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チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その2・・航空宇宙技術の流出


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前回の続きです。

チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その1
 ・・クリントン政権の献金疑惑



クリントンと米民主党に対する中国からの献金工作は
米世論とマスコミを騒然とさせ、議会は調査に乗り出します。

一方、捜査に乗り出したFBIは
この動きの背後で中国政府が秘密工作資金を投じ、
大統領、議会両方の選挙で
民主党候補を支援しようとした疑いがあるとみていました。

米国の法律では
外国の団体や個人からの政治献金や
連邦政府施設内での募金献金活動は禁止されています。

これはまあ、米国に限らず他の諸国もそうでしょうが
言うまでもなく他国の政治工作を避けるための措置です。

実はこの数年前に
FBIやNSC(国家安全保障会議)が
クリントンと米民主党のナンバースリーであったペロシ議員に
「中国からの贈賄工作」に関して警告を発していたのですが、
両者共にこれを無視しました。

この問題の背景には
クリントンの脇の甘さと金に対する異常な執着がありました。

以下、産経の過去記事から。


◇広がる献金疑惑:クリントン政権(上)連日の“謀略ドラマ”

 九五年から九六年にかけての大統領選キャンペーンで
 クリントン・ゴア陣営が民主党全国委員会などを通じて
 一億八千万ドルほどの政治寄付金を集めたプロセスでの、
 法律あるいは倫理に違反する疑いの濃い事例が
 つぎつぎと明るみに出ている。

 不正あるいは不適と疑われる事例は大きく分けて二種類ある。
 第一はクリントン陣営が過去のパターンから大胆に逸脱し、
 現職政権の行政力そのものを選挙戦での財政力に
 異様なほど緊密にリンクさせた募金手法である。
 第二は中国系米人らをパイプとする外国の機関や
 個人の米国選挙への財政関与だといえる。

 第一の典型はホワイトハウス施設や
 大統領ポストの募金活動へのフル利用だろう。
 「敏速に進めよ。十万ドル以上、
 五万ドル以上のほかの(献金者の)名前も速やかに集め、
 (ホワイトハウスでの)宿泊接待はすぐに開始準備を整えてほしい」

 九五年一月、民主党全国委員会の財政部門が作成した、
 ホワイトハウス利用の募金プランに
 クリントン大統領がメモ書きで記した指示である。
 このプランはクリントン・ゴア再選のために
 民主党に五万ドルとか十万ドル以上の高額の寄付をした人、
 しそうな人をホワイトハウスに招き、
 正副大統領とのランチ、懇談、映画観賞、
 ゴルフ、ジョギングなどを楽しませるという趣旨だった。
 その究極のアトラクションがホワイトハウス東ウイングの
 リンカーン・ベッドルームでの宿泊だった。
 この部屋はリンカーン大統領が
 奴隷解放宣言に署名した歴史の舞台である。

 ホワイトハウスはこの二月、議会の圧力に屈した形で
 同ベッドルームのゲストとなった九百三十八人の名を公表した。
 民主党に四十万ドルとか五十万ドルという巨額の寄付をした支持者や、
 ホワイトウォーター事件の被疑者、関係者も多数、含まれていた。
 大統領とのコーヒーを飲みながらの懇談は合計百三回も催され、
 出席した数百人からは総計二千三百万ドルの献金がなされたが、
 そのなかには米国への武器密輸で摘発された、
 中国の軍事企業会長の中国人や
 横領容疑でインターポールから指名手配中のレバノン人、
 麻薬犯罪の常習犯の米国人などもいたことが判明した。

 一九七〇年代にウォーターゲート事件の報道で活躍した、
 ワシントン・ポストのボブ・ウッドワード記者が今月二日に暴露した、
 ゴア副大統領の執務室からの電話での献金要求も、
 不正や不適の疑いが濃い。

 合計約五十回の電話では
 「今週末までに二百万ドルを寄付してほしい」というふうに
 金額や期日を具体的に指定しての露骨な要請がほとんどだった。
 連邦政府に補助金や許認可を求める企業の代表であれば、
 現職副大統領からのこうした直接要求はまず断りにくい。

   (産経新聞 1997/03/13)


これを読んでると、クリントンとゴアは
ホワイトハウスを集金装置にした、
えげつのない資金集めをしたことが分かります。

ちなみに、両者共に
この件に関しては全面的に認めて
「不適切であった」と謝罪しています。

さて、前回の最後にも触れたように
この中国系からの献金問題は
議会の追及・FBIによる捜査・マスコミの取材が進む中で
疑惑が次々と広がっていきました。


97年4月25日、
米ワシントンポスト紙が爆弾スクープを行いました。

世界最大の電波傍受機関であるNSA(米国家安全保障局)が、
ワシントンの中国大使館と北京政府をつなぐ電話を盗聴したところ、
中国政府の「首脳」が米政界工作を承認していたことを示す、
証拠を入手したというもの。

また同紙は、この秘密工作を指揮した「中国首脳」が
江沢民国家主席や李鵬首相である可能性を
米政府高官が示唆したとのこと。

この盗聴活動は92年から96年にかけて
NSAとFBIにより行われ、
彼らは中国政府の献金工作を承知していたものの
おそらく政治的理由でしょうが、
この工作活動を止めることはできなかったとのこと。

そして翌年5月、
この問題を調査していた下院国際関係委員会は、
97年2月にクリントンが、
中国に人工衛星の打ち上げを委託する米国の航空宇宙企業が
刑事捜査の対象になっていることを知りながら、
同企業にこの委託を許可したとの公文書を公開しました。

企業の名は「ロラル宇宙通信社」。
この会社は96年、中国に安全保障上の機密技術情報を漏らし、
司法省が刑事捜査を開始していました。

しかし、クリントンはこの事実を知りながら、
ロラル社の申請に応じて、
中国側への衛星打ち上げ委託の特別許可を出しました。

その直前にバーガー大統領補佐官が大統領あての書簡で
「ロラル社にいま許可を与えると、
進行中の刑事事件捜査を阻害する危険がある」と警告していたのですが、
クリントンはこれを無視しました。

実は96年に
ロラル社とそれに関連する人民解放軍直営企業から
民主党に多額の献金がなされていました。

以下、産経と読売の過去記事です。


◇米の軍事関連技術 中国流出の恐れ
 人工衛星打ち上げ 米公聴会で委託批判

 米国上院委員会が二十一日に開いた公聴会で
 クリントン政権の中国への人工衛星打ち上げ委託問題が論じられ、
 専門家から米国の軍事関連技術が
 中国に流れる危険があることが指摘された。

 国際安全保障・拡散小委員会(サッド・コクラン委員長)の公聴会は、
 九八年二月に米国のロラル宇宙通信社が
 中国軍関連企業のロケットで
 米国製人工衛星を打ち上げることを委託した際、
 米国のミサイル発射に関する高度の軍事技術が中国側に流れ、
 中国側の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の命中度を
 高める結果となったという米軍筋の批判を機に開かれた。

 米国の宇宙航空産業界では
 通信用や気象情報用の人工衛星の打ち上げに
 費用が安い中国のロケットをときどき使うことがある。
 その際にはこの衛星打ち上げ委託を軍需品の輸出と同様にみなし、
 米国にとって脅威となりうる国に高度の軍需品が流れないよう、
 打ち上げ委託の是非を事前に
 「軍需品規制委員会」が審査することとなっていた。

 ところが、クリントン大統領は九六年十一月の再選直後、
 審査の権限を国務省下の軍需品規制委員会から商務省へ移し、
 許可取得がずっと容易になった。

 公聴会では委員長のコクラン議員(共和党)らから
 「クリントン大統領はロラル社の代表から
 七十万ドル以上の政治献金を受け、
 当選直後に衛星打ち上げ委託の許可が出やすくなるよう、
 審査の権限を国務省から商務省へ移した疑いがある。
 中国軍関連機関からも間接的に、
 少なくとも十万ドルの献金が民主党に流れた。
 この権限手続きの変更は、
 ロラル社や中国軍からの政治献金で動かされた可能性が高い」
 と疑問を提起した。

   (産経新聞 1998/05/23)


◇米民主党への中国軍不正献金疑惑 衛星打ち上げ許可絡む?
 議会、徹底解明へ
 
 背景には、衛星打ち上げビジネスの特殊性、
 米中双方の企業の思惑がある。
 
 米国は八九年の天安門事件に対する対中制裁の一環として、
 米国企業が中国に衛星打ち上げを依頼することを禁止した。
 しかし、米企業は大量の通信衛星打ち上げを計画しており、
 国内で処理しきれないため、安価な中国製ロケットの利用を考え、
 打ち上げに必要な大統領の特別許可を求め激しいロビー活動を続けた。
 
 これを受け、
 打ち上げ許可に積極的な商務省と消極的な国務省の間で、
 所管をめぐる綱引きが始まった。
 九五年十月にいったん「国務省所管を継続」で決着したが、
 五か月後、クリントン大統領は突然、商務省移管への変更を決定。
 だが、その後も綱引きが続き、実際の移管は九六年十一月にずれ込んだ。
 
 問題の人民解放軍がらみの献金は、この時期の同年七月に行われた。
 民主党への不正献金疑惑で
 今年三月に起訴された台湾系米国人ジョニー・チュン氏が、
 捜査当局に対して、総額約三十万ドルの献金のうち約十万ドルは、
 衛星打ち上げビジネスを行う中国の国営企業重役、
 劉超英中佐から受け取ったもので、
 その出所は人民解放軍だと証言した。

 一方、打ち上げを通して
 衛星やロケット技術が中国に漏れたとの見方もある。
 九六年二月、衛星メーカー大手ロラール社と
 ヒューズ社が特別許可を得て中国で行った打ち上げが、
 発射直後の爆発で失敗。
 両社は独自の事故調査結果を中国側に提出したが、
 この中で誘導技術などに関する機密を漏らした疑いがあり、
 司法省は捜査に乗り出した。
 
 だが、クリントン大統領は、
 「捜査妨害となる」との司法省の主張を無視、
 今年二月、新たな打ち上げを許可した。
 ロラール社会長は昨年、六十万ドルの民主党献金を行い、
 個人最高の献金者であることとの関連を疑う声もある。
 
   (読売新聞 1998/05/24)


まさに疑惑は深まるばかりでしたが、
結局、この中国からの献金工作問題は
うやむやのままに終わってしまいました。

一つはクリントン政権による捜査妨害で
司法長官がこの捜査を早々に打ち切ってしまったこと。
次にクリントンとモニカルインスキー嬢とのセックス疑惑が
センセーショナルに取り上げられ、
世論の関心がそちらに移ってしまったことです。

また、FBIやNSAの捜査は
秘密の通信傍受などを使ったものが多く、
証拠として提示できるものではないことや、
好景気に沸く米国において
クリントン人気に翳りが生じなかったことがあげられるでしょう。

皮肉と言うべきか、
この献金疑惑が発覚した直後の97年1月、
米議会調査局は「中国政府の対米議会工作」
という報告書を発表しました。

その内容は、

 従来の中国の対米ロビー工作は
 ホワイトハウスや国務省の親中派の面々を中心に行われており、
 さほど強烈なものではなかった。

 ところが、これに変化が生じたのが
 95年6月の台湾の李登輝総統による米国訪問。
 中国は阻止工作を仕掛けたが完敗に終わった。

 さらに96年3月の「台湾危機」で
 中国は、李登輝の強い意志と米国海軍の2隻の空母に
 手も足も出なかった。

 中国はこの苦い教訓から
 対米ロビー工作の拡大を決意し、
 劉華秋(国務院外事弁公室主任)をトップとする、
 「米議会工作グループ」を設置。

 彼らの当面の目標は、米政界に働きかけることで、
 中国への最恵国待遇の延長と
 世界貿易機関(WTO)の加盟促進を勝ち取ること。

というものです。

また、1990年にジャパン・ロビーの暗躍を描いた、
「影響力の代理人」の著者、パット・チョート氏は
産経新聞のインタビューに答え、

  「中国は過去の教訓から、私の本の翻訳も含め、
  対日報復法案つぶしに貢献したジャパン・ロビーの活動を
  徹底的に研究してきた」

  「ジャパン・ロビーは
  ワシントンの一流のコンサルタント会社と契約を結んでおり、
  もちろん政治献金もするが、すべて合法的に展開している」

  「逆にチャイナ・ロビーは
  中国系米国人を献金マシンにして裏のロビイストを使う」

と述べています。


90年代後半におけるこの献金疑惑は
その真実の一端を露呈したにすぎず、
全ては闇に葬られてしまいました。

あれから10年の歳月を経て
中国の対米ロビー活動は彼らの軍事費の伸びと同じく、
より活発化しているものと思われます。

世界の覇権国家である米国。
その米国の大統領と議会、さらに世論に対して仕掛けられる工作は
成功すれば世界秩序そのものを揺るがすものとなります。



関連資料リンク

中国の「核」が世界を制す 伊藤 貫 (著)


関連過去記事

チャイナロビー:中国の対米工作の実態 その1
 ・・クリントン政権の献金疑惑

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー その2
 ・・ユダヤ・ロビーの実例

「慰安婦問題」とチャイナ・ロビー

中国諜報機関とコックス報告書





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