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ブラジルの警察「処刑部隊」・・カンデラリア虐殺事件と映画「バス174」

明日、日本対ブラジル戦で
ブラジルに対する当てつけってワケじゃないんですけど(笑)、
あの陽気なサンバとサッカーの国には
こういう側面もあるよということで書いてみました。

社会に矛盾と暗部と貧困があるからこそ、
ハングリーにたくましく生きていかなきゃいけないんだなあと
ブラジルに同情と激励をこめつつ、サラリと手短に書きました。


ブラジル警察施設・刑務所暴動 民間に拡大、死者80人超

 ブラジルのサンパウロで
 十二日夜に始まった警察施設襲撃と刑務所内暴動事件は
 十五日までに路線バスが
 焼き打ちされるなど対象が民間にも拡大、
 当局は警官、民間人ら死者が八十人を超えたと発表した。
 事態を重視したルラ大統領は特殊部隊の派遣など、
 連邦政府としての支援をサンパウロ州のレンボ知事に申し出、
 協議のためバストス法相を派遣した。
 
 地元紙などの報道によると、
 一連の事件はサンパウロを拠点とする犯罪組織、
 「州都第一部隊(PCC)」が他の犯罪組織にも呼びかけて
 起こしたものとされている。
 PCCは二〇〇一年にも刑務所内の暴動、
 〇三年には警察施設襲撃事件を起こしており、
 今回は当局がPCCの幹部ら約七百六十人の受刑者を
 警備が厳重な刑務所に移送したことへの報復として
 襲撃が始まった。
 
 PCC幹部は収監された刑務所で刑務官を
 買収、脅すなどして携帯電話を手にしており、
 携帯電話を通じて
 外部のメンバーに指示を出すことができるという。
 
 ロイター通信によると、
 PCCは十四日夜から十五日朝にかけて
 少なくとも六十五の路線バスを襲撃、民間人四人が犠牲になった。
 またサンパウロ州内の四十五カ所の刑務所で暴動が起きており、
 二百人近い刑務官らが人質に取られている。

   (産経新聞)


この先月に起きた襲撃事件ですが、
遠い南米の地の事件ということで
日本では大して話題にならなかった。

死者は約180人。
うち、警察官が約40名、刑務所官吏が約10名。
囚人が約15名、街の暴徒が約70名。
残りが巻き込まれた一般市民の死者。

この襲撃事件自体は
結局、警察と犯罪組織が極秘に「手打ち」して
終息に向かったけど、

麻薬組織サンパウロ襲撃 警察との「手打ち」獄中証言

まあ、ニュース中にもあるように
ブラジルの刑務所の現状と
警察の腐敗は日本人の想像を絶している。

一例をあげると、
ブラジルの知る人ぞ知る警察の「死の部隊」。
大企業から金をもらって
犯罪者や「ストリートチルドレン」と呼ばれる路上生活の子供、
これらを非合法に射殺してまわる。
彼等はこれを「路上の掃除」と呼んでいる。

以下、世界日報の記事から。


◆警察が「処刑」か-サンパウロ

 南米最大都市ブラジル・サンパウロ一帯で
 五月十二日から一週間にわたり繰り広げられた、
 麻薬密売組織と警察の間の「戦争」。
 同国最悪の銃撃事件での死者は、
 サンパウロ州公安局などによると警察官四十三人を含む、
 少なくとも百七十九人に上った。
 この中に、警官による「処刑」を疑わせる不審な遺体が
 少なくとも四十九体あり、当局が調査に乗り出している。
 
 地元紙が住民証言として報じたところによると、
 サンパウロ市の隣のグアルリョス市で
 十六日夜に若者八人が覆面の一団に射殺された事件では、
 発生直前に警察が現場付近をパトロール。
 若者らに身分証提示を求めていた。
 遺体から治安機関が使うような大口径の銃弾が見つかった上、
 現場から薬莢が持ち去られていることから、
 警官が不当に暗殺した疑いが指摘されている。

 このほか、無抵抗状態で
 至近距離から頭を撃たれたとみられる市民の遺体が
 少なくとも三体発見された。
 一方、地元人権団体は、
 市東部で若者五人が身分証明書提示直後、
 いきなり警官とみられる男らに射殺されたと主張している。

 同国では一九五○年代末から七○年代初めにかけ、
 リオデジャネイロ市やサンパウロ市で
 「死の部隊」と呼ばれる警察官の秘密組織が存在し、
 法の目をかいくぐる犯罪者を殺害。
 九三年には、リオでストリートチルドレン八人が
 地元住民に雇われた警官グループに殺害されたほか、
 仲間を殺害された警官らが貧民街の住民二十一人を
 射殺する復讐劇もあった。
 昨年三月末にも、リオ郊外で
 一般市民三十人が殺害される事件が発生。
 直後に警官八人が逮捕されたが、
 これは汚職追放キャンペーンへの反発が
 原因だったとされている。

   (世界日報 2006/06/19)


ニュース中の、

  九三年には、リオでストリートチルドレン八人が
  地元住民に雇われた警官グループに殺害された

これは「カンデラリア虐殺事件」と呼ばれている。

1993年7月23日未明、
リオデジャネイロの中心街、カンデラリア教会前で
約70名のストリートチルドレンが複数の警官の銃撃を受け、
8名が即死、2名が近くの海岸に連行され射殺された。

この事件以来、
ストリートチルドレンに冷淡だったブラジルで
轟々たる警察への非難が巻き起こった。

ブラジル映画に
「バス174」というドキュメンタリーの秀作がある。
私なんかも見よう見ようと思いつつ、いまだに見れてないけど、
ブラジル社会の暗部をえぐった映画。
ストーリーは以下のとおり。


goo 映画:解説「バス174」

 2000年6月12日。
 リオデジャネイロ〈174路線〉バスに乗り込んだ男が、
 拳銃を手にし、乗客11名を人質に取って立てこもった。
 犯人のサンドロと警察の緊迫した交渉が続けられる中、
 ブラジル中のメディアはこの事件をこぞって報道。
 「自分はカンデラリア教会虐殺事件の生き残りだ」と
 発言するサンドロに対し、
 メディアの報道はさらに熱を帯びていく。
 加熱する報道にパニックになったサンドロは、
 「6時に人質を殺害する」と宣言。
 そして事件は最悪な方向へと動き出していく。

 リオデジャネイロで実際に起きたバスジャック事件を軸に、
 ブラジルが抱えている社会背景に迫ったドキュメンタリー。
 事件の犯人サンドロは、なぜこのような事件を起こしたのか?
 この疑問を抱えながら、監督のジョゼ・パジーリャは
 サンドロの過去を取材し、
 若干20歳の若者や子供たちがおかれている暴力と貧困の
 悲惨な状況を克明に映し出していく。

 ストリート・チルドレンはブラジルの深刻な社会問題だ。
 サンドロ事件は終わりを迎えたが、
 果たして本当の犯人は誰だったのか……


犯人のサンドロは「カンデラリア虐殺事件」の生き残り。
最終的に彼は警察に捕まり、
その場でパトカーの中で警官に首を絞められ、
窒息死させられてしまった。
後に、この警官は陪審員の判断で無罪となっている。

映画はドキュメンタリーであり、事実をそのまま描いている。
内容を詳しく知りたい方は
「バス174」でググってみればいい。
その内容に衝撃を受けるでしょう。



関連資料リンク

14州に警官処刑部隊=暗躍の可能性報告

バス174 スペシャル・エディション


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コメント

サッカー留学の功罪

光文社の「VS」で、カネコタツヒト氏が綴る「遙かなるセレソン」という連載を欠かさず読んでいます。

日本の高校にサッカーでスカウトされた日系ブラジル人のお話なのですが、ブラジルの治安の悪さを「ブラジルでは下を向いて歩かなければならなかった」と表現しておりました。
スニーカーを履いた少年に囲まれたら次の瞬間に引ったくりに遭うので、下を向いて靴を確認しながら歩く癖が付いていたそうです。
日本の治安の良さ(ずいぶん悪くなったと私には思えますが)にカルチャーショックを受けたようです。コンビニはお釣りを誤魔化さないし、間違えたら追っかけてきて足りない分を渡す、引ったくりに遭うこともなく、下を向いて歩く必要がない・・・いつかは祖国に帰るとしても、このまま自らのルーツである国にいても・・・と思うのは自然の流れなんでしょうか。

脱石油時代が到来すると、ブラジルは超大国の仲間入りをすると私は踏んでいます。最後は食料であり、水です。今の先進国も、このままジリ貧で終わるはずはありませんが、BRICSが超大国になるかならないかはまだまだ多くの紆余曲折がありそうです。地球の酸素を左右する国として、その存在感はオイルダラーよりも人類の存亡に大きな影響力を示すかもしれません(^^;。

前のワールドカップでも、日本のファミレスにデジカメを忘れたスウェーデン人が、半ば諦めてファミレスに戻ったところ、ちゃんとデジカメがあったことに驚きと喜びを隠さなかったなんて報道がありましたが、当時もデジカメは街にあふれていたし、誰もが「欲しい」と思うものではなかったことが大きいと思います。

この世界では希に見る良好な治安は日本の官僚機構の「功」の部分として積極的に評価したいと私は思うのですが。

  • 2006/06/21(水) 18:49:56 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

日本的倫理

日本は江戸時代にすでに治安はよかったようですね。
あの戦国時代ですら
領国大名の統治が確立された後半あたりからは
普通の市井においては治安はそこそこ良かったみたいですね。
信長なんかは「一銭斬り」なんてやりましたし。

> この世界では希に見る良好な治安は
> 日本の官僚機構の「功」の部分として
> 積極的に評価したいと私は思うのですが。

同意します。
まれにみる治安の良さですね。

あと、国民性も大きいでしょう。
日本の国民性を単純に二言で言うと、
「和」と「秩序」でしょう。

システム的な部分もそうですが
その背景にはそうなさしめている国民性と
日本的倫理観があると思います。

逆に言うと、これが壊れたら日本は終わると思います。
そういう兆しのようなものが少し出始めていて
国家の将来に不安を感じます。

今後、ブラジルは発展すると思いますよ。
そんなにかの国に詳しいわけじゃないけど、
発展を阻害する固陋な思想的呪縛みたいなものが
無いように感じます。

  • 2006/06/21(水) 23:42:33 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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