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北京五輪「人質論」・・ダルフール問題と中国への圧力


           genocide_olympics.gif


北京五輪の「大失敗」警告
 ダルフール問題で中国非難の書簡-米下院委員長

 米下院外交委員会のラントス委員長(民主)ら下院議員108人は9日、
 大量虐殺が起きているスーダン西部ダルフール紛争について、
 同国に大きな影響力を持つ中国政府が
 紛争に歯止めを掛けるための十分な行動を取っていないと非難する、
 連名の書簡を胡錦濤国家主席あてに送付した。
 書簡は、スーダン政府にとって中国は最大の投資国となっており、
 「ジェノサイド(集団虐殺)の資金提供者」として歴史に残ると指摘。
 来年の北京五輪開催中に抗議行動が頻発すれば、
 それは中国政府の「大失敗」を意味することになるとも警告している。
 
 スーダン政府は、
 ダルフール紛争終結に向けた国連・アフリカ連合(AU)合同の
 平和維持部隊の受け入れを渋っているが、
 中国はスーダン政府への制裁発動に消極的な姿勢を取っている。
 今回の強い表現を用いた書簡送付は、
 米議会内でも中国に対する不満が高まっていることを示した。  

   (時事通信)


ここ一ヶ月ほど、
「ダルフール」の名が報道をにぎわすことが多くなっています。

ダルフール紛争に関しては過去にも書きましたが、

ダルフールの虐殺と中国の罪・・犯罪と資源外交

スーダン西部ダルフール地方において
スーダン政府軍がアラブ系民兵と連携して
同地方の黒人系一般市民を
組織的に攻撃し殺戮している「虐殺事件」です。

今年3月の国連人権理事会の調査報告書では
ダルフール紛争による死者は「少なくとも20万人」となっています。

このスーダン政府に対して
石油などの資源絡みで中国が肩入れし、
国際的な圧力を遮り続けてきたのは周知の事実ですが、
どうやらここ数ヶ月ほどで風向きが変わりつつあるようです。

一つは米国と欧州などでの
この問題に対する意識の高まりで、
欧米でのマスコミ論調は
スーダンと中国に対して一段と厳しいものになりつつあります。

4月中旬には
米国のネグロポンテ国務副長官が
ダルフールの難民キャンプを視察。

この報告を受けて
米ブッシュ大統領は4月19日、
スーダン政府に対して強い調子の警告を発しました。

ダルフールの暴力をやめさせる最後の機会
 米大統領、スーダンに警告

これらの圧力にビビったか、スーダンのバシル政権は
かねてより拒否し続けていた国連PKOの受け入れ計画に対して
暫定的な受け入れを表明しました。

スーダンが国連PKO了承 3段階派遣計画の2段階目

実はこの合意には裏話がありました。

2008年の北京オリンピックの芸術顧問を務める、
映画監督スティーブン・スピルバーグが
ダルフール問題で中国政府に対して懸念を表明。
これに慌てた中国政府がスーダンに特使を派遣し、
これがスーダン政府の軟化につながったのです。
詳細は以下。


中国慌ててスーダンに特使 スピルバーグ氏らの懸念で

 きっかけは、国連児童基金(ユニセフ)の親善大使を務める、
 女優ミア・ファローさんの
 三月二十八日付ウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿。
 中国はスーダンの原油の大半を購入しており、
 その代金が紛争に使われているなどと指摘して
 北京五輪を「大虐殺の五輪」と呼び、
 スピルバーグ氏をナチス時代のドイツ人映画監督になぞらえて批判した。

 寄稿の四日後、同氏は中国の胡錦濤国家主席に手紙を送り、
 ダルフールの住民虐殺に懸念を表明し、
 中国がスーダン政府に対し適切な措置をとるよう要請。
 中国は直後、スーダンに特使として外務次官補を派遣し、
 難民キャンプまで視察させる異例の対応を取った。

 スーダンに対する中国外交については、
 資源獲得を優先してダルフール紛争を軽視しているとの
 欧米からの批判がある。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、
 今回の出来事が、中国が国を挙げて取り組む、
 「五輪にダルフール紛争をうまく絡めたことによる
 驚くべき成功」との非政府組織(NGO)の見方を紹介した。
 
   (中国新聞)


この「快挙」に影響されたのか否か?

ここから「北京五輪」に絡めて
ダルフール問題で中国に圧力をかけようという動きが
一気に世界中に拡散していきます。

先日の仏大統領選でロワイヤル候補は
ダルフール問題での中国の対応に改善が見られなければ
北京五輪をボイコットすると表明、
これに世界中の反中派が諸手をあげて喜びました。

そして冒頭のニュース。
米議員108名が連名で胡錦涛に、

  来年の北京オリンピック開催時に
  ダルフールと中国政府を結びつけた抗議活動が起きれば
  それは中国にとって大災厄なるだろう。

と、物騒な書簡を送りました。

一方、米国のマスコミもヒートアップしています。

メルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」の通巻1794号に、
こんな内容が載っていました。


◇読まれました? 『ボストン・グローブ』の社説を。
 北京オリンピックは「皆殺しの競技会だ」と激越なる中国批判

 「ボストン・グローブ」紙と言えば
 米国東海岸でNYタイムズ、ワシントンポストと並ぶ有力紙。
 
 その社説(5月9日付けIHIに転載)を見て驚いた。
 2008年オリンピックを「皆殺しの競技会と呼ぼう」と
 中国への激しい非難に埋まっているからだ。

 すこしく意訳してみる。
 
 「中国は同胞を虐殺するスーダンへの国連制裁決議を
 事実上無効にするために舞台裏で蠢く。
 ミャンマーの民族浄化、ウズベキスタン、
 ジンバブエの人民虐殺に対して、
 その独裁者達に武器を売り歩き、支援し、国連非難決議に反対した。
 中国は「悪魔」と呼んで差し支えないだろう」。

 同紙は中国の行為は共産主義ドグマとは無縁に、
 暴君らを支援する動機は石油である、と剔り、
 また「投資した石油鉱区を護るために
 中国は残虐な政府であっても支援する」として、次のように続ける。

 「ウズベキスタンの独裁者カリモフが2005年に
 アンディジャンで抗議のデモ隊に発砲したときも、
 中国はウズベキスタン政府がいう、
 『テロリストだったから』という作り話を支持し、
 直後にカリモフを北京に招待したうえ、
 六億ドルの経済支援協定に著名した。
 おなじ手口はチベット、台湾の独立運動に対しても使われている。
 
 我々は中国に対して、
 つねに『恥を知れ』と批判し続けなければなるまい。常に常に。
 そして2008年北京オリンピックを
 “皆殺し競技会”を呼び続けよう」。

   (宮崎正弘の国際ニュース・早読み)


いやあ、凄いですね。
日本では産経だってここまで書けないでしょう。


さて、こういう状況を見ていて思うのですが、
「北京五輪」ってのは中国の国威発揚の機会であると同時に、
他国人から見ればこれは「人質」も同然だということです。

日本では東京都の土屋都議などが
中国の人権蹂躙に抗議して北京五輪ボイコットを呼びかけてますが、

東京:人権蹂躙大国・中国に抗議、北京五輪ボイコット
 地方議員と市民の会

私が寂しく思うのは
国会議員でこのような動きを見せる人が皆無なことですね。

べつに日本も外交関係ってものがあるので
全国会議員にやれとは言いませんが、
数人ぐらいはその種の動きをしてもよさそうなものですが・・。
それが中国政府にとっては
「日本、侮り難し」との圧力になるわけですから。

題材なんていくらでもあるでしょう。
ダルフール問題もそうだし、
東シナ海のガス田の問題もある。
人権蹂躙、自由無き独裁国家、年々拡大する軍事力、
近隣諸国を巻き込む環境汚染、等々等。

来年に北京五輪が開かれるいい機会です。
これは格好の人質です。
五輪に絡めて大いに中国に圧力をかけてほしいものです。

絶好の好機が到来してるわけですから。






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コメント

翻って日本ではシナに圧力をかけるどころか、超党派議員が北京オリンピックを成功させる会を結成して、ダルフール虐殺には見ざる、言わざる、聞かざるです。
温家宝の国会での演説でも、無意味な拍手をしたり、日本の国会議員にはもはや何も期待できません。
国民の危機感との乖離がはなはだしい、由々しき事態です。選挙で淘汰していくしかないです。

  • 2007/05/11(金) 00:36:21 |
  • URL |
  • ジャポネーズ #-
  • [編集]

私はカナダ暮らし4年目になりますが、何かにつけて「個人主義」で鍛えられた北米人の自己主張の凄さには、「和を持って尊し」の日本人が太刀打ちできぬほどの迫力を感じています。

特に国際政治の場では日本の政治家など幼児に見えてしまいます。

日本人は言葉を使うのもへた。北米では小学校から自己主張を教育されますもの。個人主義の国ではとにかく言葉が武器。

日本政府も日本人も、お金と技術を提供して自己満足していてはいけない。自己主張して初めて一目おいてくれるのが国際社会です。日本的な価値観と国際社会の価値観とを上手に使い分けられる人を育てていかねば。(ほとんどが中国共産党員の子弟である留学生に奨学金を手厚くするなどもってのほか)

北米では、ダルフールに比べると蔭が薄いような気がするチベット弾圧にもボストングローブ紙が言及したことはうれしかったです。懐かしい日本人を見るような穏やかで謙虚なチベットの人々をはやく中共の弾圧から助けてあげないと。

いつになったら堂々と、血塗られた中共やキチガイ韓国、地獄の北朝鮮を凶弾できる国会議員が日本に現れるのでしょうねぇ。

ダルフールがきっかけとなって、北米でシナに対する西洋的な幻想がなくなり正しい認識が広まるのを願っています。私は毎日溢れるシナ人を身近に見てSinophobiaになってしまいました。

長々とすみません。いつもケイさんには勉強させてもらっています。

  • 2007/05/11(金) 08:23:51 |
  • URL |
  • Mrs. Lindsay #-
  • [編集]

日本国のオーナーの視点

> ジャポネーズ殿

> 超党派議員が北京オリンピックを成功させる会を結成して

日本人は人がいいですね。
頼まれもしないのに他国五輪の成功させようとするわけですから。
いや、頼まれたのかな(笑)?

あの温家宝の演説で
日本の議員の実態がよくわかりました。
総じて言えるのは
60代の団塊世代の政治家は頼りにならないということです。
あの世代は政治家に限らず、学者などもそうですが
どうにも政治的に駄目な人が多すぎです。

今月号の正論に佐々淳行さんが書いてましたが
頼りになるのは、あの世代の下からで
小泉後は安倍氏に政権がバトンタッチされたのも
あの世代がどうしようもないからだとか・・。


> Mrs. Lindsay殿

いえ、こちらこそありがとうございます m(__)m

外国から眺める日本というものは
実に危なかしくてヤキモキするような感じでしょうね。
泰平気分に浸っている日本国内では
国際社会の苛烈さは見えにくいでしょうから。
まあ、これが日本の良さでもあるわけですが・・。

> 日本人は言葉を使うのもへた。
> 個人主義の国ではとにかく言葉が武器。

> 日本的な価値観と国際社会の価値観とを
> 上手に使い分けられる人を育てていかねば。

私はこれを打開するのは
エリート教育だと思っています。
「エリート」というと嫌な感じを与えますが
要は「ノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)」を背負った、
人材を育成することです。
この層に「言葉とロジック」について
みっちり仕込むことですね。
一般の国民にそれを期待するのは文化的に無理でしょう。

政治家の登用ルートに関しても
今のままではよくないですね。
政治家になるには議員秘書か官僚になるしかルートがなく、
それ以外の道はかなり険しいです。
細く狭い道です。

国民各層から有為な人材を幅広く登用できなければ
政治家のレベルは下がっていくでしょう

「人材の供給」という観点から政界を見ると、
実に供給ルートが狭いのが分かります。
細く狭いルートから似たようなタイプの人材しか集まらないようでは
政界のレベルは下がるばかりでしょう。

政界に属している人間自身は
ここらへんのことを客観視できてませんし、
そういう発想も無いでしょう。

自分が「日本国のオーナー」だとしたら
この「日本政界」という部署はどう見えるのか?
人材の供給ルートは今のままでよいのか?
彼らにも少し客観視してほしいものです。

  • 2007/05/13(日) 23:27:13 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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  • 2008/03/22(土) 21:53:03 |
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