短く斬れ

ニュース・短評・データ・資料を怒濤の如く。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ

産経「安倍政権・孤独と苦悩」への雑感

産経が「安倍政権・孤独と苦悩」と題して
3回シリーズの記事を載せてますが、
これの下巻が興味深かったのでその感想などを書きます。

まず、産経の記事からどうぞ。


【安倍政権 孤独と苦悩・下】河野談話、米決議案との狭間で

 慰安婦問題を「20世紀最大の人身売買」と断罪するこの決議案は
 もともと米国でも大して注目されていなかった。

 ところが、決議案に対する日本国内での反発に乗じる形で
 米メディアに火が付いた。
 ニューヨーク・タイムズは3月6日付の社説で
 「安倍晋三は『日本軍の性的奴隷』の
 どの部分に理解や謝罪ができないというのか」と激しく批判、
 他の有力紙も相次いで安倍の非難記事を大きく掲載した。

 3月8日の時点では、安倍にも複数の外交ルートから
 「決議案可決は不可避」との見方が伝えられていた。
 ここで政府による再調査を表明すれば
 火に油をそそぎかねないというのが安倍のやむをえない最終判断だった。

 4月中旬の中国の首相、温家宝の来日、
 下旬には自らの訪米を控えていたことも足かせとなった。
 だが、それ以上に安倍が恐れたのは、
 日本の保守勢力に潜在する反米感情に火が付くことだった。

 決議案が可決されれば、
 日本の保守論陣から連合国軍総司令部(GHQ)占領下での
 米軍による婦女暴行事件を糾弾する声が上がることは必至だ。
 東京大空襲や広島・長崎への原爆投下の
 人道上の罪を問う声も上がるだろう。
 そうなれば、米共和党も黙っていまい。
 日米保守勢力の対立をほくそ笑むのは、誰であり、どこの国なのか-。

 対日非難決議案は過去5回提出されているが、
 いずれも廃案になっている。
 しかし、「今回は少し動きが違う」と、
 いち早く察知したのは首相補佐官(教育担当)の山谷えり子だった。

 山谷は昨年9月の補佐官就任直後、官房長官の塩崎恭久に
 「このまま放置したら大変なことになる」と進言したが、
 塩崎の動きは鈍かった。
 安倍が事態の深刻さに気付き、外務事務次官の谷内正太郎らに
 「事実関係に基づかない対日批判に対しては、
 一つ一つ徹底的に反論するように」
 と指示したのは昨年12月だった。

 だが2月15日には
 米下院の小委員会が元慰安婦女性の公聴会に踏み切った。
 業を煮やした安倍は首相補佐官(広報担当)の世耕弘成を
 同月19日、米国に派遣した。

 「決議案の裏には中国ロビイストがいる。狙いは日米の離反だ」

 世耕は応対に出た米国務省の課長級職員に懸命に訴えた。
 世耕の勢いに押されて
 職員が呼びに行ったのは国務次官補のヒルだった。

 「そういう背景があるとは知らなかった」

 ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった。
 しかし、人権に関するテーマだけに
 米国内保守派も日本を援護しにくい。
 時すでに遅しだった。

 駐米大使の加藤良三は米議会に
 「日本政府は慰安婦問題に関し、責任を明確に認め、
 政府最高レベルで正式なおわびを表明した」と声明を出したが、
 大使館員が米政府や米国議会に
 詳しい事情説明や反論を試みた形跡はない。
 理由は河野談話だった。
 「政府が談話を継承する限り、反論しようがない」(政府高官)。
 談話は決議案の根拠となっているだけでなく、
 日本政府が反論できない理由にもなっていた。

   (iza!)


私が今回の慰安婦騒動を見ていて思うのは、
日本国内の保守世論の成長ですね。

今回の保守系論調の特徴は、
上記の産経の記事もそうですし、
多くの時事系ブログが、

  「背後に日米離反をもくろむ仕掛け人有り」

という観点をもっていること。

以前ならば、河野談話が是か非か、
慰安婦の強制はあったか否かに議論は収束するのですが、
一段と踏み込んだ観点で議論を進めている。

日本の保守層のレベルアップとでもいうべきでしょうか。
国際社会が甘チョロい場所ではないことが
だんだんと周知されてきたようです。
頼もしい限りです。

さて、上記記事の個々の箇所への感想など書いておきます。


  決議案が可決されれば、
  日本の保守論陣から連合国軍総司令部(GHQ)占領下での
  米軍による婦女暴行事件を糾弾する声が上がることは必至だ。
  東京大空襲や広島・長崎への原爆投下の
  人道上の罪を問う声も上がるだろう。

これ、日本の保守層は決議案が通ればやるべきでしょう。

非難の応酬で非生産的と言ってしまえばそのとおりだし、
「日米離間」にわざわざ乗じられるようなものかもしれませんが、
この機会に物事の真偽をハッキリさせればいいんです。
私はこの程度のことで日米同盟が崩壊するとは思いませんので。

小泉政権の頃から
日米同盟の緊密化は進んでいます。
長期的には「自由と民主主義」の価値観共有が大きな理由ですが、
短期的には、米国に北朝鮮問題の解決を負ってもらい、
逆に日本はイラク派兵などの米国の行動を支持するという、
取引の側面があったわけです。

しかし、米国は北朝鮮政策の路線転換を行い、
先日の六者協議でああいう妥協をしてしまった。
さらに金融制裁すら解除してしまった。

ここ数年、日本が営々として
ブッシュ政権の政策を側面支援してきたにもかかわらず、
ああいう妥協を平気で行う。

一部論調では「米国の裏切り」との声も上がってますが、
ハッキリ言えば取引が破綻したということです。
イラク政策で米国を支援する代わりに
北朝鮮問題では日本の立場を支持する。
これの破綻です。

彼らが東アジアで手を抜くならば
日本も同盟緊密化の方向性を
少し緩める程度の動きをブラフで見せた方がいいでしょう。

また、ブッシュ政権が弱体化し、
米国自体がイラクで窮地に陥ってますから、
何かあっても米国は日本に強く出れないでしょう。


  対日非難決議案は過去5回提出されているが、
  いずれも廃案になっている。
  しかし、「今回は少し動きが違う」と、
  いち早く察知したのは
  首相補佐官(教育担当)の山谷えり子だった。

  山谷は昨年9月の補佐官就任直後、官房長官の塩崎恭久に
  「このまま放置したら大変なことになる」と進言したが、
  塩崎の動きは鈍かった。
 
山谷えり子さんは
長年、左翼・エセ人権思想と戦ってきた人ですから、
この分野に人脈・戦友が豊富なのでしょう。

おそらく、その人脈からの情報で
この米国の動きを察知したのではないかと思います。

官房長官の塩崎氏は
どうも評判がいまいちですね。

もともと塩崎氏を官房長官に起用したのは
この人物が米国民主党の知日派に人脈を持っているからで、
米国の大統領選挙を睨んでの布陣だと思います。

ところが、この人の能力不足は
米大統領選以前の問題のようです。


  世耕は応対に出た米国務省の課長級職員に懸命に訴えた。
  世耕の勢いに押されて
  職員が呼びに行ったのは国務次官補のヒルだった。

  「そういう背景があるとは知らなかった」

  ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった。
  しかし、人権に関するテーマだけに
  米国内保守派も日本を援護しにくい。
  時すでに遅しだった。

首相補佐官の世耕氏の対応相手が
課長級職員だというのも泣ける話しですが、
まあ、そういう突っ込みはやめておきましょう。

国務次官補でアジア担当のクリストファー・ヒルですが、
六者協議のイメージで日本ではすっかり軟弱者扱いです。

ヒルはブッシュ政権高官としては珍しく
外交官僚の出身です。

2001年のブッシュによる東欧訪問で
当時、ポーランド大使だったヒルは
ポーランド国内の「親米・ブッシュ歓迎」ムードのお膳立てをし、
それがブッシュの好感を得て国務次官補に登用されました。

第一次ブッシュ政権の時には
米国の政権中枢や国務省内には
アジア通や知日派の人材が綺羅星の如く揃ってましたが、
一人抜け、二人抜けと、櫛歯のように抜けていき、
元来は欧州外交の専門家だったヒルが
今ではアジア担当となってしまい、
六者協議を仕切るようになりました。

これは日本にとって大きなダメージですね。
所詮、国家の外交ですから
根本の方針を仕切るのはブッシュとライスですが、
現場から彼らに直言する立場の人間が
日本やアジアの状況に通じてないとは痛い話しです。

上記の産経の記事も
「ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった」の部分に
書いた記者のヒルに対する感情が漂ってますね。

いずれにせよ、ヒルは六者協議に手一杯で
さらにアジアの状況には知悉せずで
慰安婦問題に関してはとても期待できそうもありません。



関連過去記事

河野談話の破綻の経緯 その3
 ・・日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会

河野談話の破綻の経緯 その2
 ・・日本政府と米軍の「慰安婦関連」公文書

河野談話の破綻の経緯 その1・・石原元官房副長官の証言

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー








スポンサーサイト
このページのトップへ

コメント

ヒルと宋旻淳の韓国の工作員活動

昨年、「拉致問題は、日本のでっち上げ。」と宣言し、米国と日本を裏切って六カ国協議を停滞させアーミテージからは、「韓国は米国の恩を忘れたか。」と激怒させていた、韓国の宋旻淳外交通商相。
しきりに、昨年末からやたら、米国に出かけていたと思ったら、ヒルも「同じ駐ポーランド大使出身」でしたか。
韓国の宋旻淳は、外交官としてポーランドに駐在していた頃、しきりに「韓国の仇日本の醜い捏造歴史」を洗脳しまくってました。
更に、「ポーランドはドイツが敵であったように、日本も韓国人を大虐待し続けたと韓国の永遠の敵と」悪口外交で、捏造宣伝工作の世界に広げていた韓国情報部の長、悪の枢軸とここで、米国もつながっていましたか。
米国とポーランドにも、きちんと確認をとる必要がありますね。


外交通商相となる宋室長は青瓦台で竹島(韓国名・独島)問題や靖国問題をめぐる対日関係など最近の外交方針を決定した中心人物。外交通商省次官補時代には6カ国協議の韓国首席代表。北朝鮮が6カ国協議復帰の姿勢を示しただけに、韓国も積極的な役割に向け意欲を示すことになりそうだ。

 統一相に任命された李氏は元議員で与党ウリ党顧問。首席副議長を務める民主平和統一諮問会議は南北対話を推進する大統領の諮問機関。

  • 2007/03/23(金) 08:22:34 |
  • URL |
  • K.SHAW #-
  • [編集]

宋旻淳

> K.SHAW殿

そういえば宋旻淳も
ポーランド大使だったんですね。
それは意外な接点だなあ。

宋旻淳は大統領府安保室長時代に

 「米国は短期間のうちに最も戦争をたくさんやった国」

と言って、
おっしゃるとおり、アーミテージから罵倒された人物です。

バリバリの反米・親北派ですね。

  • 2007/03/23(金) 11:59:31 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

不安定の弧の拡大

クリストファー・ヒルというおっさんはつくづく「グッド・マン」なんですね。

  • 2007/03/24(土) 13:57:42 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

ヒルは・・

六者協議、北代表が怒って帰国しちゃって空転しましたね。
しかも、送金という技術レベルの問題で・・。

ヒルという人物には
妙に滑稽感がつきまとってます(笑)

  • 2007/03/24(土) 21:08:12 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

ケイ

Author:ケイ
憂国と好奇心の30代男

マイブログ・メルマガ

 待避禁止!

 宇宙開発ニュース β版

 メルマガ:古今東西の名言

サイトマップ

 過去記事一覧

 過去記事一覧(本店ブログ)

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。