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イラクの現状を伝えるブログと「民主化」という信仰

6月13日付けのニューヨークタイムズに
イラクの現状を伝える興味深い記事が載ってました。

以下、引用します。


◆戦時下の生活

 タイムズ・スクエアで
 2006年の新年を祝った紙吹雪の片付けが終わったころ、
 少数のイラク人ブロッガーたちが
 タイムズ紙に情報提供を開始した。

 年の初めは、ブロッガーたちの苦情のタネは
 自動車爆弾よりも新年を祝う気にもさせない停電や
 闇市での燃料の高値、夜間外出禁止令に関するものが多かった。
 だがいつもそうではない。
 バグダッドで歯医者をしているゼヤドは1月、
 「この2年の間に私は2回の武力衝突と
 1回の自動車乗っ取り事件の現場からほうほうの体で逃げ出した。
 2人の人が頭を撃ち抜かれるのを目撃したし、
 弾丸を浴びた子どもが私の友人と私に
 病院に連れて行ってくれと懇願するのも見た。
 つい最近はバグダッドの公道で私の乗ったタクシーが
 米軍の車列の後ろで車を道路側に寄せたところ、
 1人の米兵が理由もなく私を目がけて発砲したが、弾はそれた。
 タクシーの運転手はきっとゴム弾だったのだよと
 私を慰めてくれた」と書いてきた。

 5月に3人のブロッガーが戻ったとき、
 彼らの書く情報は変わっていた。
 粗末なインフラや米兵から逃げ隠れする話は減って、
 イスラム過激派に対する不安や
 スンニ派とシーア派の殺し屋たちが
 近隣に恐怖をもたらしている話が増えた。
 彼らが繰り返し指摘した転機は、
 2月22日に起きたサマラにあるシーア派アスカリ聖廟の
 黄金のドームの破壊だった。
 ブロッガーたちは、タリバンのようなイスラム過激派の存在が増えて
 バグダッドの住民に暴力的に制限を加えていると
 書くことも多くなった。
 「彼らは殺すと脅して彼らのルールを押し付けている」
 と大学生のハッサンは5月に書いた。

 ハッサンは6歳の妹について書いた。
 誘拐されたり、殺されたりすることを恐れて、
 家族が外で遊ぶことを許さない。
 妹は「動物園に行ったことがないし、
 公園にも一度しか行っていない」というのだ。

   (ニューヨーク・タイムズ 2006/06/13)


実に生々しいですね。

イラク戦争当時、従軍した米兵や
バクダットに住むイラク人などがブログで情報を発信し続けた。
特にサラーム・パックスというイラク人による、
「バグダッドからの日記」が有名だった。
これを「WIRED NEWS」なんかが盛んに取り上げていた。

サラーム・パックス―バグダッドからの日記

ブログはこういう点は凄いよね。
生の情報を現場から伝えてくれる。

あの中国での反日暴動のおりは
中国の日本人留学生などが
暴動の様子を現場レポートでブログに投稿してたけど、
あれも凄かった。
上海では当局が、暴徒の日本領事館への投石を
全く制止しなかった様子などが書かれていた。

上記ニュースは
現場の状況を知るもののみが語れる臨場感がある。
生の言葉そのものだね。

一方、イラク絡みでこんなニュースも。


「民主化」はほとんど失敗 米政治学者が事例研究

 米国が軍事力を背景に
 イラクなどで進める民主政権づくりについて、
 日本やドイツを含む過去150年の事例から
 「ほとんど失敗している」と指摘する米政治学者の論文が
 このほど発表された。
 ブッシュ大統領は先日のバグダッド訪問で
 米国がイラク政府を全面的に支える方針を強調したが、
 歴史の教訓からすると、道のりは険しそうだ。
 
 発表したのは、
 エール大学などで政治学を教えたジェームズ・ペイン博士。
 米英両国が、軍事力を背景に民主政権づくりに努めた51例を
 150年前までさかのぼって調査。
 成功例とされているのは戦後の日本、ドイツ、イタリア、
 パナマ、フィリピンなど14件、27%だった。

   (共同通信)


だそうです。
当然といえば当然の気が。

民主主義が成り立つのは
それを成り立たしめる歴史的・文化的条件があるのであって、
その国の国民なり民族なりが
それを構築せしめる価値観を持ってなきゃ無理。
山本七平さんが言った「掘り起こし共鳴現象」ってやつかな。

これが無ければ民主主義の導入は単なる衆愚政治や、
多数派が少数派を虐待する構図になる。
アフリカなんかの部族間抗争はだいたいこのパターン。

米国は戦後この方、
全世界の様々な国に介入し続けたけど、
その中で民主主義が確立しえた国はむしろ少数でしょう。

いい加減に学習しなさいよという感じ。
民主主義というシステムの導入よりも
そのシステムを成り立たせている価値観を導入する方が
結果的に遠回りに見えて近道だと思うんだけどなあ。

あれほど過去の事例に学ぶことに熱心な国が
こと国家理念に関する部分になると
痴呆症にかかったように全く周囲が見えず、
先例と現実を受け付けなくなる。
国際政治の七不思議の一つだな(笑)



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