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オーストラリア:有史以来最悪の大旱魃・・農業・畜産に壊滅的打撃


      20070516map.gif


オーストラリア:水使用制限強化を準備 深刻な干ばつで

 深刻な干ばつが続くオーストラリアで、
 首都キャンベラの水道を管理する公営企業は15日、
 水の使用制限レベルを最高の4に引き上げる準備を始めたと発表した。
 レベル4では、芝など植物への散水、洗車など、
 屋外での水使用が原則として禁止される。
 
 発表によると、首都地域に水を供給するダムの貯水率は
 31.2%の「危機的状況」で、
 このまま降雨がなければ7月までに適用される。
 消費量が増えた場合などには前倒しもあり得るという。
 
 豪州は昨年から史上最悪といわれる干ばつに見舞われ、
 小麦などの生産量は前年の半分以下に落ち込んだ。
 政府は、都市部住民への飲料水確保のため、
 同国農業生産高の4割を占める南東部の農業地帯での
 かんがい用水の供給停止も検討している。 

   (毎日新聞)


豪州の旱魃は6年連続であり、
特に去年から今年にかけての大旱魃は
ハワード豪首相曰く、

  「有史以来最悪の状況」

となっています。

被害が深刻なのは同国の南東部ですが、
その中のマレーダーリング盆地は
豪州の農業生産高の約40%を占めており、
現在、この地の農業は壊滅的な打撃を受けています。

豪で水不足一層深刻に 南東部マレーダーリング盆地

ハワード首相は先月19日、記者会見を行い、

  「5月半ばまでに多量の降水がないかぎり
  国の大部分の農地の灌漑を禁止する」

と発表しました。

灌漑用の注水が中止になれば
これに頼る畜産や園芸作物は壊滅するでしょう。

今、豪州は危機的な状況を迎えています。


すでに事態が深刻になり始めていた今年2月、ハワード首相は、
旱魃の被害が大きい4つの州から灌漑権を取り上げ、
これを連邦政府に集中させました。

また、今年1月には
旱魃に苦しむ北東部クインズランド州政府は、
下水をリサイクル処理した水を
飲料用に同州の一部で来年から使用すると発表しました。

州政府のビーティー首相は、

  「大変な決断だが、水を飲まなければ死ぬ。
  他に方法がない」

と、住民に理解を求めました。

地元紙によると、このまま旱魃が続けば、
同州の水源は09年に枯れ果てるとのことです。

このように、危機感に駆られた行政側は
旱魃対策を矢継ぎ早に打ち出しましたが、
事態の急進はこれを上回っていました。

去年の冬あたりから始まったこの大旱魃で
豪州産の農作物が記録的な不作となったため、
世界的に小麦・トウモロコシの値段が急騰しました。

豪州農業資源経済局によると、
今年夏の作物全体の生産量は前年よりも59%減
米生産は90%減、綿花は42%減が予想されています。
また、前年の冬の作物の生産高は
小麦が61%減、大麦が62%減でした。

さらに、豪州といえば羊や牛などの畜産ですが、
この旱魃による飼料不足が深刻で
畜産農家は破滅的な状況に陥っています。

現地紙によると、畜産農家の自殺が相次ぎ、
家畜を市場に出しても余りに痩せていて商品価値がないために
買い手がまったくつかないため、
農民に射殺される家畜が増えているとのこと。

去年の10月、飼料輸出大国である豪州が国内の飼料不足により
緊急の輸入を行うまでに追いつめられました。

この旱魃は生態系にも影響を及ぼしています。

カンガルーとラクダが
食料の草木の欠乏により、
都市部に雪崩れ込むという現象がおきています。

オーストラリア首都近郊でカンガルーの大量駆除を計画

豪州で大干魃 ラクダが異常繁殖し新たな悲劇も

これに対して人間側では
カンガルーとラクダの駆除に乗りだし、
動物愛護団体がこれに噛みついています。


さて、周知のとおり豪州は京都議定書に参加していません。

1997年の統計では
オーストラリアのCO2の排出量は世界全体の15位ですが、
国民一人あたりの排出量は4位です。

これは豪州のエネルギーが
もっぱら石炭などの化石燃料に依存してるからです。

この6年間の旱魃も
当初、豪政府は「地球の温暖化とは無関係」と主張していました。
しかし、事態が深刻になり、
もはや彼らから「無関係」の言葉は聞かれません。

2006年に発表された英国政府の気候変動と経済に関する報告書、
「スターン・レビュー」によれば、
豪州は「先進国の中で最も気候変動に脆弱な国」とされていますが、
この評は的中していたようです。

また、豪州は最もオゾン層破壊の影響を受けており
紫外線による人体のダメージも深刻化しています。

親は子供に日焼け止めを塗ることが義務付けられており、
学校では、日焼け止めクリームが教室に常備され、
子供たちも後ろに布の付いた日焼け止め用の帽子を被っています。

この状況を受けて豪州国内では
地球温暖化問題への関心が急速に高まっており、
最近の世論調査では地球温暖化を
「核」「テロ」に次ぐ世界的な問題である、との結果がでました。

京都議定書にそっぽを向けていた豪州政府も
この世論の高まりに押されて方針の転換を始めています。

豪、温暖化対策に力 民間主催 家屋・ビル一斉消灯も

地球温暖化問題に冷淡で
激怒したオセアニアの島嶼国家から
米国と並んで「元凶」とまで名指しされた豪州ですが、
我が身がここまで打撃を受けると
もはや他人事とは言ってられないようですね。



関連資料リンク

動画:6年続く干ばつ、温暖化のもたらす深刻な影響
 オーストラリア








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コメント

FTAが有利に?

そんなオーストラリアとFTA交渉に入っている日本ですが、日本の農業にとってはまだ脅威であることには変わりないようです。

下水処理のための逆浸透膜浄水プラントと、省エネ技術は農産物の除外品目拡大に貢献できると良いのですが・・・。

  • 2007/05/17(木) 20:59:34 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

ウランが・・

地球温暖化の様相を実際に見てこいと言われたら、
「豪州に行け!」ってな感じで深刻な旱魃です。

この国は主要な輸出産業が、
農業・畜産・天然資源(石炭・ウランなど)ですが、
皮肉な話しで、石炭などの化石燃料の消費で地球温暖化が起き、
それによって農業・畜産が壊滅的打撃を受け、
しかし、ウランはCO2排出の少ない原子力に用いることで脚光を浴び、
嬉しいやら悲しいやら、よく分からない感じになっています(笑)

ハワード首相としては
旱魃対策やら京都議定書の件やらで頭が痛いわけですが、
一方で脚光を浴びているウランの売り込みに
今や目をランランと輝かせている状態です。

  • 2007/05/18(金) 00:34:30 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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