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韓米FTA締結とサンドイッチ・コリア


      20070403091830-1.jpg


韓国:米韓FTA締結で合意、車・牛肉で歩み寄り
 
 米韓自由貿易協定(FTA)は2日、
 交渉開始から1年2カ月を経て締結で合意した。
 3月31日の交渉期限を延長し、
 争点となっていた自動車や牛肉問題で歩み寄った。
 韓国のFTA締結はチリ、シンガポール、
 欧州自由貿易連合(EFTA)に次ぐ。
 5月には協定文書が公開されるが、
 諸手続きなどで発効は2009年になる見通し。

 交渉は最後の最後まで難航した。
 交渉期限は3月31日の午前7時だったが、合意にこぎつけられず、
 両国は48時間延長することを決めた。
 2日午前1時までの期限を再延長。
 交渉が行われていたソウルでは
 デモや焼身騒動など反対者の抗議もエスカレートした。
 
 最後まで対立した分野のうち、自動車分野では
 米国側が韓国車への関税を3000cc未満の乗用車については即時撤廃、
 3000cc以上については3年後の撤廃とした。
 現在関税率が25%に上るピックアップトラック、
 (バンや多目的レジャー車・RV)は10年後の撤廃とした。
 
 一方、韓国は米国車について、8%の関税を撤廃するとともに
 現在5段階の排気量別の税制を3段階にする。
 また、発効から3年以内に
 自動車特別消費税を均一5%にすることでも合意した。
 
 現代自動車グループの関係者は
 「両国の市場が広くなることはいいこと」と歓迎の意を示しつつも、
 「米国産日本車の輸入について
 危機感を強めなければならない」と話した。
 
 もう一つの争点のとなった農業分野のうち、
 牛肉の検疫問題については、
 韓国が米国産牛肉に対する国際貿易事務局(OIE)の
 牛海綿状脳症(BSE)評価が5月に出た後、
 その結果に基づき骨付き肉を輸入するとした。
 40%の関税については15年以内に撤廃する。
 
   (NNA)


米国と韓国がFTA締結で合意しました。

韓国保守層はこの結果に手放しの喜びようで
日頃、現政権に手厳しい保守系新聞3紙も
盧武鉉大統領を褒めちぎっています。

盧大統領の「FTAリーダーシップ」を高く評価する

盧大統領、執念のリーダーシップ「ドラマは終わっていない」

韓国保守層は
何やらFTA締結で全てがバラ色になるような浮かれぶりです。
こういうところがいかにも韓国らしいのですが・・。

しかし、何はともあれ、
これは韓国経済にとっては前進であることは事実でしょうし、
未だに諸国とのFTAが遅々として進まない日本の現状を顧みるならば、
国内の利害関係を押し切って
FTA締結にこぎ着けたのは見事だと思います。

ただ、上記ニュースには書いてませんが、
このFTAの締結事項の中に
韓国と北朝鮮の共同プロジェクトである開城工業団地の産品を
「韓国産」として認める含みを残したことは
日本にとっては大いに気がかりです。

この工業団地の製品を通じて
北朝鮮に外貨が雪崩れ込むようであれば、
対北経済制裁などは崩れ去ってしまいます。

この点、日本政府は米国に対して強い懸念を表明すべきです。
ブッシュ政権がこの問題を、どの程度自覚しているのか?


さて、このFTA締結の一ヶ月ほど前から
韓国保守層で大流行となっている言葉があります。

  「サンドイッチ・コリア」

これには経済的な意味と政治的な意味があります。

1,経済的に韓国は、日本と中国の板挟みとなり
  先を行く日本にはいつまでも追いつけず、
  後からは中国の巨大な影が迫っている。

  韓国製品は、日本製品と比較すれば技術と質に劣り、
  中国製品と比較すれば価格に劣り、
  このままではジリ貧である。
  
2,政治的に韓国は、大陸勢力と海洋勢力の板挟み状態であり、
  朝鮮半島を中心にして
  日米中露の四大国が睨み合っている現状である。

  盧武鉉政権の反米親北政策により
  米国との盟友関係にはヒビが入っており、孤立化し、
  韓国は日米中露の間でサンドイッチ状態となっている。

上記の米韓FTAの締結を韓国保守層が望んだのは
「経済的サンドイッチ」状態の危機感からです。

この「サンドイッチ・コリア」なる造語を
最も頻繁に使用しているのが中央日報で
ここ数週間ほど、ほぼ毎日のように
「サンドイッチ・コリア~」のタイトルのついた記事を掲載していました。

<サンドイッチコリア>中・ロ密月…日米豪新同盟…韓国は?

<サンドイッチコリア>中国・日本も過去を埋めて意気投合

<サンドイッチコリア>日本・中国の軍事力を緊急診断

<サンドイッチコリア>対米輸出も「サンドイッチ」

内容は、
「俺たちは大国同士の板挟みだ~」
「韓国は孤立している!」
という感じで
何やら自虐味すら感じさせる危機感がこもった記事の群れです。


さて、経済的な部分はともかくとして
政治的・歴史的には
「サンドイッチ・コリア」とは
ある意味、彼らの地政学的宿命でもあります。

歴史的に「半島」とは
大陸勢力と海洋勢力の草刈り場となる傾向があります。
朝鮮半島やイタリア半島などがそうでしょう。

半島に位置する国家が
自前の巨大な国力を持てば別ですが、
朝鮮半島の場合は、人口と面積からして
大きな国力を持つことは困難であり、
結果、その大半の歴史が大陸中国の服属国であり、
近年になって海洋勢力である日本の支配下に置かれました。

まあ、厳しい地理環境にある彼らですが、
政治的な解決策は一つで
大陸勢力か海洋勢力か
自国にとって都合のいい勢力側と同盟関係になり、
他に対する以外にありません。

第三の道として
自前の勢力圏構築や中立国家となることなどがありますが、
これは韓国の国力からして空想話に過ぎません。

この意味では、現盧武鉉政権の掲げる、
「北東アジアのバランサー」構想は空論に過ぎません。
国力の裏付けが無いからですね。

本来ならば
政治体制やシステムが似通っており、
領土的野心を持たぬ日米の海洋勢力と連携し、
大陸勢力に対するというのが
彼らにとっては賢明な選択です。

そもそも、本当に「バランサー」になりたいのならば、
東アジア諸国の摩擦や紛争などに
韓国は仲介役を買ってでるべきです。
日中間の紛争など特にそうでしょう。

欧州などでは
たとえば英国とドイツがもめても
必ずフランスなどが仲介に入りますし、
その他の国々も同様です。

フランスなどは
米国と中東諸国の間に摩擦が生じると
すかさず「止め男」として仲介に登場し、
外交的な存在感を見せつけてきました。
今ではトルコなんかもそうですね。
これが外交の得点となるわけです。
ASEANにおけるシンガポールなどもそうです。

しかし、韓国は、
あるいは盧武鉉政権は、と言い換えてもいいですが、
彼らは日中間で摩擦が生じても
何らそういう動きは見せないわけです。
「バランサー」などと言いつつ、何もしないわけです。
意志もなければ、それ以前にそういう発想すらない。

むしろ、中国の反日暴動の時などもそうですが、
中国と一緒になって反日を叫んでいるのが現状です。

この一事を取ってみても
盧武鉉の「バランサー」なるものが
単なる観念のお遊びだということがよく分かります。


さて、今回の米韓FTAの妥結で
盧武鉉政権はその外交の軸足を
海洋勢力たる米国の方に若干傾けた印象です。

韓国の保守層や保守系紙が
手のひらを返したように盧武鉉を褒め称えるのは
いささか滑稽な感じがしないではありませんが、
「バランサー」などと妄言を放っていた男が
国内の反対勢力をねじ伏せて米国とFTAを結んだわけで
「やれば出来るじゃん」というのが
韓国保守層の率直な感想でしょうか。



関連資料リンク

韓米FTA妥結:ヘビー級米国と戦うミドル級韓国(上)

韓米FTA妥結:ヘビー級米国と戦うミドル級韓国(中)

韓米FTA妥結:ヘビー級米国と戦うミドル級韓国(下)

米韓FTA合意、日本は取り残されたのか
 韓国がこだわった理由








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コメント

FTAがもたらすもの

サンドイッチ・コリアが狙うのは、日本並みの高品質を、中国並みのプライスで、だそうです。そこに、ケソンが関わってくることになるでしょう。

北朝鮮国民にとっては、将軍様も、韓国の財閥も、似たようなものです。

FTAの出遅れを懸念する声ばかり聞こえてきますが、本当にそうなのか?とも思います。マスコミの論調が偏っているときほど、怪しいときはないですから・・・。

  • 2007/04/04(水) 19:57:55 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

韓国のおかれた状況

今回の韓国保守系紙の「盧武鉉万歳!」には驚きました。

逆に今まで盧武鉉寄りだった左派のハンギョレ新聞などは
「弱者切り捨て!」とヒステリックにわめいています。

ここらへん、かの日本社会党が自民党と連立政権を組んで、
次々と従来の政策を保守寄りに変質させていった頃を思い出します。
保守層は歓迎し、従来の左派の支持者は憤りで、
あれとよく似てますね。

韓国保守層の「サンドイッチ・コリア論」に関していうと、
現状認識としておおむね正解だと思います。
自国の状況を客観的に認識していると思います。

ただ問題は、そこから脱出するための方法論ですね。
これが人によって千差万別、違うわけです。

  • 2007/04/05(木) 01:47:19 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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