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テポドン発射と日本の防衛体制・・その不備と悪弊

検証・テポドン発射、そのとき 日米の態勢は…

 北朝鮮による長距離弾道ミサイル、
 「テポドン2号」の発射の動きは、
 日米首脳会談の主要議題となり、多くの時間が割かれた。
 日米両政府は、結束し毅然とした姿勢で
 この問題に対処する方針だが、
 実際にミサイルが発射された場合の態勢は果たして万全なのか―。
 現状と課題を検証する。

 ■同盟の破綻
 自衛隊が日本をカバーする「防護の傘」を備えるのは平成23年度。
 しかし、それが備わったとして、
 アラスカまで届く射程のテポドン2号が
 仮に米国へ向け発射されたとしても、日本は迎撃しない方針で、
 日米同盟の新たな「片務性」が創出される危険をはらむ。
 
 ネックは、ここでも集団的自衛権だ。
 政府は昨年、自衛隊法を改正し、
 迅速にミサイルを迎撃するための手続きを定めたが、
 そこでは迎撃対象を「日本に向け現に飛来する弾道ミサイルなど」
 と限定している。
 米国へ放たれたミサイルを迎撃することは
 「集団的自衛権の行使であり、できない」
 (大野功統前防衛庁長官)というのだ。
 
 ■首相が欠けると
 仮に、首相が攻撃や被害を受け、職務を執行できなくなった場合、
 あらかじめ閣議決定されている閣僚が、
 優先順位に従い臨時代理として首相の職務を代行する。
 現行では(1)安倍晋三長官(2)谷垣禎一財務相
 (3)麻生太郎外相(4)与謝野馨経済財政担当相
 (5)中川昭一農水相―の順になっている。
 
 しかし、この5閣僚がいずれも
 職務を行えない状況になることは想定されていない。
 そうなれば、国会を召集し
 首相指名選挙で新たな首相を決めない限り、閣議も開けず、
 武力攻撃の認定はおろか、防衛出動もできない状況が続く。
 
   (産経新聞)


元記事はこれ以外に
テポドン発射を題材にして日本の防衛体制の不備を書いている。
武器の整備・運用面、法制面などなど。

産経の記者がテポドンにこと寄せて
日本の防衛システムの愚劣さに憤りつつ書いてる感じで、
見ていてこっちも危機感に駆られてしまう。

この問題に関心のある人は
是非とも元記事を読んでみてください。

さて、ここでは
「集団的自衛権」の問題と
「首相の指揮継承順位」の問題について書きますが、
この2つだけ取ってみても
いかに日本が戦後、脳天気な国に成り果てたかが分かると思う。


<集団的自衛権>

弾道ミサイルの迎撃に関する集団的自衛権の問題に関しては
前々から愚劣なもんだと思ってました。
つまり、内閣法制局の発する集団的自衛権に関する憲法解釈、

 「国際法上保有しているが、憲法上は行使できない」

こいつに縛られて
同盟国に飛んでいく弾道ミサイルを傍観するしかない。

仮にそれが核ミサイルであると分かっていても
それが爆発すれば米国に強烈な惨禍をもたらすと分かっていても、
また、日本がそれを楽勝で迎撃できる、
優秀な兵器を仮に持っていたとしても、
みすみす傍観しなきゃいけない。

アホかと。
同盟瓦解ですよ、これじゃあ。

ここではこれがいいかどうかは別として
集団的自衛権に関する憲法解釈に限定して話しをしますが、
私自身はこの解釈は間違っていると思う。

雑誌「諸君」の5月号で佐瀬昌盛さんが書いてるとおり、
現在の集団的自衛権に関する内閣法制局の見解、

  国際法上保有している
     ↓
  憲法上は行使できず

この2段論法はどう見てもヘンテコリン。

本来ならば、もう一段加わるべきでしょう。
即ち、

  国際法上保有している
       ↓
  でも、憲法上は保有してない
       ↓
  だから、憲法上は行使できず

2段目の「憲法上保有しているか否か?」の部分が
抜け落ちている。
これはハッキリ言って意図的なもので
内閣法制局はわざとここの部分をぼかしている。

何故か?
それは当然のことながら
日米安保条約との整合性が取れなくなるため。

安保条約の前文

 日米両国は「伝統的に」存在する友好関係を強化し、
 自由と法を守る事を希望する。
 また経済協力を促進し、経済的安定と福祉の強化を望む。
 更に国連憲章にある「個別及び集団的自衛権」の
 権利がある事を確認する。

しっかり、「個別及び集団的自衛権」の権利があると書いている。

さらに第五条

 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、
 いずれか一方に対する武力攻撃が、
 自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、
 自国の憲法上の規定及び手続に従って
 共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

この条約を日本は米国と締結しているわけだけど、
法制局は憲法解釈として
「憲法上行使できず」に持っていきたいために
あえて「憲法上保有しているか否か?」の部分をぼかしている。

「保有している」と言えば
じゃあ、行使できるじゃん、ってことになるし、
「保有してない」と言えば
じゃあ、日米安保条約はどうなるんだ?
廃棄するのか?
ってことになる。

行使させたくない、
でも、安保条約は結んじゃった。
だから「憲法上保有しているか否か?」を意図的にぼかし、
ただの2段論法で

  国際法上保有している
     ↓
  憲法上は行使できず

な~んて言ってる。
もうアホかと。
いい加減にこういう馬鹿な解釈はやめてほしいね。

だいたい、法制局なり、日本の政治家は
「自衛権」ってものを
個別的自衛権と集団的自衛権の二つに峻別するのが好きだけど、
これは単なる概念定義上の便宜的分類にすぎない。

今や自然法上、全ての国家に
個別・集団両方の自衛権があるってのは国際的な常識だし、
日本人が大好きな国連の国連憲章第51条では、
個別的自衛権と集団的自衛権を国家の固有の権利と認めている。

いい加減に憲法解釈を変更すべきでしょ。

そもそも今のこの解釈は
時代と共に変遷しているのであって、
たとえば1960年の国会で岸首相は、

 「いっさいの集団的自衛権を持たない、
  憲法上持たないということは言い過ぎ」

 「他国に基地を貸して、
  協同して自国を守るというようなことは、
  当然従来集団的自衛権として解釈されている」

などの答弁を行なっている。

同盟国に飛んでいくミサイルを
撃ち落とす手段を持ちながら傍観する国家。
サマウに派遣された自衛隊員が
目の前で英軍なり豪軍なりの兵士が
武装勢力とドンパチの激戦をやっていても
それをポカーンと見ているしかない悲しい国家。

もう「集団的自衛権論争」なんていう
アホらしいらしい論争はケリをつけて、
同盟国なり友好国を、国家が必要とあれば
武力で守る、援護するのは当然という方向に変えてほしいね。


<首相の指揮継承順位>

もう一度、上記ニュース中から抜粋。

 仮に、首相が攻撃や被害を受け、
 職務を執行できなくなった場合、
 あらかじめ閣議決定されている閣僚が、
 優先順位に従い臨時代理として首相の職務を代行する。

 現行では(1)安倍晋三長官(2)谷垣禎一財務相
 (3)麻生太郎外相(4)与謝野馨経済財政担当相
 (5)中川昭一農水相―の順になっている。
 
 しかし、この5閣僚がいずれも
 職務を行えない状況になることは想定されていない。

要するに、首相以下の6人全員が、
ミサイルか何かが直撃して死んじゃったらどうするの?と。

そうなったら日本は誰が動かすんですか?
指示命令は誰が出すんですか?
わざわざ国会開いて次の首相を選ばないといけないんですか?

この継承順位は
内閣が変わるたびに、その都度、
誰の次は誰、その次は誰、と決めてるそうだね。

米国なんかはどうかというと、
「大統領職継承順位法」って法律があって、
大統領が死亡した場合または執務不能となった場合は、

1,副大統領
2,下院議長
3,上院の議長代行
4,国務長官
5,財務長官
6,国防長官

と定めており、
以下、復員軍人長官に至るまで
政府要人16名に継承順位を付けている。

この細かい継承順位の理由は
米国は核戦争の危機を想定しているから。

核で周囲一帯が破壊されて
政府要人が一気に死亡しても
誰かが継承できるように順位を決めてある。

米国では、原則として全閣僚が揃う事はない。
年一度の連邦議会での大統領による一般教書演説には、
必ず閣僚の一人が欠席し、議会外にいる。
また、正副大統領が同じ飛行機に乗らない。
ここらへんも米国の危機管理の意識の高さだね。

たとえば9・11テロの時はどうだったか?
テロリストにより世界貿易センタービルや
国防総省が攻撃を受けた後、ブッシュ大統領は
空軍機の護衛を付けた大統領専用機に乗り転々と居場所を変えた。
また、他の政府要人も皆それぞれ別の場所へ避難した。
一度に要人が殺されて
米国が機能麻痺の事態に陥るのを避けるため。

この時、日本政府はどうだったか?
閣僚全員に安全保障会議を招集し、
たまたま出張中だった二閣僚を除く全閣僚が出席した。
・・・・嗚呼、なんて脳天気なんでしょ。

ハッキリ言って
危機意識が欠如しすぎている。
みんな殺されちゃったらどうするのか?
最悪の事態を想定して
法で継承順位をあらかじめ定めるべき。

組閣の都度、閣議で順位を申し合わせるなんてことをせずに
法で職務順に固定すべきだな。
こういうのは法で明確に固定し、法の権限のもとで行わないと、
不測の事態が生じた場合、
ああでもない、こうでもないなどと言い出すような、
混乱の芽は事前に摘み取っておくべき。

また、副総理の職を常設すべき。
で、総理と副総理は出来るだけ行動を共にしない。
一人が海外に行く時は、もう一人は必ず国内に残る。
一人が休暇を取る時は、もう一人は必ず職務についている。

だって、いくら安倍さんが有能だって
首相の次が官房長官って順位はハッキリ言って変な話しだよ。

日本型組織の悪弊で
トップが死んだら、脇の参謀が指揮を執ろうとする。
ラインとスタッフの区別がついてないね。


まあ、2つのことを書いてきました。
集団的自衛権と首相の継承順位。

いい加減にこういう「戦後平和主義」の愚かな悪弊を
まともな方向に清算していただきたいものです。
切に祈っております。



関連資料リンク

日本財団図書館:「集団的自衛権」政府解釈への徹底批判

ys:“保有”するが“行使”できない集団的自衛権
  この呪縛を即刻解き放て

集団的自衛権の政府解釈 安倍氏、検証に意欲

MRI:Remember 9.11 ~指揮系統における教訓~





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