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六者協議と中東情勢・・米朝のパワーバランス


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米高官が北との合意を批判=政権内にも深刻な亀裂-Wポスト

 15日付の米ワシントン・ポスト紙は、
 エリオット・エーブラムズ米大統領副補佐官(国家安全保障担当)が
 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議での
 合意内容を批判する電子メールを
 政権内の関係者に送付していると報じた。
 今回の合意をめぐっては
 強硬派から「米は譲歩しすぎた」との批判が強く、
 同紙の報道が事実とすれば
 政権内部にも深刻な亀裂が生じていることになる。
 
 同紙によると、同副補佐官は電子メールの中で、
 今回の合意が各省庁の担当者による綿密な精査を経ておらず、
 多くの主要な点が最高レベルで決まったと不満を表明。
 特に北朝鮮のテロ支援国家指定解除に触れた部分について
 懸念を表明しているという。  

   (時事通信)


昨日に続いて第二弾です。

六者協議の合意内容は世界に波紋を投げかけてますが、
おそらく一番これを批判しているのが
日本の世論じゃないかと思います。

特に北朝鮮が保有している核兵器の廃棄に関して
全く不透明なことが批判されています。

北朝鮮の十数個の核は
日本と米国では受ける脅威の度合いが違います。
地理的に近く、核という抑止力を持ってない日本にとっては
数個の核とて現実の脅威です。
ここが日本と米国の感覚の差でしょう。

さて、前日に今回の合意と米国の譲歩について論じましたが、

六者協議:北朝鮮の外交勝利と米国の譲歩

私はやはり、米国の譲歩の背景には
混沌の中東情勢があると思います。

現在、米軍がイラクにて泥沼にはまっていることは
ご存じの通りですが、
実はアフガン情勢も悪化しています。

現地の2万数千の米兵と
パキスタン側から越境してくる、
タリバン兵との争闘が激しさを増しており、
予断を許さない状態になっています。

アフガン駐留米軍はイラク情勢の悪化に伴い、
1200人をイラクへ移動させる予定ですが、
ゲーツ国防長官はその移動時期を遅らせる意向のようです。

まさに、こっちに兵力を回せばあっちが足らず、
あっちに回せばこっちが足らず、
米軍の兵力過小と国力の減衰が露呈したかっこうです。

そして、それにプラスしてイラン情勢の緊迫化です。
以下のようなニュースが流れてきました。


イランの核保有阻止は困難
 外交解決に懐疑的-EU内部文書

 13日付の英紙フィナンシャル・タイムズによると、
 イランの核開発問題で、
 同国の核兵器保有を阻止するのは困難だとの分析を
 欧州連合(EU)が内部文書の形でまとめたことが分かった。
 
 内部文書はまた、
 交渉による解決に懐疑的見通しを示すとともに、
 「経済制裁のみではイランの核問題は
 解決できないだろう」と指摘している。  

   (時事通信)


経済制裁による解決は困難。
じゃあどうすればいいのか?

結論は2つですね。
諦めるか、軍事力で叩くか、
このどちらかです。

イランの核開発に最も神経を尖らせている国はイスラエルです。
イスラエルは欧米による対イラン交渉が
望ましい結果をもたらさないと判断すれば
間違いなく爆撃や破壊工作等の実力行使にでるでしょうね。

イスラエルは1981年のバビロン作戦で
イラクのオシラク原子力発電所を爆撃で破壊しましたが、

イスラエル、イラク原子炉を空爆・・1981年「バビロン作戦」

イランはこの教訓に学んで核施設を複数に分散し、
さらに地下に堅牢に作っています。

これを破壊するとなると
一定規模の軍事行使が必要となり、
バビロン作戦の時のような14機の戦闘機で済むとは思えません。
下手をすると核攻撃すら行いかねません。

そうなれば中東情勢の混乱は必至であり、
制御不可能な事態に突入しないとも限りません。

また、イスラエルのみならず、
イランの核開発はドミノ倒しのように
周辺諸国の核開発に波及する可能性があります。
すでにエジプト・サウジ・ヨルダンがこれを表明しています。

米国はこれらの事態を恐れており、
また、国内の強力なユダヤロビーの政治工作もあって
イラン攻撃に傾きかけている徴候が見られます。

ここ数週間ほど、
イラク情勢へイランが介入しているとの報道が増え、
また米政府もこれを声高に非難しています。

どこまでが真実でどこまでが情報工作かは分かりませんが、
開戦への雰囲気は次第に醸成されつつあります。

とまあ、中東情勢がこんな調子です。
米国の本音としては、
「北朝鮮なんか後回しだ」ってとこでしょう。

前回も書きましたが
米国としては北朝鮮を適当にあやしつつ、
北が暴発して軍事力に訴えることは極力避けつつ、
数年単位で北朝鮮を「足止め」したいのでしょう。

この米国の思惑を北朝鮮が読んでいるとするならば、
彼らが交渉で強気になるのは当然です。
どれだけ無茶をしても米国は軍事行使しないと見透したのなら
有利に六者協議を進めていけます。

逆に青くなったのはイランでしょうね。
あの米国の譲歩。
裏読みすればイラン戦の合図じゃないかと
彼らは受け取るでしょう。


今回の合意内容はいろいろと議論されてますが、
5万トンの重油がどうのこうのとか、
60日以内に核施設を云々とか、
こういうのは枝葉に過ぎないと思います。

要は、米国と北朝鮮、
さらに言えば中国も含めた三ヶ国の力関係です。
力のバランスです。

米国が半島情勢に割ける力がごそっと抜け、
相対的に中朝の力が増した格好です。

北朝鮮は実利と力関係に敏感ですし、
ある意味、パワーバランスにこれほど素直な国もありません。

国家の外交において
最後の決め手はやはり軍事力です。
この能力が決め手となります。
それを米国が行使しがたい状況にあれば
北朝鮮の外交上の選択肢は広がるでしょう。

彼らは今後も外交戦略を有利に進めるべく、
あの手のこの手で合意内容を自国に有利にすべく、
攪乱やかき回しを行ってくるでしょう。

そして合意に従うことが自国に不利と判断すれば
他国を欺き、弊履の如くこれを捨て去るでしょう。



関連過去記事

六者協議:北朝鮮の外交勝利と米国の譲歩

六者協議:北朝鮮の核凍結と外交取引






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コメント

アメリカの向き合うべき相手

北東アジアでは、北朝鮮がアメリカの関心を引きつけることに成功していますが、米中が向き合うべき相手を間違えないように、日本は「核開発」「核兵器保有」の議論をより一層盛り上げるべきでしょう。

六者協議からの孤立化を恐れる有識者がメディア中心にここまで多いと、中共の工作員しかいないと感じます。孤立を恐れるな(日下公人談)と言う外交官が出てきてくれることを祈っています。

  • 2007/02/17(土) 17:33:33 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

孤立論者は・・

確か、中西輝政さんだったかな。
「こんな六者協議からは脱退しろ!」という意見もありましたが、
今、脱退するか否かはともかくとして
いざとなれば脱退するぐらいの気概は必要でしょう。
少なくとも、脱退も最後の選択肢の一つとして
持っておいてもいいと思います。

一部国会議員やマスコミなどの
「日本は孤立する」論者に聞いてみたいのですが、
「孤立」とは具体的にどういう状態を指しているのでしょうかね?

彼らの言う「孤立」とは何でしょうか?
そして、孤立したらいかなる不利益があるのか?
彼らはこれを抽象論ではなく、具体的に示すべきです。

彼らのいう「孤立」は
決して論理的な検証の結果ではなく、
なにやら感覚的な漠然としたもののように感じます。

  • 2007/02/21(水) 02:42:44 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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