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中国諜報機関とコックス報告書

中国へ巡航ミサイル輸出図る 空軍の調達扱う台湾人 
 
 米司法省は17日、フロリダ州フォートローダーデールの
 連邦地裁で公判中の台湾人男性が、
 F16戦闘機のエンジンなど米国製装備を
 中国向けに不正輸出しようとしたことを認めたと発表した。
 男性は中国側の秘密エージェントだったことも認めている。
 対象となった装備には、
 核弾頭搭載可能な空中発射型巡航ミサイルも含まれていた。

 米国ではこれまでにも、中国の軍事スパイ事件が発覚。
 持ち出された技術には、
 核弾頭や弾道ミサイルの関連技術も含まれていた。

   (産経新聞)


中国の諜報機関と言えば
国務院の下の国家安全部と人民解放軍総参謀部第2部が有名だが、
軍事機密の窃取は主として総参謀部第2部の方が担当している。

この中国の情報機関の活動については
最近になってようやく
日本のメディアでも取り上げられるようになった。

さて、上記ニュースの後半部分、
「核弾頭や弾道ミサイルの関連技術も含まれていた」
これは1999年に米国で発表された「コックス報告書」の
内容の引用だと思われる。

未だにその真偽について
賛否両論が分かれている「コックス報告書」だが、
ここで、ざっと概要を書いておく。


「コックス報告書」。
1999年1月、米下院に設置された、
国家安全保障に関する特別委員会(委員長・コックス議員)が、
中国による米国の軍事技術スパイ疑惑などに関して
行った調査結果の報告書。

同委員会では、1998年7月から、
国家安全保障会議(NSC)や
エネルギー省などの政府職員らからの事情聴取を続け、
98年末に非公開の最終報告書をまとめた。

委員会は国家機密にかかわる部分を除き、
内容を公開する方針を固めたが、
ホワイトハウス側が難色を示したため、協議が続き、
公表は翌年5月にまでずれ込んだ。
公開された報告書では、当初の報告の約3割が削除されている。

以下、その内容。

 中国は、米国の最新鋭核兵器に関する機密情報を、
 ロスアラモス国立研究所など
 兵器技術を研究している複数の国立施設から盗んできた。
 その結果、中国は新型核兵器の研究、開発、実験を
 本来よりも相当早い時期に実施し、
 米国と同等の核兵器に関する情報を得ることができた。

 中国による情報窃取は遅くとも1970年代後半に始まり、
 90年代半ばまで重要な機密が盗まれていたことがわかっている。
 また、このような行為が
 現在に至るまで続いていることはほぼ確実と考えられる。

 中国が情報を入手した核弾頭と搭載ミサイルは、
 ◇W56=ミニットマン2大陸間弾道ミサイル(ICBM)、
 ◇W62=ミニットマン3ICBM、
 ◇W70=ランス、
 ◇W76=トライデントC4潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、
 ◇W78=ミニットマン3マーク12A・ICBM、
 ◇W87=ピースキーパーICBM、
 ◇W88=トライデントD5SLBM
 である。

 また、弾頭やミサイル以外の兵器や、
 核兵器に関連するコンピューター・プログラムも
 窃取されたとみられる。

 中国が米国の核兵器に関する機密情報を窃取するにあたっては、
 ロスアラモス、ローレンスリバーモア、オークリッジ、
 サンディアの各国立研究所が対象となった。
 その情報収集活動の中には、
 これらの研究所に勤務する職員を割り出して中国に招待し、
 民族的なつながりを持ち出すことなどで
 助力を要請していた例もあった。

 伝統的な情報機関や他の組織を利用した中国の情報活動は、
 米国の兵器技術の情報を集めることに焦点をあてていた。

 中国の科学者は、必要な情報を得るのにあたり、
 米国の情報の一部をすでに知っていると話すことで
 新たな情報を引き出す、「誘い出し」の手法も利用した。
 この手口による機密情報窃取の具体的な例は、
 機密扱いの委員会報告書に記されているが、
 クリントン政権はこれを公の場で
 明らかにすることはできないと決定した。

 中国の核兵器開発計画を
 指揮している組織である中国物理工学学会(CAEP)は、
 米国立研究所と密接な関係をつくる努力を続け、
 ローレンスリバーモアとロスアラモスに、科学者はもちろん、
 CAEPの首脳まで派遣してきた。
 1990年代半ばから後半にかけ、
 少なくとも二回にわたってCAEPのメンバーが
 情報収集のために米国立研究所を訪れている。
 中国国民が米国の研究所にいることも、
 核兵器の情報収集に寄与したのである。

 中国による技術窃取で主要な役割を果たした情報機関は、
 政府の国家安全部と人民解放軍総参謀部第二部だが、
 このほかにも政府の影響下にある研究機関や軍需産業など、
 情報活動を専門としない組織も深く関与している。

 米国にとって深刻な技術流出の多くは、
 国家安全部や解放軍の指揮・監督下にはない、
 商業的、科学的、学術的な米中の接触の中で起こったものである。

 中国は外国の技術を入手するにあたり、
 さまざまな手段を駆使している。
 この中にはロシアなどとの政府レベルの軍事移転、
 合弁事業を通じての民間技術移転、
 民生技術の軍事目的転換なども含まれる。
 また、米国内には中国系企業が三千社以上あり、
 これらの一部は人民解放軍や政府情報機関との関係がある、
 いわゆる「フロント企業」であるが、
 中国側が「商業活動」と「情報活動」の境界を
 あいまいにしていることが、
 米国のこれらの組織に対する監視を非常に困難なものにしている。

 一方、中国が訪米代表団を情報収集に利用する姿勢も際だっている。
 中国の経済活動が拡大するのに伴い、
 1996年だけで2万3千団体、
 8万人が米国を訪れたと推定されるが、
 このような訪米団参加を許可された中国国民のほとんどすべては、
 何らかの情報を収集することを要求されている。

 1998年、米国は中国と衛星打ち上げに関して
 二国間協定を締結した。
 米国は衛星打ち上げ技術の中国への輸出を許可するが、
 打ち上げに際して、
 米国がそれに関する一切の措置と情報を管理し、
 中国は許可されない情報は入手しないことが約束された。
 米国は打ち上げ現場に
 国防総省の代表者を立ち会わせ監視させることにした。

 衛星打ち上げは人民解放軍の軍事基地で行われた。
 米国の衛星メーカーは、
 そこで打ち上げ設備を管理するとともに、
 衛星や関係書類を安全に保管しなければならなかった。
 とくに書類を含め、すべての情報は
 使用しない時はカギを掛け、外部に漏れないようにされていた。

 ところが衛星メーカーのある保安担当職員は、
 「機密保護にあらゆる注意を払った」としながらも、
 「もし中国側が、衛星の打ち上げ過程を監視しようと思えば、
 それは簡単にできただろう」と証言した。

 中国の関係者は本来、
 だれも衛星本体に近付くことは許されていなかった。
 しかし、中国の軍事関係者が
 少なくとも二時間でも衛星に自由に接近できたとすれば、
 衛星の材料、エンジンや推進機のデータ、電気系統、
 暗号化技術などの機密情報が得られたという。
 特別委員会の調査結果、
 機密保持の上で数々の欠陥が発見された。
 国防総省がこれまでに報告した中国の軍事基地内の
 衛星打ち上げ場における欠陥は次の通りだ。

 中国側は、基地内の米衛星メーカーの事務所や
 衛星施設にファクスや電話、データ通信の配線を敷設したが、
 それらは情報が完全に保護されたものばかりではなかった。
 また、事務所や施設の窓や戸には、守衛がいなかったり
 カギが掛かっていなかったりした場合があった。
 とくに事務所の窓の一つは三週間も無施錠の状態だった。
 さらにカギが外された戸も発見された。
 それで重要書類が紛失するケースがあった。

 さらに、中国側と打ち合わせが行われた部屋には、
 衛星打ち上げの重要プログラムについての説明が
 書かれた黒板がそのまま放置されていたこともあった。

 衛星メーカーの社員が泊まっているホテルの部屋には、
 衛星のデジタル写真が収蔵されたノートパソコンが
 放置されていた。
 中国側が入れる所に機密情報が書き込まれたノートも
 放置されたままで、
 中国側が侵入してこれらを見ることはいつでも可能だった。

 中国は米衛星メーカーの
 ロラール、ヒューズ・エレクトロニクス両社から、
 弾道ミサイル誘導システムや
 各個誘導多核弾頭(MIRV)技術を
 入手していたとの疑いがあるが、
 こうした衛星打ち上げ場での
 機密保護の緩んだ体制に問題があったといえる。


このコックス報告書は
公表以来、その真偽について激しい議論が行われてきた。
当然の如く、中国政府は「米国の陰謀」として認めておらず、
発表当時、人民日報は連日のように反論キャンペーンを行った。

なお、上記の報告書の内容は
1999年5月27日から6月1日までの
当時の産経新聞の過去記事からの引用。


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テーマ:中国問題 - ジャンル:政治・経済

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