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ロシア:新移民法の施行と中国人不法移民の一掃


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温暖化の影響で全く冬らしい気がしない今日この頃です。
日課の散歩などに出かけても
あまりのポカポカ陽気に拍子抜けしてしまいます。
そういえば今年の東京はとうとう雪が降らなかったとか・・。


さて、話しは全然変わって
今日はロシアの移民事情について書きます。

当ブログでは何度か
ロシア極東地方での
中国人不法移民の増大について書いてきましたが、

ロシア:中国人の大量流入と摩擦・・モスクワの市場爆破事件

ロシアの復活とプーチン様の2つの難問・・工業化と人口問題

さすがにプーチン政権も危機感が増してきたようで
これに対処すべく
去年の11月に移民法の改正を行いました。

その概要は以下のとおりです。

◇ロシア全土に1200万人いる不法移民・不法滞在者の一掃。

◇正規の手続きを経て一定の枠内で外国人労働者を受け入れる。

◇年ごとの外国人労働者の受け入れ枠が設けられる。
 2007年は600万人の受け入れ予定。
 その大半がロシアと査証免除協定を結んでいる旧ソ連邦諸国から。

◇市場や売店などの小売業の労働者はロシア国民だけに限り、
 外国人は認めない。

つまり不法な1200万人を一掃し、
旧ソ連邦諸国からの600万人のみを認めるというわけですね。

この法律は去年の11月に制定され、
今年の1月15日から施行、
小売業からの外国人労働者の排除は
一定の段階を経て今年4月までに完全実施となります。

これによって大打撃を受けたのは
東北三省からロシア極東地方に
蟻の如く流入している中国人不法移民です。

彼らは最初は安価な中国製品を肩に担いで国境を越えて
ちまちまとした商売を行いつつ、
年を経るごとに極東地方の小売市場の大半を牛耳るようになりました。

この中国人不法移民が
今、ロシアの政策の変化によって悲鳴を上げています。

下記の報道をご覧あれ。
中国東北地方の朝鮮系住民のニュースサイトから。


'涙の袋包み' 険しいロシアでの商売の道

 ロシアでの商売の道は
 私たち朝鮮族たちにとって、ごく卑近な事だ。
 旧ソ連の解体末期、中露関係が解氷を迎え、
 朝鮮族のロシアドリームがおこり始めた。
 朝鮮族の村ごとに誰がロシアで商売をし、いくら稼いだ、
 貿易をして金持ちになった等々、町内の話題になっていた。

 しかしロシア政府が頒布した法令により、
 今年 4月 1日からロシア市場で外国人の小売業を全面的に禁止し、
 ロシア全域の 115の露天市場を全て閉鎖し、
 シベリアの寒風の中を転々とした朝鮮族にも
 直撃弾を当てることになった。

 今度、ロシアで出帆した法令は、
 ロシアで長年間商売をして来た朝鮮族には '青天の霹靂' で、
 あっという間に多くの人々が山のように持ちこんだ商品が
 処分品になってしまった。
 そして大部分の人々が元手だけでも回収しようとの思いから、
 商品のダンピングをしながら経営を続けている。

 ウラジオストク‘都市商売センター’で経営する、
 2000人余りの中国商人たちは半分以上が破産の危機になっている。
 現地の中国人たちも
 「不法経営者もいるが、
 大部分の合法商人たちは長年間ロシア政府に納税し、
 現地の経済にも一定の寄与をしたが、
 追い出すとなると直ちに手を下すロシア人たちの横暴が、
 ロバを使ってから食う行為とまったく同じだ」と憤慨した。

 東寧県三岱口朝鮮族鎮三岱口村の李ギョヒさんによれば、
 自分が商売をしていたハバロフスク・ウィブルスカ市場だけでも
 衣服、履物、家電製品、日用品などの商売に携わる中国人が
 少なくとも 3千名に達するのに、警察がうるさくまとわりつくので、
 結局耐えられずに陽暦の正月から次々に撤収し、
 今残っている人は何十人にしかならないという。
 彼らも、売台一つにつき、
 3万ドル以上払って購入したのを売却出来ない人、
 ロシア人に掛けで売った品物の代金をもらうことができなかった人、
 病気に入院して身動きさえできないなどの人々だと言う。

 外国人たちが大挙撤収するため、
 ロシア市場では中国製品の値段が暴落、
 服一着 2000ルーブルしていたものが、
 3~400ルーブル、ひいては工場価格よりも安いといい、
 倒産に追いこまれた荷担ぎ商人たちの血の涙を読み取ることが出来る。

 「ロシアで 10年余りも言葉を学び、根も下して、
 生計がようやく成り立つようになったが、こんな目に逢って、
 悔し涙を流しながら帰郷につきました。
 もはや他の道を選ばなければならないようです。」
 すっかり落ち込んだ李ギョンヒさんの言葉だった。

 大きなかばんを担いで肩を落として
 東寧税関を通って来る遼寧省撫順出身の崔さんに会うと、
 彼はモスクワで日用品を売っていたが、
 今日は旅券検査、明日は営業証検査、身体合格証検査、
 税金検査といいながら、煩くまとわりつく上、
 またある夜中にはならず者に踏み込まれるのではないかと心配で、
 鼠のようにぶるぶる震えながら生きている状況だといい、
 撤収のために 5万6万元損しながらも、
 残った品物と売台を他の人に売却処分し、
 家に帰って来る途中だと述べた。

 ロシアがこのような超強気になった理由は、
 中国商人の極東市場蚕食に対する危機感のためだ。
 プーチンロシア大統領は昨年末、
 中国人の極東地域商圏蚕食に対する力強い対策を注文した事がある。
 国会の外国商人小売業禁止法案制定は
 これに対する即刻の反応というわけだ。

 ロシアが危機感を持つほど、
 中国人は極東経済をほとんど占領している状況だ。
 ロシア沿海州ウスリースクにある、
 極東ロシア最大の在来市場にある2000店余りは
 皆中国人が運営しているか、
 中国人の委任したロシア人が運営しているほどだ。
 野菜や肉類などの場合も、安い中国産が
 ロシア現地人が栽培して育てた食材料を
 市場からほとんど駆逐した状態だ。

 電子製品市場や建築市場も中国業者が荒している。
 新華通信は中国内のロシア専門家たちの言葉を引用して
 "外国人がロシア市場を主導し、
 ロシア商人たちの不満が大きくなったので、
 ロシア政府が自国民の利権保護のために
 今回の政策を導入したものと見られる"と分析した。

 現在、ロシア沿海州に合法滞留している中国人は25万名ほどだが、
 不法滞留者まで含めば
 沿海州の人口650万名の10%に迫るものと推算されている。

   (朝鮮族ネット)


と、こんな状態になっております。

確かに地道に苦労して商売をしてきたのに、
ロシア政府の政策一つで追い払われてしまうのは
悲痛のような気もしないではありませんが、
中国人がロシア極東地方の経済を牛耳りつつある現状、

 ロシア沿海州ウスリースクにある、
 極東ロシア最大の在来市場にある2000店余りは
 皆中国人が運営しているか、
 中国人の委任したロシア人が運営している。

 野菜や肉類などの場合も、安い中国産が
 ロシア現地人が栽培して育てた食材料を
 市場からほとんど駆逐した状態。

 電子製品市場や建築市場も中国業者が荒している。

 不法滞留者まで含めば
 沿海州の人口650万名の10%に迫るものと推算されている。

まあ、これを見ていると
こりゃ追い払われてもしょうがねえだろうと
思っちゃいますね。


さて、この法改正と並んで
今年ロシア政府は新しい人口政策を打ち出しています。


露、人口減少に即効薬!? 「離散の民」帰国のススメ 
 
 人口の減少に悩むロシアが今年、
 旧ソ連圏諸国を中心に居住するロシア人の引き揚げを支援し、
 国内の戦略的要地への居住を奨励する政策に乗り出した。
 ソ連崩壊後、それまで補助金で
 居住を促していた極東など辺境地域から人口流出が続いてきたが、
 財政が回復基調のため、ロシア人を呼び戻すことで
 広大な“版図”を立て直す狙いがある。

 対象となるのは、ソ連時代の構成共和国に残留していたり、
 ソ連崩壊期などにロシアから国外移住したロシア人。
 旧ソ連圏だけで1600万~2000万人、
 欧米やイスラエルも含めると
 2000万~3000万人は存在するとされ、
 今年は46億ルーブル(210億円)の予算で5万人、
 以後の3年間で30万人の帰還をめざす。

 具体的には、移住費を支援し、
 国境沿いの戦略的要地である「A地域」の帰還者に
 6万ルーブル(約27万円)と家族1人あたり2万ルーブル、
 労働力が不足する「B地域」への帰還者には
 それぞれ4万ルーブルと1万5000ルーブルを支払う。
 A地域への帰還者には失業中の補助金支給や免税なども検討中で、
 すでに近隣国に露移民局の出張所も開設された。

   (産経新聞)


現在、ロシアは人口が年間70万人のペースで減少中で
それに輪をかけて、生活条件の悪い極東地方などは
人口が急激に流失・減少しつつあります。

旧ソ連邦時代は給与や年金の割り増しというアメと
中央政府の有無を言わさぬ命令というムチで
極東地方に人口を送り込んでいたのですが、
ソ連崩壊後はこのアメとムチが揃って消えてしまい、
こんな極寒の田舎は嫌だと
人口の流失に歯止めがかからない状態になっています。

その間隙を埋めるように
中国人がどっと国境を越えて不法流入してきたわけですが、
ロシア政府は極東地方の経済が
中国との交易と中国人労働力なくしては立ちゆかない状態を前にして
手をこまねいていました。

また、ロシアのみならず他国もそうですが、
急激な他国からの移民の増加は
民族の摩擦と憎悪、過激な排外主義を生み出します。

ロシアは近年、極右組織が台頭しており、
特にネオナチが若年層を吸収して勢力を増しつつあります。

ロシア:愛国主義の光と影 その1・・ネオナチの急増

去年12月に「全ロシア世論調査センター」が
ロシア人を対象に行った調査によると、
「ロシアはさまざまな民族の共通の家」との回答は
44%で前年度比9%減。
「ロシア人はロシアの多数派民族なのだから、
より多くの権利を与えられるべき」との回答が
36%で前年度比5%増。
ネオナチのスローガンでもある「ロシアはロシア人のもの」との回答が
15%を占めるという結果になりました。

今、ロシアの政治状況は
今年12月の下院選、来年3月の大統領選を睨み、
外交から内政の季節へと内向きにシフトしつつあります。

このプーチン政権の打ち出した、
不法移民の一掃とロシア系住民の回帰奨励策は
極東地方が中国化されつつあった状況の転換点であり、
国内の排外主義の横行に歯止めをかけるものでしょう。

また、ロシアは
内政の安定と石油高騰による収入増によって
経済状況は好転しつつあり、
極東地方の経済を左右する中国人不法滞在者の追い出しという、
荒療治を行えるだけの体力が身に付いてきたのでしょう。



関連資料リンク

選挙控え露政府、市場から移民締め出し

ロシアが新移民規制導入 不法滞在者の一掃ねらう


関連過去記事

ロシア:中国人の大量流入と摩擦・・モスクワの市場爆破事件

ロシアの復活とプーチン様の2つの難問・・工業化と人口問題


関連過去記事(本店ブログ)

対露外交と中国包囲網 その2
 ・・極東地方への中国人移民の流入(前編)

対露外交と中国包囲網 その3
 ・・極東地方への中国人移民の流入(後編)








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