の国連演説・・チャベス・ウオッチ 2006/09

メルコスル加盟と反米漫遊の旅・・チャベス・ウオッチ 2006/08


関連過去記事(本店ブログ)

南米の左傾化 その3・・チャベス・ベネズエラ大統領

南米の左傾化 その4・・反米とボリバル主義

南米の左傾化 その5・・「21世紀の社会主義」と中国の接近









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コメント

歪な社会

本来、社会福祉は治安が安定した後の課題なハズですが・・・。歳出が増えて、治安が悪くなるという理解に苦しむ為政者の実像はジャイアンそのものです。CIAが武器を流している可能性は十分に考えられますが・・・(^^;。

  • 2007/01/20(土) 00:49:10 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

新自由主義経済とチャベス

中南米の現状というものは
80~90年代にかけて中南米を席巻した、
米国主導の新自由主義経済の反動が大きいですね。
あの弱肉強食の競争オンリーのシステムが
どれだけ中南米の社会構造をいびつにしたか。
貧富の差がもともと激しい中南米は
もっとその格差が開いてしまいました。

ある意味、チャベスという人物は
その新自由主義経済の負の落とし子です。

また、白人が上位を占めて、
原住民が下位層を形成するという中南米の社会構造は、
一時的にこういう「チャベス流社会主義」のような
構造革命を経験する必要があるのかもしれません。

今までこの地域は米国の裏庭で
その種の試みは潰されてきましたが、
米国の国力が減退してくると
チャベスのような人物がポツポツと現れてくるのでしょう。

> CIAが武器を流している可能性は十分に考えられますが

やってるでしょうね。

反政府組織の創設と
武器や資金の援助はとうにやってるでしょう。
コロンビアあたりが前線基地となってるでしょうね。

  • 2007/01/20(土) 02:16:48 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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