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韓国:過激労使紛争の顛末・・ポスコ社占拠事件

民主労総のポスコ占拠、政府の強硬方針で自主解散  
 
 13日から慶尚北道浦項市ポスコ本社を占拠し、
 立てこもりを続けていた、
 全国民主労働組合総連盟(民主労総)建設労組員らが
 21日0時から自主解散した。
 一部強硬派はこれを拒否しているが、
 ほとんどすべての労組員が解散したことにより、
 浦項ポスコ本社デモは最終局面を迎えている。

 「決死抗戦」を叫んでいた組合員らが白旗を掲げたのは、
 政府が相次いで強硬方針を明らかにしたため。
 20日午後12時、李相洙労働部長官は
 「建設労組員の占拠は明らかな不法行為であり、
 自主解散しなければ強制鎮圧すると聞いている。
 自主解散しなければ不幸な事態を招くことになる」とし、
 当局者としては初めて強制鎮圧の方針を明らかにした。
 これに続き、大統領府の鄭泰浩スポークスマンは
 「暴力行使および主導者をはじめ、
 暴力行為の加担者に対し厳しく責任を問う」と圧迫をかけた。

 当初、組合員らは火炎放射器型の武器、
 大理石、れんが、糞尿などを積み、
 各階に100~300人ずつ集まっていたが、
 政府の強硬方針が明らかになった直後、
 ほとんどが立てこもりを中断した。
 一部の強硬派が出て行こうとする組合員に対し、
 「警察は自主解散した労組員を処罰しないという約束を守らない」
 「今、出て行けばポスコ側が
 数億ウォンずつ支払わなければならない」などの言葉で引きとめ、
 再び正門にバリケードを張ったものの、
 組合員を引き止めることはできなかった。

   (朝鮮日報)


ポスコは韓国の製鉄会社。
1973年に新日鐵の協力で作った浦項製鉄所が
2000年に民営化されたもの。
粗鋼生産高で世界第五位で、現在も新日鐵と提携関係にあり、
日本語のサイトも持っている。

POSCO(日本語サイト)

さて、この韓国の大企業で労使紛争が発生。
もっとも、ポスコの製鉄所の労働者ではなく、
ポスコが仕事を発注する下請け企業の労働組合員たちが
労働環境の改善を訴えて、ポスコ本社のビルを占拠した。

これを背後で煽ったのが
韓国一の武闘派労組の民主労総(民主労働組合総連盟)。
彼等は浦項市のポスコ社のみならず、
現在、蔚山市でも現代自動車に対して過激ストを行っている。

私は、このポスコのストが今月13日に始まって以来、
その動きをニュース報道で興味深く追いかけていた。
それは韓国の盧武鉉政権がその左翼的体質から
自らの支持層である労組や左派市民団体に対して弱腰で、
結果、韓国では暴力デモや過激なストが頻発し、
企業は生産力を落とし、外資は撤退を始めているから。

その実例をウオッチしてやろうと
この「ポスコ紛争」関係の報道を注視してきたけど、
いやあ、これが全く凄いんですよ。

経緯から言うと、
ポスコ本社に民主労総の活動家たちが
追しかけてくるという情報は、
事件前から警察に入っていたらしい。

地元警察が警官500名をポスコ本社周辺に配置すると、
今月13日になって数千人の民主労総の組合員が押し寄せ、
すったもんだの大乱闘の上、少数の警察部隊は追い散らされ、
ポスコ本社ビルの5階から12階までが
千人の組合員により占拠されてしまった。

警察もこれに懲りて最盛期には7千人の部隊で包囲したが
もはや後の祭り。
本社を占拠されたポスコは、幹部の20人が人質となり、
中枢機能が消えたために会社組織として麻痺状態に陥った。
これに地元の浦項南部警察署長が責任を取って辞表を提出。

面子を潰された形の警察は、ポスコ本社を解放せんと
16日夜にビルに突入を開始した。
しかし、労組は鉄パイプのみならず、
なんと火炎放射器や糞尿までを用意して
雨あられと炎と人糞をまき散らして警察を撃退してしまった。

また、この日の昼には、
占拠中の組合員の家族約400人がポスコ本社の前の国道で
「弁当を渡してくれ」として道路を占拠し、
警察と小競り合いを繰り返し、
交通が全面麻痺するという一幕もあった。

ちなみに、これが警察がビデオで撮影した火炎放射器の画像。

    2006072140548.jpg

労組の火炎放射器は
20キロのLPGボンベにゴムホースを連結させて作ったもの。
画像の下の方で伏せている人が警察官らしい。
なんとも哀れな。

さて、さらに図に乗った民主労総は
全国各地で数千人の組合員を組織して
浦項市のポスコ本社に増員部隊を送り込もうとする。
まさに「敵はポスコ本社にあり。浦項に集結せよ」状態だったが、
さすがに韓国の警察も面子にかけてこれを阻止。

特に19日にはポスコ本社周辺で
進撃してきた蔚山・大邱・釜山からの労組応援部隊4千人と
警察の守備隊7千人が激突し、
労組側は鉄パイプと角材を振り回して、
投石戦を繰り広げるやらで大激戦となったが、
結局、あえなく警察に鎮圧されてしまった。

ここまでの大騒ぎに韓国社会は沸騰し、
労組のあまりの秩序紊乱行為に非難が殺到した。

しかし、当初、盧武鉉政権の反応は鈍く、
なんの対応もなかったが、
ようやく20日になって

  「政府は違法占拠に対し、
  法と原則に従い厳重かつ断固とした対処を行う」

  「暴力行使および主導者をはじめ、
  暴力行為の加担者に対し厳しく責任を問う」

とのコメントを発表した。

これに、何千人もの警察に包囲され、
断水と食糧不足に疲労困憊した労組の占拠部隊からは
少しずつ投降者が現れ始め、
これを労組の過激派が鉄パイプで殴ったりと、
もはや内部は地獄のような状況となった。

そして、21日未明、占拠者の多数が投降し、
警察から取り調べを受け、
このうち幹部クラスの17人を逮捕した。
さらに100名が残ってるらしいが
これも逮捕は時間の問題でしょう。


さてさて、もの凄い、日本ではあり得ないような
韓国社会の一幕ですが、
上述したとおり、
これは盧武鉉政権の左派に対する弱腰が大きく影響している。
まあ、自分の支持層だしね。

今月12日にソウル市庁前広場で行われた、
「韓米FTA反対デモ」では
デモ参加者は、警察に対して竹の棒や鉄パイプを振り回し、
歩道ブロックを割って投げつけるなど、暴力行為を行い、
警察官10名が負傷した。

最強だったのが
5月の京畿道平澤の米軍基地拡張阻止デモで、
デモ隊が棍棒で軍の将兵を突いたり、ぶん殴ったりして
将兵約10名が負傷した。
腕を骨折した兵士2名は
ヘリコプターで病院に搬送され、治療を受けた。

この時、韓国の尹光雄国防長官は、

  「デモ隊の暴力に対し
  忍耐をもって自制したことに、頼もしく思う。
  これからは警棒や盾など護身装備を
  つねに持参してほしい」

と言い、軍将兵の顰蹙を買った。
「俺たちゃ殴られ人形かよ」ってね。

まあ、こんなわけで、
トップの盧武鉉以下、韓国政府は
デモやストライキに対して低姿勢であり、
これが末端の警察や軍の指揮官の姿勢に影響を及ぼしている。

強硬な態度をデモ隊に対して取れば、
「やりすぎだ!」とばかりに
処罰や左遷の対象になりかねない。
上が軟弱ならば下も軟弱に染まってしまう。

だから、労組も左派市民団体も
こういう社会風潮に驕り、世間をなめて過激な行動に出る。
そもそも一つの企業のビルを違法に占拠して、
それが許されるわけがないと
普通に考えれば分かりそうなもんだが、
彼等は「俺たちが作った盧武鉉政権」と思いこんでいるから、
自分たちの過激行動が通用すると錯覚してしまう。

結局、過激が過激を呼び、
社会がそれに批判の嵐を浴びせ始めると、
慌てた政府は「断固たる処置!」と言い始め、
労組はそれに意気阻喪し、過激行為はそこで終結する。

じゃあ、最初から「断固」と言えよ、と思ってしまうが、
それが言えないのが盧武鉉の常。
労組、市民団体、彼等を弾圧するなんて
これは「かつての仲間」に対する裏切りに等しい。
元人権派弁護士の盧武鉉と
彼の左派ブレーンは躊躇するのだろうね。



関連資料リンク

組合員が明かす「地獄の9日間」 ポスコ労組スト終結

民主労総は民生の敵、公共の敵になるのか

ポスコ占拠事態、政府と警察の態度が事態悪化招く

外国人の目に映った韓国のデモ文化


関連過去記事(本店ブログ)

盧武鉉政権:誕生前夜 その1・・国家の岐路





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コメント

逆を言えば

日本の社民党や共産党の幹部に言いたい。
この韓国のようなキチガイじみた行動をやる覚悟があれば(国家騒乱罪で死刑になる覚悟があれば)国民は社民党や共産党の言うことにも耳を傾けると思うんだけど・・・。

  • 2006/07/24(月) 18:45:01 |
  • URL |
  • クマのプータロー #-
  • [編集]

40年前

いやいや、実際にやられちゃ困りますよ (^_^;
実際、浦項市民はいい迷惑だったらしいですよ。

それに過去にそれをやって国民が興醒めして
左派の退潮となったんじゃないですかね。
たとえば浅間山荘事件など。

ほとん40年遅れぐらいで
韓国は日本の辿った過程を追ってるんでしょうか。

  • 2006/07/26(水) 01:25:11 |
  • URL |
  • ケイ@管理人 #-
  • [編集]

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