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中国の宇宙開発と軍事利用 その2・・人民解放軍総装備部


     中国のFY-1C衛星.jpg


前回の続きです。

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

中国の宇宙開発と軍事の関係について書きます。


口閉ざす中国…衛星攻撃兵器実験

 衛星攻撃兵器(ASAT)実験について、
 中国政府は20日現在も事実関係を明らかにしていない。
 米科学者団体「憂慮する科学者連盟」は19日、
 破壊された気象衛星の破片が大小合わせて数百万個に達し、
 他の人工衛星に損傷を与える恐れがあると警告したが、
 にもかかわらず、口をつぐむ中国の姿勢に対し、
 国際社会の批判が高まりそうだ。
 
 中国外務省の劉建超報道官は19日夜、
 「中国は宇宙兵器拡大競争にも加わらない。
 脅威と感じる必要はない」と述べ、
 事実関係を確認しないまま「中国脅威論」の払拭に努めた。
 
 中国は「今世紀半ばまでの情報化された軍建設の完成」
 (06年国防白書)を目指し、
 軍が主導し野心的な宇宙開発を進めている。
 今年は3回目となる有人宇宙飛行船を打ち上げ、
 初の船外活動を行う予定だ。
 
 今回の実験は、米国を牽制するとともに、宇宙開発競争でも、
 米国と並ぶ大国としての認知を取り付ける狙いがある。
 実験の成功で、技術的にも
 「(中国にとり)かなりのハードルを越え、
 相当な技術力を得た」(専門家)とみられている。
 
   (iza!)


中国の宇宙開発が軍主導で行われていることは
過去記事などでも書いてきました。

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点

米国におけるNASAと軍のように
宇宙開発部門と軍隊を切り離すわけでもなく、
日本のように軍事とは全く無縁のものにするわけでもなく、
中国では人民解放軍の総装備部が宇宙開発を担当しています。

日本で言えば防衛省の技術研究本部が
国家の宇宙開発を担当しているようなもので
まあ、露骨なまでの
「宇宙開発=軍事」の発想ですね。
日本の潔癖性のような非軍事的発想とは正反対です。

以下、過去記事から引用します。


 中国は2003年と2005年に
 神舟と呼ばれる有人宇宙船を打ち上げましたが、
 これを行ったのは人民解放軍であり、
 厳密に言うと人民解放軍総装備部が管轄しています。

 2002年4月の神舟3号の回収の際には
 当時の江沢民国家主席は
 軍総装備部長の曹剛川大将に祝辞を贈りました。

 中国初の有人宇宙船となった「神舟5号」は
 2003年の10月16日に帰還しましたが、
 これは中国初の原爆実験成功の記念日、
 1964年10月16日に合わせてのことです。

 同時に神舟5号及び6号は
 本体から切り離された偵察用の軌道モジュールが
 飛行士の帰還後5カ月も飛び続け、
 軍事映像収集の偵察活動を行いました。

 今、人民解放軍の内部では
 「宇宙軍」の創設を求める声が高まっており、
 近未来においては陸海空だけではなく
 サイバースペースと宇宙空間が主戦場になると想定されており、
 「五次元一体の統合作戦」が提唱されています。


今回の衛星攻撃用のKT-2弾道ミサイルは
四川省西昌宇宙センターから発射されてますが、
ここは普段は人工衛星を乗せた長征ロケットなどが発射される、
宇宙ロケット用の基地です。
日本で言えば種子島の宇宙ロケットセンターに相当します。

中国は現在、三カ所のロケット発射基地を持っています。
山西省太原基地、四川省西昌基地、甘粛省酒泉基地。
さらに海南島に4つ目の基地を建設中で
これは2010年までに完成する予定です。

従来の3つの基地は
国防上の理由から内陸部に建造されましたが、
建設中の海南島基地は
赤道に近いために静止軌道に衛星を乗せやすいこと、
海上運輸の容易であることから沿岸部が選ばれました。

ちなみに、中国の長征ロケットですが
ICBM(大陸間弾道ミサイル)の技術を応用して作ったもので、
人民解放軍の下部組織である、
「運搬ロケット技術研究院」が開発を行っています。

運搬ロケット技術研究院は研究者2万7千名を擁し、
関連部局の中国宇宙工業総公司は1万名の研究者を抱えています。

また中国は、人工衛星やロケットの追跡観測のために
「遠望(ユアンワン)級」と呼ばれる衛星観測船を4隻所持しており、
一応、中国国家海洋局の所属となってますが、
実際は中国海軍が運用しています。

この遠望級は人工衛星の観測のみならず、
軍事用ミサイルのデータ収集も行っており、
おそらく今回の人工衛星破壊実験の時も
この観測船が太平洋やインド洋にでも散らばって
データを収集していたでしょうね。

さらに、遠望級は
他国の衛星やミサイルの情報収集も行っています。

過去記事でも書いたことがありますが、

中国の太平洋進出と豪州の反発

かつて中国は南太平洋のキリバス諸島に
「タラワ宇宙センター」という観測基地を作ってました。
これはキリバス政府を多額の援助で籠絡して作ったもので
1997年10月に完成しました。
この基地では自国の衛星・ロケットの観測のみならず、
日米の宇宙ロケットやミサイルのデータ収集も行っていました。

ところが、2003年7月、
キリバス政府は台湾との国交を宣言しました。

これは台湾の多額の援助金に
キリバス政府が心変わりしたためですが、
やむなく中国は観測基地を破棄し、キリバスから撤退しました。
おそらくこの動きの裏では
中国の観測基地を疎ましく思った米国が
糸を引いていたように思います。


中国の宇宙開発は
軍事と密接な関係にあるとよく言われますが、
むしろ「軍事そのもの」であると理解した方がいいでしょう。

上述したように、中国人民解放軍は
未来の戦場は陸海空のみならず、
サイバースペースと宇宙空間にまで拡大するとしており、
彼らはその発想に忠実に
宇宙にまで軍事覇権の網を広げようとしています。


   <続く>



関連資料リンク

衛星破壊、米で高まる警戒感 宇宙戦争「中国の逆襲」


関連過去記事

中国の宇宙開発と軍事利用 その1・・衛星攻撃兵器(ASAT)

日本の宇宙開発・・中国との相違とその問題点







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コメント

個人的には、これ以上地球を汚すなといいたいですね。これってそんなに目新しい技術ではないようですし、衛星破壊の弊害の方が大きいからアメリカもソ連もやらなかった・・
 自国だけでなく宇宙までゴミだらけにするのはやめてもらいたいですね。

  • 2007/01/23(火) 09:32:13 |
  • URL |
  • SAKAKI #-
  • [編集]

宇宙での軍拡

宇宙での軍拡の始まりになるかもしれませんね。

第一次大戦前のドイツの勃興と海軍力の大拡充に似ています。
ドイツは沿岸海軍から大海軍への変身を遂げようし、
英国はこれにそうとうの脅威をおぼえましたが
あの時の感じによく似ています。

仁義なき宇宙軍拡が始まるかもしれません。

  • 2007/01/24(水) 03:12:52 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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