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ソマリア情勢の緊迫化・・イスラム法廷と原理勢力


     map_somalia.gif


ソマリア紛争:首都モガディシオの戦闘、4日目に突入

 首都モガディシオで発生した、
 エチオピア軍とイスラム武装勢力の迫撃砲を用いた激しい戦闘は
 21日、4日目に突入した。
 住民らによると、前夜には複数の地域で散発的な銃撃が発生したという。

 エチオピア軍部隊が
 モガディシオ南部にある大統領府から武装勢力の潜伏場所数か所に向けて
 迫撃砲やロケット弾を発射したことを受け、
 武装勢力側は激しい報復攻撃に出ている。

 2006年12月には、
 国連の支援を受けたソマリア暫定政府とエチオピア軍の合同部隊が
 イスラム原理主義勢力「イスラム法廷会議」を
 モガディシオから追放したが、
 イスラム勢力や国内の軍閥は、エチオピア軍の撤退を要求し、
 首都の治安は悪化の一途をたどっている。

 エチオピア軍とイスラム武装勢力は
 北部Fagahや中心地のバカラ市場付近で機関銃を使用して戦闘を展開した。
 住民らの話によると、
 複数の地域で夜間に発生した砲撃による死傷者数は不明。

 首都南部に住む市民は
 「エチオピア軍部隊がバカラ市場を攻撃し、
 迫撃砲があちこちに散在している。
 どうしたら良いのか分からない」と語った。

   (AFP)


ソマリア情勢が再び緊迫しています。

ソマリアに関しては過去二回ほど書きましたが、

ソマリア情勢:首都モガディシオの陥落と全土ゲリラ戦の始まり

ソマリアの混沌・・エチオピア軍の進入、米国の介入論

いっそうの泥沼状態に突入しつつあるようです。

上記ニュースに書いてあるように
去年12月にソマリア暫定政府とエチオピア軍の合同部隊によって、
イスラム原理勢力「イスラム法廷」はソマリアから追い払われ、
一旦は和平へと向かうかに見えました。

ところがどっこい、イスラム法廷は生きてました。
お得意のゲリラ戦を駆使して
首都モガディシオは再び戦闘のまっただ中にあります。

ロイター電によると、
先月29日から今月1日にかけてのモガディシオの戦闘で
少なくとも1086人が死亡し、
4300人以上が負傷したとのこと。

このうち民間人がどれだけ含まれているのかは不明ですが、
一回の戦闘の死者としてはハンパな数字ではなく、
そうとうの激戦であったことが分かります。

また、11日付けの毎日新聞によると、
軍関係者以外の立ち入りが禁止された市南部には
多数の遺体が放置されており、
モガディシオは「陸の孤島」と化し、
砂糖や米の価格が1週間で2倍に高騰しているとのこと。

また、エチオピア軍は戦闘前に
市南部の住民に退去を呼びかけたが徹底せず、
砲爆撃が民家を直撃して多数の民間人が犠牲になったとのこと。

国連はこの戦闘に関して
10日間で民間人約5万人が難民化したと発表しました。

一旦はイスラム原理勢力を追い払った
ソマリア暫定政府とエチオピア軍ですが、
彼らには誤算がありました。

当初の計画では、
戦闘が終わった後、エチオピア軍は早々に引き揚げ、
AU(アフリカ連合)軍8千名が代わりに進駐する予定でした。

しかし、AU各国は財政難を理由に派兵を渋り、
結局、派兵を約束したのは
ウガンダ・ナイジェリア・ガーナ・ブルンジの四ヶ国のみで、
このうち実際に派兵したのはウガンダのみです。

元々、弱体の暫定政府軍は頼りにならず、
律儀に派兵してきたウガンダ軍はわずかに千四百名のみ。
やむなくエチオピア軍はソマリアに残り、
イスラム法廷と激戦を繰り返しているという流れです。

エチオピアの背後には
イスラム原理勢力の拡大を恐れる米英がいて
一定の資金援助は行うのでしょうが、
このような泥沼の戦闘が続けば
いずれエチオピア軍も息切れするに相違なく、
現情勢の延長線上には原理勢力の天下が待っているでしょうね。

ソマリアは「アフリカの角」と呼ばれ、
紅海を臨む要衝の地ですが、
ここをイスラム原理勢力が制圧するとなれば
国際社会へのインパクトは相当のものがあるでしょう。


さて、ソマリア暫定政府も一定の兵力を抱え、
各国からの援助も潤沢に入っています。
しかし、エチオピア軍の助力がなければ
とうてい一騎当千のイスラム法廷軍には太刀打ちできません。

この状況はソマリアのみならず、
イラクやアフガンでも同様ですが、
何故、こうまで「イスラム法廷」などの
原理主義勢力は強いのか?

それは、彼らの背景にイスラム原理主義という、
イデオロギー又は思想体系があるからでしょう。

ソマリアを例にとっても
ソマリア暫定政府軍は各軍閥の寄せ集めで
何を理念に、何を基準に国家を建設していくのかという、
思想の背景がありません。
国家を構築していく理念など存在せず、
ただの利害関係で烏合した集団に過ぎません。

これに対してイスラム法廷側には
確固たる思想のバックボーンがあり、
いかなる国家と社会を構築していくのかという理念が明確です。
また、その思想によって
個々の兵士の戦闘倫理も磨き上げられています。

この状況を見ていると
生半可な存在ではイスラム法廷に撃破されるでしょうし、
唯一の対抗馬たるエチオピア軍が
この泥沼の戦闘にいつまで耐えられるのか?

米国はイラクで疲弊しきっており、
イラン情勢の緊迫化もあり、
とうていソマリアにまで手を出せないでしょう。

かつて米ソの冷戦時代に
内戦が頻発したアフリカ各国は
米ソそれぞれの陣営に属して戦闘を繰り広げてきました。

しかし、今や米国は疲弊し、
ソ連邦はすでに崩壊して存在しません。
この間隙にイスラム原理勢力が付け入っているわけですが、
私は第三勢力としての中国の動きに興味を感じています。



関連過去記事

ソマリア情勢:首都モガディシオの陥落と全土ゲリラ戦の始まり

ソマリアの混沌・・エチオピア軍の進入、米国の介入論






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コメント

妥協

アメリカには、イスラム原理主義との妥協を探って欲しいものです。石油を巡る争いにも一定の利益をもたらすはずです。北朝鮮にあれだけの譲歩が出来たんですから、不可能ではないはずです(^^;。

自ら構築した秩序を相手のペースで再構築するのはプライドが許さないんでしょうけど、アメリカに求められる、新たな盟主のあり方だと私は思います。朝貢を強制する中国との大きな差を見せられるのはその辺ぐらいしかないのではないかなぁ、と・・・。

  • 2007/04/24(火) 07:40:45 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

続き

と、ぼやいている間に、エチオピア国内で反政府勢力が蜂起しています。イスラム法廷?

エチオピア軍もソマリアにいる場合ではないです。

  • 2007/04/25(水) 18:41:00 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

エチオピア・反政府組織

> エチオピア国内で反政府勢力が蜂起

このニュースですね。

*中国系の油田を襲撃、多数死亡、拉致も エチオピア
 http://cnn.co.jp/business/CNN200704250033.html

2つの意味で興味深いですね

1,中国資本が狙われているということと、

2,この「分離独立を求める反政府勢力」と
  イスラム法廷がつながりがあるのか否か?

タイミング的に
イスラム法廷とのつながりが気になります。

  • 2007/04/26(木) 00:24:40 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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